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化学肥料(肥効調節型肥料)の窒素の効き方のパターン

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1 化学肥料(肥効調節型肥料)の窒素の効き方のパターン
4種類重ね合わせ

2 肥効調節型でない肥料(硫安等) 肥効調節型でない肥料(硫安等)

3 肥効調節型肥料・シグモイド型 肥効調節型肥料・シグモイド型 y = 88/(1+exp(-0.08*(x-70)))

4 肥効調節型肥料・放物線型 肥効調節型肥料・放物線型 y = 15 * sqrt(0.8*x) * x

5 肥効調節型肥料・リニア型 肥効調節型肥料・リニア型 y = 0.72 * x

6 堆肥からの窒素供給量(kg/t・乾物) 緑: 牛ふん堆肥 青: 豚ぷん堆肥 紫: 鶏ふん堆肥 ※堆肥と土壌を混ぜて30℃で培養し、土壌のみからの窒素発現量を差し引き、堆肥から出てきた窒素量を計算。 土壌中の窒素は塩化カリウム溶液で抽出後、水蒸気蒸留法で測定。 0日は堆肥から塩酸抽出される無機態窒素(硝酸態+アンモニア態・MAP態、鶏ふん堆肥では尿酸結合態を含む) ○: 最初に増える □: 変わらない ◇: 後から増える 棚橋ら棚橋寿彦・小柳渉: 酸性デタージェント可溶有機物と無機態窒素を指標とした牛ふん堆肥・豚ぷん堆肥の窒素肥効評価,土肥誌,81,336~342 (2010)棚橋ら: 鶏ふん堆肥の窒素含量に基づく肥効推定法,土肥誌,75,257~260 (2004) より改変

7 堆肥からの窒素供給量(kg/t・乾物) 紫: 鶏ふん堆肥 ○: 最初に増える 一番下はパターンとしては「最初に増える」よりも「変わらない」に近いが、 鶏ふん堆肥は畜種で仕分けした方が都合が良いので、こちらに含める。 なお、分析値からの推定においても、一番下のものは鶏ふん堆肥の計算方法のが、 牛ふん堆肥の計算方法よりも合致するため、この畜種による仕分けは妥当と考えられる。 棚橋寿彦・矢野秀治: 鶏ふん堆肥の窒素含量に基づく肥効推定法,土肥誌,75,257~260 (2004) より改変

8 堆肥からの窒素供給量(kg/t・乾物) 紫: 鶏ふん堆肥 ○: 最初に増える 「最初に増える」よりも「変わらない」に近いものを外したグラフ。 詳細な説明をしない場合、混乱の原因になるグラフは見せない方がよいので、 割愛する。 棚橋寿彦・矢野秀治: 鶏ふん堆肥の窒素含量に基づく肥効推定法,土肥誌,75,257~260 (2004) より改変

9 堆肥からの窒素供給量(kg/t・乾物) 紫: 鶏ふん堆肥 ○: 最初に増える 一番増加量が多いもの 棚橋寿彦・矢野秀治: 鶏ふん堆肥の窒素含量に基づく肥効推定法,土肥誌,75,257~260 (2004) より改変

10 堆肥からの窒素供給量(kg/t・乾物) 紫: 鶏ふん堆肥 ○: 最初に増える 二番目に増加量が多いもの。「堆肥中の窒素の土壌中での放出パターン」のスライドで使用しているグラフ。 棚橋寿彦・矢野秀治: 鶏ふん堆肥の窒素含量に基づく肥効推定法,土肥誌,75,257~260 (2004) より改変

11 堆肥からの窒素供給量(kg/t・乾物) 紫: 鶏ふん堆肥 ○: 最初に増える 「最初に増える」よりも「変わらない」に近いもの。 棚橋寿彦・矢野秀治: 鶏ふん堆肥の窒素含量に基づく肥効推定法,土肥誌,75,257~260 (2004) より改変

12 堆肥からの窒素供給量(kg/t・乾物) 緑: 牛ふん堆肥 青: 豚ぷん堆肥 □: 変わらない ◇: 後から増える 牛ふん堆肥と豚ぷん堆肥 棚橋寿彦・小柳渉: 酸性デタージェント可溶有機物と無機態窒素を指標とした牛ふん堆肥・豚ぷん堆肥の窒素肥効評価,土肥誌,81,336~342 (2010)より作成

13 堆肥からの窒素供給量(kg/t・乾物) 緑: 牛ふん堆肥 青: 豚ぷん堆肥 □: 変わらない 牛ふん堆肥と豚ぷん堆肥で、最初の量から変わらないもの。 棚橋寿彦・小柳渉: 酸性デタージェント可溶有機物と無機態窒素を指標とした牛ふん堆肥・豚ぷん堆肥の窒素肥効評価,土肥誌,81,336~342 (2010)より作成

14 堆肥からの窒素供給量(kg/t・乾物) 緑: 牛ふん堆肥 青: 豚ぷん堆肥 ◇: 後から増える 牛ふん堆肥と豚ぷん堆肥で、後から増えるもの 棚橋寿彦・小柳渉: 酸性デタージェント可溶有機物と無機態窒素を指標とした牛ふん堆肥・豚ぷん堆肥の窒素肥効評価,土肥誌,81,336~342 (2010)より作成

15 堆肥からの窒素供給量(kg/t・乾物) 緑: 牛ふん堆肥 □: 変わらない ◇: 後から増える 牛ふん堆肥のみ 棚橋寿彦・小柳渉: 酸性デタージェント可溶有機物と無機態窒素を指標とした牛ふん堆肥・豚ぷん堆肥の窒素肥効評価,土肥誌,81,336~342 (2010)より作成

16 堆肥からの窒素供給量(kg/t・乾物) 緑: 牛ふん堆肥 □: 変わらない 牛ふん堆肥(比較的無機態窒素が多いもの) 棚橋寿彦・小柳渉: 酸性デタージェント可溶有機物と無機態窒素を指標とした牛ふん堆肥・豚ぷん堆肥の窒素肥効評価,土肥誌,81,336~342 (2010)より作成

17 堆肥からの窒素供給量(kg/t・乾物) 緑: 牛ふん堆肥 □: 変わらない 牛ふん堆肥(無機態窒素ほとんどなし) 棚橋寿彦・小柳渉: 酸性デタージェント可溶有機物と無機態窒素を指標とした牛ふん堆肥・豚ぷん堆肥の窒素肥効評価,土肥誌,81,336~342 (2010)より作成

18 堆肥からの窒素供給量(kg/t・乾物) 緑: 牛ふん堆肥 ◇: 後から増える 牛ふん堆肥で後から増えるパターンのもの 棚橋寿彦・小柳渉: 酸性デタージェント可溶有機物と無機態窒素を指標とした牛ふん堆肥・豚ぷん堆肥の窒素肥効評価,土肥誌,81,336~342 (2010)より作成

19 堆肥からの窒素供給量(kg/t・乾物) 青: 豚ぷん堆肥 □: 変わらない ◇: 後から増える 豚ぷん堆肥のみ 棚橋寿彦・小柳渉: 酸性デタージェント可溶有機物と無機態窒素を指標とした牛ふん堆肥・豚ぷん堆肥の窒素肥効評価,土肥誌,81,336~342 (2010)より作成

20 堆肥からの窒素供給量(kg/t・乾物) 青: 豚ぷん堆肥 □: 変わらない 豚ぷん堆肥(無機態窒素が多いもの) 棚橋寿彦・小柳渉: 酸性デタージェント可溶有機物と無機態窒素を指標とした牛ふん堆肥・豚ぷん堆肥の窒素肥効評価,土肥誌,81,336~342 (2010)より作成

21 堆肥からの窒素供給量(kg/t・乾物) 青: 豚ぷん堆肥 □: 変わらない 豚ぷん堆肥(無機態窒素ほとんどなし) 棚橋寿彦・小柳渉: 酸性デタージェント可溶有機物と無機態窒素を指標とした牛ふん堆肥・豚ぷん堆肥の窒素肥効評価,土肥誌,81,336~342 (2010)より作成

22 堆肥からの窒素供給量(kg/t・乾物) 青: 豚ぷん堆肥 ◇: 後から増える 豚ぷん堆肥で後から増えるパターンのもの 棚橋寿彦・小柳渉: 酸性デタージェント可溶有機物と無機態窒素を指標とした牛ふん堆肥・豚ぷん堆肥の窒素肥効評価,土肥誌,81,336~342 (2010)より作成

23 牛ふん堆肥のAD可溶有機物(403点) 250(mg/g・乾物)未満: 334 250(mg/g・乾物)以上・350 (mg/g・乾物)未満: 50 350 (mg/g・乾物)以上: 19 ※小柳、棚橋、畜産環境整備機構の分析結果を集計(2008) 小柳、棚橋、畜産環境整備機構の分析結果を集計(2008)

24 牛ふん堆肥のAD可溶有機物(403点) 5% 250未満 12% 250以上 350未満 350以上 83%
250(mg/g・乾物)未満: 334 250(mg/g・乾物)以上・350 (mg/g・乾物)未満: 50 350 (mg/g・乾物)以上: 19 ※小柳、棚橋、畜産環境整備機構の分析結果を集計(2008) 83% 小柳、棚橋、畜産環境整備機構の分析結果を集計(2008)

25 ADOM<250 窒素肥効パターンの模式図(横軸は日数・縦軸は堆肥からの窒素供給量)
牛ふん堆肥・AD可溶有機物 250mg/g・乾物未満、C/N 18未満 低い位置で横ばい(後から出てくるものはほとんど無い) 緩効性窒素がないので、すべての作物で利用しやすい。塩酸抽出無機態窒素が多い場合は、基肥窒素を削減。ただし、水稲作では硝酸態窒素は脱窒により損失するので施肥設計時に考慮しない(各堆肥共通)。 加藤ら 「家畜ふん堆肥の窒素肥効の遅速に基づく評価法 第14報 施用当作の窒素肥効からみた推奨すべき家畜ふん堆肥の施用法」(土壌肥料学会2009年大会)より作成

26 ADOM≧250 C/N<18 窒素肥効パターンの模式図(横軸は日数・縦軸は堆肥からの窒素供給量)
牛ふん堆肥・AD可溶有機物 250mg/g・乾物以上 低い位置から下がり、その後増える。ただし、豚ぷん堆肥ほど多くは増えない。 窒素肥効の有効利用の観点から、水稲作での秋施用はなるべく避ける。また、有機化による生育抑制が起きやすい短期葉菜類での利用は避ける。 加藤ら 「家畜ふん堆肥の窒素肥効の遅速に基づく評価法 第14報 施用当作の窒素肥効からみた推奨すべき家畜ふん堆肥の施用法」(土壌肥料学会2009年大会)より作成

27 ADOM≧250 C/N≧18 窒素肥効パターンの模式図(横軸は日数・縦軸は堆肥からの窒素供給量)
牛ふん堆肥・AD可溶有機物 250mg/g・乾物以上、C/N 18以上 低い位置から下がり、その後横ばい(木質系の有機物の分解で窒素が取り込まれる) すぐには再無機化しないので、水稲の秋施用や中長期野菜で土壌物理性改善に利用する。 加藤ら 「家畜ふん堆肥の窒素肥効の遅速に基づく評価法 第14報 施用当作の窒素肥効からみた推奨すべき家畜ふん堆肥の施用法」(土壌肥料学会2009年大会)より作成

28 豚ぷん堆肥のAD可溶有機物(密閉縦型以外・141点)
250(mg/g・乾物)未満: 91 250(mg/g・乾物)以上・350 (mg/g・乾物)未満: 38 350 (mg/g・乾物)以上: 12 ※小柳、棚橋、畜産環境整備機構の分析結果を集計(2008) 小柳、棚橋、畜産環境整備機構の分析結果を集計(2008)

29 豚ぷん堆肥のAD可溶有機物(密閉縦型以外・141点)
9% 250未満 250以上 350未満 27% 350以上 豚ぷん堆肥のAD可溶有機物(密閉縦型以外・141点) 250(mg/g・乾物)未満: 91 250(mg/g・乾物)以上・350 (mg/g・乾物)未満: 38 350 (mg/g・乾物)以上: 12 ※小柳、棚橋、畜産環境整備機構の分析結果を集計(2008) 64% 小柳、棚橋、畜産環境整備機構の分析結果を集計(2008)

30 豚ぷん堆肥のAD可溶有機物(密閉縦型・39点)
250(mg/g・乾物)未満: なし 250(mg/g・乾物)以上・350 (mg/g・乾物)未満: 6 350 (mg/g・乾物)以上: 33 ※小柳、棚橋、畜産環境整備機構の分析結果を集計(2008) 小柳、棚橋、畜産環境整備機構の分析結果を集計(2008)

31 豚ぷん堆肥のAD可溶有機物(密閉縦型・39点)
15% 250以上 350未満 350以上 豚ぷん堆肥のAD可溶有機物(密閉縦型・39点) 250(mg/g・乾物)未満: なし 250(mg/g・乾物)以上・350 (mg/g・乾物)未満: 6 350 (mg/g・乾物)以上: 33 ※小柳、棚橋、畜産環境整備機構の分析結果を集計(2008) 85% 小柳、棚橋、畜産環境整備機構の分析結果を集計(2008)

32 ADOM<250 窒素肥効パターンの模式図(横軸は日数・縦軸は堆肥からの窒素供給量)
豚ぷん堆肥・AD可溶有機物 250mg/g・乾物未満 高い位置で横ばい(後から出てくるものはほとんど無い) すべての作物で利用可能だが、速効性窒素が多いので基肥窒素を削減する。また、窒素肥効の有効利用の観点から、水稲作での秋施用はなるべく避ける。 加藤ら 「家畜ふん堆肥の窒素肥効の遅速に基づく評価法 第14報 施用当作の窒素肥効からみた推奨すべき家畜ふん堆肥の施用法」(土壌肥料学会2009年大会)より作成

33 ADOM≧250 窒素肥効パターンの模式図(横軸は日数・縦軸は堆肥からの窒素供給量) 豚ぷん堆肥・AD可溶有機物 250mg/g・乾物以上
やや高い位置から下がり、その後増える。牛ふん堆肥よりも増加量が多い。 短期葉菜類での利用は避け、中長期の葉根菜に利用する。水稲作で春施用する場合は、有機化による初期生育抑制を防ぐため、基肥窒素代替率を暖地でも50%以下とする。秋施用は避ける。 加藤ら 「家畜ふん堆肥の窒素肥効の遅速に基づく評価法 第14報 施用当作の窒素肥効からみた推奨すべき家畜ふん堆肥の施用法」(土壌肥料学会2009年大会)より作成

34 副資材なし 窒素肥効パターンの模式図(横軸は日数・縦軸は堆肥からの窒素供給量) 鶏ふん堆肥(副資材なし)
高い位置から短期間に増える。その後、頭打ち。 すべての作物で利用可能であるが、速効性窒素が多い堆肥では、その有効利用と環境保全の面から水稲作での秋施用は避ける。温暖条件では、施用2ヶ月以降に発現する窒素肥効はない。 加藤ら 「家畜ふん堆肥の窒素肥効の遅速に基づく評価法 第14報 施用当作の窒素肥効からみた推奨すべき家畜ふん堆肥の施用法」(土壌肥料学会2009年大会)より作成


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