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海氷研究は衛星リモートセンシングにより進展してきた

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Presentation on theme: "海氷研究は衛星リモートセンシングにより進展してきた"— Presentation transcript:

1 海氷研究は衛星リモートセンシングにより進展してきた
9. 衛星観測:海氷研究の生命線 海氷研究は衛星リモートセンシングにより進展してきた AMSR2(日本のセンサー)による 1972年前  種々の沿岸観測データを収集して解析 1972       マイクロ波放射計により、初めて       全球での海氷分布がわかるようになる 1978 1987       分解能 25㎞        現在も継続                              2002       日本の衛星センサー       分解能 6.3-12.5km  日本のセンサー                        AMSRシリーズは 2012                    今や海氷研究       日本の衛星センサー    の生命線 今後 AMSRの後継機 ? ESMR SMMR SSM/I AMSR, AMSR-E AMSR2

2 マイクロ波 (雲を突き抜ける) 可視光 太陽光の反射 赤外線 地球放射:温度 吸収帯 電磁波

3 (衛星)リモートセンシング 能動センサー(自ら電磁波を出し、そのはね返りを測定) レーダー (radar) : パワー大
     合成開口レーダー(SAR: Synthetic Aperture Radar) マイクロ波散乱計 マイクロ波高度計 受動センサー(物体から射出される電磁波を測定)    放射計 (radiometer) : パワー小      マイクロ波放射計 (SSM/I, AMSR)      可視・赤外放射計 (“ひまわり”などもそう)  極軌道衛星:全球の観測 静止衛星:ひまわり等

4 ウェッデルポリニヤ 1974 1975 1976 マイクロ波放射計による (冬季) ポリニヤ形成メカニズム 熱、水蒸気、CO2など
大気     冷却 海面 deep convection 熱、水蒸気、CO2など S大 S小 ポリニヤ形成メカニズム

5 ウェッデルポリニヤ (1974-1976) ↓ 深い対流 中深層水の低温化 深層水の最大水温 ウェッデル ポリニヤ ポリニヤでの 深い対流
 ポリニヤ ポリニヤでの  深い対流 水温 Gordon,1978 ウェッデルポリニヤ (1974-1976)      ↓   深い対流 中深層水の低温化 深層水の最大水温 Robertson et al.,2002 1970 2000

6 突如出現した巨大ポリニヤ(氷湖)を計る! ウェッデルポリニヤ コスモノートポリニヤ
昭和 昭和 1974年8月 2016年8月 ・ 年の3年間のみ出現 ・深層対流による深層からの熱で維持 ・中深層水を大きく変質 ・地球規模の深層循環の決め手? ・40年ぶりに厳冬期の巨大ポリニヤが   今年8月昭和基地沖に突如発生 ・巨大ポリニヤを捉える絶好の機会 ・しらせ航路上なのでXCTD観測ならば  シップタイムを使わずに観測可能 ・日本のみアクセス可能な場所 ・大規模海氷・海洋相互作用や  深層循環を解き明かす鍵となる現象 ・過去に小規模なものや、結氷が遅れてポリニヤ   になるケースは存在(Comiso &Gordon, 1996)

7 1979 -2000 北半球の 海氷面積 2012年 1978 2012

8 No. 2 Cape Darnley 定着氷と海氷生産量のマッピング by AMSR-E (6.25 km) No. 6 Vincennes
Nihashi & Ohshima (in preparation) No. 2 Cape Darnley 定着氷と海氷生産量のマッピング by AMSR-E (6.25 km) No. 6 Vincennes Kitade et al.,2104 Frequencies of the annual sea ice production and fast ice appearances by AMSR-E during 8 winter (March–October: ) Sea ice production is estimated based on AMSR-E ice thickness and heat flux calculation. This suggest that the Cape Darnley Polynya (CDP), located northwest of the Amery Ice Shelf, has the second highest ice production after the Ross Sea Polynya. Recent mooring observations have revealed that this is the 4th (missing) formation area of Antarctic Bottom Water Mertz Polynya was the third ice production area until 2009, but significantly decreased after Mertz Glacier calving in 2010. Barrier Polynya is the 7th ice production area, which variability is strongly linked with that of landfast ice. Dalton Glacier Tongue Polynya is the 10th ice production area, where in-situ (heli-born) validation of the satellite algorithm was carried out under SIPEX II. 日本では、上記ピンクで示した4つのポリニヤを中心に衛星解析と現場観測を行なってきた(今後も行う)ので、それらをこれから紹介する。 という流れです。 No. 1 No. 5 Nihashi & Ohshima (2015) No. 3 Mertz

9 沿岸ポリニヤ → 海氷生産工場 海氷厚 Heat loss vs. Ice thickness 熱損失
海氷がたくさんできるほど、塩分が排出され、重い水ができる マイクロ波放射計による薄氷厚アルゴリズム   → 熱収支計算による熱損失 = 海氷生産量

10 ・マイクロ波放射計(AMSR)により薄氷厚検出(アルゴリズム) ・熱収支計算←氷厚データ+大気データ
・奪われる熱はすべて海氷生産に使われると仮定 海氷生産量を全球で毎日見積もることができる マイクロ波放射計(AMSR-E) 合成開口レーダー (ALOS PALSAR) (m) 定着氷 薄氷 定着氷 空間分解能: 6.25km 南極大陸 2007年7月31日 (ケープダンレーポリニヤ, 東南極)

11 氷厚導出の流れ AVHRR ch4 AVHRR ch5 ECMWF 海氷表面温度 SSM/I, AMSR (PR-85, PR-37)
Key et al. (1997) ECMWF 海氷表面温度 SSM/I, AMSR (PR-85, PR-37) 熱収支計算 比較・検証 海氷厚(AVHRR氷厚) (Yu and Rothrock, 1996) (Drucker et al., 2003) (Tamura et al., 2006) 薄氷アルゴリズム(ポリニヤの氷厚)

12 AVHRR氷厚 SSM/I氷厚 ダーンレー岬ポリニヤ(1997年4月20日) (67S) 南極大陸 南極大陸 (69S) (66E)

13 大気海氷間の熱収支 放射フラックス + 乱流フラックス = 熱伝導フラックス Fi = Ki (Tw – Ts) / H
放射フラックス + 乱流フラックス = 熱伝導フラックス (長波はTsの関数) (Tsの関数) Fi = Ki (Tw – Ts) / H Ki:海氷熱伝導係数 海氷表面温度Ts以外はknown 海氷表面での熱収支がバランスするようにTsを決める Tsが決まると熱伝導Fiが決まり、 海洋からの熱フラックス0とすると、Fiが海氷生成率になる 乱流フラックス 放射フラックス 海氷表面温度(Ts) 海氷内熱伝導フラックス(Fi) 海氷 氷厚(H) 海氷生成率 ー1.86℃(Tw)

14 海氷生産量の全球マッピング(by AMSR)
Nihashi &Ohshima, (2015) Iwamoto, Ohshima, & Tamura (2014) 南極海: 高海氷生産       →底層水生成 北極海: 低海氷生産 オホーツク海: 北半球で最大

15 合成開口レーダー 飛行方向にデータを合成することで、 アンテナ幅を大きくする効果を生む。  → 分解能がよくなる

16 衛星合成開口レーダー(SAR)で観測されたケープダンレーポリニヤ

17 なぜ巨大なポリニヤができるか? 大きな海氷生産量はなぜ? 氷山舌による フィルター効果 座礁氷山舌 合成開口レーダ 西向きの南極沿岸流
新生氷からなるストリーク構造 氷山舌による フィルター効果 100km 卓越する沖出し風 座礁氷山舌 合成開口レーダ

18 ICESat (Ice, Cloud, and Land Elevation Satellite)
( 年) レーザーを用いて、海面から出ている氷の高さを計測し、アイソスタシーを仮定して、下に沈んでいる分(氷の厚さ)を推定する。 海氷 CryoSat-2(レーダー高度計) (2010年~)

19 Spring (April) Ice thickness
Living_Planet_Symposium_2013/New_dimensions_on_ice

20 氷厚計の計測原理 海氷を測る -係留観測から-
海氷を測る -係留観測から- 海氷の密接度や漂流といった量は人工衛星で観測可能であるが、最も基本的な物理量である「海氷の厚さデータ」は、衛星の観測からでは正確な値を得ることが(将来とも)難しいものである。氷厚データに関しては、その平均的分布(気候値)さえもよくわかっていない状況にある。長期連続した客観性の高い海氷厚データを得るには、超音波氷厚計(Ice Profiling Sonar)を長期係留する方法が現在もっとも有効な方法である。これは海水中に係留された測器より発信した音波のエコー時間を用いて海氷の厚さを測定するもので、データ取得・データ処理ともに簡単ではないので、国際的にもまだ限られた研究者にしか使われていない。 氷厚計の計測原理

21 マイクロ波放射計 合成開口レーダー 氷厚計 漂流速度計 時系列データ →海氷形状データ オホーツク海での例
(Fukamachi et al., 2006) 時系列データ →海氷形状データ オホーツク海での例

22 海氷漂流速度の計算方法 面相相関法を用いて計算 窓画像の大きさ: 37.5×37.5km 画像の時間間隔:24時間
 画像の時間間隔:24時間  (ascendingどうし、descendingどうしを用いる) →37.5×37.5kmグリッドの日平均データを作成  北半球全域の海氷域でほぼ欠測なく結果が   得られる

23 マイクロ波放射計データから計算された漂流速度場の比較
DMSP SSM/I Aqua/AMSR-E ・ AMSR-Eから計算したものはSSM/Iによるものより圧倒的に良い(高解像度で欠測が少ない)


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