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大磯町地域包括支援センター 統括管理者・社会福祉士 木内 健太郎
平成28年度熊本県地域包括支援センター職員等研修会 包括的・継続的ケアマネジメント支援業務 大磯町地域包括支援センター 統括管理者・社会福祉士 木内 健太郎
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アイスブレイク 『包括的・継続的ケアマネジメント支援業務』 とは、どのような業務だとイメージしていま すか? お隣りさんに簡潔に表現してみましょう! 2
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包括的・継続的ケアマネジメントとは 生活者を支える「包括的」な支援 仮に入退院を繰り返しても途切れない「継続的」な支援 介 護 生活支援
介 護 生活者を支える「包括的」な支援 生活支援 医 療 家 族 高齢者 権利擁護 予 防 支援の領域においても、時間の経過においても、途切れることなく一貫して一人の高齢者が地域で暮らし続けることができるように支援するためには、包括的・継続的ケアマネジメントによる関わりが求められています。 住 居 その他 仮に入退院を繰り返しても途切れない「継続的」な支援 3
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包括的・継続的ケアマネジメント支援業務とは
高齢者等が本人の機能や能力を最大限に活かしうるその人らしい自立した生活を継続するために、本人の意欲や適応能力などの維持や回復を援助するとともに、課題の解決に有効だと考えられるあらゆる社会資源を自己決定にもとづきコーディネートし、本人や家族が必要なときに必要な社会資源をとぎれなく活用できるように援助していく支援手法 包括的・継続的ケアマネジメント支援 ・包括的・継続的ケアマネジメントの環境整備 ・個々の介護支援専門員へのサポートによる利用者支援 解説 施設や病院の入退所(院)に際しては、在宅や施設や病院の間で、継続的なケアマネジメントが確保されておらず、地域で暮らし続けるための支援の一貫性が保たれていないことが多い。高齢者の状態は時間や場所とともに変化する。 その際に、高齢者の心身の状態や生活環境などの変化に応じて、適切な支援やサービスを組み合わせて提供できるよう、継続的なマネジメントが必要となる。 このように、高齢者は地域での望ましい生活の維持継続を阻害する様々な複合的な課題を抱えている場合が多い。このような高齢者が本人の機能や能力を最大限に活用でき、なおかつその人らしい自立した生活を継続するためには、本人の能力を活用しつつ、自己決定に基づき様々なサービスや社会資源をコーディネイトし、切れ目無く支援できるようにするためのケアマネジメントが必要となります。このようなマネジメントこそが、包括的・継続的ケアマネジメントなのです。そのためには、以下の2つの取り組みが必要となります。 1.包括的・継続的マネジメントの実践可能な環境整備 2.個々の介護支援専門員へのサポート 具体的な内容は、この後で説明いたします。 目的:高齢者等が地域で安心して尊厳あるその人らしい生活を 維持するために、必要な支援を受けることができる 4
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包括的・継続的ケアマネジメント支援とは 地域包括支援センターは、包括的・継続的ケアマネジメントの実践が可能な環境整備と個々のケアマネへのサポートを行う。 ①居宅のケアマネが包括的・継続的ケアマネジメントを実践できる環境を整備するという「面」の業務 ②居宅のケアマネが利用者を援助している際に、状況に応じて包括センターの職員が立ち位置を変えながらケアマネの実践をサポートするという「点」の業務 →ここでは高齢者が地域で安心して尊厳ある暮らしができるための必要な支援が受けられるように、居宅のケアマネをサポートするということを再認識する必要がある。 ●環境整備 居宅のケアマネが包括的・継続的ケアマネジメントの環境つくりを独自に行うことは困難なので、地域包括支援センターが介護保険以外のかかわりも含めて、包括的・継続的ケアマネジメントを可能にする体制を作り、個々のケアマネが他職種、他機関と連携が取れるような環境を作ることが地域包括ケアの実現につながります。 ①関係機関との連携体制構築 地域ケア会議の開催 地区社協・老人クラブ・民生委員・家族会等へのつなぎ・医療機関、警察、消防、行政機関 ②ケアマネ同士のネットワーク構築支援 ③ケアマネの実践力向上支援 スキルアップ研修の実施や事例検討会の開催等 ●個々のケアマネへのサポート ①支援チームの一員としての役割 ②支援チーム全体へのサポートの役割 ③介護支援専門員の所属組織へのサポートの役割 ④介護支援専門員へのサポートの役割 5
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包括的・継続的ケアマネジメント支援が必要な背景
1.多種多様な社会資源の存在 2.連携体制作りにおける公正・中立な立場の必要性 3.支援困難への対応の必要性 ●多種多様な社会資源の存在 地域には多種多様な社会資源が存在しており、これら全てを個々のケアマネが把握することは不可能である。利用者が抱える課題に応じた社会資源を適切に活用できるように支援するためには、単なる情報以上の連携関係が必要になる。全ての担当ケースでこれを行うことは困難なので、基礎となる体制整備が求められる。 ●連携体制作りにおける公正・中立な立場の必要性 支援チームとして連携するための基盤となるネットワークを構築するためには、公正・中立な立場が必要になる。所属する組織の利益のために活動しているのではないという中立な立場が求められる。 ●支援困難への対応の必要性 ケアマネが支援に困難性を感じている場合は、適時に対応しないと利用者に不利益になる場合がある。また、ケアマネが気づかずに利用者に不利益を与えているような場合もあるので適切なサポートが必要になる。 組織にスーパーバイズができるようなケアマネがいない場合や、一人ケアマネ等で対処できない事例等への支援も包括センターに求められている。 6
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ここからは、左の網掛け部分の包括的・継続的マネジメントの環境整備について解説します。
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包括的・継続的ケアマネジメントの環境整備①
関係機関・団体等との連携体制構築支援 介護支援専門員等が包括的・継続的ケアマネジメントを実践できるように、 1. 連携に関する介護支援専門員のニーズを把握する 2. 関係機関・団体等に関する情報を提供する 3. 関係機関・団体等に周知する 包括的・継続的ケアマネジメントの環境整備における「関係機関・団体との連携体制構築を支援するには次のようなことが求められます。 ①連携に関する介護支援専門員のニーズを把握 ②関係機関に関する情報を提供する ③関係機関に周知する ④関係機関との意見交換等の場の設定 ⑤関係機関との情報共有のためのルール作りを支援する ①~⑤までを順次解説します 4. 関係機関・団体等との意見交換等の場を設定する 5. 関係機関・団体等との情報共有のためのルール作りをする 8
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包括的・継続的ケアマネジメントの環境整備①
関係機関・団体等との連携体制構築支援 1.連携に関する介護支援専門員のニーズを把握する 必要な理由:効果的・効率的に包括的・継続的ケアマネジメントの実践環境を整えるため 連携に関する介護支援専門員のニーズ把握方法例 ・ 連携に関するアンケート等を実施する ・ 支援困難相談の内容を分析する ・ 利用者や家族等からの苦情を分析する ・ 地域包括支援センターの各業務で介護支援専門員等に関する課題や地域の課題等を3職種で共有する ・ 地域の現状等を分析し今後の連携に関する課題を予測する ①連携に関する介護支援専門員のニーズを把握 包括的・継続的ケアマネジメント実践を可能にする環境を整備するためには、関係機関との連携等における居宅介護支援事業所の介護支援専門員のニーズを把握することが不可欠です。連携が難しいと感じている機関や人々、その原因などを明らかにします。 連携に関する介護支援専門員のニーズ把握の方法例 ・連携に関するアンケート調査 ・支援における困難に関する相談の分析 ケアマネの事例がなぜ困難事例になりやすいか→介護サービスと自分のネットワークだけで解決しようとする傾向が強いため、困難事例になってしまう。適切なアセスメントと支援のためのネットワークをコーディネイトする ・苦情などの分析 ・介護支援専門員からの意見募集 9
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包括的・継続的ケアマネジメントの環境整備①
関係機関・団体等との連携体制構築支援 2.関係機関・団体等に関する情報を提供する 必要な理由:利用者が地域の多様な社会資源を適切に活用できるように、介護支援専門員が支援できる基礎を作るため CMや住民等からも情報収集 関係機関・団体等に関する情報提供例 ・ 医療機関や訪問看護のリスト(窓口、連絡時間や連絡方法、往診、 ターミナルケア等) ・ 地域の法人のマップやリスト(理髪店、コンビニ、店舗、薬局、銀行などの所在地、連絡先、機能等) ・ 地域の人材のリスト(民生委員、自治会長、弁護士、司法書士、 消費者センタ−などの連絡先や機能等) ・ 公的サービス外のサービス提供団体リスト(掃除S、資源ゴミ回収S、医療移送S、家政婦などの連絡先や機能等) ②関係機関に関する情報を提供する地域包括支援ネットワークを構築するために蓄積された地域の社会資源の情報を、介護支援専門員が個別のケアマネジメントで活用できるように提供します。連携に関するニーズ把握の結果、介護支援専門員の知識が不足していると思われる関係機関の具体的な情報を中心に行います。 *社会資源に関する情報提供 *見守り支援員等の地域福祉情報 *セブンミール 更新 10
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包括的・継続的ケアマネジメントの環境整備①
関係機関・団体等との連携体制構築支援 3.介護支援専門員の役割について、関係機関・団体等に周知する 必要な理由:連携先となる機関や団体等がケアマネジメントおよび介護支援専門員の役割を正確に理解して、連携の基盤を作るため 関係機関・団体等例 ・ 保健、福祉、医療等の関係機関 ・ 老人クラブ、民生委員協議会、自治会、自治協議会、商工会、NPO、ボランティア等 ③関係機関に周知する いくら居宅介護支援事業所の介護支援専門員が質の高いケアマネジメントを実践しようとしても、その支援チームの構成員である関係機関がケアマネジメントを正確に理解していなければ、うまく機能しないのは当然のことです。連携が困難な関係機関を中心として、ケアマネジメントにおけるチームの構成員の役割などに関して連絡会や研修等で周知していきます。 関係機関・団体等への周知方法例 ・ 保険者と連携して広報で知らせる ・ 機関や団体等のイベントや会合等で説明する ・ パンフレット等を作成して配布する ・ DVDなどの映像資料を作成して配布する 11
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包括的・継続的ケアマネジメントの環境整備①
関係機関・団体等との連携体制構築支援 4.関係機関・団体等との意見交換等の場を設定する 必要な理由:顔の見える関係を作るとともに、連携における課題を共有し、その解決に向けて活動するため 関係機関・団体等との意見交換等の場の設定例 ・ 地域ケア会議 ・ 医師会や診療所医師との意見交換会や相談会 ・ 病院医師や医療ソーシャルワーカーとの連絡会 ・ 介護施設等との意見交換会 ・ ボランティア団体やNPO法人との勉強会 ・ リハビリテーション職種との意見交換会 ・ 民生委員や自治会との懇談会 ・ 生活保護担当ケースワーカーとの連絡会 ・ 警察、鉄道、バス会社等との勉強会 ④関係機関との意見交換等の場の設定 連携に関する介護支援専門員のニーズに基づき、関係者との意見交換等ができる機会を設けます。対面でのコミュニケーションは、お互いの役割や専門性などに関する理解を深めるとともに、連携における課題の共通認識をもち、その解決に向けて活動することを可能にします。 ・ 医師会や診療所医師との意見交換会や相談会 →定期的に開催(お互いの立場の理解) ・ 介護施設等との意見交換会 →介護保険事業所連絡会(5部会)とのアンケート意見交換 ・ 民生委員や自治会との懇談会 →地区社協の役員や民生委員との意見交換会 12
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演 習 ① あなたの地域包括支援センターでは、どのよう な『地域ケア会議』を開催していますか? 地域特性に照らし合わせてお答えください。 是非、お隣りの方に説明してみてください。 13
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地域ケア会議の目的(再掲) ア) 個別ケースの 支援内容の検討
高齢者個人に対する支援の充実 + 社会基盤の整備 地域での尊厳あるその人らしい生活の継続 ア) 個別ケースの 支援内容の検討 介護支援専門員による自立支援に資するケアマネジメントの支援 高齢者の実態把握と地域 包括支援ネットワークの構築 地域課題の把握 多職種協働による地域包括支援ネットワークの構築と包括的・継続的ケアマネジメント支援に位置づけられた手段 イ)地域づくり、資源開発ならびに政策形成など、地域の実情に応じて必要と認められる事項 14
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(2)目指すべき地域像(規範的統合)の共有 (3)地域ケア会議の目的(規範的統合・臨床 的統合)の明確化と共有
地域ケア会議運営のポイント(再掲) (1)地域特性をまず理解 ⇒様々な要素を踏まえての地域特性理解を! (2)目指すべき地域像(規範的統合)の共有 ⇒「地域」としての到達点の共有! (3)地域ケア会議の目的(規範的統合・臨床 的統合)の明確化と共有 ⇒「会議」としての到達点を共有! (4)地域ケア会議の「PDCA」を大切に! ⇒主催者としての心構え! 15
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包括的・継続的ケアマネジメントの環境整備①
関係機関・団体等との連携体制構築支援 5.関係機関・団体等との情報共有のためのルール作りをする 必要な理由:連携に不可欠な正確で迅速な情報共有を可能にするため 関係機関・団体等との情報共有ルール作りの例 ・ 使用言語の統一 ・ 情報共有方法の合意 (緊急や夜間等の対応手順等) ・ 情報提供書式の共通化 (介護情報の共有シート等) ・ 個人情報の共有レベルの合意 CMと連携先の人々とが協力して行う ⑤関係機関との情報共有のためのルール作りを支援する 連携においては、正確で迅速な情報の共有が不可欠です。これを実現するためには、使用言語の統一、情報共有方法の合意、情報提供書式の共通化などが必要になります。 ●患者を中心として疾病ごとの急性期や回復期等の段階に応じた医療機関の役割分担と連携を明確にした地域医療連携パス ●認知症の診断ツール→物忘れシートの活用 ●ケアマネと認知症家族会への相談をつなぐ相談シート ●個人情報のやり取りをする際のルール作り 16
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包括的・継続的ケアマネジメントの環境整備②
介護支援専門員同士のネットワーク構築支援 介護支援専門員同士のネットワークの意義 情報の 共有 実践の振り返り やりがいの共有 精神的サポート ●介護支援専門員同士のネットワーク構築支援 ・包括的・継続的ケアマネジメント実践に必要な情報の共有 →実践するのに必要な具体的な情報を介護支援専門員同士が共有する ・実践に関する相互振り返り →介護支援専門員同士が相互に実践の振り返りをすることで、実践を客観的に評価することができる ・やりがいの共有 →介護支援専門員が孤立しないようにお互いの実践を評価したり励ましたりする ・精神的サポートなど →困難事例でバーンアウトしそうなときには、一人で抱え込まず他の介護支援専門員のスーパービジョンを受けられるような環境を作る。 このようなネットワークを構築する方法として、介護支援専門員が協力して一つの業務を進める、あるいは互いに悩みを話し合う機会を作ることなどが考えられます。 ここでも、介護支援専門員同士のネットワークに関する課題を把握したうえで、的確に活動を決定する必要があります。 また、ネットワーク構築を進める際、すべてを地域包括支援センターが行おうとせず、介護支援専門員連絡協議会などの職能団体を包括センターが支援するような形で進めることもできます。その結果、介護支援専門員自身やその職能団体が自分たちの力を高めていくことができるでしょう。 17
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包括的・継続的ケアマネジメントの環境整備③
介護支援専門員等の実践力向上支援 ニーズに応じた研修 介護支援専門員のニーズ把握 ①ニーズを把握する ニーズ調査の実施(スキルの課題・所属組織の課題・行政への要望・他機関との連携)等 ・本人の意思を確認しづらい人がいる、本人と家族の要求がズレている ・サービス事業所の特徴や情報などを知りたい ・現状の業務だけでいっぱいになってしまう ・担当者会議の記録整理に時間がかかる ・サービス担当者の意見集約・合意形成するための技術が知りたい ②ニーズに応じた研修を実施する 把握したニーズに対応するため、どのような研修が必要かを介護支援専門員とともに考える。 ・ケアマネ同士の事例検討会 ・主任ケアマネを活用しケアマネの相談窓口を設置 ・書式の見本となるようものの検討・研究会 ③事例検討会を実施する 漠然とした事例検討会はNG。アセスメントから支援計画まで適切に作成。 ④ケアプランの振り返りを支援する ケアプランが、利用者や家族の自己決定に基づいたものであるか、自立支援を目指したものになっているか、利用者の地域生活を支えていく具体的な内容が書かれているかなどといった点を評価します。不十分な場合には、どのような課題があり、それに対応するにはどのような実践が必要なのかについて、支援します。 事例検討会の実施 ケア プランの振り返り 18
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ここからは、向かって右側の「個々の介護支援専門員へのサポート」について解説します。
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個々の介護支援専門員へのサポートによる利用者支援
地域包括支援センターの役割 ②介護支援専門員へのサポート ③支援チームの一員としての サポート ④利用者家族へのサポート ⑤介護支援専門員の所属組織への サポート ①支援チームの構築とチーム全体へのサポート ●個々の介護支援専門員へのサポートにおける包括センターの役割 地域包括支援センターが個々のケースに対応をする場合、常に自分の役割を認識してその立ち位置を判断する必要があります。 あくまで利用者の支援を主に行うのは担当の介護支援専門員であり、包括センター職員が代わりにすべてを行うことは避けなければなりません。 包括センターの役割として主に次の4つが考えられます。 ①支援チームの一員としての役割り 相談をしてきた介護支援専門員の支援をサポートするために、実際に該当する利用者への支援チームの一員となって活動します。その際にも、担当介護支援専門員に代わってケアマネジメントを実践するのではなく、例えば、家族への働きかけを行うなどの支援チームの構成員としての役割を担います。 ②支援チーム全体へのサポートの役割 支援チームの連携に問題があるような場合には、支援チームの連携が機能するように、支援チーム外から働きかけます。そして、状況に応じて包括センター職員がチーム構成員の意見調整や仲裁などを行います。 ③介護支援専門員の所属組織へのサポートの役割 介護支援専門員の所属組織の要因によって、利用者への支援が機能していない場合には、その組織に働きかけをする必要があります。 ④介護支援専門員へのサポートの役割 介護支援専門員が支援において感じている困難の背景を分析して、何が困難を引き起こしているのかに気づき、どのように対応していけばよいのかについて自分で検討できるように支援します。 利用者への影響度、介護支援専門員の能力、困難な状況等を 総合的に判断して各役割を単独でまたは重複して果たす 20
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個々の介護支援専門員へのサポートによる利用者支援の役割の例 ① 支援チームの構築とチーム全体へのサポート
Aさんの事例より 地域包括支援センター 介護 医療 障害 介護支援専門員 訪問介護員 介護対応チーム 医療対応チーム 医師 障害対応チーム 障害CW 障害者 福祉サービス Aさん(81歳男性) 訪問看護師 支援チームの連携に問題があるような場合には、支援チームの連携が機 能するように、支援チーム外から働きかけます。 そして、状況に応じて包括センター職員がチーム構成員の意見調整や仲 裁などを行います。 介護支援専門員の実践に関して何らかの課題があることを介護支援専門 員以外の人から相談された場合には、該当する介護支援専門員の実践内容 に関する事実確認を行ったうえで、必要に応じて介護支援専門員に働きか けるとともに、支援チームの構成員をサポートすることによって、間接的 に利用者への包括的・継続的ケアマネジメントの提供を可能にできるよう に働きかけます。 21
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個々の介護支援専門員へのサポートによる利用者支援の役割の例
② 介護支援専門員へのサポート Aさんの事例より 介護 医療 障害 介護支援専門員 訪問介護員 医療対応チーム 医師 障害対応チーム 障害CW 障害者 福祉サービス Aさん(81歳男性) 訪問看護師 介護対応チーム 地域包括支援センター 介護支援専門員が支援において感じている困難の背景を分析して、何が 困難を引き起こしているのかに気づき、どのように対応していけばよいの かについて自分で検討できるように支援します。 22
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個々の介護支援専門員へのサポートによる利用者支援の役割の例
③ 支援チームの一員としてのサポート Aさんの事例より 介護 医療 障害 介護支援専門員 訪問介護員 医療対応チーム 医師 障害対応チーム 障害CW 障害者 福祉サービス Aさん(81歳男性) 訪問看護師 介護対応チーム 地域包括支援センター この図は、介護対応チームの一員として参加しています。 相談をしてきた介護支援専門員の支援をサポートするために、実際に該 当する利用者への支援チームの一員となって活動します。その際にも、担 当介護支援専門員に代わってケアマネジメントを実践するのではなく、例 えば、家族への働きかけを行うなどの支援チームの構成員としての役割を 担います。 23
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個々の介護支援専門員へのサポートによる利用者支援の役割の例
④ 利用者家族へのサポート Aさんの事例より 介護 医療 障害 介護支援専門員 訪問介護員 医療対応チーム 医師 障害対応チーム 障害CW 障害者 福祉サービス Aさん(81歳男性) 訪問看護師 介護対応チーム 地域包括支援センター 介護支援専門員が支援において感じている困難の背景を分析して、何が 困難を引き起こしているのかに気づき、どのように対応していけばよいの かについて自分で検討できるように支援します。 24
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個々の介護支援専門員へのサポートによる利用者支援の役割の例
⑤ 介護支援専門員の所属組織へのサポート Aさんの事例より 地域包括支援センター 介護 医療 障害 介護支援専門員 訪問介護員 介護対応チーム 医療対応チーム 医師 障害対応チーム 障害CW 障害者 福祉サービス Aさん(81歳男性) 訪問看護師 所属組織 介護支援専門員の所属組織の要因によって、利用者への支援が機能して いない場合には、その組織に働きかけをする必要があります。すべての居 宅介護支援事業所を対象とした法令遵守などの説明会や会議の開催などを 行うとともに、該当する事業所に対して個別の相談に応じた対応を行いま す。 25
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演 習 ② 『包括的・継続的ケアマネジメント支援業務』 を行う上で、皆さんはどのような点に留意して (何を大切にして)行いますか? 26
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包括的・継続的ケアマネジメント支援業務とは?
高齢者等が本人の機能や能力を最大限に活かしうるその人らしい自立した生活を継続するために、本人の意欲や適応能力などの維持や回復を援助するとともに、課題の解決に有効だと考えられるあらゆる社会資源を自己決定にもとづきコーディネートし、本人や家族が必要なときに必要な社会資源をとぎれなく活用できるように援助していく支援手法 包括的・継続的ケアマネジメント支援 ・包括的・継続的ケアマネジメントの環境整備 ・個々の介護支援専門員へのサポートによる利用者支援 解説 施設や病院の入退所(院)に際しては、在宅や施設や病院の間で、継続的なケアマネジメントが確保されておらず、地域で暮らし続けるための支援の一貫性が保たれていないことが多い。高齢者の状態は時間や場所とともに変化する。 その際に、高齢者の心身の状態や生活環境などの変化に応じて、適切な支援やサービスを組み合わせて提供できるよう、継続的なマネジメントが必要となる。 このように、高齢者は地域での望ましい生活の維持継続を阻害する様々な複合的な課題を抱えている場合が多い。このような高齢者が本人の機能や能力を最大限に活用でき、なおかつその人らしい自立した生活を継続するためには、本人の能力を活用しつつ、自己決定に基づき様々なサービスや社会資源をコーディネイトし、切れ目無く支援できるようにするためのケアマネジメントが必要となります。このようなマネジメントこそが、包括的・継続的ケアマネジメントなのです。そのためには、以下の2つの取り組みが必要となります。 1.包括的・継続的マネジメントの実践可能な環境整備 2.個々の介護支援専門員へのサポート 具体的な内容は、この後で説明いたします。 目的:高齢者等が地域で安心して尊厳あるその人らしい生活 を維持するために、必要な支援を受けることができる 27
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