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乳癌スライドデッキ2017 以下の会議で発表された特定の抄録:

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1 乳癌スライドデッキ2017 以下の会議で発表された特定の抄録:
ESMO 2017年会議 2017年9月8日~12日 スペイン、マドリード

2 IBCSGからの書簡 親愛なる会員の皆様 今回、このIBCSGスライドセットをご紹介できることを大変光栄に思います。このスライドセットは、2017年に開催された 主要な学会で発表された、乳癌に関する重要な所見に焦点を合わせて概要を示すことを目的としています。このスライ ドセットは、特にESMO 2017年会議に焦点を合わせたものとなっており、英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイ ン語、および日本語でご利用いただけます。 腫瘍学における臨床研究の分野は、絶えず変化し続ける、厳しい環境下にあります。そうした環境下において、我々は 皆、科学者、臨床医および教育者としての役割において、知識の深化を促進し、さらなる進歩の契機をもたらしてくれる、 科学的なデータや研究所見の入手の機会を貴重なものであると考えています。乳癌の領域における最新情報に関する 今回のレビューが、皆さまの臨床診療にとって有益なものとなることを期待しています。本件につきましてご意見・ご感想 最後に、このような活動の実現に際し、資金、運営管理および物流管理の面においてご支援いただいたLilly Oncology社様に心より御礼申し上げます。 敬具 Rolf Stahel IBCSG基金評議会会長

3 IBCSG 腫瘍内科研究スライドデッキ 編集者(2017年)
Giuseppe Curigliano 欧州がん研究センター、イタリア ミラノ Guy Jerusalem C.H.U. Sart Tilman、ベルギー リエージュ Konstantin Dedes チューリッヒ大学病院 がんセンター 、スイス チューリッヒ

4 目次 早期乳癌 進行性/転移性乳癌 第一選択治療 第二選択以降

5 早期乳癌

6 レトロゾール2.5 mg/日+パルボシクリブ125 mg/日 3w/4
LBA9: 乳管癌のネオアジュバント療法としてのレトロゾール及びパルボシクリブと、第3世代化学療法の比較 UNICANCER-NeoPAL試験 – Cottu P et al 試験の目的 乳管癌のネオアジュバント療法としてのレトロゾール+パルボシクリブの評価 主要な患者選択基準 第II~III期乳癌と新たに診断された閉経後女性 生検ER+、HER2– リンパ節転移の状態が入手可能 ER Allredスコア≧4 乳房温存の候補患者ではない (n=184) レトロゾール2.5 mg/日+パルボシクリブ125 mg/日 3w/4 層別化 T2又はT3 ルミナルA型又はルミナルB型 第20週で手術* R 1:1 3x FEC-100 q3w その後3xドセタキセル 100 mg/m2 q3w 主要エンドポイント 症例の20%以上で手術によるRCBが0~1とな ること(帰無仮説をRCB 0~1とする)(p0 – 0.20) 副次的エンドポイント 有効性、安全性、バイオマーカー *手術はパルボシクリブ最終投与の24時間後に実施 Cottu P, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr LBA9

7 LBA9: 乳管癌のネオアジュバント療法としてのレトロゾール及びパルボシクリブと、第3世代化学療法の比較 UNICANCER-NeoPAL試験 – Cottu P et al
主な結果 レトロゾール+パルボシクリブ 化学療法 n (%) 95% CI 中間解析(n=60) 局所RCB 0~1 1 (3.3) 0, 9.8 3 (10) 0, 20.7 最終解析(n=103) 局所RCB分類 0~I 4 (7.7) 0.4,14.9 8 (15.7) 5.7, 25.7 II~III 48 (92.3) 43 (84.3) 安全性 患者、% レトロゾール+パルボシクリブ (n=53) 化学療法(n=53) 好中球減少症(グレード3) 23 10 好中球減少症(グレード4) 1 11 発熱性好中球減少症 6 SAE 2* 17† 用量減量/投与中断 16 (ドセタキセル) 早期投与中止 2 7 *子宮内膜癌、中球減少症†中球減少症/S状結腸膿瘍/閉塞性症候 群/腎盂腎炎/下痢 Cottu P, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr LBA9

8 LBA9: 乳管癌のネオアジュバント療法としてのレトロゾール及びパルボシクリブと、第3世代化学療法の比較 UNICANCER-NeoPAL試験 – Cottu P et al
主要な結果(続き) 最終的にRCB 0(pcR)及びRCB IIIが認められた患者の割合は、治療群間で近似していた RCB分類0:レトロゾール+パルボシクリブ群2/52(3.8%)、化学療法群3/51(5.9%) RCB分類III:レトロゾール+パルボシクリブ群21/52(40.4%)、化学療法群24/51(47.1%) Ki67値の急激な低下が両群で認められた(レトロゾール+パルボシクリブ群で–0.95、化学療法群で– 0.86) 結論 本パイロット非比較無作為化試験では、主要エンドポイントが達成されなかった。高リスク乳管癌患者 では、両群においてpCR率の低下が認められた パルボシクリブ+レトロゾール群とネオアジュバント化学療法群の患者には近似した臨床的有効性が認 められた ネオアジュバント療法の環境における、化学療法と非化学療法の間の共有エンドポイントを定義する必 要がある これらの患者を対象とする代替戦略としてのCDKi使用を検証するためにさらに多くの試験が必要である Cottu P, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr LBA9

9 レトロゾール2.5 mg/日+ taselisib 4 mg 5日間投薬/2日間休薬
LBA10_PR:LORELEI:ER+/HER2陰性早期乳癌(EBC)を有する閉経後女性を対象に、ネオアジュバント療法としてのレトロゾール(LET)+taselisibとLET+プラセボ(PLA)とを比較する第II相無作為化二重盲検試験の主要な結果 – Saura C et al 試験の目的 ER+/HER2陰性早期乳癌を有する閉経後女性を対象に、ネオアジュバント療法としてのレトロゾール +taselisibとLET+プラセボとの比較評価を行うこと レトロゾール2.5 mg/日+ taselisib 4 mg 5日間投薬/2日間休薬 主要な患者選択基準 未治療の閉経後女性 第I~III期の手術可能な乳癌 ER+/HER2– MRI検査で≧2 cmの腫瘍 (n=334) 手術 層別化 腫瘍サイズ(T1~2とT3) リンパ節転移の状態 R 1:1 レトロゾール2.5 mg/日+ プラセボ 5日間投薬/2日間休薬 手術 複数主要エンドポイント 乳房MRI検査に基づく中央の評価によるORR、 乳房及び腋窩におけるpCR率 副次的エンドポイント PIK3CA変異の患者におけるORR及びpCR、 Ki67値、PEPIスコア、安全性、PRO Saura C, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr LBA10_PR

10 LBA10_PR:LORELEI:ER+/HER2陰性早期乳癌(EBC)を有する閉経後女性を対象に、ネオアジュバント療法としてのレトロゾール(LET)+taselisibとLET+プラセボ(PLA)とを比較する第II相無作為化二重盲検試験の主要な結果 – Saura C et al 主な結果 ORR 無作為化されたすべての被験者 PIK3CA変異腫瘍を有する被験者 オッズ比:1.55 (95%CI 1.00, 2.38; p=0.049) オッズ比:2.03 (95%CI 1.06, 3.88; p=0.033) pCR 無作為化されたすべての被験者 PIK3CA変異腫瘍を有する被験者 オッズ比:3.07 (95%CI 0.32, 29.85; p=0.370) オッズ比:NE (95%CI NE; p=0.480) Saura C, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr LBA10_PR

11 LBA10_PR:LORELEI:ER+/HER2陰性早期乳癌(EBC)を有する閉経後女性を対象に、ネオアジュバント療法としてのレトロゾール(LET)+taselisibとLET+プラセボ(PLA)とを比較する第II相無作為化二重盲検試験の主要な結果 – Saura C et al 主要な結果(続き) 結論 主要エンドポイント(乳房MRI検査に基づく中央の評価によるORR)は、組み入れられたすべての被験 者とPIK3CA変異を有する被験者において達成された。 ER+/HER2–早期乳癌被験者においてPI3K選択的阻害薬+ETの投与によりORRの有意な増加が 認められた。 PIK3CA変異集団では、より著明な効果が認められた。 これらの被験者のpCR率は低かったが、これは、内分泌療法がわずか4ヵ月しか実施されていない患者 において認められる、典型的な所見であると考えられる。 安全性及び毒性プロファイルは十分で、管理可能であった。 この併用により認められる抗腫瘍反応についてさらに研究する必要があり、これにより現在進行中の包 括的なバイオマーカー分析が促進されるであろう。 AE、n (%) レトロゾール+taselisib (n=167) レトロゾール+プラセボ 1つ以上のAE(グレードは問わない) 152 (91.0) 139 (83.2) 1つ以上のグレード3~4のAE 43 (25.7) 13 (7.8) Saura C, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr LBA10_PR

12 R HR- 主要な患者選択基準 HR+かつ0~3 LNかつRS>11又は≧4 LN pN+又は高リスクpN0 年齢≦75歳 M0
LBA11:臨床的に高リスクのHER2-早期乳癌(EBC)における遠隔/局所無病生存率(DDFS/LRFS)からみた予後に対して、再発スコア(RS)、グレード/Ki67中央での病理学的レビュー、アントラサイクリン(A)を含まない化学療法とアントラサイクリンを含む化学療法(CT)が及ぼす影響:WSG PlanB試験の結果 – Gluz O et al 試験の目的 高リスクHER2–早期乳癌における、アントラサイクリンを含まない化学療法とアントラサイクリンを含む化 学療法の比較 ドセタキセル75 mg/m2 +シクロホスファミド600 mg/m2 6サイクル (n=1222) HR- HR+かつ0~3 LNかつRS>11又は≧4 LN 主要な患者選択基準 pN+又は高リスクpN0 年齢≦75歳 M0 R エピルビシン90 mg/ m2+シクロホスファミド600 mg/m2 (4サイクル)、その後 ドセタキセル 100 mg/m2 (4サイクル) (n=1227) 内分泌療法(国内のガイドラインに従う) (n=348) HR+かつ0~3 LNかつRS≦11 エンドポイント DDFS、LRFS、DFS Gluz O, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr LBA11 12 12

13 Fractionally ranked(75th to 25thパーセンタイル)
LBA11:臨床的に高リスクのHER2-早期乳癌(EBC)における遠隔/局所無病生存率(DDFS/LRFS)からみた予後に対して、再発スコア(RS)、グレード/Ki67中央での病理学的レビュー、アントラサイクリン(A)を含まない化学療法とアントラサイクリンを含む化学療法(CT)が及ぼす影響:WSG PlanB試験の結果 – Gluz O et al 主な結果 内分泌療法を受けたRS 0~11の被験者は5年DDFSが97.8%であった(pN0:98%、pN1:97%) RS 12~25の被験者の5年DDFSは96.9%、RS>25の被験者は89.7%であった。 RSは多変量解析においてDDFSに対する最も強力な独立した予測因子であった。 RSは5年LRFSに対する予後予測因子でもある(RS 0~11及び11~25で99%、RS>25で98%)。 結論 この集団においてアントラサイクリンを含む化学療法は、DDFSに対する影響について差異をもたらさな かった。 RS、局所グレード、リンパ節転移の状態、腫瘍のサイズはDDFSの独立した因子であった。 要素 コーディング 多変量HR 95%LCL 95%UCL P値 再発スコア Fractionally ranked(75th to 25thパーセンタイル) 2.99 1.75 5.11 0.000 リンパ節転移の状態 pN1−3 vs pN0 pN2−3 vs. pN0−1 2.15 2.19 1.26 1.18 3.66 4.06 0.005 0.013 局所グレード グレード3 vs. グレード1/2 2.50 1.53 4.11 腫瘍サイズ T2~4 vs. T1 1.79 1.09 2.94 0.022 Gluz O, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr LBA11

14 148O: ホルモン受容体陽性HER2陰性(HR+/HER2-)早期乳癌(EBC)を有する閉経後女性を対象とし、アジュバント療法としてのアナストロゾール(A)へのフルベストラント(F)の追加を評価する第III相GEICAM/ 試験からの結果 – Ruíz-Borrego M et al 試験の目的 アジュバント療法の環境でエストロゲンの完全な抑制がアロマターゼ阻害薬に対する抵抗性を妨げるか どうかを解明するための、アナストロゾール+フルベストラントとアナストロゾール単剤の比較 アナストロゾール1 mg/日を5年間+フルベストラント† (n=435) 主要な患者選択基準 閉経後女性 第I、II、IIIA、IIIC浸潤乳癌 HR+/HER2- 手術±ネオ/アジュバント化学療法の施行歴あり WHO PS≦2 (n=872*) 層別化 (ネオ)アジュバント療法(有vs.無) 陽性リンパ節の数(0 vs. 1~3 vs. ≧4 HR状態(両方とも陽性 vs. 片方のみ陽性) 部位 R 1:1 アナストロゾール1 mg/日を5年間 †(n=437) 主要エンドポイント DFS 副次的エンドポイント 乳癌特異的生存率、無再発期間、OS、安全 性 *FACT試験で好ましくない結果が得られた後、2010年に872名で試験中止、†第0日に500 mg、第14日と第28日に250 mg、28日毎に3年間250 mg Ruíz-Borrego M, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr 148O

15 148O: ホルモン受容体陽性HER2陰性(HR+/HER2-)早期乳癌(EBC)を有する閉経後女性を対象とし、アジュバント療法としてのアナストロゾール(A)へのフルベストラント(F)の追加を評価する第III相GEICAM/ 試験からの結果 – Ruíz-Borrego M et al 主な結果 DFS 追跡調査期間の中央値:6.41年 無病生存率、% 経過期間、年 100 80 60 40 20 434 417 1 425 404 2 410 376 3 390 363 4 372 352 7 99 93 5 361 338 6 279 277 ログランク p値=0.3569 90.76% 90.98% リスクに晒されていた患者数 アナストロゾール アナストロゾール+フルベストラント イベント アナストロゾール 62 アナストロゾール+フルベストラント 49 HR (95%CI 0.576, 1.220) Ruíz-Borrego M, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr 148O

16 148O: ホルモン受容体陽性HER2陰性(HR+/HER2-)早期乳癌(EBC)を有する閉経後女性を対象とし、アジュバント療法としてのアナストロゾール(A)へのフルベストラント(F)の追加を評価する第III相GEICAM/ 試験からの結果 – Ruíz-Borrego M et al 主要な結果(続き) 追跡調査期間の中央値6.41年以降: OSは、アナストロゾール群で95.34%、アナストロゾール+フルベストラント群で94.81%であった。 乳癌特異的生存率は、アナストロゾール群で92.39%、アナストロゾール+フルベストラント群で 93.17%であった。 結論 早期乳癌患者において、アナストロゾールにフルベストラント250 mgを追加しても、DFSの有意な増加 は認められなかった 留意すべき点として、試験への患者登録は872名で中止しており、これはもともとの目標である2852 名よりはるかに少なかった。したがって、真の差を検出するにはサンプルサイズが不十分であり、アナス トロゾールとフルベストラントを併用した際に転帰が改善するという仮説を検定するには検出力が不 足していた可能性がある。 Ruíz-Borrego M, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr 148O

17 5年追跡調査(探索 的)(ネラチニブ: n=1028、プラセボ: n=1089)†
149O:HER2+早期乳癌(BC)を対象とするトラスツズマブ(T)を含むアジュバント療法後のネラチニブ 第III相ExteNET試験の5年解析 – Martin Jimenez M et al 試験の目的 国際、多施設共同、無作為化、二重盲検、プラセボ比較対照第III相ExteNET試験の5年追跡調査 におけるネラチニブの有効性の評価 ネラチニブ240 mg/日を1年間 (n=1420) 主要な患者選択基準 HER2+早期乳癌 IHC3+又はISH増幅 過去にアジュバント療法としてのトラスツズマブ+化学療法 リンパ節±、又はネオアジュバント療法後に残存浸潤病変 (n=2840) 5年追跡調査(探索 的)(ネラチニブ: n=1028、プラセボ: n=1089)† 層別化 リンパ節転移の状態 HRの状態 トラスツズマブを併用投与 vs. 逐次投与 R 1:1 プラセボを1年間 (n=1420) 主要エンドポイント 2年時の浸潤性DFS 副次的エンドポイント DFS‐非浸潤性乳管癌(DCIS)、遠隔再発までの 時間、DDFS、CNS再発、OS、安全性 †データの再収集に同意した患者、同意が得られなかった患者は最終 の理学的検査後に打ち切り Martin Jimenez M, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr 149O

18 149O:HER2+早期乳癌(BC)を対象とするトラスツズマブ(T)を含むアジュバント療法後のネラチニブ 第III相ExteNET試験の5年解析 – Martin Jimenez M et al
主な結果 浸潤性DFSイベントの発生状況(発生部位別) イベント発生部位 ネラチニブ(n=1420) プラセボ(n=1420) 浸潤性DFSイベント、n (%) 116 (8.2) 163 (11.5) 遠隔再発 91 (6.4) 111 (7.8) 局所浸潤性再発 12 (0.8) 35 (2.5) 浸潤同側乳癌再発 5 (0.4) 7 (0.5) 浸潤性対側乳癌 4 (0.3) 11 (0.8) 再発歴なく死亡 エンドポイント別の5年解析 推定無イベント率、* % エンドポイント ネラチニブ (n=1420) プラセボ(n=1420) ハザード比† (95%CI) P値‡ (両側検定) 浸潤性DFS 90.2 87.7 0.73 (0.57, 0.92) 0.008 DCISのDFS 89.7 86.8 0.71 (0.56, 0.89) 0.004 DDFS 91.6 89.9 0.78 (0.60, 1.01) 0.065 無再発期間 91.8 90.3 0.79 (0.60, 1.03) 0.078 CNS再発* 1.30 1.82 0.333‡ *すべてのエンドポイントについての無イベント率(ただしCNS再発は累積発生率として報告されているため除く) †無作為化因子によって層別化 ‡Gray’s methodによる Martin Jimenez M, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr 149O

19 149O:HER2+早期乳癌(BC)を対象とするトラスツズマブ(T)を含むアジュバント療法後のネラチニブ 第III相ExteNET試験の5年解析 – Martin Jimenez M et al
結論 アジュバント療法としてのネラチニブ継続投与下では、持続的なベネフィットが認められた。 5年解析の結果から、ITT集団で2.5%、HR+患者で4.4%の絶対的ベネフィットが認められた。 プラセボと比較して、ネラチニブによる長期毒性のエビデンスはなかった。 症候性心毒性及び続発性原発性悪性腫瘍の増加は認められなかった。 ネラチニブに関連する下痢による長期的な影響はなかった。 OSのデータは、2019年に得られる予定である。 Martin Jimenez M, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr 149O

20 150O_PR:すべての小結節陰性(pT1abN0)乳癌が同じであるわけではない:EORTC 10041/BIG 3-04(MINDACT)試験サブスタディの転帰の結果 – Tryfonidis K et al 試験の目的 1 cm未満のリンパ節転移陰性腫瘍を有する患者を対象とする70遺伝子シグネチャー解析 (MammaPrint)の臨床的有用性の評価 方法 MINDACT試験でリンパ節転移陰性腫瘍を有し、腫瘍サイズのデータが得られる患者を2群に分けた。 T1ab=腫瘍サイズ≦1 cm(主な解析集団:n=826) T1c-T2-T3=腫瘍サイズ>1 cm(対照コホート:n=4461) 臨床リスクはAdjuvant! Onlineの改訂版によって評価し、low(cL)又はhigh(cH)によって分類した。 ゲノムリスクはMammaPrintによって評価し、low(gL)又はhigh(gH)に分類した。 エンドポイントは次の通り。 無遠隔転移生存率(遠隔再発、死亡) DFS(遠隔転移、死亡、局所再発、同側/対側乳癌又はDCIS、続発性癌) OS(あらゆる原因) Tryfonidis K, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr 150O_PR

21 5年時の<1 cm 腫瘍におけるcL/gL vs. cL/gHリスク
150O_PR:すべての小結節陰性(pT1abN0)乳癌が同じであるわけではない:EORTC 10041/BIG 3-04(MINDACT)試験サブスタディの転帰の結果 – Tryfonidis K et al 主な結果 cL/gH HR+腫瘍に対して化学療法によるDMFS及びDFSの効果の傾向がみられたが、解析は検出 力が不足している。 5年時の<1 cm 腫瘍におけるcL/gL vs. cL/gHリスク cL/gH患者の5年時の転帰 T1ab N0 T1c-T2-T3 N0 cL/gL (n=624) cL/gH (n=196) CT (n=91) No CT (n=98) CT (n=189) No CT (n=187) DMFS イベント % (95% CI) 20 98.1 (96.6, 99.0) 9 94.5 (89.5, 97.1) (89.4, 99.3) (82.6, 95.9) (89.7, 96.9) (91.0, 97.9) DFS 53 92.3 (89.7, 94.2) 89.6 (82.6, 92.6) (83.5, 96.5) (74.5, 90.8) (84.5, 94.1) (86.5, 95.1) OS (97.3, 99.3) (93.3, 98.8) (89.6, 99.8) (89.1, 98.4) (92.1, 98.1) (94.4, 99.4) Tryfonidis K, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr 150O_PR

22 150O_PR:すべての小結節陰性(pT1abN0)乳癌が同じであるわけではない:EORTC 10041/BIG 3-04(MINDACT)試験サブスタディの転帰の結果 – Tryfonidis K et al 結論 T1abリンパ節転移陰性乳癌患者: 大部分がルミナルA型又はB型のサブタイプのHR+ 臨床リスクは低い ゲノムリスクは高い(腫瘍の24%で存在) MINDACT試験と一致して、cL/gLの患者は腫瘍サイズに関わらず良好な転帰であった。 T1ab腫瘍について、DMFS及びDFSの転帰はゲノムリスクの低い腫瘍に対して良好 アジュバント化学療法は、L/gH T1abリンパ節転移陰性腫瘍患者及びcL/gH HR+腫瘍患者において、 DMFS及びDFSを指標とするベネフィットに関連していた。 腫瘍生検は、T1ab/リンパ節転移陰性癌の患者に対して意思決定過程において重要な検討事項で ある。 Tryfonidis K, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr 150O_PR

23 158PD:HER2陽性(HER2+)早期乳癌(EBC)を有する閉経後患者を対象とするアジュバント療法としての抗HER2療法、治療誘発性無月経症(TIA)及び生存率: ALTTO試験(BIG 2-06)からの分析 – Lambertini M et al 試験の目的 HER2+早期乳癌を有する閉経後患者において、トラスツズマブ及び/又はラパチニブがTRA発現リスク および予後に及ぼす影響を評価すること トラスツズマブ (n=703) PD 主要な患者選択基準 HER2+早期乳癌 閉経後 (本分析にn=2862) ラパチニブ (n=691) PD R トラスツズマブ、その後ラパチニブ (n=744) PD トラスツズマブ+ラパチニブ (n=706) PD エンドポイント DFS、OS TRA、治療誘発性無月経症 Lambertini M, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr 158PD 23 23

24 158PD:HER2陽性(HER2+)早期乳癌(EBC)を有する閉経後患者を対象とするアジュバント療法としての抗HER2療法、治療誘発性無月経症(TIA)及び生存率: ALTTO試験(BIG 2-06)からの分析 – Lambertini M et al 主な結果 DFS及びOSの双方において、TRAとホルモン受容体の状態との間に有意な相互作用が認められた(そ れぞれ、pinteraction:0.009、0.002) 結論 抗HER2療法の種類とTRA発現率との間に相関関係は認められなかった。 TRAはHR+/HER2+早期乳癌を有する患者において、有意な生命予後のベネフィット(PFS及び OS)と関連していた。 HR+患者におけるDFS 20 40 60 80 100 無病生存率、% 1 2 3 4 5 6 7 HR+患者におけるOS 20 40 60 80 100 全生存率、% 1 2 3 4 5 6 7 患者 1287 384 イベント 177 81 6年DFS、% 87 (95%CI 85, 88) 78 (95%CI 73, 82) 患者 1287 384 イベント 60 30 6年DFS、% 96 (95%CI 94, 97) 92 (95%CI 89, 95) 無月経症 無月経症なし 無月経症 無月経症なし HR 0.64 (95%CI 0.52, 0.79) HR 0.53 (95%CI 0.38, 0.74) 経過期間、年 経過期間、年 無月経症 無月経症なし 無月経症状態 無月経症 無月経症なし 無月経症状態 Lambertini M, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr 158PD

25 159PD:HER2陽性原発乳癌を有する患者におけるトラスツズマブエムタンシン及びペルツズマブのネオアジュバント療法(無作為化第2相試験; JBCRG-20) – Masuda N et al
試験の目的 HER2陽性原発乳癌を有する患者において、トラスツズマブエムタンシン(T-DM1)、ペルツズマブ、個別 反応誘導療法(tailored response guided therapy)の有効性及び安全性を評価すること A群:トラスツズマブ+カルボプラチン+ドセタキセル+ペルツズマブ(TCHP、6サイクル) (n=51) 主要な患者選択基準 HER2+原発乳癌 cT1c–T3、cN0–N1、M0、腫瘍≤ 7 cm (n=206) B群:トラスツズマブ+カルボプラチン+ドセタキセル+ペルツズマブ(TCHP、4サイクル)、その後 T-DM1 +ペルツズマブ(4サイクル) (n=52) R C群:T-DM1 +ペルツズマブ(6サイクル) (C1 [n=80]; C2 [n=21])* 主要エンドポイント pCR率 副次的エンドポイント 安全性、ORR、乳房温存率 *4サイクルのT-DM1+ペルツズマブに割り付けた奏効者をさらに2サイ クル(C1)、非奏効者を4サイクルのFEC(C2)に割り付ける。 注:抄録からのデータのみに基づく。 Masuda N, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr 159PD

26 159PD:HER2陽性原発乳癌を有する患者におけるトラスツズマブエムタンシン及びペルツズマブのネオアジュバント療法(無作為化第2相試験; JBCRG-20) – Masuda N et al
主な結果 変数、% (n/N) A群 (n=51) B群 (n=52) C1群 (n=80) C2群 (n=21) C群 (n=101) pCR率 56.9 (29/51) 71.2 (37/52) 62.5 (50/80) 38.1 (8/21) 57.4 (58/101) pCR率、ER– 76.2 (16/21) 73.9 (17/23) 72.2 (26/36) 33.3 (2/6) 66.7 (28/42) pCR率、ER+ 43.3 (13/30) 69.0 (20/29) 54.5 (24/44) 40.0 (6/15) 50.8 (30/59) ORR 96.1 (49/51) 86.5 (45/52) 88.8 (71/80) 85.7 (18/21) 88.1 (89/101) cCR 47.1 (24/51) 51.9 (27/52) 38.8 (31/80) 38.6 (39/101) 乳房温存率 52.0 (26/50) 54.4 (43/79) 51.0 (51/100) 予定された乳房切除からの乳房温存率 34.4 (11/32) 38.7 (12/31) 36.7 (18/49) 14.3 (2/14) 31.7 (20/63) アジュバント療法として3週間毎に投与、ER (+)患者はT-DM1療法中 に内分泌療法を併用して受けた。 Masuda N, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr 159PD

27 159PD:HER2陽性原発乳癌を有する患者におけるトラスツズマブエムタンシン及びペルツズマブのネオアジュバント療法(無作為化第2相試験; JBCRG-20) – Masuda N et al
主要な結果(続き) AEによる投与中止は記録されなかった。 薬剤関連SAEの発生状況は、すべての投与群において近似していた。 C1群(5.0%)はA、B、C2群(81~94%)と比較して薬剤関連脱毛症が少なく、C1群(0%)はA、B、 C2群(15~33%)と比較して発熱性好中球減少症が少なかった。 結論 T-DM1+ペルツズマブと標準TCHP療法の併用は、TCHP単独と比べ、特にER+サブグループにおいて、 より有効である可能性がある。 個別のT-DM1+ペルツズマブはTCHPと比べて毒性が少なく、有効性は同程度であると考えられた。 Masuda N, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr 159PD

28 トリプルネガティブ乳癌におけるcT1c in N+又は HER2+ (n=595) R 1:1
163PD:トリプルネガティブ乳癌(TNBC)及びHER2+早期乳癌に対するネオアジュバント療法にカルボプラチンを追加した際の長期生存率を分析する無作為化第II相試験(GeparSixto)– Untch M et al 試験の目的 トリプルネガティブ乳癌及びHER2+早期乳癌を有する患者において、ネオアジュバント療法にカルボプラ チンを追加した際の長期生存率に対する影響を評価すること 主要な患者選択基準 cT2-4 又は トリプルネガティブ乳癌におけるcT1c in N+又は HER2+ (n=595) 手術 R 1:1 手術 層別化 サブタイプ(HER+ vs.トリプルネガティブ) TNBC: ベバシズマブ、15mg/kg q3w HER2+: トラスツズマブ6 mg/kg q3w 1年間+ ラパチニブ750~1000 mg/day 18週間 パクリタキセル 80 mg/m2 q1w 非ペグ化リポソームドキソルビシン 20 mg/m2 q1w カルボプラチン AUC 1.5~2.0 min/mL q1w 主要エンドポイント pCR 副次的エンドポイント DFS、遠隔期DFS(DDFS)、OS Untch M, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr 163PD 28 28

29 163PD:トリプルネガティブ乳癌(TNBC)及びHER2+早期乳癌に対するネオアジュバント療法にカルボプラチンを追加した際の長期生存率を分析する無作為化第II相試験(GeparSixto)– Untch M et al 主な結果 カルボプラチン併用に割り付けられたトリプルネガティブ乳癌患者はDFSが良好であり、HER2+乳癌患 者におけるDFSとの差は認められなかった。 結論 トリプルネガティブ乳癌患者では、アントラサイクリン/タキサンネオアジュバント化学療法にカルボプラチン を追加すると、無病生存率の改善が認められた。 トリプルネガティブ乳癌患者のDFS HER2+患者におけるDFS 60 20 40 80 100 12 24 36 48 ログランク検定においてp=0.0224 カルボプラチン併用 vs. カルボプラチン非併用 HR 0.56 (95%CI 0.34, 0.93) p=0.0244 DFS 月 無病生存率 60 20 40 80 100 12 24 36 48 DFS 月 無病生存率 カルボプラチン非併用 カルボプラチン非併用 カルボプラチン併用 カルボプラチン併用 ログランク検定においてp=0.2933 カルボプラチン併用 vs. カルボプラチン非併用 HR 1.34 (95%CI 0.77, 2.34) p=0.2951 Untch M, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr 163PD

30 ゲノム予測検査を作成し、予 後予測能を評価するトレーニ ングサンプルセット(n=99)
217O:アントラサイクリンを含むネオアジュバント化学療法を受けたトリプルネガティブ乳癌患者における転帰を予測する化学免疫の遺伝子シグネチャー – Criscitiello C et al 試験の目的 ネオアジュバント療法後の腫瘍浸潤リンパ球を予測する分子検査を開発し、トリプルネガティブ乳癌患 者の生存率の予後予測能を判定すること トレーニング 独立した検証 主要な患者選択基準 ネオアジュバント化学療法を受けたトリプルネガティブ乳癌 (n=185) ゲノム予測検査を作成し、予 後予測能を評価するトレーニ ングサンプルセット(n=99) リプルネガティブ乳癌患者 (n=185) 主要エンドポイント 4遺伝子シグネチャー*と無遠隔転移生存率との 関連 *HLF、CXCL13、SULT1E1、GBP1 Criscitiello C, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr 217O

31 217O:アントラサイクリンを含むネオアジュバント化学療法を受けたトリプルネガティブ乳癌患者における転帰を予測する化学免疫の遺伝子シグネチャー – Criscitiello C et al
主な結果 回帰モデル(LASSOテクニック)を用いて、ネオアジュバント化学療法後のリンパ球浸潤の程度を予測す る4遺伝子を特定した。 HLF、CXCL13、SULT1E1、GBP1 トレーニングセットで多変量コックス分析を実施したところ、シグネチャー値において1単位の増加が無遠 隔転移生存率と関連していた(HR 0.28、95%CI 0.13, 0.63、p=0.002)。 検証データセット(ネオアジュバント化学療法前の腫瘍生検の臨床データ)では、4遺伝子シグネチャーが 無遠隔転移生存率と有意に関連していた。 データセット全体(HR 0.29、95%CI 0.13, 0.67、p=0.004) 残存病変のある患者のサブセット(HR 0.17、95%CI 0.06, 0.43、p<0.001) Criscitiello C, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr 217O

32 217O:アントラサイクリンを含むネオアジュバント化学療法を受けたトリプルネガティブ乳癌患者における転帰を予測する化学免疫の遺伝子シグネチャー – Criscitiello C et al
結論 トリプルネガティブ乳癌患者の転帰を診断時に予測できる4遺伝子シグネチャーを開発した。 このシグネチャーはネオアジュバント化学療法前に採取した検体に基づき、ネオアジュバント化学療 法後の腫瘍浸潤リンパ球の範囲を予測するものである。 これらの結果は有望なものであり、4遺伝子シグネチャーは、「標準療法によって患者の予後が不良とな るか否か」、「新たな治験薬により最大のベネフィットを得る可能性があるか否か」について、診断時の判 定を可能にする、有用な方法であると考えられる。 Criscitiello C, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr 217O

33 進行性/転移性乳癌

34 進行性/転移性乳癌 第一選択治療

35 236O_PR:MONARCH 3:HR+/HER2-進行性乳癌患者に対する初回療法としてのアベマシクリブ – Di Leo A et al
試験の目的 HR+/HER2-進行性乳癌患者に対する初回療法としてのアベマシクリブの有効性及び安全性の評価 アベマシクリブ150 mg bid(継続スケジュール)+アナストロゾール1 mg又は レトロゾール2.5 mg/日 (n=328) 主要な患者選択基準 HR+、HER2–進行性乳癌 閉経後 過去に全身療法を受けたことのない転移又は局所再発病変 ネオアジュバント又はアジュバントET療法では、無病生存期間はET完了後>12ヵ月 ECOG PSスコアが1以下 (n=493) 層別化 転移部位(臓器、骨のみ、その他) 過去のET(AI、ETなし、その他) R 2:1 PD プラセボbid(継続スケジュール)+アナストロゾール1 mg又は レトロゾール2.5 mg/日 (n=165) 主要エンドポイント PFS(治験責任医師による評価) 副次的エンドポイント OS、奏効率、安全性 a医師の選択:79.1%がレトロゾール投与、 19.9%がアナストロゾール投与 Di Leo A, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr 236O_PR

36 236O_PR:MONARCH 3:HR+/HER2-進行性乳癌患者に対する初回療法としてのアベマシクリブ – Di Leo A et al
主な結果 PFS中央値 アベマシクリブ+NSAI:NR プラセボ+NSAI 14.7カ月 HR (95%CI 0.409, 0.723) p= リスクに晒されていた患者数 アベマシクリブ プラセボ PFS、% 100 80 60 40 20 4 328 165 271 127 8 234 105 12 16 205 82 125 45 25 7 24 1 28 経過期間、カ月 奏効率 アベマシクリブ+NSAI プラセボ+NSAI P値 全患者 、n 328 165 0.002 ORR、% (95%CI) 48.2 (42.8, 53.6) 34.5 (27.3, 41.8) CR、n (%) 5 (1.5) 臨床ベネフィット率、% (95%CI) 78.0 (73.6, 82.5) 71.5 (64.6, 78.4) 0.101 BL時に測定可能病変を有する患者、n 267 130 59.2 (53.3, 65.1) 43.8 (35.3, 52.4) 0.004 5 (1.9) 79.4 (74.5, 84.3) 69.2 (61.3, 77.2) 0.024 Di Leo A, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr 236O_PR

37 236O_PR:MONARCH 3:HR+/HER2-進行性乳癌患者に対する初回療法としてのアベマシクリブ – Di Leo A et al
結論 HER2-進行性乳癌を有する閉経後患者において、アベマシクリブ+NSAIの初回療法後にPFS及び ORRの有意な改善が認められた。 ハザード比に基づき、どのサブグループでもアベマシクリブは有効であった(リスク低下)。 予後不良の予測因子を有する患者において、アベマシクリブの追加は有益な効果をもたらした。単剤で の内分泌療法は、無治療期間が長期となる患者や、骨のみの疾患を有する患者において、より好まし い代替治療となりうる。 継続的なスケジュールでのアベマシクリブ投与により、本患者集団において良好な安全性プロファイルが 認められた。 静脈血栓塞栓イベント(すべてのグレード)が、アベマシクリブ群4.9%、プラセボ群0.6%で認められた。 グレード3及び4の好中球減少症が患者の21.1%で認められ、好中球減少症による発熱は伴ってい なかった。 グレード3の下痢が9.5%で認められ、一般的に早期に発現した。この事象は、抗下痢剤および用 量調節により管理された。 Di Leo A, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr 236O_PR

38 進行性/転移性乳癌 第二選択以降

39 LBA13:転移性トリプルネガティブ乳癌(mTNBC)における腫瘍浸潤リンパ球(TIL)値とペムブロリズマブ(pembro)に対する反応との関連:KEYNOTE-086からの結果 – Loi S et al 試験の目的 治療歴のある/ないmTNBC患者の検体において、PD-1阻害薬に対する反応のバイオマーカーとして の間質腫瘍浸潤リンパ球(sTIL)値について評価を行うこと 主要な患者選択基準 全患者: 中央により確認されたトリプルネガティブ乳癌 ECOG PS 0–1、LDH<2.5 x ULN 腫瘍生検検体 放射線検査によるCNS転移のエビデンスなし コホートA: 転移性トリプルネガティブ乳癌(PDを認める)に対して、1種以上の全身療法の施行歴あり PD-L1陽性又は陰性 コホートB: 転移性トリプルネガティブ乳癌に対する全身療法の施行歴なし PD-L1陽性 (n=254) ペムブロリズマブ 200mg IV q3w (コホートA、n=170) (コホートB、n=84) PD/中止/毒性まで2年間 主要エンドポイント ORR及び安全性 副次的エンドポイント DoR、DCR、PFS、OS Loi S, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr LBA13

40 LBA13:転移性トリプルネガティブ乳癌(mTNBC)における腫瘍浸潤リンパ球(TIL)値とペムブロリズマブ(pembro)に対する反応との関連:KEYNOTE-086からの結果 – Loi S et al 主な結果 PD-L1 CPS ≧1 vs. <1 コホートA コホートB 併合 コホート リンパ節転移 リンパ節転移なし A B PD-L1 CPS vs. sTIL値 PD-L1 CPS TIL値、% 100 80 60 40 20 コホートA: rho=0.408、p<0.0001 コホートB: rho=0.485、p=0.0003 併合コホート: rho=0.496、p<0.0001 TIL値、% 100 80 60 40 20 ≧1 <1 n 中央値 (IQR) 10% (5–35) 3% (1–5) 腫瘍縮小効果によるsTIL値(ORR) sTIL値 コホートA コホートB 併合コホート 奏効例 (n=7) 非奏効例 (n=140) (n=11) (n=35) (n=18) (n=175) 中央値、%(IQR) 10 (5–30) 5 (1–10) 50 (35–70) 15 (5–40) 37.5 (8.75–66.25) 5 (2–15) P値 0.062 0.009 <0.001 Loi S, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr LBA13 CPS、併合陽性スコア

41 LBA13:転移性トリプルネガティブ乳癌(mTNBC)における腫瘍浸潤リンパ球(TIL)値とペムブロリズマブ(pembro)に対する反応との関連:KEYNOTE-086からの結果 – Loi S et al 主要な結果(続き) 結論 sTIL値は、コホート、時間、生検部位によって有意に異なっており、PD-L1発現と有意に関連していた。 sTIL値は、既存の抗腫瘍免疫の代替指標として機能し、転移性トリプルネガティブ乳癌を有しペムブロ リズマブ単剤療法に反応する可能性の高い患者の特定を支援する可能性がある。 sTIL値、LDH、およびコホートは、ペムブロリズマブ単剤療法に対する反応の独立した予測因子で あった。 ORRの単変量及び多変量:併合コホート 単変量 多変量 オッズ比 (95%CI) P値 sTIL値(継続) 1.029 (1.012, 1.046) <0.001 1.022 (1.002, 1.041) 0.014 コホート (B vs. A) 6.075 (2.358, ) 4.191 (1.407, ) 0.005 LDH濃度(継続) 0.683 (0.477, 0.896) 0.009 0.688 (0.468, 0.924) 0.015 Loi S, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr LBA13

42 Poziotinib 12 mg/日* (14日間投薬/7日間休薬)
237O:HER2陽性転移性乳癌を有し過去に2種以上のHER2標的療法を受けた患者を対象とするpan-HER阻害薬poziotinibの第II相試験:NOV 試験からの結果 – Park YH et al 試験の目的 HER2+転移性乳癌を有し、過去のHER2標的療法の施行後に進行した患者を対象として、 poziotinib(経口pan-HERキナーゼ阻害薬)単剤療法の有効性及び安全性を評価すること 主要な患者選択基準 HER2+転移乳癌(再発性又は初回第IV期) 過去の2種以上のHER2標的療法の施行後に進行 ECOGのPSスコアが0~2 (n=106) Poziotinib 12 mg/日* (14日間投薬/7日間休薬) PD/ 毒性 主要エンドポイント PFS 副次的エンドポイント ORR、OS、安全性 *用量については16 mgまでの適宜の漸増が認められ、毒性に応じて8 ~10 mgまでの用量減量が実施された Park YH, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr 237O

43 237O:HER2陽性転移性乳癌を有し過去に2種以上のHER2標的療法を受けた患者を対象とするpan-HER阻害薬poziotinibの第II相試験:NOV 試験からの結果 – Park YH et al 主な結果 データカットオフ時点(追跡調査期間の中央値は12.2ヵ月)において、OSの中央値は未到達であり、1 年OS率は63%であった PFS 生存率 PFS期間、カ月 1.0 0.8 0.6 0.4 0.2 0.0 4 8 12 16 20 PFS中央値 4.04ヵ月 (95%CI 2.96, 4.40) データカットオフ日:2017年2月23日 ORR ORR(確定) DCR DCR(確定) 全奏効、n(%) 26 (27.4) 20 (21.1) 71 (74.7) Park YH, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr 237O

44 237O:HER2陽性転移性乳癌を有し過去に2種以上のHER2標的療法を受けた患者を対象とするpan-HER阻害薬poziotinibの第II相試験:NOV 試験からの結果 – Park YH et al 主要な結果(続き) 結論 多くの治療歴を有するHER2+転移性乳癌患者において、poziotinibは意義ある臨床的有効性をもた らした。 最も一般的な治療関連AE(グレード≧3)は、下痢(14.2%)、口内炎(12.3%)、発疹(3.8%)、ざ瘡様 皮膚炎(3.8%)であった。 HER2陽性転移性乳癌におけるpoziotinibの役割をさらに理解するために、バイオマーカー試験で投与 前及び投与中の生検を分析している。 SAEを発現した患者、n (%) 安全性(n=106) 強度 下痢 2 (1.9) グレード3 胸水 1 (0.9) 気胸 グレード2 カテーテル部位疼痛 尿路性敗血症 グレード4 水腎症 血栓症 骨折 側腹部痛 Park YH, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr 237O

45 生検及びニボルマブ 3 mg/kg q2w PDまで
LBA14:トリプルネガティブ乳癌における導入療法後のニボルマブのアダプティブ第II無作為化非比較試験:TONIC試験 – Kok M et al 試験の目的 放射線療法又は化学療法による短期の導入療法が、抗癌免疫反応に影響を及ぼすか否かを評価す ること 照射量3x8 Gy 主要な患者選択基準 転移性トリプルネガティブ乳癌 転移性疾患に対する3ライン以上の化学療法を施行 LDH <2x ULN 生検アクセス可能な病変 WHO PSスコア 0~1 軟膜疾患の既往なし、症候性CNS疾患なし (n=50)* ドキソルビシン15 mg x2 シクロホスファミド50 mg/日 シスプラチン40 mg/m2 x2 生検及びニボルマブ 3 mg/kg q2w PDまで R 1:1 投与なし エンドポイント PFS (RECIST、iRECIST)、ORR、臨床ベネフィット、安全性、OS、トランスレーショナルエンドポ イント *コホートの≦30%の患者が反応する場合、最少サンプル10での早期 中止を許容 Kok M, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr LBA14

46 LBA14:トリプルネガティブ乳癌における導入療法後のニボルマブのアダプティブ第II無作為化非比較試験:TONIC試験 – Kok M et al
主な結果 合計(n=50) 最良ORR (CR + PR) iRECIST、% 24 臨床ベネフィット率(CR+PR+SD) 26 CR 2 PR 22 SD ≧24週 ORR(RECIST規準 v1.1に基づく)、% PFS中央値、カ月(95%CI) 3.4 (2.5, 3.7) 奏効達成までの期間の中央値、カ月(範囲) 2.1 (0.5–3.5) DORの中央値、カ月(95%CI) 9 (5.5、NA) 安全性 治療関連AE 全てのグレード、n(%) グレード 3、n グレード 4、n ニボルマブ投与中(n=53) 43 (81) 10 3 RT後ニボルマブ(n=11) 9 (82) ドセタキセル後ニボルマブ(n=11) 8 (73) 1 シクロホスファミド後ニボルマブ(n=10) 9 (90) 2 シスプラチン後ニボルマブ(n=10) ニボルマブのみ(n=11) グレード4のAE(n=3)は、無症候性のアミラーゼ/リパーゼ/yGT増加であっ た。グレード5のAE(n=1)は死亡NOSであった。 Kok M, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr LBA14

47 LBA14:トリプルネガティブ乳癌における導入療法後のニボルマブのアダプティブ第II無作為化非比較試験:TONIC試験 – Kok M et al
主要な結果(続き) CR/PRを達成した患者の1年OSは83%であり、PDが認められた患者の1年OSは13%であった。 結論 これは放射線療法又は化学療法による免疫誘導を調査した初めての試験である。 転移性トリプルネガティブ乳癌において、短期の免疫誘導後のニボルマブ投与は実行可能であり、良好 な奏効率が期待できる。 腫瘍微小環境に対する放射線療法及び化学療法のプライミング効果を評価するためには、さらに多くの 試験が必要である。 Kok M, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr LBA14

48 1143PD:転移性トリプルネガティブ乳癌(TNBC)又は再発性白金耐性卵巣上皮癌(OC)を有する患者を対象とするniraparib及びペムブロリズマブの用量設定併用試験(TOPACIO/Keynote-162) – Konstantinopoulos P et al 試験の目的 進行性又は転移性トリプルネガティブ乳癌あるいは再発性子宮癌を有する患者を対象として、 niraparib+ペムブロリズマブ併用投与の評価を行うこと 主要な患者選択基準 進行性又は転移性トリプルネガティブ乳癌 過去に施行された細胞毒性療法のライン数≦4 [又は、白金耐性疾患を伴う卵巣上皮癌、卵管癌、原発腹膜癌] 用量レベル1:Niraparib 200 mg+ペムブロリズマブ200 mg 用量レベル2:Niraparib 300 mg+ペムブロリズマブ200 mg エンドポイント評価 第I相 主要エンドポイント DLT又は確立したRP2D 副次的エンドポイント 安全性および忍容性 主要な患者選択基準 進行性又は転移性トリプルネガティブ乳癌 過去に施行された細胞毒性療法のライン数≦2* [又は、白金耐性疾患を伴う高グレードの漿液性又は類子宮内膜子宮癌、卵管癌、原発腹膜癌] RP2D:Niraparib 200 mg (2サイクル後にniraparib 300 mgまで漸増可能)+ペムブロリズマブ200 mg エンドポイント評価 第II相 主要エンドポイント ORR(RECIST基準) 副次的エンドポイント 安全性および忍容性 アジュバント及び/又はネオアジュバント療法は治療ライン数において カウントされていない。 Konstantinopoulos P, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr 1143PD 48 48

49 第II相に組み入れられたトリプルネガティブ乳癌患者の病変サイズにおける予備的な最善の変化の割合
1143PD:転移性トリプルネガティブ乳癌(TNBC)又は再発性白金耐性卵巣上皮癌(OC)を有する患者を対象とするniraparib及びペムブロリズマブの用量設定併用試験(TOPACIO/Keynote-162) – Konstantinopoulos P et al 主な結果 第I相では、niraparibの推奨用量は200 mg/日と確定した。 2017年8月現在、47名のトリプルネガティブ乳癌が第II相に組み入れられている。 結論 ペムブロリズマブ200 mg IVの併用下において、第II相試験における経口用量として推奨される niraparibの用量は200 mg/日(血液学的毒性が認められない患者においては、2サイクル後に300 mg まで増量可能)と特定された。 予備的な有効性データは有望なものであり、新たな安全性シグナルは検出されていない 150 第II相に組み入れられたトリプルネガティブ乳癌患者の病変サイズにおける予備的な最善の変化の割合 130 110 90 70 50 30 変化の割合 10 -10 -30 -50 -70 -90 -110 tBRCA NA WT WT WT NA Unk WT WT Mut WT WT WT Unk WT NA WT NA WT Mut Mut NA WT Mut WT WT Mut Mut PD-L1 NA NA Unk NA NA Konstantinopoulos P, et al. Ann Oncol 2017;28(Suppl 5):Abstr 1143PD 49 49


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