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9講義  「優れた研修講師と      なるために」 本日最後の講座となります。「優れた研修講師となるために」というテーマでお話しさせていただきます。○○教育委員会(○○小学校)の□□です。

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1 9講義  「優れた研修講師と      なるために」 本日最後の講座となります。「優れた研修講師となるために」というテーマでお話しさせていただきます。○○教育委員会(○○小学校)の□□です。

2 はじめに 1 中核教員研修の実施に当たって 2 市町村教育委員会の役割 3 校内研修の進め方 4 指導・助言のヒント 5 研修DVDの活用について ◇You can do it. ー小学校に英語がやってきた!- 中核教員とは各小学校で外国語活動を実施する上でのリーダー的役割を果たす教員のことです。小学校によって外国語活動主任など、名前はさまざまだと思います。この講座では、23年度の完全実施(年間35時間)に向けて、小学校で外国語活動が円滑に導入されるように、市町村教育委員会の果たす役割や校内研修の計画の立て方、研究授業での指導・助言方法を一緒に考えていきたいと思います。また、今後予想される課題を学校全体で段階的に解決していく一つの方法として、国が作成したDVDの紹介をさせていただきます。5月と7月の2日間の研修のまとめとして聞いていただけるとありがたいです。

3 中核教員研修の実施に当たって ☆中核教員の役割 (1)外国語活動の推進者 ・外国語活動の基本理念の把握 ・外国語活動実践者 ・小学校同士、あるいは小中連携の 情報交換のリーダー 本講座を受講した市町村の代表の先生方は、この2日間の研修資料を全て持ち帰って、なるべく早い時期に各小学校の外国語活動主任や推進者にあたる先生方に伝達講習をしていただくことになります。さらにその伝達講習を受けた先生方が、各小学校の研修講師であるとともに、自らも外国語活動の実践者として、授業内容や指導方法の工夫に努めていただくことになりますのでよろしくお願いします。こうして外国語活動への興味と、研究の雰囲気づくりを学校全体に広げていただけば、自然に各小学校の課題の発見や取組方法が見えてくると期待しています。それには、外国語活動の基本理念である、「コミュニケーション能力の素地を養う」という点に特に留意することと、また、他の小学校や校区の中学校の指導の様子を知ことも重要だと思います。

4 中核教員研修の実施に当たって ☆中核教員の役割 (2)学級担任のアドバイザー ・指導方法等の紹介や適切な支援 ・研究授業の運営及び指導助言
 ・指導方法等の紹介や適切な支援  ・研究授業の運営及び指導助言  ・校内研修計画の立案と推進  ・自己研修やグループ研修を行いや   すい環境づくり   中核教員の役割としては具体的に、学級担任の良きアドバイザーになっていただくことです。指導方法の紹介、国から配布された「英語ノート」や自作教材の効果的な使用方法、外国語活動を行う上で担任の先生の今一番困っていることに耳を傾けていただきたいです。それらの問題点はすぐに対応できることもあれば、校内体制で取り組む必要性のある課題もあると思いますので、項目ごとに整理していただき、校内研修のテーマにすることもできると思います。研究授業の運営に関しては、これまでの他教科でのノウハウを生かし、授業後の研究協議の意見交換が活発で実りのあるものにしてほしいです。また、校内研修の内容については、授業中心のもの、外国語活動理論に関するもの、保護者も参加できる講演会や交流会、英語力そのものを伸ばすものなどが考えられます。人数も少人数から全員参加のものなど内容に応じて工夫すると参加しやすいのではないかと思います。また、いくつかの研究部を立ち上げて運営を任せる方法もありますので、各小学校で今まで推進しているように実施しやすい体制を整えてほしいと思います。外部から講師を招聘する場合は、学習指導要領を熟知し、研究を進めている方や先進校の担当者等、ふさわしい人材に依頼してください。

5 市町村教育委員会の役割 ☆研修の実施と報告 ☆適切な支援 (1)校内研修の組織づくりの助言 (2)教材や教具などの環境整備 (3)研究発表に向けてのPR (4)小学校間及び小中連携の場の設定 1つめの研修の実際と報告についてです。市町村教育委員会の先生方は、各小学校への伝達講習後、2月末までに研修報告を文章と写真でまとめていただきたいと思います。基本的な様式は添付資料を参考に、A41~2枚程度で電子データ及び文書を義務教育課の担当まで提出してください。提出していただいたデータを県教育委員会のホームページに掲載し、県民へのPRと市町村間の情報交換の手立てとするなど有効に活用していきたいと考えております。2つ目に各小学校の教員が外国語活動への不安を少しでも解消し、「やってみたい」「できそうだ」と意欲をもてるように4つの支援をお願いしたいと思います。(1)外国語活動主任が校内研修を積極的に運営できるように、校長先生への働きかけをしてほしいです。(2)国から配布された「英語ノート」DVD教材を活用できるように、教材・教具などの環境整備と、ALTや地域人材等の発掘に関する助言をしていただきたいです。 (3)研究発表に向けてのPRをお願いします。研究発表会や校区内で研修の場が設定されれば、小学校同士や小中のつながりが深まり、情報交換しやすくなると思います。特に、同じ校区内の小学校で指導時数と内容があまりにもばらばらであると、中学校入学後の1学期は児童も指導者も慣れるまで足踏み状態が続くのではという懸念が出てまいります。お忙しい毎日だと思いますが何らかのチャンスをとらえてネットワークづくり一役かっていただければ、小中を通して児童生徒を育成しているのだという意識が高まるのではないかと期待しています。

6 校内研修の進め方 1 (1)年間研修計画の立案 ・現職教育の中に位置付け ・実施時間数 (2年間で30時間程度) ・研修内容 ・担当部局で運営 (全体会、担当部局会、学年会等) ◇『小学校外国語活動ガイドブック』p13,14参照 校内研修の始めは年間研修計画の立案です。国としては、研究授業に関するものを含めて、2年間で30時間程度の実施を求めていますが、各小学校の実状に合わせて実施してほしいと思います。年度当初に教務主任の先生と相談しながら現職教育の中に位置づけていただくと、進めやすいと思います。研修内容は伝達講習の内容を踏まえ、昨年度6月に配布された、『小学校外国語活動ガイドブック』を参考に計画してください。「英語の歌」や「クラスルームイングリッシュ」など、朝や帰りの打ち合わせの数分間を何回か継続した方が効果があがるものもあります。また、担当者を固定すると負担が増すので、輪番制にするなど多くの先生に担当していただくことで、お互いの良さを発揮でき、チームワークが高まるポイントにもなると思います。

7 校内研修の進め方 2 (2)研修内容の充実 ☆英語力向上のための研修 ・クラスルームイングリッシュ 繰り返しながら 慣れる! あいさつ 指示
校内研修の進め方 2 (2)研修内容の充実  ☆英語力向上のための研修  ・クラスルームイングリッシュ あいさつ 指示 Activityの英語 英語力向上に関するものとして、クラスルームイングリッシュがあります。これは、授業中に使用することによって、瞬時に児童に指示を伝えることができるものです。また、聞いている児童も使用している指導者も何回も使っているうちに、英語の音やリズムに慣れ親しむことができます。「英語ノート」指導資料にゲームやクイズの説明用に基本的なクラスルームイングリッシュがのっています。使えるものから徐々に使っていくこと、最初はジェスチャーを交えること、「習うより慣れろ」方式でだんだん使えるものを増やしていけば良いと考えています。研究授業やマイクロティーチングで指導者がどんな場面で使用しているか、その後の児童の動きがどういうものだったかを何度も見ていただくと、なじみやすいと思います。繰り返し、見たり、聞いたり、使ったりが上達のポイントです。 繰り返しながら 慣れる! 表情やジェスチャー

8 校内研修の進め方 3 ・発音クリニック ・基本英会話 ・歌やチャンツの紹介(英語ノート) ◇『小学校外国語活動研修ガイドブック』(付属CD)
校内研修の進め方 3 ・発音クリニック ・基本英会話  ◇『小学校外国語活動研修ガイドブック』(付属CD)   p78~p98参照 ・歌やチャンツの紹介(英語ノート) 小学校の先生から「専門ではないので、発音に自信がない」という話をよくお聞きします。英語教師でもなかなかネイティブのようにはいかないので、本講座の講師が説明していましたように、「聞いてまねる」を繰り返していくうちに、発音がうまくなるだけでなく、児童の気持ちに一番近づき、寄り添える指導者になると思います。発音に関するものはALTを講師とすると、一緒にジェスチャーを学びながら、TTの連携にも役立つと思います。また、歌やチャンツは「英語ノート」の付属CDやDVDを活用するといいです。早口で指示する必要はないので、ゆっくり大きな声で元気よく児童に話しかけてほしいです。 ALT 全職員 グループ 個人 中核教員

9 校内研修の進め方 4 (2)研修内容の充実 ☆授業指導力向上のための研修 ○理論を学ぶ ・外国語活動の意義とねらい ・学級担任に求められること ・TTでの役割分担 ・国際理解教育を目指して 研修内容を充実させるために考えることです。まず、指導力を向上させるためには、理論から迫ることも重要です。学習指導要領の主旨を十分に理解し、なぜ小学校で実施するのか、中学校へバトンタッチするために重要なことは何かを理解します。本講座でも受講していただいたことが参考になると思います。また、学級担任としての強みを生かすために、ALTや他の指導者と協力できること、他教科の学習や行事と関連させるとコミュニケーションに広がりがもてることなど、ねらいと方法を理解していただければと思います。

10 校内研修の進め方 5 ☆授業指導力向上のための研修 ○指導方法の工夫 ・児童に興味をもたせる導入方法 ・「英語ノート」のいいとこ取り ・CDやデジタル教材の活用 児童と指導者が共に外国語を楽しめる活動を工夫することも大切です。積極的にコミュニケーションを図ろうとする態度を育てるためには、児童が英語で言ってみたくなる、聞いてみたくなる身近な題材を選び、活動につなげます。この点、「英語ノート」ではゲームやクイズを多用し、単調な繰り返しの練習を避け、自然に身につくような工夫がされています。 ゲームでわくわく クイズでどきどき コミュニケーションで喜びを

11 校内研修の進め方 6 ☆授業指導力向上のための研修 ○実践を積み重ねる ・模擬授業(担任一人・TT) ・研究授業(ねらいを明確化) ・活動例と教材の共有化 ・児童への働きかけ ・英語学習者としてのモデル また、本講座のマイクロティーチングで研修していただいたように、実践力をつける上で模擬授業が有効です。計画する、シミュレーションをする、児童の気持ちになって参加する、担任一人で、あるいは2人以上の指導者がTTでと、いろいろな場合を考えることができます。また、模擬授業の長所は1つの活動だけで、たとえば10分から15分程度で実施することが可能であること、そういう模擬授業を何度も行えば、45分の研究授業の土台ができると思ますし、組み合わせて45分の一つの授業を完成することもできます。さらに、お互いに見せ合うことで、活動例と教材の共有化を図ることができますし、児童へのほめ言葉や評価方法などを聞く機会も増えます。このように指導者であると共に英語学習者としてさらなる自己研修の刺激を受ける場としていただければありがたいです。

12 校内研修の進め方 7 (1)自校の課題を把握し改善へ (2)指導者の不安を解消 実践への意欲 (3)児童の変容 (4)保護者を協力者に
校内研修の進め方 7  ☆課題解決に向けての研修  (1)自校の課題を把握し改善へ  (2)指導者の不安を解消     実践への意欲  (3)児童の変容  (4)保護者を協力者に 授業や研修を積み重ねて年度末には各学校の課題を共通理解から改善対策へと動き出してほしいです。それが指導者の不安解消につながり、次年度への目標づくりや実践への意欲になると思います。また、児童の変容をアンケートや何らかの手立てでまとめておくと、研究会や保護者会の資料として活用していただけると思います。

13 指導・助言のヒント 1 〈授業研究の視点〉 (1)単元の目標設定について (2)児童が活動の主役 (3)指導方法の工夫 ・TTの役割分担と協力度 ・英語と日本語のバランス (4)授業全体のマネジメント (5)題材と教材 研究授業で指導・助言をする時の視点として(1)~(5)までを参考例として取り上げました。(1)学習指導要領の目標に沿っているか、無理な目標になっていないかということです。子どもに必要以上の負担をしいるものではなく、積み重ねを大切にしていただきたいです。(2)目標に向かって活動が仕組まれているか、活動時間が保証されているか。活動の説明はクラスルームイングリッシュやジェスチャーなどでできるだけ短く、子どもたちがのびのびと活動しているか見ていただきたいです。(3)日本語による説明調の授業になっていないかです。これは(2)も関連してくることですが、せっかく英語のモデルとなるALTとのTTを計画しても必要以上に日本語が飛び交ってしまうと、授業のムードがそこなわれたり、子どもが英語でコミュニケーションしようとする意欲を育てることができなくなってしまいます。(4)は授業全体を通して、指導者も児童も生き生きと英語を楽しんでいるかどうかです。時間経過や活動の順序、児童を引き付ける工夫、コミュニケーションの様子など指導者が見通しをもってしているかどうかです。(5)児童の興味関心を引き出す題材か、教材の提示方法がねらいに合ったものか、これらについて触れていただけるような指導・助言が望ましいと考えていますがいかがでしょうか。もちろん先生方お一人お一人の持ち味を生かしたご指導をいただければと思います。

14 指導・助言のヒント 2 〈助言者として〉 ・長所を具体的に褒める ・指導者の思いに耳を傾ける ・疑問点、改善点はみんなで考える姿 勢で
指導・助言のヒント 2 〈助言者として〉 ・長所を具体的に褒める ・指導者の思いに耳を傾ける ・疑問点、改善点はみんなで考える姿  勢で ・「~という方法もある」×押しつけ ○自信をもてることが明日への架け橋 大切なことは研究協議のあとに、明日からの授業の糧になるような、自信をもって児童の前にたてるような、指導助言をしていただくことが大切ではないかと思います。多くをほめ、具体的な方向性を示し、次への意欲の刺激剤となることをご留意ください。それぞれの経験年数に違いがあるので、「~という方法も考えられます」という提示の仕方が望ましいと思います。自分だったらこういうふうにアドバイスをいただきたいと逆の立場で考えてみるのもいいかもしれません。

15 研修DVDの活用  (1)作成者 独立行政法人・教員研修センター (2)内容 問題提起→話合い→実践 (3)3者の視点 管理職・中核教員・担任 ○各小学校の「今」に合わせて 最後に独立行政法人教員研修センターが作成したDVDを紹介します。外国語活動の授業を進める上での問題提起から指導スタイルを確立するまでの物語となっています。今回は資料として市町村にCDを1枚ずつ配布させていただきますので、必要に応じて複製し、校内研修でお使いください。

16 おわりに Thank you for listening. I hope I can say “ We love English.”
最後になりましたが、まず地域の特性を生かして学校のチームワークを高めていただくこと、それが県内の小学校の外国語活動を充実させることにつながると信じております。お持ち帰りいただく資料は、私たちプロジェクトチームのメンバーが外国語活動導入のお役にたてればという気持ちで作成いたしました。このあとご参加の先生がたには伝達講習をしていただくわけですが、各市町村で私たちが不十分だった点に味付けをしていただいて、研修や実際の授業に役立てていただければ幸いです。これで平成21年度の外国語活動研修講座を終了させていただきます。


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