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動物介在による 生理的・心理的ストレス緩衝効果

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1 動物介在による 生理的・心理的ストレス緩衝効果
AAT as moderators of Autonomic and psychological Responses to Stress AATを初めて臨床報告をしたのは子どもを専門的に診ている臨床心理学者のLevinson(1962)でした. 彼は動物の存在が患児に安心感を持たせ,治療をスムーズに進めるための架け橋になるということを報告しました. AATは「動物を利用した治療的介入」として現在では定義されています. 人間科学研究科 健康科学専攻 臨床心理学研究領域 3802b011-4 楮原 恵理子 指導教員 野村 忍 教授  3802b011-4 erico kagohara

2 1980年頃~ ペット動物によるストレス緩衝効果の研究がはじまる...
1980年頃~ ペット動物によるストレス緩衝効果の研究がはじまる... 心臓血管系疾患  西洋社会における大きな死因の一つ ペット飼育が有効  重度の狭心症・心筋梗塞で入院した患者 退院一年後の死亡率        ペット飼育者5.7%  ペット非飼育者28.2% (Friedmann, Katcher,& Lynch, 1980) 1980年ごろから,動物のストレス緩衝(かんしょう)効果の検討が血圧,心拍,呼吸数,掌の発汗などの生理的指標をもちいた研究がされるようになってきました. これは,1980年のFriedmannらが,西洋社会の大きな死因の一つである心血管疾患患者において行った調査結果により,注目を集めたためです. ①Ffiedmannらは,狭心症(きょうしんしょう)と心筋梗塞で入院した92名の白人患者を対象として,退院後の死亡率を調べました. ②そのうち,ペットを飼育していた52名の患者の死亡率は5.7%であったのに対して,飼育していない39名の患者の一年後の死亡率は28.3%であったことを報告しました. この報告により,ペット動物がもたらすストレス緩衝効果を生理的指標を用いて調査がされるようになっていきました. 3802b011-4 erico kagohara

3 ソーシャルサポートとしてのAAT研究 ソーシャルサポート反応性仮説に基づいたAAT研究
ソーシャルサポート反応性仮説とは? ストレスに対する身体的反応を減少 健康を促進 ソーシャルサポートとしての支援的な他者は ストレスに対する害のある身体反応 (過剰&長時間に渡る心臓血管反応) 抑制・妨げる → 健康を促進する. 最近の研究では,ソーシャルサポート反応性仮説に基づいたペット動物のストレス緩衝効果の検討がされています. ソーシャルサポート反応性仮説とは, ①ストレスに対する身体的反応を減少させることにより,健康を促進するとしています. ②そして支援的な他者が,ストレスに対する害のある身体反応,すなわち過剰で長時間に渡る心臓血管反応を抑制する,もしくは妨げることにより,健康を促進するとしています. ソーシャルサポート反応性仮説には「能動的」サポートと「受動的」サポートの二つがあるとされ,AATは受動的サポートとして検討が進められています. 3802b011-4 erico kagohara

4 友人そのものがストレスに対する心臓血管反応を減少させるのを検討 ↓ サポートする友人の評価的な側面が 最小化されたときに有効
ソーシャルサポート反応性仮説 友人そのものがストレスに対する心臓血管反応を減少させるのを検討 サポートする友人の評価的な側面が 最小化されたときに有効 Kors, Linden & Gerin(1997) Rontana, Diegnan Villeneuve, & Lopore(1999) ペット動物におけるソーシャルサポート反応性仮説の研究では,ペット動物は,受動的サポートに属します.受動的サポートとは,ストレス場面において,友人そのものが,ストレスに対する心臓血管反応性を減少させることを検討するものです. ストレッサーが暗算やスピーチの場合,同席している友人が被験者が何を言っているのか分からない場合,すなわち,サポートする友人の評価的な側面が最小化されたときに有効となるとKors等が報告しました. また能動的サポートとは,ストレス負荷される人に支持的な言動を行った場合の生理的反応を検討するものです. 3802b011-4 erico kagohara

5 ソーシャルサポート反応性仮説に基づいた AAT研究
ペット動物そのものがストレスに対する心臓血管反応を減少させることを検討 ペット動物のみ同席         < 実験者のみ存在                 < 実験者と友人が同席  Allen, Blascovish, Tomaka & Lelsey (1991)  Allen, Blascovich, Wendy, & Mendes(2002) そしてAllenらは,ストレス場面においてペット動物がソーシャルサポート反応性仮説に合致することを報告しました. 彼らは,ペット動物の存在がストレス反応を緩和させることを報告しました. ①という結果です. これは人は評価的になりうるがペット動物が非評価的であり,それゆえに急激なストレッサーに対してソーシャルサポートの役割を果たしたと報告をしました. きかれたら... ※彼らの実験では,ペット動物は受動的サポートとして入り,同伴者である友人もしくは伴侶は能動的サポートとして入った. 3802b011-4 erico kagohara

6 ソーシャルサポートの乏しさ (Hardy&Smith1988etc)
ソーシャルサポート阻害要因としての敵意 敵意の高さは ソーシャルサポートの乏しさ (Hardy&Smith1988etc) 自らサポートを求めない傾向 (Houston & Kelly, 1989 etc) ソーシャルサポートの欠如&敵意過多 死に至る冠状疾患・心臓疾患のリスクを増加 (House, et al, 1988; Matthews, 1988) ソーシャルサポートは個人の健康維持増大に大きな役割を果たすとされていますが,その効果の恩恵を受けにくい性格特性があります.その一つに敵意があげられます. 欧米では古くから敵意の高い人程,ストレス反応を悪化させ,健康に影響を与えるリスクを増大させるという研究報告がなされています. 敵意の高い人は ① ソーシャルサポートが乏しく ② また自らサポートを求めない傾向があり ③ ソーシャルサポートの欠如と敵意過多は死に至る冠状疾患や心臓血管の個人的リスクを増大させると言われています. 3802b011-4 erico kagohara

7 ★他者に対して皮肉的&ネガティブで批判的な態度や認知によりソーシャルサポートを受けにくい
ソーシャルサポート阻害要因としての敵意 敵意の構成要素       →他者に対する全般的な不信感・皮肉性 Lepore(1995)の実験 皮肉性敵意の高い個人 ★他者からの意図に対して懐疑的 ★他者に対して皮肉的&ネガティブで批判的な態度や認知によりソーシャルサポートを受けにくい 敵意の構成要素は ① 他人に対する全般的な不信感や皮肉性です.不信感から皮肉的態度になる人々はソーシャルサポートが得られる場合においても,ソーシャルサポートの恩恵を得にくくなってしまいます. ソーシャルサポートの低さは心臓疾患のリスクファクターの一つです. 敵意の高さもまた心臓疾患のリスクファクターの一つです. ということは敵意の高い人はソーシャルサポートが欠如しているため,2重の危険にいることになります. Lepreの実験結果による報告では,皮肉性敵意の高い人は,援助者の有無に関係なく心理的反応,血圧,心拍において皮肉性敵意の低い人よりも高い上昇が見られた. このことから,皮肉性の高い人は ① 他人からの意図に対して懐疑的であり, ② 他人に対する皮肉的でネガティブで批判的な態度や認知によりソーシャルサポートを受けにくいという結果を導きだしました. 3802b011-4 erico kagohara

8 本研究の目的 ソーシャルサポート反応性仮説に基づきストレス負荷時の動物介在による生理的・心理的ストレス緩衝効果の検討
皮肉性敵意者における,ストレス負荷時のソーシャルサポートとしての動物介在による生理的.心理的ストレス緩衝効果の検討 ①分析1 ②分析2 3802b011-4 erico kagohara

9 実験参加者・ストレス課題 実験参加者  女子大学生・大学院生58名 (20.92歳±2.55歳)を,イヌ介在群(dog群),イヌ介在無群(alone群)に無作為に配置 スピーチ課題 「イラク戦争問題について」      ①ビデオカメラに向かって話す.      ②スピーチの様子は録画され評定される. 実験参加者はこの通りです. ランダムにdog群とalone群に振り分けました. スピーチ課題はイラク戦争問題について, ビデオカメラに向かって話し,その様子は録画されて複数の心理の専門家によって後ほど評価されると,評価的ストレス課題を教示しました. (また皮肉性敵意高群,低群は被験者にシニシズム尺度に回答をしてもらい,18点以下を皮肉性敵意低群,19点以上を高群として分析しました.) 3802b011-4 erico kagohara

10 (Portapres Model-2; TNO-TPD Biomedical Instrumentation社製)
測定指標 (心臓血管系指標) 収縮期血圧(SBP) 拡張期血圧(DBP) 心拍率(HR) Finapres法による 非観血的連続血圧測定装置により測定 (Portapres Model-2; TNO-TPD Biomedical Instrumentation社製) 測定した生理指標はこの通りです. 3802b011-4 erico kagohara

11 測定指標 (心理的指標) 一般感情尺度 (小川他,2000) ①肯定的感情(PA) e.g 「活気のある」 「愉快な」
     ②否定的感情(NA)    「緊張した」 「恐ろしい」      ③安静状態(CA)      「平静な」 「ゆっくりした」     各8項目,4件法 (まったく感じていないー非常に感じる) 心理的指標はこの通りです.3因子各8項目です. 3802b011-4 erico kagohara

12 手続き イヌ 退室 5mins 課題 説明 準備 ST1 2mins スピーチ ST2 5mins 回復期 POST 5mins
イヌ投入期 (BOND) or 安静 (REST) 5mins 課題 説明 スピーチ 準備 ST1 2mins スピーチ ST2 5mins 回復期 POST 5mins ベースライン Baseline 15mins 心理的指標(1) 心理的指標(2) 手続きは  ①ベースライン15分, ②dog群は被験者とイヌがなれる時間であるイヌ投入期(BOND期)を,alone群はそ      のまま安静にする安静期(REST期)を5分 ③ストレス課題について説明を行い ④スピーチ内容に考える時間として2分(Stress1期) ⑤スピーチを行う時間の5分(Stress2期) ⑥ストレス課題が終了したらイヌは退出しました. ⑦そして回復期として5分 心理的指標は,ベースラインとストレス課題,回復期が終了後にとりました. 生理的指標はベースラインから回復期の心理的指標を回答し終わるまで測定しました. Dog群ではイヌはこの間,被験者の膝の上におり,可能であるならば撫でてもらいました. 心理的指標(3) dog群            イヌを愛撫 生理反応連続測定 3802b011-4 erico kagohara

13 自己質問紙回答結果 ペット愛着尺度 dog群 alone群 (p= n.s.)
実験参加前に被験者に回答していただいた自己質問報告です. ペット愛着についてはdog群,alone群において差はありませんでしたが,ソーシャルサポート満足感で有意な差が,皮肉性で有意傾向が検出されました. ペット愛着尺度 dog群 alone群 (p= n.s.) ソーシャルサポート満足感 dog群>alone群 (p<.05) 皮肉性(CQ)尺度 dog群<alone群 (p<.10) 3802b011-4 erico kagohara

14 群(dog群・alone群) x ブロック(BOND/REST, ST1, ST2, POST)
イヌ投入期/安静期 (BOND/REST) 5mins 分析方法 回復期 POST 5mins ベースライン Baseline 5mins スピーチ準備期 ST1 2mins スピーチ課題期 ST2 5mins 心理的指標(2)  心理的指標(3) 心理的指標(1) 分析方法 生理的指標:SBP, DBP, HR  群(dog群・alone群) x ブロック(BOND/REST, ST1, ST2, POST)  共変量:ソーシャルサポート満足感(t(56)=-2.11, p<.05) 心理的指標:PA, NA, CA 群(dog群・alone群) x ブロック(Baseline, Stress, POST)   分析方法 まず始めにベースラインのdog群alone群間で有意な差はありませんでした. ベースライン最後の5分間の平均値をあとのブロックはそのままの時間の平均値を各ブロックの代表値としました. 生理的指標では各ブロックの代表値からベースラインの値を減じてその変化量を求めそれを分析対象としました.またソーシャルサポート満足感において有意差があったためソーシャルサポート満足感を共変量とした2要因の分散分析を行いました. 心理的指標ではベースライン後,ストレス課題後,回復期後の平均得点 3802b011-4 erico kagohara

15 ストレス負荷時の動物介在による 生理的ストレス緩衝効果
結 果: 全体的にスピーチ期(ST2),ついでスピーチ内容準備期(ST1)に心臓血管反応が高い数値を検出 HRでのみ群間差検出  dog群はalone群よりも有意に高い心拍率を検出 ストレス負荷時の動物介在による生理的ストレス緩衝効果の結果は, BOND/REST,ST1,ST2,Postのブロックにおいて主効果が検出され,スピーチを行うST2が最も高く,次いでスピーチ内容について考えるST1で高い心血管反応が示されました. また心拍においてdog群はalone群よりも高い数値を検出しました. 3802b011-4 erico kagohara

16 ストレス負荷時の動物介在による生理的ストレス緩衝効果の検討
左上がSBP,右上がDBP,下がHRになります.赤い線がdog群,青い線がalone群です. SBP,DBPではスピーチ課題時,次いでスピーチ準備期が高くなりました. 3802b011-4 erico kagohara

17 ストレス負荷時の動物介在による生理的 ストレス緩衝効果の検討 (HR)
dog群,alone群 ST1,ST2  有意に高い心拍率を検出 BOND/REST ST1 ST2        POST ↓  dog群>alone群 ∴dog群はalone群よりも全ブロックで高い心拍を検出 *[ *[ 心拍ではスピーチ準備期のST1 スピーチ課題期のST2 が高く,すべてのブロックにおいてdog群はalone群よりも有意に高い心拍を検出しました. *[ ]* 3802b011-4 erico kagohara

18 ストレス負荷時の動物介在による 心理的ストレス緩衝効果の検討
結 果: 肯定的感情(PA),安静感情(CA)において   dog群はalone群よりも有意に高い得点を検出 否定的感情(NA)において,dog群はalone群よりも有意に低い得点を検出 心理的反応では,肯定感情と安静感情においてdog群はalone群よりも有意に高い得点を検出しました. 否定的感情では,dog群はalone群よりも有意に低い得点を検出しました. 3802b011-4 erico kagohara

19 ストレス負荷時の動物介在による心理的 ストレス緩衝効果の検討(PA)
結果:肯定感情 ST dog群>alone群 POST   dog群はalone群よりも肯定的感情が高い  | * ]† ストレス課題で有意差が回復期で有意傾向が示されました. * p<.05 † p<.10 3802b011-4 erico kagohara

20 ストレス負荷時の動物介在による心理的 ストレス緩衝効果の検討(NA)
結果:否定的感情 ST dog群<alone群 POST dog群はalone群よりも 否定的感情が低い ]* ]* ストレス課題で有意差が回復期で有意差が示されました. * p<.05 3802b011-4 erico kagohara

21 ストレス負荷時の動物介在による心理的 ストレス緩衝効果の検討(CA)
結果:安静感情    ST dog群>alone群 POST dog群はalone群よりも 安静感情が高い ]* ]† ストレス課題で有意傾向が回復期で有意差が示されました. * p<.05 † p<.10 3802b011-4 erico kagohara

22 分析方法 生理的指標: SBP, DBP, HR 心理的指標:PA, NA, CA
イヌ投入期/安静期 (BOND/REST) 5mins 分析方法 回復期 POST 5mins ベースライン Baseline 5mins スピーチ準備期 ST1 2mins スピーチ課題期 ST2 5mins 心理的指標(2)  心理的指標(3) 心理的指標(1) 分析方法 生理的指標: SBP, DBP, HR 群(dog群・alone群) x CQ(CQ高群・CQ低群) x ブロック(BOND/REST, ST1, ST2, POST)     共変量:ソーシャルサポート満足感(t(56)=-2.11, p<.05) 心理的指標:PA, NA, CA 群(dog群・alone群) x CQ(CQ高群・CQ低群) x ブロック(Baseline, Stress, POST)  分析方法 まず始めにベースラインのdog群alone群間で有意な差はありませんでした. ベースライン最後の5分間の平均値をあとのブロックはそのままの時間の平均値を各ブロックの代表値としました. 生理的指標では各ブロックの代表値からベースラインの値を減じてその変化量を求めそれを分析対象としました.またソーシャルサポート満足感において有意差があったためソーシャルサポート満足感を共変量とした2要因の分散分析を行いました. 心理的指標ではベースライン後,ストレス課題後,回復期後の平均得点 3802b011-4 erico kagohara

23 皮肉性敵意傾向者に対するストレス負荷時の ソーシャルサポートとしてペット動物介在による 生理的ストレス緩衝効果の検討
結 果: 全体的にスピーチ期(ST2),ついでスピーチ内容準備期(ST1)に心臓血管反応が高い数値を検出 HRにおいてCQ高群のdog群はalone群よりも高い心拍率を検出 SBP,DBPにおいてCQ高群は低群よりもスピーチ期(ST2),回復期(Post)において高い数値を検出 皮肉性敵意を変数として,ストレス負荷時のソーシャルサポートとしてペット動物介在による生理的ストレス緩衝効果の検討を行いました. ここでもストレス課題時に心臓血管反応が高い数値を検出しました. また心拍で皮肉性敵意高群においてdog群はalone群よりも高い心拍数を検出しました. またSBP,DBPにおいて皮肉性敵意とブロックで交互作用が検出されました 皮肉性敵意高群は低群よりもスピーチ課題時と回復期において高い血圧を検出しました. 3802b011-4 erico kagohara

24 皮肉性敵意傾向者に対するストレス負荷時のソーシャルサポートとして ペット動物介在による生理的ストレス緩衝効果の検討(SBP)
  ST2 → ST1 ●CQ高群>CQ低群(p<.10)     →CQ高群はCQ低群よりも高いSBP値を検出した. これはSBP,グラフの上が皮肉性敵意低群,下が皮肉性高群 Dog群のCQ低群でのみ,回復期(POST)のSBPがST1よりも有意に下がっています. 3802b011-4 erico kagohara

25 皮肉性敵意傾向者に対するストレス負荷時のソーシャルサポートとして ペット動物介在による生理的ストレス緩衝効果の検討(DBP)
dog群のCQ高群でのみ,回復期のDBPはST1よりも平均値の数値は低くなっていましたが,有意に下がっていませんでした. 結果:DBP ●DBP(全群)    ST2 → ST1 ●CQ高群>CQ低群(p<.10)    →CQ高群はCQ低群よりも高いDBP値を検出した. 3802b011-4 erico kagohara

26 皮肉性敵意傾向者に対するストレス負荷時のソーシャルサポートとしてペット動物介在による生理的ストレス緩衝効果の検討(HR)
*[ ]* *[ ]* ]* 結果:HR ●HR(全群) ST1,ST2 ●BOND/REST CQ低群・高群 dog群>alone群 ST CQ低群・高群 dog群>alone群 POST CQ高群  dog群>alone群 →dog群はalone群よりも高い心拍を検出   CQ高群はPOSTにおいてCQ低群よりも高い心拍を検出 これはHRです.上がCQ低群,下がCQ高群です. Dog群のCQ低群でのみ,回復期はbond/restよりも十分に低下していました. また,bond/restで全群でdog群が有意に高いことが示され, またCQ高群(下のグラフ)の回復期でdog群が有意に高いことが示されました. 3802b011-4 erico kagohara

27 皮肉性敵意傾向者に対するストレス負荷時の ソーシャルサポートとしてペット動物介在による 心理的ストレス緩衝効果の検討
結果 肯定的感情(PA):     CQ低群においてdog群はalone群よりもPA得点が高かった. 否定的感情(NA):     CQ低群においてdog群はalone群よりもNA得点が低かった. 安静感情(CA):    CQ低群においてdog群はalone群よりもCA得点が高かった. CQ高群は低群よりもストレス課題期(ST),回復期(Post)で低い安静感情(CA)を検出した. 心理的反応では,dog群のCQ低群で肯定感情と安静感情が有意に高く,否定的感情で有意に低い得点でしめしました. また安静感情で皮肉性敵意とブロックで交互作用を示し,皮肉性敵意低者のほうが安静感情が高い得点を示しました. 3802b011-4 erico kagohara

28 皮肉性敵意傾向者に対するストレス負荷時のソーシャルサポートとして ペット動物介在による心理的ストレス緩衝効果の検討(PA)
  * ]* 皮肉性敵意高群では有意差はみられていません. 皮肉性敵意低群においてストレス負荷時と回復期で高い得点を示しました. 結果:PA CQ低群のST,POST → dog群>alone群 ∴CQ低群のdog群は肯定的感情を高く検出した 3802b011-4 erico kagohara

29 皮肉性敵意傾向者に対するストレス負荷時のソーシャルサポートとして ペット動物介在による心理的ストレス緩衝効果の検討(NA)
]* 皮肉性敵意低群で,ストレス課題時にdog群が有意に低かったです. 結果:NA dog群・alone群のCQ高・低群 →Stress >Baseline, Post CQ低群 ST → dog群<alone群 ∴ CQ低群のdog群は否定的感情を低く検出した 3802b011-4 erico kagohara

30 皮肉性敵意傾向者に対するストレス負荷時のソーシャルサポートとしてペット動物介在による心理的ストレス緩衝効果の検討(CA)
]* 安静感情では,皮肉性敵意低群において回復期でdog群のほうが高い得点を検出しました. 結果:CA dog群CQ低群のみ Post-Baseline (n.s)→Baselineの得点まで回復 dog群CQ低群 Post → dog群>alone群 ∴ CQ低群のdog群は安静感情を高く検出した. 3802b011-4 erico kagohara

31 考 察 本研究では生理的反応においてペット動物介在によるストレス緩衝効果は示さなかったが,心理的反応では不快感情を和らげる可能性を示唆した.
考 察  本研究では生理的反応においてペット動物介在によるストレス緩衝効果は示さなかったが,心理的反応では不快感情を和らげる可能性を示唆した. 心臓血管反応 dog群>alone群 HR→イヌを撫でる行為による可能性(Mara M Baun,1983) BOND/REST→挨拶効果greeting response (Grossberg,1998), →新奇効果novelty effect(Wilson,1987) 肯定的・安静感情 dog群>alone群  否定的感情 dog群<alone群 肯定的感情肯定的感情(気分の高揚,楽しい気分)の高まり→心臓血管活動が高まった可能性(Rolf,1999,他) 肯定的感情,安静感情が高まり,否定的感情が低くなることにより不快感情の低減が示された. 本研究では生理的反応においてペット動物介在によるストレス緩衝効果はしめされませんでした.よってソーシャルサポート反応性仮説は今回指示されませんでした.しかし心理的反応において不快感情を和らげる可能性を示しました. ①生理的反応においてHRで群間の有意差がしめされましたが,これはイヌを撫でる行為により上昇する可能性があります. またイヌを投入したBond期で,被験者がイヌをみたときに生じる挨拶効果や新奇効果が生理的反応を高める影響を与えていることも考慮にいれなくてはいけません. ②心理的反応で,気分の高揚,楽しい気分により肯定感情が高まったために心臓血管反応の上昇した可能性もあります. 3802b011-4 erico kagohara

32 考察 皮肉性敵意高者・低者において生理的反応でのストレス緩衝効果はみれなかった.心理的反応では皮肉性低者にストレス緩衝効果が示された.
SBPとDBPで敵意性が大きく関与 ・敵意が高い人ほどストレス課題に対して心臓血管反応が大きくなる (Hard,et al., 1988). ・スピーチのようなチャレンジ課題に対してネガティブな反応を示しやすい (Karin, et al.,1995). ・嫌悪的な状況→ストレス状態を持続させてしまう.                             (佐々木,他 2002) ・CQ低群のdog群では肯定的感情がST,Post共に高く,安静感情ではPostでBaselineと同レベルまで回復した. 皮肉性敵意の高群,低群においては,生理的反応ではストレス緩衝効果は示されませんでした.また心理的反応ではdog群の皮肉性敵意低群でのみで,ストレス緩衝効果が示されました. ① 生理的反応ではSBPとDBPで交互作用が検出されました.よってストレッサーに対して血圧の上昇に敵意性が大きく関与していることが示されました. 敵意が高い人ほどストレス課題に対して心臓血管反応が上昇しやすくなり, スピーチのようなチャレンジ課題に対してネガティブな反応を示しやすく, 嫌悪的な状況に対処した場合,自らのストレス状態を持続させてしまうという特性を支持するものでした. 心理的効果では,dog群のCQ低群で肯定感情が高く,また安静感情において回復期の得点がベースラインと同レベルまで回復しました. 3802b011-4 erico kagohara

33 考察 本研究では皮肉性敵意低群においても,先行研究とは異なる生理的反応が示された. ↓
・Friedmann(1979,1983),Katcher(1981)等では,朗読群,黙読群,ペット動物愛撫群の3群を比較した.その結果, ペット動物愛撫群≒黙読群<朗読群 → ストレス負荷下でのペット動物の愛撫による効果について触れていない. ・Allen等(1991, 2001, 2002)のソーシャルサポート反応性仮説に基づいた研究では,被験者自身のペット動物であったこと,実験場所が自宅(2001,2002)であったこと. → 被験者とペット動物に既にBOND(絆)が形成されている.    被験者自身とペット動物自体に新奇な環境に慣れるストレスがない. 今回の研究では,生理的反応の緩衝効果は示されず,先行研究とは異なる結果をしめしました. しかし皮肉性敵意低群においてもその効果が示されなかったことからも,先行研究と本研究の差異について検討をしなければなりません. ①Friedmannらの実験と今回の実験では,朗読群,黙読群,ペット動物愛撫群の3群を比較した. ②その結果,ペット動物愛撫群と黙読群が同様な反応をしめしたという結果を報告したが, ③ストレス負荷下でのペット動物の愛撫による効果について触れていない. ④Allen等(1991, 2001, 2002)のソーシャルサポート反応性仮説に基づいた研究では,被験者自身のペット動物であったこと,実験場所が自宅(2001,2002)であったことからも, ②被験者とペット動物に既にBOND(絆)が形成されていており,また被験者自身とペット動物自体に新奇な環境に慣れる必要がなかったこと 言わなくてもいい・・・ Firedmannの1980年の心疾患患者における死亡率とペット飼育の調査では,被調査者の性格特性には触れていなかったが,心臓疾患患者ということなので,敵意も多分高い人がいたのでは?故に関係性が成立したペット動物におけるソーシャルサポート反応性仮説は成立するのかもしれない. 3802b011-4 erico kagohara

34 考察 ・ペット動物(イヌ)との親しむ時間(BOND期)で新奇効果,挨拶効果により喚起された生理的反応が落ち着くには5分間では十分ではなかった. 親しむ時間+活性化した生理反応が落ち着くまでの時間について考慮する必要性. ペット動物と被験者のBOND(絆)を形成する時間を十分に設定することにより,生理的反応の緩和の可能性 皮肉性敵意高者は新奇な相手からのサポートに対して懐疑的であるため,ペット動物に対しても同様の反応となった可能性 BOND(絆)を形成する時間を十分に設定する必要性 or 実験室に入る前段階にイヌと被験者が親しむ時間を設ける必要  また,ペット動物(イヌ)との親しむ時間(BOND期)で新奇効果,挨拶効果により喚起された生理的反応が落ち着くには5分間では十分ではなかったことが挙げられます. ①被験者とイヌが親しくなる時間と,新奇効果により活性化した生理反応が落ち着くまでの時間について再考する必要があります.ペット動物と被験者のBOND(絆)を形成する時間を十分に設定することにより, ②生理的反応の緩和の可能性もあり,また,皮肉性敵意高者は新奇な相手からのサポートに対して懐疑的であるため,関係性のできていない初対面のペット動物に対しても,ネガティブな感情が生気されたとも考えられ,これはBOND(絆)を形成する時間を十分に設定すること必要性がはやり示唆されている. 3802b011-4 erico kagohara

35 最後に・・・ 心臓血管反応の上昇がみられたが,生理反応の上昇は被験者の肯定感情とともに活発化することを考慮にいれる必要がある.
Cohen(1985,1983)はポジティブな感情は,人が問題に相対した時にその問題をコントロールする能力を高めるとしている.  肯定的感情をもつことは重要であり,ペット動物の肯定的感情を導き出す効果は非常に有用と考えられる. また, 心臓血管反応の上昇がみられたが,生理反応の上昇は被験者の肯定感情とともに活発化することを考慮にいれる必要があります. Cohen(1985,1983)はポジティブな感情は,人が問題に相対した時にその問題をコントロールする能力を高めるとしています. ①よって,肯定的感情をもつことは重要であり,ペット動物の肯定的感情を導き出す効果は非常に有用と考えられる. 3802b011-4 erico kagohara

36 ご清聴ありがとうございました Special thanks to JAHA (社)日本動物病院 福祉協会
3802b011-4 erico kagohara


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