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パルス放電による水中の難分解性化学物質分解におけるバックグラウンドガスの影響

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Presentation on theme: "パルス放電による水中の難分解性化学物質分解におけるバックグラウンドガスの影響"— Presentation transcript:

1 パルス放電による水中の難分解性化学物質分解におけるバックグラウンドガスの影響
平成19年 応用物理学会学術講演会 平成19年9月6日(木)  北海道工業大学    1.6 プラズマ現象一般 パルス放電による水中の難分解性化学物質分解におけるバックグラウンドガスの影響 Effects of background-gas composition on pulsed-discharge purification of water containing non-degradable hazardous substances ○宮崎 泰至 佐藤 孝紀 伊藤 秀範 (室蘭工業大学) ○Yasushi Miyazaki, Kohki Satoh and Hidenori Itoh (Muroran I.T.) MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY

2 背景-促進酸化法 難分解性化学物質による水質汚染 促進酸化法による汚染水の浄化 促進酸化法[1] 高電圧パルス放電[2]
背景-促進酸化法   難分解性化学物質による水質汚染 (ダイオキシン類,VOC…) 促進酸化法による汚染水の浄化 促進酸化法[1] 様々な方法で発生させた酸化剤(OH, O3等)によって,水溶液中の有害有機化合物を分解する方法  O3酸化    光触媒酸化     湿式酸化     パルス放電   高電圧パルス放電[2] パルス立ち上がり時間が短いため,高エネルギー電子が得られやすく,O3,O,H2O2,OH等の酸化剤が効率よく生成される      高エネルギー電子による難分解性化学物質の直接分解反応    効果的な有害物質の分解処理が期待できる    MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY [1] W F L M Hoben et al, Plasma Sources Sci. Technol., 9, pp.361 (2000) [2] 秋山, ohmsha(2003) : “高電圧パルスパワー工学”,

3 本研究の目的 目的 難分解性化学物質 構造にベンゼン環を含む 本報告 モデル汚染水としてフェノール水溶液の分解特性を調査
本研究の目的   目的 水上で発生させたパルス放電による水溶液中の難分解性化学物質の分解処理    難分解性化学物質 フェノール  ダイオキシン,様々なVOC   ベンゼン環を有する  低濃度において人体への影響が少ない  →安全性の配慮    構造にベンゼン環を含む 本報告  モデル汚染水としてフェノール水溶液の分解特性を調査   MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY

4 パルス放電によるフェノール等の分解 最近の報告では……
パルス放電によるフェノール等の分解   最近の報告では……  フェノール水溶液中でのパルス放電   Sunら[1] ・・・ 水溶液中にO2またはArをバブリングすることで,フェノール分解における   ラジカルの影響を調査 Liら[2] ・・・ 水溶液の導電率,pHがフェノール分解に与える影響を調査  フェノール水溶液上でのパルス放電  Hoebenら[3] ・・・ 水上のパルス放電により生成されるO3が水に溶け込みOHを生成 Kurokiら[4] ・・・ フェノール分解において,水溶液中にガス(Air,Ar,H2O2)をバブリングし,そ れぞれのガスが放電中で引き起こす反応を調査  水上でのパルス放電   Lukesら[5] ・・・ 水上でパルス放電を発生させると,酸化剤(OH,O,O3)が生成されるととも に,大気中の放電で生成された準安定励起状態の窒素分子(N2(A))が水と 反応してOHを生成 水上でパルス放電を発生させ,バックグラウンドガスの組成を変化させることで,放電中で生成される酸化剤やその他の生成物が分解に及ぼす影響を調査       [1] B.Sun et al,J.Phys.D,Vol.32pp (1999) [2] Jie Li et al, Thin Solid Films Vol.515,pp (2007) [3] WFLM Hoeben et al, J.Phys.D:Appl.Phys.,Vol.32,pp.L133-L137(1999) [4] T.Kuroki et al, JJAP, Vol.45, No.5A, pp (2006) [5] P. Lukes et al, J. Phys.D: Appl. Phys., Vol.38, pp (2005) MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY

5 実験装置 5D2V(フジクラ(株)製) 17Wセメント抵抗, Meggitt CGS社製 マクセレック(株)製 LS40-10R1
実験装置   17Wセメント抵抗,             Meggitt CGS社製 100pF/m 50m 5nF   5D2V(フジクラ(株)製) 10kΩ×100   マクセレック(株)製 LS40-10R1  Vmax=±40kV Imax=±10mA ギャップ長 1mm 回転数 20pps   Ar :純度99. 99% N2 :純度99. 99% O2 :純度99. 5% 1GS/s 1msec/div 横河電機(株)製 DL1620 ギャップ長 4mm 針対平板電極 MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY

6 パルス電圧・電流・電力波形 パルス幅 : 500ns 最大電圧 : -23kV 最大電流 : -70A
パルス電圧・電流・電力波形          パルス幅 : 500ns  最大電圧 : -23kV  最大電流 : -70A 瞬間的な電力は最大で約 1.5 [MW]  1pulse当たりの注入エネルギーは0.7 [J/pulse] (14J/s)  バックグラウンドガスの組成によらず一定  MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY

7 実験条件 フェノール水溶液量 : 70g フェノール初期濃度 : 300ppm パルス繰り返し周波数 : 20pps
実験条件        フェノール水溶液量 : 70g   フェノール初期濃度 : 300ppm   パルス繰り返し周波数 : 20pps   充電電圧 : kV   放電照射時間 : 60min   針電極数 : 4 本   ギャップ長d : 4mm MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY

8 バックグラウンドガスの組成がフェノール分解に与える影響
バックグラウンドガスの組成がフェノール分解に与える影響       分解率は3通りの傾向を示した (正極性の場合も同様)      in pure O2   → 56%     in pure N2   → 42%     in N2-O2 mix → 38%     in pure O2 O3,Oが生成されやすい in pure N2 N2(A)からのOH in N2-O2 分解率は最も低い  MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY

9 バックグラウンドガスの組成がフェノール分解に与える影響
バックグラウンドガスの組成がフェノール分解に与える影響       分解率は3通りの傾向を示した (正極性の場合も同様)      in pure O2   → 56%     in pure N2   → 42%     in N2-O2 mix → 38%     放電中では(N2-O2混合)  O2 + e → 2O + e   O + O2 + M → O3 + M   NO2 + O → NO + O2   NO + O → NO2   O3 + NO → NO2 + O2   O3,NOx,フェノール分解率の関係に注目した 

10 バックグラウンドガスのガス組成がフェノール分解に与える影響
バックグラウンドガスのガス組成がフェノール分解に与える影響       MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY

11 バックグラウンドガスのガス組成がフェノール分解に与える影響
バックグラウンドガスのガス組成がフェノール分解に与える影響       in pure O2 H2Oの解離により生成されたOH   O3,Oが効率よく生成されたと考えられる   BGガスの組成をO2単体とした場合,O3濃度とフェノール分解率が最も高く,O3のフェノール分解への寄与が確認できる フェノール分解にはOH,O3,Oが関係する   H2O + e → OH + H   O2 + e → 2O + e  O + O2 + M → O3 + M  NO2 + O → NO + O2  NO + O → NO2  O3 + NO → NO2 + O2   MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY

12 バックグラウンドガスのガス組成がフェノール分解に与える影響
バックグラウンドガスのガス組成がフェノール分解に与える影響       in pure N2 O3は生成されず,OHのみが酸化剤となりえるが,分解率はN2-O2混合中よりも高い   N2(A) + H2O → OH + N2 + H OH,N2(A)がフェノール分解に直接または間接的に関係する   H2O + e → OH + H   O2 + e → 2O + e  O + O2 + M → O3 + M  NO2 + O → NO + O2  NO + O → NO2  O3 + NO → NO2 + O2   MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY

13 バックグラウンドガスのガス組成がフェノール分解に与える影響
バックグラウンドガスのガス組成がフェノール分解に与える影響       in N2-O2 フェノール分解率は,O2,N2単体の場合よりも低下した NOxが多く生成された   O3は分解される  NOx生成反応でOが消費される  O,O3の生成が抑制されフェノール分解率は低下  H2O + e → OH + H   O2 + e → 2O + e  O + O2 + M → O3 + M  NO2 + O → NO + O2  NO + O → NO2  O3 + NO → NO2 + O2   MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY

14 バックグラウンドガスのガス組成がフェノール分解に与える影響
バックグラウンドガスのガス組成がフェノール分解に与える影響       Ar-O2混合ガス中では,N2-O2混合ガス中よりも高い分解率が得られた(およそ2倍) Ar混合割合を上昇させると,フェノール分解率も上昇するが,O3濃度は低下   準安定励起状態のAr(Ar*)がベンゼン環を分解[1] 電子衝突によるOH生成量は,N2-O2,Ar2-O2においても変わらない   H2O + e → OH + H   N2(A)と同様に,Ar*がH2Oと反応しOHを生成 H2O + Ar* → OH + H + Ar MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY [1] Dennis L McCorkle et al, J.Phys. D:Appl. Phys. Vol.32, pp (1999)

15 scavenging scavenging[1][2]
OHラジカルは酸化力が強く反応に選択性がないため,OHラジカルを分解対象以外の物質と反応させ消費させる方法 バックグラウンドガスをN2:O2=80:20,Ar:O2=80:20とし,n-butanol,HCOOHをそれぞれフェノール水溶液に添加して,フェノール分解におけるOHラジカルの影響を調査した       MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY [1] Ke Gai, Canadian Journal of Analytical Sciences and Spectroscopy,Vol.51, No.4(2006) [2] 稲森 他, エヌ・ティー・エス(1999) : “最新高度水処理技術 排水処理から有害物質の除去技術まで”,

16 scavenging       33% 26% 作用エネルギー密度は1g,1ppmあたりに注入されるエネルギーを表すため,scavenger(ブタノール,ギ酸)を添加してもフェノール分解特性は同様のプロファイルを示す 23% 分解効率は低下しており,OHラジカルはscavengerに消費されたと考えられる N2-O2混合とAr-O2混合の場合のscavenging効果を比較すると,Ar-O2混合において効果が大きい   66% 55% 46% Ar-O2混合ガス中の方がOHラジカル生成量が多いと考えられる MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY

17 まとめ フェノール水溶液上にパルス放電を発生させ,バックグラウンドガスの組成を変化させフェノール分解を行ない,分解特性を調査した結果を示す
まとめ   フェノール水溶液上にパルス放電を発生させ,バックグラウンドガスの組成を変化させフェノール分解を行ない,分解特性を調査した結果を示す     バックグラウンドガスをO2単体とした場合,O3,Oの増加によりフェノール分解率は上昇した      バックグラウンドガスをN2単体とした場合,N2(A)から生成されるOHによってフェノール分解率は上昇した      バックグラウンドガスをN2-O2混合とすると,O3はNOxで分解されるため,バックグラウンドガスをO2あるいはN2単体とした場合よりもフェノール分解率が低下した  バックグラウンドガスをAr-O2混合とした場合, N2-O2混合とした場合よりも高い分解率が得られ,また,Ar混合割合が高いほどフェノール分解率は上昇した  scavengingを用いてOHの寄与を調査した結果,Ar-O2混合ガス中のほうが,N2-O2混合ガス中よりもOHラジカルが多く生成されていることがわかった  MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY

18

19 針電極数の変化による放電形態の変化   

20 MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY

21 MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY

22 MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY

23 scavenging       作用エネルギー密度は1g,1ppmあたりに注入されるエネルギーを表すため,scavenger(ブタノール,ギ酸)を添加してもフェノール分解特性は同様のプロファイルを示す 33% 26% 23% 分解効率は低下しており,OHラジカルはscavengerに消費されたと考えられる N2-O2混合とAr-O2混合の場合のscavenging効果を比較すると,Ar-O2混合においてscavengingの効果が大きい   66% 55% Ar-O2混合ガス中の方がOHラジカル生成量が多いと考えられる 46% MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY

24 バックグラウンドガスのガス組成がフェノール分解に与える影響
バックグラウンドガスのガス組成がフェノール分解に与える影響       分解率は3通りの傾向を示した (負極性の場合も同様)     in pure O2   → 56%     in pure N2   → 42%     in N2-O2    → 35%     in pure O2 O3,Oが生成されやすい in pure N2 N2(A)からのOH in N2-O2 分解率は最も低い  MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY

25 バックグラウンドガスのガス組成がフェノール分解に与える影響
バックグラウンドガスのガス組成がフェノール分解に与える影響       MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY

26 パルス電圧・電流・電力波形 positive power negative
パルス電圧・電流・電力波形         positive power negative 1pulse当たりに含まれる電力は,正極性,負極性どちらの場合もおよそ同じ  瞬間的な電力は最大で約 1.5 [MW]  1pulse当たりの注入エネルギーは0.7 [J/pulse] (14J/s)  バックグラウンドガスの種類や電極構成によらず一定 

27 × 充電電圧値および針電極数の変化がフェノール分解に与える影響 = フェノール分解率は作用エネルギー密度の増加とともに上昇
充電電圧値および針電極数の変化がフェノール分解に与える影響       フェノール分解率は作用エネルギー密度の増加とともに上昇  充電電圧値,針電極数を変化させても分解率は同様のプロファイルとなる    DCコロナ放電を用いた場合もフェノール分解率のプロファイルは同様   フェノール分解特性は,充電電圧値,針電極数,放電形態に依存しない フェノール分解特性は,作用エネルギー密度によって決定される The operation energy density [J/(g・ppm)] input energy (J)   = mass of test liquid (g) × phenol concentration (ppm) MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY

28 バックグラウンドガスの湿度がフェノール分解に与える影響
バックグラウンドガスの湿度がフェノール分解に与える影響       バックグラウンドガスの湿度がフェノール分解に与える影響を調査するため,チェンバ内の湿度を変化させた   低湿度       高湿度        HV.(+ or -)     HV.(+ or -)     放電チェンバ 放電チェンバ 放電チェンバ内湿度 放電チェンバ内湿度 (4 : 1) (4 : 1) 20% 80% MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY

29 バックグラウンドガスの湿度がフェノール分解に与える影響
バックグラウンドガスの湿度がフェノール分解に与える影響       放電チェンバ内を高湿度にすることで分解率が約5%上昇した  H2O + e → OH + H 40% 35% MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY

30 バックグラウンドガスの湿度がフェノール分解に与える影響
バックグラウンドガスの湿度がフェノール分解に与える影響       放電チェンバ内を高湿度にすることで分解率が約5%上昇した  H2O + e → OH + H 正極性についても同様の実験を行なったが,高湿度のとき,分解率が上昇 43% 40% 35% 37% チェンバ内を高湿度としても,フェノール分解率の上昇はおよそ5%程度 ① チェンバ内を高湿度とした場 合のOHの増加はわずか ② 気相中のOHは増加するが,短寿命であるためフェノール水溶液に作用できない MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY

31 放電照射後のフェノール水溶液の導電率とpHの変化
 N2-O2混合 導電率:400mS/cm pH:3 400mS/cm  O2,N2,Ar-O2混合 100mS/cm 導電率:100mS/cm pH:4 N2-O2混合ガス中での導電率の上昇とpHの3付近までの低下は,NOxの影響と考えられる  4 3

32 放電照射後のフェノール水溶液の導電率とpHの変化
 N2-O2混合 導電率:400mS/cm pH:3 60%  O2,N2,Ar-O2混合 導電率:100mS/cm 40% pH:4 N2-O2混合ガス中での導電率の上昇とpHの3付近までの低下は,NOxの影響と考えられる  N2単体とAr-O2混合の導電率,pHのプロファイルは同様となったが,フェノール分解率に20%の差 導電率,pHの値はフェノール分解に関係しない 

33 バックグラウンドガスのガス組成がフェノール分解に与える影響
バックグラウンドガスのガス組成がフェノール分解に与える影響       in pure O2 O,O3が生成されやすいため分解率は上昇  in pure N2 O,O3は生成されないが,N2(A)の影響で分解率は上昇した  in N2-O2 O3はNOで分解される  NOx生成反応がO,O3生成を抑制している   OH > O3 > N2(A) MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY

34 バックグラウンドガスの組成がフェノール分解に与える影響
バックグラウンドガスの組成がフェノール分解に与える影響       N2(A) O3 H2O + e → OH + H     O + O2 + M → O3 + M    N2(A) + H2O → OH + N2 + H OH MURORAN INSTITUTE OF TECHNOLOGY


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