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良い社会をつくる公共サービスへ 「最終報告」の考え方 宮本太郎 北海道大学公共政策大学院

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1 良い社会をつくる公共サービスへ 「最終報告」の考え方 宮本太郎 北海道大学公共政策大学院
良い社会の公共サービスを考える「研究会報告」発表シンポジウム  2006年12月6日 日比谷公会堂  良い社会をつくる公共サービスへ               「最終報告」の考え方 宮本太郎 北海道大学公共政策大学院

2 1 最終報告書の成り立ち 1 公共サービスの決定的な役割を理解し(←→ 公共サービス「不効率・無駄」論) 提言1(脱格差社会)
1 最終報告書の成り立ち  1 公共サービスの決定的な役割を理解し(←→ 公共サービス「不効率・無駄」論)  提言1(脱格差社会) 提言2(未来投資としての教育) 提言3(都市空間創造) 提言4(福祉サービス) 2 地域社会と深くむすびつきながら(←→足が踏みでない、面倒を抱え込みそうだ) 提言5(市民社会との連携) 提言6(責任の体系 中央政府・自治体政府・市民社会)  3 評価をコミュニケーションのツールに変え(←→承伏しがたい基準による「テスト」) 提言7(透明化・評価・参加) 提言8(市場化テストへの対応)   4(1)使命の、 (2)触れあいの、 (3)発展の手応えと安定のある仕事に     (←→公共サービス労働の3重の劣化 規模縮小、きつい、誇りもてない) 提言9(ディーセントワーク) 提言10( 3重の劣化を断ち切ろう)

3 2 公共サービスの決定的に重要な役割 参加保障の実現
2 公共サービスの決定的に重要な役割 参加保障の実現 近親者のケアのための参加困難 家族             退職・障碍 疾患     知識・能力の未熟による参加困難  労働市場  地域社会 心身の弱まり・障碍による参加困難 教育 Ⅰ~Ⅳの公共サービスの例 Ⅰ 生涯教育、高等教育 Ⅱ 育児、介護サービス Ⅲ 職業訓練、職業紹介 Ⅳ 障がい者支援    高齢者就労支援 訓練 技能の未獲得、就労機会 の欠如による参加困難

4 Ⅱ・Ⅴ 安心して 子育てできる都市環境 Ⅳ・Ⅴ バリアフリー の都市インフラ
3 公共サービスの決定的な役割 「安心と安全確保」と「対人サービス」の連携 家族 Ⅴ 都市インフラ保全    食の安全確保等 Ⅱ・Ⅴ 安心して 子育てできる都市環境                 労働市場 地域社会 心身の 弱まり 教育 Ⅳ・Ⅴ バリアフリー の都市インフラ 訓練

5 4 人生前半・中盤の公共サービスがきわめて手薄い日本

6 5 公共サービス拡充型の国は支出大で財政黒字、経済好調 職域・家族依存型の国は支出増に伴い財政赤字増大、経済低迷
5 公共サービス拡充型の国は支出大で財政黒字、経済好調 職域・家族依存型の国は支出増に伴い財政赤字増大、経済低迷  社会的支出 (2001) サービス的支出 (2000頃) 財政収支 (00-06平均) ジニ係数 (90年代半ば)  ジニ係数  (2000) 相対的貧困率 (2000) GDP成長率 (00-06 平均) アメリカ 14.8 6.7 -2.8 0.361 0.357 17.1 3.0 イギリス 21.8 7.3 -1.4 0.312 0.326 11.4 2.6 オーストラリア 18.0 0.5 0.305 11.2 3.2 ニュージーランド 18.5 6.4 3.4 0.331 0.337 10.4 カナダ 17.8 9.4 1.2 0.283 0.301 10.3 スウェーデン 28.9 13.2 1.4 0.211 0.243 5.3 ノルウェー 23.9 11.5 12.8 0.256 0.261 6.3 2.2 デンマーク 29.2 12.5 1.9 0.213 0.225 4.3 1.8 フィンランド 24.8 9.5 3.3 0.228 2.8 ドイツ 27.4 10.6 -2.7 0.28 0.277 9.8 フランス 28.5 9.2 -2.9 0.278 0.273 7.0 オーストリア 26.0 6.5 -1.2 0.238 0.252 9.3 オランダ -1.3 0.255 0.251 6.0 ベルギー 27.2 9.1 -0.1   n.a. n.a. n.a  1.9 イタリア 24.4 6.9 -3.1 0.348 0.347 12.9 1.0 日本 16.9 7.5 -6.7 0.295 0.314 15.3 サービス的支出はソウル大学福祉学部の安教授の試算をお借りしたためこの部分の引用はお控え下さい

7 6 「官から民へ」と「公共サービスを支える市民社会」はまったく違う
6 「官から民へ」と「公共サービスを支える市民社会」はまったく違う 古い形 公共サービス支える市民社会 小泉構造改革 決定的相違 いかなる「民」か          二者択一か相乗的発展か 私の公への接近を可能にする条件=「参加保障」の制度 つまり公共サービスの発展と 市民社会の発展は相乗的なもの こうした条件のもとですすむベスト・ミックス (塩野谷祐一教授の議論に多くを負う)

8 7 価格偏重の「市場化テスト」からコミュニケーションのツールとしての評価システムへ
7  価格偏重の「市場化テスト」からコミュニケーションのツールとしての評価システムへ 1,コスト削減の「見えないコスト」  長期コスト 保育園児の知的発達等「ニーズ発見のニーズ」 コスト削減がうむ「コスト転嫁」 地域の社会関係資本  短期コスト 契約にかかわる取引コスト(入札手続きから監査、評価まで)、間接経費  サービス労務の費用にかんして「最低制限価格」の視点が欠落しているリスク 2、コミュニケーションのツールとしての評価システムへ   総合評価方式: 社会的価値、長期的コストなどを織り込んだ多様な評価システムで市場化テストに代えていく コミュニケーションのツールとなる評価へ

9 8 ディーセントワーク 手応えのある人間的な仕事を良い社会のために
8 ディーセントワーク 手応えのある人間的な仕事を良い社会のために  良い社会のためのミッション 地域社会とのむすびつき 納得のいく評価 専門性 柔軟性 安定性 社会との関わり 働く手応え、喜び ディーセントワーク (「既得権」ではない)正当な労働条件 関わりを全うする条件


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