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小児在宅医療の現状と課題 診療所の立場から
平成28年度在宅医療関連講師人材養成事業研修会 小児在宅医療の現状と課題 診療所の立場から ひばりクリニック 認定特定非営利活動法人うりずん 髙橋 昭彦 (宇都宮市) 栃木県宇都宮市にあります、ひばりクリニック・認定特定非営利活動法人うりずんの髙橋 昭彦です。このセッションでは、小児在宅医療の現状と課題について、 診療所とうりずんで地域の暮らしを見つめてきた立場からお伝えします。
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本日の内容 ひばりクリニック 地域であたり前に暮らすとは? 制度の狭間にいる子どもたち 小児の在宅医療・在宅ケアの特徴
小児在宅医療と多職種連携 小児の在宅医の役割 退院調整 移行期:大人になる子どもたち どの家庭にも起こり得ること うりずんの活動 子どもと家族が抱える10の課題 いつまで介護をしたいですか? 今のうちに準備しておきたいこと 経験値0より1を増やす 本日の内容です。
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ひばりクリニック (宇都宮市) 2002年5月開業 機能強化型在宅療養支援診療所 標榜:小児科・内科
2002年5月開業 機能強化型在宅療養支援診療所 標榜:小児科・内科 午前中外来、午後は在宅医療(0~100歳) 在宅患者 現在70名前後 医師(常勤1非常勤3)、看護3、保育2、事務5 2003年1月~ 小児在宅医療を開始 2008年6月~ レスパイトケア施設うりずん開設 2012年3月 特定非営利活動法人 うりずん設立 2016年4月 病児保育かいつぶり新設 宇都宮市は栃木県の県都、人口50万人の中核市です。ひばりクリニックは2002年に開業しました。常勤医師ひとり体制で午前は外来、午後は在宅医療を担ってきましたが、在宅患者さんが次第に増え、外来と在宅医療については非常勤医師の応援を得て運営しています。人工呼吸器をつけた子どもとの出会いがあり、宇都宮市が日中一時支援の特別版ともいえる制度を創設したことから、2008年6月、うりずんを開設、現在うりずんはNPO法人となりました。
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地域であたり前に暮らすとは? おはよう 行ってきます 活動の場 ただいま ふれあい 楽しみ おやすみなさい 歯磨き・着替え・朝ごはん
おはよう 行ってきます 活動の場 ただいま ふれあい 楽しみ おやすみなさい 歯磨き・着替え・朝ごはん 歩き・自転車・バス・電車 幼稚園・学校・仕事・遊び 着替え・お風呂・夕ご飯 今日はこんなことしたよ~ 音楽・読書・テレビなど 体を休める 私たちは朝になると起き、歯磨き・着替え・朝ごはんを済ませて、歩き、電車、自動車など何らかの交通手段で活動の場に行きます。そこは、幼稚園・学校・職場だったり遊びをする場所です。家に帰ると着替え・お風呂・夕ご飯を済ませ、今日一日あったことを話すふれあいの時間や、好きな音楽を聴いたり本を読むなど楽しみの時間があり、おやすみなさいと体を休めます。地域であたり前に暮らすということはこんな感じでしょう。しかし、この当たり前の暮らしを達成するために、私たちの何倍も時間と労力をかけなければならない人たちもいます。
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医療的ケア児の超重症児スコアと、 運動機能・言語理解の関係 研究報告書:地域の現状からみた小児在宅医療の目指すところ 「医療的ケア児とその家族に、安心とゆとりを」2016
●:25点以上 ■:10~24点 △:5~9点 運動機能 走れる 歩ける 歩行障害 座れる 寝たきり 言語理解 特に障害はない ■(15) △(5)△(5) 簡単な計算可 ●(30)△( 5 ) ●(29)△( 5 ) △( 5 ) 簡単な文字・数字の理解可 ■(16)■(16) ■(16)■(10) ●(39) 簡単な色・数の理解可 ■(13) 日常の言語理解可 ●(26) △( 8 ) ■(23) 簡単な言語理解可 △( 5 )△( 5 ) ■(13)■(15) ●(44)●(26)■(24) 言語理解不可 △( 5 ) ●(39)●(39)●(36)●(36) ●(36)●(34)●(34)●(33) ●(32)●(32)●(29)●(29) ●(29)●(27)●(26)●(26) ■(24)■(24)■(23)■(23) ■(21)■(21)■(21)■(21) ■(21)■(18)■(18)■(17) ■(16)■(16)■(14)■(13) ■(11)■(11)■(11)■(11) ■(10)■(10)△( 8 )△( 8 ) △( 6 )△( 5 )△( 5 )△( 5 ) 地域の現状からみた小児在宅医療の目指すところ 「医療的ケア児とその家族に、安心とゆとりを」は、2016に栃木県の委託により小児慢性特定疾病の全数調査を行いました。回答があった780名の中に医療的ケア児は93名存在し、超重症児スコアと運動機能・言語理解を表にしたところ、その殆どは、運動機能が座位までで知的障害が重度と考えられる子どもでしたが、知的障害がない、または軽い子どもや、走れる、歩けるなどの活発な運動機能を有する子どもの存在が明らかとなりました。
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現在の福祉制度の枠組み 【超重症児】 慢性心疾患 寝たきり 知的障害軽度 人工呼吸器 【重度心身障害】 神経・筋疾患 寝たきり 言語理解不可
神経・筋疾患 寝たきり 言語理解不可 慢性呼吸器疾患 走れる 知的障害なし 現在の福祉制度の枠組み 【重度心身障害】 慢性心疾患 座れる 言語理解不可 悪性新生物 寝たきり 知的障害軽度 酸素吸入 知的障害が重度で、運動機能が寝たきりまたは座位までの子どもは、重症心身障害児と呼ばれ、超重症児スコアが25点以上を超重症児、10点以上を準超重症児(いずれも運動機能座位まで)と呼ばれます。これらの子どもは現在の福祉制度の枠組みで救済されますが、先に述べた知的障害がないまたは軽い子どもや、走れる、歩けるなどの運動機能を有する子どもは制度の枠組みから漏れてしまう可能性があります。医療の進歩により救われた子どもの実態に制度が追い付いていません。 制度の枠組みから 漏れてしまう子どもたち…
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小児在宅医療・在宅ケアの特徴 障がいが重度で、吸引、経管栄養などの医療的ケアが必要な人の割合が多い 専門医療機関の受診が継続される
頻繁に入退院を繰り返すことがある 医療・福祉・教育・療育・保育など多職種チームが関わり育ちを支援する必要がある 利用できる社会資源が極めて少ない 家族の負担大(きょうだいへの影響大) 成長とライフステージに寄り添う支援必要 小児在宅医療・在宅ケアの特徴をまとめました。障がいが重度で、医療的ケアが必要であること、高齢者と異なり専門医療機関の受診が継続されること、体調が不安定で入退院を繰り返すことが多いこと、子どもには医療・福祉・教育などの多職種チームが関わりますが、利用できる社会資源は極めて限られます。そのため家族の負担が大きく、きょうだいたちも我慢をすることが少なくありません。また、子どもの成長や家族のライフステージに寄り添う支援が求められます。
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小児在宅医療と多職種連携 行 政 福 祉 在宅医療 病 院 育 ち 相談支援 保健師 障害福祉担当 居宅介護・移動支援 在宅医・歯科医
行 政 福 祉 在宅医療 保健師 障害福祉担当 居宅介護・移動支援 訪問入浴・児童発達支援 放課後等デイサービス 日中一時支援・生活介護 短期入所・福祉用具 在宅医・歯科医 訪問看護・訪問リハ 薬剤師等 病 院 育 ち 小児科医・他科専門医 リハビリセラピスト 短期入院 地域連携看護師・MSW 子どもがあたり前に暮らしていくためには、実に多くの支援が必要です。在宅医療と専門医療機関である病院との連携はもちろんのこと、日々の暮しを支えるさまざまな福祉事業者や育ちに関わる人たちが安心して支援ができるために連携は欠かせません。また、子どもについての支援には、支給量の決定や災害時の対応など行政の関わりも重要です。これらの調整を担うことが期待されているのが障害者相談支援専門員です。 保育・療育 学校 相談支援 障害者相談支援専門員
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小児の在宅医の役割 専門病院との役割分担(入院・専門的な検査は病院が担う 在宅療養指導管理料はどこが算定するのか決めておく)
専門病院との役割分担(入院・専門的な検査は病院が担う 在宅療養指導管理料はどこが算定するのか決めておく) 日常的な診療や相談(かかりつけ医として) 予防接種(家族も含む) 身体障害者指定医・小児慢性特定疾病や難病指定医として書類作成を行う 家族の診療 訪問看護ステーションとの連携 障害者相談支援専門員・保健師との連携 福祉事業所との連携 小児の在宅医の役割です。一般的には入院や専門的な検査は専門病院が担い、日常的な診療や相談は在宅医が担うとよいでしょう。在宅療養指導管理料を算定する医療機関は必要な物品をすべて提供することになるので、どこが算定するのか決めておきます。通院の負担を減らすため、予防接種や家族の診療を行ったり、さまざまな書類を在宅医が担えるとよいでしょう。訪問看護ステーション、障害者相談支援専門員や保健師、福祉事業所との連携も重要です。
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退院調整 医療的ケア → 手技・カニューレ交換・複数人材確保 外出手段 → 車いす・移乗・自家用車確保・ヘルパー
医療的ケア → 手技・カニューレ交換・複数人材確保 外出手段 → 車いす・移乗・自家用車確保・ヘルパー 家屋調査 → 階段・段差・浴室・電源・避難路 在宅医・訪問看護ステーション・薬剤師などの確保 レスパイトケア → 日中活動・お泊り・移動支援 調整役 → 障害者相談支援専門員・保健師 制度 → 障害手帳、小児慢性特定疾病、手当など 退院前カンファレンスで情報共有と最終調整 予測される病状変化と対応策についての説明 暮らしの状態と家族背景(きょうだい・収入等) 常時介護する母親の仕事量を積算→アレンジ! 病院と在宅医の役割分担 生活環境、支援の仕組み、親の気持ち OK→退院! 退院調整のためには、病院側と地域側が連携しながらしっかりと準備する必要があります。命を守る医療的ケアを複数の人間が担えるようにすること、子どもの社会参加のため外出手段の確保は極めて重要です。特に、人工呼吸器、吸引器などを搭載した重装備の車いすに乗る子どもは、車両や移動支援などの人手の確保をしておかないと、通院以外どこもお出かけできない暮らしになってしまいます。母親の介護負担軽減のためさまざまなサービスも確保して、親が退院してやってみたいという気持ちになったら退院です。
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移行期:大人になる子どもたち 移行期 transition 小児期から成人期に移り変わりゆく時期
小児期から成人期に移り変わりゆく時期 小児科医 → 成人の診療科医師への移行に課題 成人の診療科医師は自分の専門以外も含めて、総合的にみる医師は少ない 小児期特有の先天性心疾患・てんかん等を診ることができる成人の診療科医師はさらに少ない・・・ 総合的にみる医師が必要 地域では、小児の在宅医療の担い手は 成人の在宅医>小児科の在宅医 が現状 小児期にも、そして移行期を乗り切るにも、在宅医療が必要です! 小児期から成人期に移り変わりゆく移行期(transition)には、医療の引き継ぎが課題になります。成人の専門医は小児科医に比べて総合的に診る医師が少ないのです。小児特有の先天性心疾患やてんかんを有して移行期を迎えた子どもをみる医師もさらに少ないのです。小児の在宅医療の担い手は、成人の在宅医のほうが小児科の在宅医よりも多く、地域で継続的にみる在宅医がいれば、移行期を乗り切ることに不安や負担は少ないと思います。
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どの家庭にも起こり得ること 肺炎で救急搬送が必要 きょうだいを誰がみるか
肺炎で救急搬送が必要 きょうだいを誰がみるか きょうだいの出生 → 送迎+日中預かり 短期入所 緊急連絡網と介護体制確保 学校へ通学 → 学校は母親が滞在することを条件/1人で連れていけないので移動支援を特例で確保/ヘルパーの車を自費レンタル/毎日の滞在が負担! 修学旅行 → 保護者の同伴が条件/保護者が体調不良だと旅行にいけない/学校行事は移動支援使えない 地震等の災害 → 避難路/電源/ご近所対策 親が救急搬送される → 子どもの見守り確保 親が末期がんになる → 在宅看取りに同じチームが 母親が介護できなくなる → そのときまでにどう準備 子どもが亡くなる → 在宅看取り/デスカンファ どの家庭にもあるように、医療的ケア児の家庭にもさまざまなことが起こり得ます。肺炎で救急搬送になったとき、きょうだいを誰がみるのか。人工呼吸器をつけた子どものきょうだいが生まれるとき緊急時を含めてどう準備するのか、学校へ通学を希望すると母親が滞在することを条件にされたり、修学旅行で親がついていかないと子どもが参加できなかったり。地震等の災害のときの対応も十分ではありませんし、親が倒れたり末期がんになることもあります。親亡きあとや子ども自身の看取りについても考えて行かねばなりません。
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うりずんのなりたち 2006年9月 ある日男児の家を訪問すると・・・母親 が高熱で寝込み、父親が欠勤して介護 2006年10月 何とかしたい→やる理由だけを考える 2007年 勇美財団助成金を得て研究事業開始 診療所でもレスパイトケアは可能と実証 2008年3月 宇都宮市が「重症障がい児者医療的ケア 支援事業」を創設 2008年6月 診療所併設、重症障がい児者レスパイト ケア施設うりずんで日中一時支援を始める 2012年4月 特定非営利活動法人うりずん 2014年3月 認定特定非営利活動法人となる 2016年3月 新拠点に移転オープン 2006年9月 ある日男児の家を訪問すると、母親が高熱で寝込み、父親が欠勤して介護している現状がありました。そこで人工呼吸器をつけた子どもの預かりを決意をし、在宅医療助成勇美記念財団の助成を得て、2007年度に研究事業を開始、診療所でも預かりは可能と実証しました。これを受けて、2008年3月に宇都宮市が「重症障がい児者医療的ケア支援事業」を創設、2008年6月に重症障がい児者レスパイトケア施設うりずんが誕生しました。うりずんは、2012年4月に特定非営利活動法人うりずんとなり、2016年には新拠点に移りました。
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預かりスペース 地域交流スペース 訪問系事務スペース 研修スペース 法人事務スペース
日本財団と日本歯科医師会によるTOOTH FAIRYプロジェクトの支援をいただきました。これは小児難病の通所を行う事業所に、建物本体の最大8割まで助成するという画期的なものです。関東で初めていただきました。玄関ホールには地域交流スペースゆいまーるがあり、当事者の母親グループが運営するカフェ、研修会などに使われています、訪問・事務スペースはここからヘルパーが出動したりファンドレイジングの拠点に、そして預かりスペースはかつての3倍になり、多くの子どもたちが利用しています。
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新拠点での事業 児童発達支援事業 未就学の重症心身障がい児(母子分離) 日中一時支援事業 契約者数:10名 医療的ケアの必要な障がい児者
一日定員:5名 契約者数:48名 (うち人工呼吸器装着児者:12名) 一日定員:5名 放課後等デイサービス事業 就学中の重症心身障がい児 契約者数:17名 一日定員:5名 居宅介護事業 契約者数:18名 (うち医療的ケア児者:13名) 居宅訪問型保育事業 新しくなったうりずんでは、これまで行ってきた医療的ケア児の日中一時支援、障害児者の居宅介護(ホームヘルプ)や移動支援に加えて、就学前の子供を預かる児童発達支援、就学中の子どもを放課後に預かる放課後等デイサービス、集団保育が難しい障がい児の保育を自宅でマンツーマンで行う居宅訪問型保育を始めています。 集団保育が難しい障がい児の保育 契約者数:1名 定員:1名 移動支援事業 契約者数:10名 (うち医療的ケア児者:8名) *新事業全て、宇都宮市内で、初めての事業所となる。
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子どもと家族が抱える10の課題 1.医療的ケアが必要である 2.外出できる環境を整える負担が大きい 3.かかりつけとなる在宅医が不足している 4.多職種連携が必要である 5.遊び・学びなど育ちに配慮した対応が必要である 6.家族・きょうだいへの負担が大きい 7.対応できる人材・サービスが少ない 8.母親の就労を可能にする基盤がほとんどない 9.小児医療から成人医療への移行に課題がある 10.親亡き後の見通しが立たない 子どもと家族が抱える10の課題をまとめてみました。1.医療的ケアが必要である 2.外出できる環境を整える負担が大きい 3.かかりつけとなる在宅医が不足している 4.多職種連携が必要である 5.遊び・学びなど育ちに配慮した対応が必要である 6.家族・きょうだいへの負担が大きい 7.対応できる人材・サービスが少ない 8.母親の就労を可能にする基盤がほとんどない 9.小児医療から成人医療への移行に課題がある 10.親亡き後の見通しが立たない。
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いつまで介護をしたいですか? 研究報告書:地域の現状からみた小児在宅医療の目指すところ 「医療的ケア児とその家族に、安心とゆとりを」2016
いつまで介護をしたいですか? 研究報告書:地域の現状からみた小児在宅医療の目指すところ 「医療的ケア児とその家族に、安心とゆとりを」2016 お母さんの次にその子どものことができる人材を地域で増やしていく 徐々にお母さんが手を引いていっても大丈夫なように… 地域で暮らし続けるグループホーム 希望があれば看取りまで ずっと 最期まで 死ぬまで 可能な限り 自分が死ぬまで支えるつもり 体力の続く限り 自分が死ぬときに一緒に連れていきたい いつまで介護をしたいですかと、介護者に問いかけをしたところ、こんな答えが返ってきました。ずっと・最期まで・死ぬまで・可能な限り・自分が死ぬまで支えるつもり・体力の続く限り・自分が死ぬときに一緒に連れていきたい。これは、他に子どもをみる人がいないことに他なりません。できれば母親の次にその子どものことができる人材を地域で増やし、今日は1日、次は一晩、次は数日というふうに預かりを増やし、母親の負担を減らし、地域で暮らし続けるグループホームで看取りまでできる選択肢があるといいと思います。
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今のうちに準備しておきたいこと 最重度の子どもを受けられる児童発達支援と放課後デイサービス 医療的ケア児を含むインクルーシブ保育
親が学校に滞在せずに、子どもが教育を受けられる環境 通所・通学・校外学習・外出に活用できるハイブリッドな移動支援 18歳過ぎた子どもが日中活動を行う場所 安全・安心・安楽(楽しい)な短期入所 大人になった医療的ケア児が暮らす「家」 すべてに関わるのが人材育成(福祉・介護・教育・保育・看護・リハ・医師・・・) 重度で多様な医療的ケア児は、まだ小学生かそれ以下の子どもが多いので、今のうちに将来を見据えて準備しておく必要があります。最重度の子どもを受けられる児童発達支援と放課後デイサービス、医療的ケア児を含むインクルーシブ保育、親に依存せず子どもが教育を受けられる環境、どこにでも活用できるハイブリッドな移動支援、18歳過ぎた子どもが日中活動を行う場所、安全・安心・安楽(楽しい)な短期入所、大人になった医療的ケア児が暮らす「家」、そしてすべてに関わるのが人材育成です。
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経験値 0より1を増やす 重症児や医療的ケア児とその家族は、やりたいと思っていることの大部分をあきらめてきた
そのため、子どもは〇〇の経験値は0が多い その年の子どもなら経験するであろうことをひとつずつ経験していく 経験値0より1を増やすことは、子どもの成長と豊かな暮らしにつながる 夜の動物園に障害児と家族を招待する「ドリーム・ナイト・アット・ザ・ズー」で初めてうさぎに触った女の子がいます。ふかふか毛のあたたかなうさぎに触ることができました。図鑑やテレビでうさぎをみたことはあっても、1度も触ったことがなかったら経験値は0。1度でも触ったら経験値は1になります。重症児とその家族は、やりたいと思っていることの大部分をあきらめてきました。だから、さまざまな経験値が0の子どもが多いのです。その年の子どもなら経験するであろうことをひとつずつ経験していき、経験値0より1を増やすことは、子どもの成長と豊かな暮らしにつながるのです。
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