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第5回目 5月15日 平成30年度 環境浄化技術Ⅰ&衛生工学Ⅰ 講義HP(今井担当):

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1 第5回目 5月15日 平成30年度 環境浄化技術Ⅰ&衛生工学Ⅰ 講義HP(今井担当):
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2 地表水:(l)河川水 水源と貯水・取水 河川水は地下水よりも多量の取水が可能で あるが、河川流量は流域内の降水状況など
 水源と貯水・取水 地表水:(l)河川水 河川水は地下水よりも多量の取水が可能で あるが、河川流量は流域内の降水状況など の自然条件によって大きく変化する 河川流量の定義 洪水流量、洪水位:各年の最大流量とその水位 豊水流量、豊水位:1年を通じて95日はこれを下らない水量と水位 平水流量、平水位:1年を通じて185日はこれを下らない水量と水位 低水流量、低水位:1年を通じて275日はこれを下らない水量と水位 渇水流量、渇水位:1年を通じて355日はこれを下らない水量と水位 ※これらのデータは取水施設の取水位を決定するときに必要となってくる 淀川(大阪府)

3 地表水:(m)湖沼・ダム湖水 水源と貯水・取水 湖沼・ダム湖の特徴 ・基本的には河川水に比べて水の動きが 小さい
 水源と貯水・取水 地表水:(m)湖沼・ダム湖水 湖沼・ダム湖の特徴 ・基本的には河川水に比べて水の動きが 小さい ・湖沼・ダム湖も河川同様、季節的に水温 は変化し、水質も影響を受ける ダム湖は大きく分けて「ながれダム湖」と「とまりダム湖」に分けられる ながれダム湖 水の平均滞留時間が短く、流速が比較的速いため、夏季においても水温躍層が形成されることはなく、一般に湖底に至るまで酸素が豊富である とまりダム湖 水の平均滞留時間が長く、流速が遅いため、夏季に水温躍層が形成される場合が多く、有機分の流入などにより湖底が無酸素状態になる場合がある(富栄養化) 宇部丸山ダム:多目的ダム湖

4 閉鎖性水域における温度成層と富栄養化

5 地表水:(n)ダム湖の水質保全 水源と貯水・取水 富栄養化した湖沼・ダム湖を水道水源にする場合の水への影響
 水源と貯水・取水 地表水:(n)ダム湖の水質保全 富栄養化した湖沼・ダム湖を水道水源にする場合の水への影響 塩素要求量の増加、臭味の発生、ろ過池の閉塞、赤水の障害、凝集沈殿処理への障害 対策法    ・生物増殖の抑制     (硫酸銅、塩素剤などの薬剤を散布)    ・空気を送り込むことによる水の循環     (エアリフト、ポンプによる曝気)    ・底泥の浚渫    ・ホテイアオイ             など 間欠式空気揚水筒 ホテイアオイ

6 浄水

7 <流れ> 貯水→取水→導水→浄水→送水→配水→給水 浄水プロセス 凝集・沈殿 ろ過 消毒

8 沈澱 沈澱効率E=hp/H hp >Hのとき除去率100% hp <Hのとき除去率<100%

9 沈澱効率の向上策 ・沈殿池の表面積を増加させる ・Qを小さくする ・沈澱粒子の沈降速度を大きくする

10 ① ② ①、②より 沈降速度の式にh0の項がない 水深は浅くした方が有利である 2階式の沈殿池の効果 単粒子の沈降速度V=V0
B:沈殿池の幅 ①、②より (表面負荷率) 沈降速度の式にh0の項がない 水深は浅くした方が有利である

11 小さな表面負荷率 層流効果

12 ろ過(ここでは主に砂ろ過)について ろ過の種類 ・急速ろ過:薬品による凝集沈殿 ・緩速ろ過:普通沈殿 ・膜ろ過(第6回目の講義)
ろ過とは・・沈殿上澄み水を人工的な砂層に通過させて、         水中の不純物を除去する方法のこと 歴史:18世紀の終わり頃、人口増加に伴いコレラや腸チフス      など流行性伝染病が蔓延。この時期にろ過した水を飲     んでいる人々の死亡率が小さいことが判明し、ろ過の有     用性が理解された。 ろ過の種類  ・急速ろ過:薬品による凝集沈殿  ・緩速ろ過:普通沈殿  ・膜ろ過(第6回目の講義)

13 急速ろ過 歴史:ヨーロッパに比べて水需要が高く、原水の濁度が高いアメリカで発達。 濁度が高いと緩速ろ過池をたちまち閉塞させてしまう。
    濁度が高いと緩速ろ過池をたちまち閉塞させてしまう。     19世紀の終わりに様々な研究が進み、1884年サマビルに硫酸バン   土を凝集剤とする世界最初の上水道における急速ろ過が建設された。     日本では1908年京都市蹴上浄水場に建設されたジュエル式の円形    急速ろ過池が最初である。 開発の初期:生物ろ過膜にかわる人工ろ過膜といった発想 現在:砂層内部での砂粒子表面への流入懸濁粒子の付着という、深層ろ過の考え方で設計

14 急速ろ過:凝集剤 ・硫酸アルミニウム(硫酸バンド(バン土))  Al2(SO4)3・18H2O   →pHの低下があるため、アルカリ(消石灰(Ca(OH)2)、ソーダ灰(Na2CO3)、苛性ソーダ(NaOH))を加える必要がある ・ポリ塩化アルミニウム(PAC) ・アルミン酸ナトリウム ・ミョウバン ・鉄塩 ・高分子凝集剤、など

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16 急速ろ過 抑留の機構 第1段階:砂粒子表面への輸送 粒子表面を通過する水流に随伴 第2段階:砂粒子表面への付着
急速ろ過 抑留の機構 第1段階:砂粒子表面への輸送   粒子表面を通過する水流に随伴 第2段階:砂粒子表面への付着   ろ材の上流面から側面にかけて接触付着  ろ過砂層の間隙の大きさが0.1mmのオーダーであるのに対し、抑留される粒子は通常0.01mm前後の寸法である。  よって急速ろ過は小さなふるい目で、粗い大きな粒子をこしとる機構ではない。

17 ろ材表面積が大 ろ過作用が有効 L F=ー D 急速ろ過 抑留の機構 ろ過材表面での付着凝集による抑留 ろ過作用の主要因
急速ろ過 抑留の機構 ろ過作用の主要因 ろ過材表面での付着凝集による抑留 ろ材表面積が大 ろ過作用が有効 ろ材表面積はろ材粒径とろ層厚の関数 F=ー D L ろ材粒径が小さいほど表面積大

18 急速ろ過 損失水頭 ろ層のなかの抑留が進む 砂粒子の間隙流速が増加 損失水頭も増加
急速ろ過 損失水頭 ろ層のなかの抑留が進む 砂粒子の間隙流速が増加 損失水頭も増加 ろ過が進むにつれて損失水頭が増加した分だけ静水圧が差し引かれる 砂層表面だけに集中して抑留される場合、表面直下の層に大きな損失水頭が集中し、その結果ろ床内が部分的に大気圧以下になることがある。

19 急速ろ過 損失水頭 負圧≒真空 負圧部=部分真空 ろ層内に気泡が発生し、ろ過水質が急激に悪化することが多い
急速ろ過 損失水頭 負圧≒真空 負圧部=部分真空 ろ層内に気泡が発生し、ろ過水質が急激に悪化することが多い 損失水頭を砂層表面に集中して発生させる強いフロックの生成、小さすぎるろ材の使用または遅すぎるろ過速度の使用を避ける。 損失水頭がなるべくろ過池の上半分程度に広く分布するように、比較的大きいろ過速度と粗めのろ材を用いることが多い。

20 急速ろ過 構造

21 急速ろ過 ろ過速度の制御 ・定速ろ過・・・水位制御方式 流量制御方式 自然平衡方式 ・減衰ろ過 流量の調整:損失水頭が上昇するため
急速ろ過 ろ過速度の制御 流量の調整:損失水頭が上昇するため ろ過水量が減少 ・定速ろ過・・・水位制御方式    流量制御方式    自然平衡方式 ・減衰ろ過     (これらの説明は以下の2枚のスライドにて詳述、                       講義ではスキップ)

22 急速ろ過 ろ過速度の制御 ①水位制御方式:ろ過池の水位が一定になるように流出弁を制御する。
急速ろ過 ろ過速度の制御 ①水位制御方式:ろ過池の水位が一定になるように流出弁を制御する。 ヨーロッパ系のろ過池では流出弁にサイホンを用いたこの形が多い。流入量と流出量は常に平衡。  流量の設定は、流入側で行われ、実ろ過速度は設定値から新たな設定値に向かってゆっくり近づくスロースタート特性を有している。 ②流量制御方式:ろ過水流出口に流量調節弁をつけてろ過流量を設定値に保つ方法である。流入量と流出量とは互いに関係がないから、池内水位は一方的に上昇するか低下を続け、抵抗することはない。流量平衡の観点からは合理的な方法ではない。  流量調節装置は、洗浄中は動作しないようにフィードバック機構を断っておくか、流量0の設定信号を与えておく。そうでないとろ過開始時に流量調節が非常に大きくなり、濁質の漏出を引き起こす。

23 急速ろ過 ろ過速度の制御 ③自然平衡形ろ過:ろ過水流出口の高さがろ材面より高い位置にあるのが特徴である。流入量0になってもろ材面が水面上に露出せず、流出量と自然に平衡する。  自然平衡形のろ過池では、ろ過水量の変更は流入量を変えることによって行われる。ろ過を開始すると、実ろ過速度(流入水量をろ過速度で除したもの)は0から設定値に向かってゆっくり上昇する。すなわち、特段の設備を設けなくても、スロースタート特性を有している。  ④減衰ろ過:流出弁開度を最初設定した後は流調節を行わず、自然に流出するだけろ過するもので、ろ過水量はろ層の閉塞とともに減少する。したがって、流入量と流出量とが平衡することはない。この流量の不平衡は池数を増やすことと、池内水位を上昇させることで緩衡している。  出口管渠内の圧力や水位が低下すると、非カスケード形(水理的に縁が切れてない)流出法になっているろ過池では実ろ過速度が急増する。

24 緩速ろ過 原理:砂層の表面に微生物の粘質膜ができ、この微生物膜の働きで濁りをとる。よって、生物の機能を阻害する条件さえ与えなければアンモニア性窒素や鉄、マンガン、合成洗剤、フェノールなども除去可能である。 ・急速ろ過池に比べ、20~30倍の面積が必要。 ・薬品処理などの付属設備は不必要。 ・規模が小さいものほど有利。 ・計画浄水量はそれまで僅かずつ減少していたが、H5年からは横ばい

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26 緩速ろ過 構造 設計因子 120~150 m/day 3~5 砂層上の水深 100~150 cm 90~120 砂層の厚さ 60~70
緩速ろ過 構造 設計因子 120~150 m/day 3~5 砂層上の水深 100~150 cm 90~120 砂層の厚さ 60~70 70~90 砂の有効径 0.45~0.70 mm 0.3~0.45 砂の均等係数 1.7> 2.0> 砂の最大径 2 砂利の厚さ(4層) 200~500 400~600 砂利の径 2~50 3~60 1池の大きさ 150 m 以下 5000 3~4 2.5~3.5 1~2 day 30~40

27 急速ろ過と緩速ろ過の比較 緩速ろ過 急速ろ過 ・安全で良質(おいしい)な水を供給できる ・一度に大量の処理を行うことができる
急速ろ過と緩速ろ過の比較  緩速ろ過 ・安全で良質(おいしい)な水を供給できる ・臭気、プランクトン、鉄、マンガンなどの物質も除去できる ・原水水質が安定していれば運用や管理が手間がかからない ・ろ過速度が遅いため、広大な土地が必要である ・生物ろ過膜に影響を与える薬品汚染水や溶存酸素の少ない原水には不適 急速ろ過 ・一度に大量の処理を行うことができる ・あらゆる原水に使用できる ・有機物を処理できない ・前塩素や凝集剤などの薬品を使用する ・薬品代のコスト メリット デメリット

28 第5回宿題 上水道における消毒について、調べよ。 (利点、欠点、新技術など) (A4用紙に記入し、次回講義時に提出)


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