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パーキンソン病ってなんだろう -その症状と治療について-
循環系総合内科学講座(第3内科) 神経内科 渡嘉敷 崇
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パーキンソン病とは 振戦 固縮 無動 姿勢反射障害 4大症状 そのほかの症状 便秘 排尿障害 立ちくらみ 発汗異常 よだれ
精神症状(抑うつ,幻覚)
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振 戦 歩いているときや緊張でふるえが強くなる 何かをしようとすると止まることが多い 手足のふるえ 片側がより強くふるえる
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固 縮 診察すると・・・ 肘や手首などを前後に動かすと歯車のようなカクカクとした抵抗感がある 動作がぎこちなくなる
固 縮 診察すると・・・ 肘や手首などを前後に動かすと歯車のようなカクカクとした抵抗感がある 動作がぎこちなくなる 歩くときに腕の振りが少ない,足は引きずり気味 手足の痛み,しびれ
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無 動 仮面様顔貌 細かい動作がやりにくくなる 動作や瞬きが少なくなる 動くまでに 時間がかかる 字がだんだん小さくなる 声が小さく単調
無 動 細かい動作がやりにくくなる 動作や瞬きが少なくなる 仮面様顔貌 動くまでに 時間がかかる 字がだんだん小さくなる 声が小さく単調 早く歩けない 寝返りが打てない
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姿勢反射障害 前傾姿勢 すくみ足 立ち直り反射の障害 小刻み歩行 突進現象
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その他の症状 頑固な便秘 トイレが近い 夜中にトイレに行きたくなる 抑うつ気分 やる気がしない・身体がだるい 夜中によく目が覚める
昼間にとても眠くなる
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パーキンソン病の原因
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パーキンソン病の原因 正常 パーキンソン病 黒質の細胞 情報 運動に関わる基底核の細胞 ドパミンが少ないので情報が伝わりにくくなります
ドーパミンを使って情報を伝えます ドパミンが少ないので情報が伝わりにくくなります
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パーキンソン病の診断 パーキンソン病 パーキンソン症状 (パーキンソニズム) 薬剤性パーキンソニズム 脳血管性パーキンソニズム
脳炎性パーキンソニズム その他(変性疾患) パーキンソン症候群
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パーキンソン病と間違われやすい病気 本態性振戦
脳血管障害や小脳などの異常などによらない原因不明の病気です.パーキンソン病のように固縮や姿勢反射障害はなく,また振戦も安静時よりは動作(字を書く,物を取ろうとするなど)により,ふるえが強くなります. 家族の方に同様な症状を認めることがあります. 中年以降に症状が出てくることが多いのですが,極端に進行することはあまりありません.
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治 療 薬物療法 リハビリテーション 外科治療
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パーキンソン病の原因
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パーキンソン病の原因 正常 パーキンソン病 黒質の細胞 情報 運動に関わる基底核の細胞 ドパミンが少ないので情報が伝わりにくくなります
ドーパミンを使って情報を伝えます ドパミンが少ないので情報が伝わりにくくなります
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パーキンソン病の原因
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ドパミンとアセチルコリンのバランス パーキンソン病 正常 ドパミン アセチルコリン ドパミン アセチルコリン (アセチルコリンが優位)
(両者のバランスがとれている)
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ドパミンとアセチルコリンのバランス パーキンソン病 正常 ドパミン アセチルコリン ドパミン アセチルコリン (アセチルコリンが優位)
(両者のバランスがとれている) ドパミン系の機能を高める アセチルコリンを抑える
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治療薬
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パーキンソン病治療薬の主な副作用 特徴 症状 1.脳に直接影響 しばしばみられる 幻覚,不安・興奮,眠気,めまい,ふらつき 2.脳以外
胃腸症状がもっとも多く,しばしばみられる 悪心,胃部不快感・胸やけ,食欲不振,便秘,口渇,下痢 3.自律神経 口渇,便秘,排尿障害,立ちくらみ 4.アレルギー 頻度はまれ 発疹,ショックなど *治療経過中に見られる症状:ジスキネジア,抑うつ,幻覚
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お薬の飲み方 飲み方を変えるときは主治医に相談 自分の判断で薬は絶対に中止しない 新しく飲み始める薬は主治医に相談してください
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リハビリテーション・運動
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運動障害の対策
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そのほかの治療 外科治療 磁気刺激療法 1)定位視床Vim核破壊術(Thalamotomy) 主な適応症状は薬剤抵抗性の振戦
2)定位淡蒼球内節破壊術(Pallidotomy) 主な適応症状はジスキネジア,筋固縮,振戦 3)視床Vim核刺激 視床Vim核破壊術と同様に薬剤抵抗性の振戦が主な適応症状 4)淡蒼球内節刺激 定位淡蒼球内節破壊術と同じ効果を示す.即ち,L-ドーパ誘発性ジスキネジアの軽減効果に優れている 5)視床下核刺激 視床下核は血管性病変などでバリズムを惹起することが知られ,殆どの場合,破壊でなく刺激を行う.パーキンソン病症状全般に対する効果が報告され特にoff時の改善が著しい 磁気刺激療法
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パーキンソン病の重症度分類 ホーエン&ヤール分類
ヤールⅠ度 ヤールⅡ度 片側のみの症状 症状はごく軽い 両側に症状有り 姿勢反射障害はない ヤールⅢ度 ヤールⅣ度 ヤールⅤ度 姿勢反射障害がある 一人で起立できない 介助が必要 起立・歩行は何とかできる 介助が必要なことがある
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パーキンソン病の重症度分類 ホーエン・ヤールの重症度分類 生活機能障害度
I 度: 体の片側だけの障害。軽度の機能障害。 I 度: 日常生活、通院にほとんど介助を必要としない。 II 度: 体の両側の障害。姿勢反射の障害はみられない。日常生活にやや支障をきたすが、なんとか行える。 III度: 軽度の姿勢反射障害と歩行障害。中度の機能障害。行動がある程度制限されるが、自立した日常生活が可能。 II 度: 日常生活、通院に介助を必要とする。 IV度: 重度の機能障害。歩行・立ち上がりはなんとか可能だが、日常生活は一部介助が必要。 V度: 寝たきり状態で日常生活の全てにわたって介助が必要。 III度: 起立や歩行が不能で、日常生活に全面的な介助が必要。 ※厚生労働省の特定疾患対策の治療対象疾患として認定されるのは「ホーン・ヤールの重症度分類」の III度、「生活機能障害」の II 度以上。
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*難病(特定疾患)とは 原因不明、効果的な治療方法未確立、生活面への長期にわたる支障があり、症例数が比較的少ないために全国的な規模で研究を行わなければ対策が進まない特定の疾患 (厚生労働省ホームページより)
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特定疾患事業対象疾患 1ベーチェット病 2多発性硬化症 3重症筋無力症 4全身性エリテマトーデス 5スモン 6再生不良性貧血
7サルコイドーシス 8筋萎縮性側索硬化症 9-1強皮症 9-2皮膚筋炎及び多発性筋炎 10特発性血小板減少性紫斑病 11結節性動脈周囲炎 12潰瘍性大腸炎 13大動脈炎症候群 14ビュルガー病 15天疱瘡 16脊髄小脳変性症 17クローン病 18劇症肝炎 19悪性関節リウマチ 20パーキンソン病関連疾患 進行性核上性麻痺 大脳皮質基底核変性症 パーキンソン病 21アミロイドーシス 22後縦靱帯骨化症 23ハンチントン病 24モヤモヤ病(ウィリス動脈輪閉塞症) 25ウェゲナー肉芽腫症 26特発性心筋症 27多系統萎縮症 線状体黒質変性症 シャイ・ドレーガー症候群 オリーブ橋小脳萎縮症 28表皮水疱症(接合部型及び栄養障害型) 29膿疱性乾癬 30広範脊柱管狭窄症 31原発性胆汁性肝硬変 32重症急性膵炎 33特発性大腿骨壊死症 34混合性結合組織病 35原発性免疫不全症候群 36特発性間質性肺炎 37網膜色素変性症 38プリオン病 39原発性肺高血圧症 40-1神経線維腫症(Ⅰ型) 40-2神経線維腫症(Ⅱ型) 41亜急性硬化性全脳炎 42バッド・キアリ(Budd-Chiari)症候群 43特発性慢性肺血栓塞栓症 (肺高血圧型) 44ライソゾーム病 45副腎白質ジストロフィー 改正のポイント(抜粋) 平成15年10月1日より 医療費等の自己負担額が変わります。 患者さんの生計を主として維持する生計中心者の所得の状況に応じて自己負担額限度額が決定されます。 「特定疾患医療受給者証」の有効期間が10月1日から9月30日までとなり、臨床調査個人票の提出が毎年必要になります。 疾患によっては、治療の結果、症状が改善し、経過観察等一定の通院管理の下で、著しい制限を受けることなく就労等を含む日常生活を営むことができると判断された方を「軽快者」として「登録者証」を交付することになります。 「登録者証」を交付された方は、医療費の公費負担にはなりませんが、症状が再び悪化した場合は、「登録者証」を添付して「特定疾患医療受給者証」の交付申請を行うことができます。 この場合、医師が症状の悪化を確認した日から1ヶ月以内に申請を行うことにより、確認日から認定が受けられます。 対象疾患の一部が次のとおり変わります。 パーキンソン病が『パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症・パーキンソン病)』になります。 シャイ・ドレーガー症候群が『多系統萎縮症(線条体黒質変性症・オリーブ橋小脳萎縮症及びシャイ・ドレーガー症候群)』になります。 なお、「脊髄小脳変性症」の特定疾患医療受給者証をお持ちの方でオリーブ橋小脳萎縮症の方は、今後、「多系統萎縮症」での申請となります。
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特定疾患交付件数(平成14年度;旧分類) 疾 患 名 沖縄県 全国 パーキンソン病 494 (第3位) 66,041 (第2位)
疾 患 名 沖縄県 全国 パーキンソン病 494 (第3位) 66,041 (第2位) 脊髄小脳変性症 145 (第13位) 23,483 (第6位) 多発性硬化症 44 (第22位) 10,101 (第17位) 重症筋無力症 152 (第10位) 13,785 (第13位) 全身性エリテマトーデス 828 (第1位) 52,452 (第3位) 潰瘍性大腸炎 577 (第2位) 77,073 (第1位)
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20-3パーキンソン病関連疾患(パーキンソン病)の認定基準
(1) パーキンソニズムがある。 (2) 脳CT又はMRIに特異的異常がない。 (3) パーキンソニズムを起こす薬物・毒物での曝露がない。 (4) 抗パーキンソン病薬にてパーキンソニズムに改善がみられる。 以上4項目を満たした場合、パーキンソン病と診断する。1,2,3は満たすが、薬物反応を未検討の症例は、パーキンソン病疑いの症例とする。 注1)パーキンソニズムの定義は、次のいずれかに該当する場合とする。 (1)典型的な左右差のある安静時振戦(4~6Hz)がある。 (2)歯車様筋固縮、動作緩慢、姿勢歩行障害のうち2つ以上が存在する。 注2)脳CT又はMRIにおける特異的異常とは、多発脳梗塞、被殻萎縮、脳幹萎縮、著明な脳室拡大、著明な大脳萎縮など他の原因となるパーキンソニズムであることを明らかに示す所見の存在をいう。 注3)薬物に対する反応はできるだけドーパミン受容体刺激薬又はL-DOPA製剤により判定することが望ましい。
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特定疾患治療研究事業制度改正 (平成15年10月1日)
特定疾患治療研究事業制度改正 (平成15年10月1日) 改正のポイント(抜粋) 平成15年10月1日より 医療費等の自己負担額が変わります。 患者さんの生計を主として維持する生計中心者の所得の状況に応じて自己負担額限度額が決定されます。 「特定疾患医療受給者証」の有効期間が10月1日から9月30日までとなり、臨床調査個人票の提出が毎年必要になります。 疾患によっては、治療の結果、症状が改善し、経過観察等一定の通院管理の下で、著しい制限を受けることなく就労等を含む日常生活を営むことができると判断された方を「軽快者」として「登録者証」を交付することになります。 「登録者証」を交付された方は、医療費の公費負担にはなりませんが、症状が再び悪化した場合は、「登録者証」を添付して「特定疾患医療受給者証」の交付申請を行うことができます。 この場合、医師が症状の悪化を確認した日から1ヶ月以内に申請を行うことにより、確認日から認定が受けられます。 対象疾患の一部が次のとおり変わります。 パーキンソン病が『パーキンソン病関連疾患(進行性核上性麻痺・大脳皮質基底核変性症・パーキンソン病)』になります。 シャイ・ドレーガー症候群が『多系統萎縮症(線条体黒質変性症・オリーブ橋小脳萎縮症及びシャイ・ドレーガー症候群)』になります。 なお、「脊髄小脳変性症」の特定疾患医療受給者証をお持ちの方でオリーブ橋小脳萎縮症の方は、今後、「多系統萎縮症」での申請となります。
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