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埼玉大学大学院理工学研究科 物理機能系専攻 物理学コース 06MP111 吉竹 利織

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1 埼玉大学大学院理工学研究科 物理機能系専攻 物理学コース 06MP111 吉竹 利織
A=3体系鏡映核の核半径 埼玉大学大学院理工学研究科 物理機能系専攻 物理学コース 06MP111 吉竹 利織

2 ・3Hの核半径の導出 ・中間エネルギー領域での 3Hと3Heの反応断面積の比較
研究の目的 ・3Hの核半径の導出 ・中間エネルギー領域での  3Hと3Heの反応断面積の比較 →  → 

3 核半径 原子核の性質を調べる上で、重要なパラメータ → 3Hはまだ測定されていない!! 3Hの反応断面積を測定し、3Hの核半径を求める。
多くの軽い原子核では、 核半径は既に測定されている。 しかし、 3Hはまだ測定されていない!! 3Hの反応断面積を測定し、3Hの核半径を求める。

4 ・3Hの核半径の導出 ・中間エネルギー領域での 3Hと3Heの反応断面積の比較
研究の目的 ・3Hの核半径の導出 ・中間エネルギー領域での  3Hと3Heの反応断面積の比較 → 3Hの核半径は、まだ測定されていないため 核半径を求めるために反応断面積を測定 → 

5 3He sNPがsPPに比べ約3倍大きい。 質量数が3Hと同じA=3であり、 陽子数と中性子数が逆の鏡映核である 一方、
核子- 核子散乱断面積 一方、 核子- 核子散乱断面積は、 中間エネルギー領域において、 sNPがsPPに比べ約3倍大きい。 このようなエネルギー依存性から 原子核の密度分布を探ることができる 3Heは、790MeV/nucleonでの 相互作用断面積しか測定されていない

6 ・3Hの核半径の導出 ・中間エネルギー領域での 3Hと3Heの反応断面積の比較
研究の目的 ・3Hの核半径の導出 ・中間エネルギー領域での  3Hと3Heの反応断面積の比較 → 3Hの核半径は、まだ測定されていないため 核半径を求めるために反応断面積を測定 → 鏡映核の核構造の対称性を見るため 3Hも3Heも、中間エネルギー領域の反応断面積は測定されていない 60~140MeV/nucleon(中間エネルギー領域)における 3Hと3Heの反応断面積を測定し、 グラウバー理論を用いて核半径を導出する

7 トランスミッション法 反応標的前後の粒子の計数から断面積を導出する方法 検出器との反応などを補正 反応標的が無くても
トランスミッションは100%ではない

8 相互作用断面積と反応断面積 相互作用断面積 sI 反応の前後で核種が変わる反応の確率 反応断面積 sR 非弾性散乱を含めた反応の確率
反応断面積の導出には 非弾性イベントの見積もりが必要

9 HIMAC 4He 実験施設 シンクロトロン 2次ビームコース 医療用重イオン加速器(HIMAC) 2次ビームコース F3 D2 3H 反応標的 C 5.69, 11.6, 7.64, 17.4, 31.0, g/cm2 2次ビームエネルギー 63.3, 71.4, 100.0, 110.7, 123.2, 127.8 C中心 D1 3He 反応標的 C 3.12, 3.32, 6.03,9.37 g/cm2 2次ビームエネルギー 69.7, 101.0, 111.3, 123.1 C中心 F1(degrader) F0

10 セットアップ 前段粒子識別 C target (Br -TOF- DE 法) Br ・磁気剛性率(Br ) TOF DE 後段
・飛行時間(Time of Flight) ・エネルギー損失(DE) ・磁気剛性率(Br ) degrader C target 後段 双極子磁石(D2) 前段 F1F3プラスチックシンチレータ F3プラスチックシンチレータ Be target 1次ビーム(4He) 100,180MeV/nucleon

11 セットアップ 後段粒子識別 (E-DE法) C target E DE ・エネルギー損失(DE) 後段 ・全エネルギー(E) 前段
degrader ・エネルギー損失(DE) ・全エネルギー(E) Si、CsI(Tl)、plastic 後段 C target 前段 NaI(Tl)、CsI(Na) Be target 1次ビーム(4He) 100,180MeV/nucleon

12 3Hと3Heの粒子識別(反応標的前段) 4He 3H 3He d Br-TOF-DE 法 3H 63.3 MeV/nucleon @ C中心
TOF13[ns] DE [channel] 3H 63.3 C中心 4He d 3He TOF13[ns] DE [channel] 3He C中心

13 3Hと3Heの粒子識別(反応標的後段) 3H 3He d 3H 3He p d d p E-DE 法 3H 63.3 MeV/nucleon
3He MeV/nucleon @ C中心 3He 3H d Ecorrect [channel] [count] d Ecorrect [channel] [count] 3He E counterで 反応したイベント E counterで 反応したイベント ±4s ±4s p E [channel] d E [channel] p DE [channel] DE [channel]

14 3Hと3Heの粒子識別(反応標的後段) gate後 3H 63.3 MeV/nucleon @ C中心
3He MeV/nucleon @ C中心 非弾性イベント 非弾性イベント E [channel] E [channel] 射影 射影 DE [channel] DE [channel]

15 非弾性イベントの見積もり A B 図の領域Aと領域Bを 非弾性イベントの最大値 及び最小値と見積もった。 最大値 最小値 b a d c e
±4s DE [channel] [count] [count] b 最大値 ±4s 最小値 a d A B c e DE [channel]

16 結果 前段、後段での3Hと3Heのイベント数 3H 3He t [/cm2] Rin Rout 誤差は、非弾性イベント の見積もりによるもの
      の見積もりによるもの 同様にして 他のエネルギーの 反応断面積も導出

17 反応断面積の結果 3H 3He sNNがsPPよりも大きい可能性がある およそ5% 3Hの反応断面積の方が大きい
誤差は、 統計誤差 標的厚誤差 非弾性見積もり誤差 より導出 反応断面積の結果 3H 3He およそ5% 3Hの反応断面積の方が大きい →3Hと3Heの核構造が同じだと仮定すると   sNNがsPPよりも大きい可能性がある

18 実験値の方が、Koxの式に比べて大きい Koxの式とエネルギー依存性の傾向は一致
安定核同士の反応断面積をよく再現する。 3H+12C 3He+12C :原子核中心部での入射核と標的核の相互作用半径の和 :原子核表面部での入射核と標的核の相互作用半径の和 :クーロン障壁 :重心系での運動エネルギー S.Kox. Phys.Rev.c 実験値の方が、Koxの式に比べて大きい Koxの式とエネルギー依存性の傾向は一致

19 グラウバーモデルによる考察 3Hと3He、どちらも核子密度分布をガウス関数型を仮定 陽子分布・・・荷電半径を再現するように固定
sR :反応断面積 rP(r) :入射核の核子密度分布 rT(r) :標的核の核子密度分布 sij :核子核子散乱断面積 C(E) :クーロン効果による補正 3Hと3He、どちらも核子密度分布をガウス関数型を仮定 陽子分布・・・荷電半径を再現するように固定 中性子分布・・・実験結果を再現するような値に決定 幅パラメータs sP(3H)= fm sN(3H)= sP(3He)= fm sN(3He)=    fm(71.4MeV/nucleonを再現)   fm(123.05MeV/nucleonを再現) 誤差は、反応断面積の誤差の限界を再現する幅パラメータの値より導出

20 グラウバーモデルと実験結果の比較 3Hと3He どちらの場合においても 本実験の値を再現している 平均二乗半径

21 3Hの陽子半径と中性子半径の差は、3Heよりも大きい
グラウバーモデルで用いた幅パラメータにおける 陽子半径及び中性子半径 3Hの陽子半径と中性子半径の差は、3Heよりも大きい

22 結論 今後 3H及び3Heの12Cに対する中間エネルギー領域での 反応断面積は、3Hの方が約5%大きいという結果が得られた
誤差2~3%で決定した グラウバーモデルが成立するという仮定の下では、 3Hと3Heの反応断面積の違いは核半径の違いに見えるように、 核子密度分布の違いによるものと考えられる 今後 エネルギーの測定点を増やす   160~210MeV/nucleonのエネルギー範囲(測定済み) 12C以外の反応標的を使用しての測定

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25 3Hの陽子半径と中性子半径の差は、3Heよりも大きい
グラウバーモデルで用いた幅パラメータにおける 陽子半径及び中性子半径 3Hの陽子半径と中性子半径の差は、3Heよりも大きい Sn(3H) =6.26MeV 分離エネルギー Sp(3He)=5.49MeV


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