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死刑 death penalty 1086604c 野尻可那子.

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1 死刑 death penalty c 野尻可那子

2 死刑制度とは 1. 死刑になるための条件 2. 死刑執行数の推移 3. 国際社会の潮流 4. 日本における世論

3 1. 死刑に処す基準 『永山基準』 (昭和58年に最高裁が用いた基準) ・犯罪の性質 ・犯行の動機 ・犯行態様、特に殺害方法の執拗性、残虐性 ・結果の重大性、特に殺害された被害者の数(3人以上だと死刑になる可能性が高い) ・遺族の被害感情 ・社会的影響 ・犯人の年齢 ・前科(前科があるほうが可能性が高い) ・犯行後の情状 →これら9つの基準をもとに判断されることが多い。 ただ社会的影響や犯人の年齢についてはその時代ごとに変化が見られるなど、 一律の基準はないともいえる。そして裁判員制度の導入によりこれらの基準が従来の ものと変化する可能性は多いにあると考えられる。 1990年代以前は、犠牲者の人数が1人の場合には死刑になることはそれほど多くなかったが(詳細は日本における死刑囚の一覧を参照)、2000年代以降は犠牲者が1人でも死刑になるケースが見られるようになった。例えば、2004年の奈良小1女児殺害事件では被害者遺族の処罰感情を重視し、被害者が1人である場合にも死刑判決が下されている。2007年の長崎市長射殺事件の一審判決においても民主主義に対する挑戦とし、被害者が1人の殺人事件で死刑判決が下された(2009年9月29日二審福岡高裁は無期懲役判決。現在上告中)。

4 2. 死刑執行数の推移(単位は人数) 年度によって大きなばらつきがあるものの、全体的に執行数は減少している
→国際的な死刑廃止の流れも背景にあるといえる?

5 未執行死刑確定者数の推移(単位は人数) 年々増加傾向にある →つまり死刑が確定した後も執行されていない人数の割合が多い!!!

6 3. 国際社会の趨勢 青・・・96か国 緑・・・9か国 オレンジ・・・34か国 赤・・・58か国 (2010年の時点で)
死刑を廃止した国、あるいは死刑を採用していない国 特段の事情(戦時など)が無い限り死刑を廃止した国 少なくとも10年間は死刑を執行していない国 死刑が法定刑として存在する国

7 3. 国際社会の趨勢 *ヨーロッパを中心に死刑廃止の動きが広がっている 1989年 自由権規約第2選択議定書(死刑廃止議定書)・・・国連総会で議決 2001年 EUによる日米への死刑廃止を求める決議 2002年 ヨーロッパ人権条約の第13議定書・・・欧州評議会(ヨーロッパ内での取り決め) 2012年3月 EUが日本の死刑執行に対して死刑の停止を求める声明 死刑廃止はEU加盟への条件の一つにもなっている!!! Ex) イスラム教国であるトルコでの死刑廃止

8 4. 日本における世論

9 死刑の是非をめぐる議論 1. ①死刑制度廃止論 ②死刑制度存置論 2. 現行の死刑制度における問題点 3. 終身刑の創設をめざす動き

10 1-①死刑制度廃止論 死刑廃止論の根拠となっているもの ①裁判に誤りがあった場合、死刑にしてしまうと取り返しがつかない ②国際社会の潮流に沿うべきである ③人を殺すことは人道に反した野蛮な行いである 根拠に対しての反論 ①⇔誤りは許されることではないが、それはどの犯罪にもいえることである。それを恐 れて罪を軽くするのは刑事裁判の意義そのものを否定するのと同じことである。 ②⇔人命に関する重大な問題については、その国の文化・歴史・国民の考えを優先 すべきであり、他国の考え方に従う必要はない。 ③⇔これはキリスト教における人権思想に基づくものである。またその野蛮な行いを はたらいたのは死刑囚も同じであるため、その行いを罰する必要がある。

11 1-②死刑制度存続論 死刑存置論の根拠 ①死刑は犯罪被害者やその家族の精神的な救済のために必要 ②凶悪な犯罪はその命を持って償うべきである ③死刑を廃止すれば、凶悪な犯罪が増える(犯罪の抑止) 根拠に対しての反論 ②⇔人が人を裁きの下で殺すことは、死刑囚の人権を考えれば許されることではない ③⇔・凶悪な犯罪を犯す瞬間に死刑のことを考えている犯罪者はいない ・逆に死刑を望むために凶悪犯罪に走る犯罪者も存在する ・そんなデータはない

12 2. 現行の死刑制度における問題点 問題点としては以下の内容が指摘されている。 ①死刑執行時期の不必要な秘密主義及び恣意性 →死刑がいつ執行されるかは執行の数時間前にならないとわからない (目的:死刑確定者とその家族のプライバシーを守るため) ②死刑囚が置かれる環境が劣悪である →狭い独房、自由な面会が制限されている、など ③死刑と無期懲役(相対的終身刑)の間に量刑としての差がありすぎる →仮釈放が認められれば、観察は付くものの社会復帰ができてしまう。 (法律上は10年後、実際には20年がおおよその基準になる)

13 3. 終身刑の創設を目指す動き 平成20年5月 「量刑制度を考える超党派の会」が発足
・刑法に終身刑を創設することをめざす ・与野党合わせて約100人が集まる ・死刑制度の存廃は議論の対象とはしない →死刑と無期懲役の量刑に差がありすぎるため、終身刑の創設を目指している  (終身刑を死刑の代替手段として考えているわけではない) 一方で死刑廃止→絶対的終身刑の導入を主張する人もいます。

14 提言 ①死刑は存続 ②ただし死刑確定後6ヵ月以内の執行を速やかに行わせる。 →特別な事情なしに故意に執行を行わなかった法務大臣を罷免できる項目を新たに法律に加える。 ③①・②のもとで、絶対的終身刑(一生刑務所)を導入する。 理由① 死刑廃止論の根拠が、廃止に値するほどの説得力を持っていないと考えられるため。 理由② 死刑確定→執行までの期間が正確でないことで、 死刑を設置している意義(被害者や被害者遺族への配慮など)が薄れているため。 理由③ ②の導入によって、死刑と無期懲役の間にさらに量刑差が発生すると考えられる。 その量刑の差を埋めるため。

15 論点 ①死刑は廃止されるべきか、存置されるべきか ②もし存置されるならば、現状の死刑執行までの期間という問題についてはどう考えるか ③廃止されるならば、死刑に代わる刑として無期懲役は妥当であるといえるか、 それとも終身刑を新たに導入すべきか ④死刑廃止論・存置論は日本でどのように取り扱われるべきか

16 参考文献 坂本敏夫 「死刑と無期懲役」 ちくま新書・2010年 伊藤和子・寺中誠 「裁判員と死刑制度―日本の刑事司法を考える」 新泉社・2010年 アムネスティ・インターナショナル 法務省 犯罪白書 平成15年度・平成18年度・平成20年度 ウィキペディア 3%83%BC%E3%82%B8


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