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全自動コンソールTR-3000MA®の感染面からの評価 ―ルミノール試験を用いて―
○沖永鉄治1), 寺尾佳介1), 永易由香1), 松尾晴美1) 坂田良子1), 平林晃1), 高杉敬久2), 頼岡德在1) ・3) 医療法人社団スマイル 広島ベイクリニック1) 医療法人社団スマイル 博愛クリニック2) 一般社団法人 広島腎臓機構3)
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緒 言 日本の透析治療はセントラル方式が大部分を占めて おり、1台のコンソールを複数の患者が使用する状況に
緒 言 日本の透析治療はセントラル方式が大部分を占めて おり、1台のコンソールを複数の患者が使用する状況に ある。このため、コンソールを介した血液感染は常に問 題として挙げられ、多くの施設では2名のスタッフが穿刺 者とコンソール操作者に別れ透析開始・終了作業を行う ことで感染対策を講じている。 しかし、人員確保の問題等からやむを得ず1名で透析 開始・終了作業を行うこともあり、この場合、コンソール の血液汚染には注意が必要である。
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目 的 全自動コンソールTR-3000MA®(東レ・メディカル株式 会社製)は従来型コンソールに比べ透析開始・終了作業 において操作回数が極めて少ないという特徴がある。 ルミノール試験を用いTR-3000MA®と従来型コンソール の血液汚染状況を調査し、 TR-3000MA®がスタッフ1名 で透析開始・終了作業を行う場合においても、コンソール の血液汚染に対して有効か検討する。
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ルミノール試験 ルミノールは血液中のヘモグロビンを触媒にし、アルカリ性の水溶液 中で過酸化水素(H2O2) と反応して強い青紫色の発光を示す。 目視で確認することができない微量な血液においても反応を示す。
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方 法 スタッフ1名でTR-3000MA®と従来型コンソールの透析開始・終了作業を行った。
方 法 スタッフ1名でTR-3000MA®と従来型コンソールの透析開始・終了作業を行った。 それぞれのコンソールで透析開始・終了作業の操作回数を調査した。 透析開始・終了作業に使用した手袋にルミノール試薬を噴霧し血液付着状況を確認した。 透析終了後、ルミノール試薬をそれぞれのコンソールに噴霧し血液付着状況を確認した。
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コンソール操作回数 n=15 p<0.05 p<0.05 TR-3000MA®は1~2回の操作で開始・終了作業が終わるのに対し、従来型コンソールでは血液ポンプの運転・停止や抗凝固剤の注入などで、それぞれの作業において10回以上コンソールに接触していた。
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透析開始・終了に使用した手袋の血液汚染状況
n=50 n=50 開始作業に使用した手袋で19件のルミノール反応を確認した。 終了作業に使用した手袋で29件のルミノール反応を確認した。 開始作業に比べ終了作業に使用した手袋でより多くの血液汚染を確認した。 血液汚染の多くは第1、2、3指の指先に確認した。
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透析開始・終了に使用した手袋の血液汚染状況(コンソール別)
n.s. n.s. n=36 n=14 それぞれの作業に使用した手袋の血液汚染状況は、TR-3000MA®と従来型コンソール間に有意差は認められなかった。
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透析終了後のコンソール 血液汚染状況 TR-3000MA®でルミノール反応は確認されなかった。
n=15 n=15 TR-3000MA®でルミノール反応は確認されなかった。 従来型コンソールで3件のルミノール反応を確認した。
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考 察 今回、透析開始・終了作業に使用した手袋から、 多くのルミノール反応を確認した。 従来型コンソールは操作回数が多く作業が複雑 であるのに対し、TR-3000MA®は操作回数が少な く作業が簡潔である。このことが、血液汚染を0件 に抑えられた要因であると思われる。
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結 語 ルミノール試験を用いることでコンソールの 血液汚染状況が明らかとなった。 1名のスタッフで透析開始・終了作業を行う 場合、TR-3000MA®は従来型コンソールに比 べ血液汚染を抑止する効果が期待できる。
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