一般住民と比較した米国透析患者の標準化自殺率比（SIR） 表．一般住民と透析患者の年齢階級別死亡者数

Presentation on theme: "一般住民と比較した米国透析患者の標準化自殺率比（SIR） 表．一般住民と透析患者の年齢階級別死亡者数"— Presentation transcript:

1 一般住民と比較した米国透析患者の標準化自殺率比（SIR） 表．一般住民と透析患者の年齢階級別死亡者数
日本の透析患者における 自殺/治療拒否死亡率は 一般住民の３倍である 1)新潟大学 臓器連関研究センター、2)第二内科 若杉 三奈子1)2)、松尾 浩司2)、川村 和子2)、 山本 卓2)、風間 順一郎2)、成田 一衛2) 目的 結論 年齢調整を行い、日本の一般住民と比較した透析患者の自殺率を明らかにする。 ✓日本の自殺率の高さを考えると、 3倍という数字は受け入れがたいほど高い。 ✓自殺に対する注目と介入が必要である。 背景 Suicide rates per 100,000 by country (male) Most recent years available; as of 20114) Suicide rates per 100,000 by country (female) Most recent years available; as of 20114) 透析患者はうつ病・うつ症状の頻度が高く1) 自殺のハイリスク集団の可能性がある。 日本の透析患者は、諸外国と同程度に うつを自覚しているが、 医師により診断されている割合は低い 日本の透析患者では、 抗うつ薬の処方割合が著しく低い3) 抗うつ薬の処方割合（％） 日本 国別　血液透析患者のうつ病・うつ状態の有病率 CES-Dスコアと抗うつ薬の処方割合 Table 11)より作成。 Figure 13)より一部改変。 事実、米国透析患者の自殺は一般住民の1.84倍2) 一方、日本の一般住民の 自殺率は高く、米国の約2倍4) V 自殺率(10万人年あたり) Table 42)より作成。 V Table 42)より作成。 SIR （歳） エラーバーは95%信頼区間 （歳） 一般住民と比較した米国透析患者の標準化自殺率比（SIR） 米国透析患者の年齢別自殺率 日本の透析患者の自殺を一般住民と比較した報告はこれまでなかった。 方法 ・データソース：日本透析医学会統計調査委員会わが国の慢性透析療法の現況CD-ROM 版(2008年、2009 年末現在)、同年の人口動態調査。 ・死因はICD-10コードで定義(X60-X84, Z531, Z532)。自殺と治療拒否は分けられないデータのため、合わせて検討した。 ・一般住民と透析患者の年齢階級別死亡率を算出し、年齢調整を行った標準化死亡率比を求めた。 結果 2年間の観察期間内に一般住民60,936人、透析患者480人の自殺/治療拒否死亡を認めた。 表．一般住民と透析患者の年齢階級別死亡者数 および標準化死亡率比 死亡率(10万人年あたり) 年齢階級 一般住民 透析患者 標準化死亡率比 (95%信頼区間) 自殺/治療拒否死亡者数 死亡率 （10万人年 あたり） 死亡 予測数 実数 30歳未満 7,482 10.0 0.3 1 3.0 ( ) 30-44歳 13,698 25.8 8.4 6 0.7 ( ) 45-59歳 16,950 33.7 43.7 91 2.1 ( ) 60-74歳 14,784 31.0 75.6 175 2.3 ( ) 75歳以上 7,668 29.1 39.9 206 5.2 ( ) 記載なし 354 合計 60,936 24.1 168.0 480 2.9 ( ) （歳） 年齢補正をした透析患者の自殺/治療拒否死亡率は一般住民の2.9倍。 図．一般住民と透析患者の年齢階級別死亡率 謝辞 文献 　本研究では（社）日本透析医学会「わが国の慢性透析療法の現況2008年12月31日現在CD-ROM版」、および、「同　2009年12月31日現在CD-ROM版」のデータを用いました。統計資料利用許可をいただきました（社）日本透析医学会統計調査委員会、ならびに、本統計調査にご協力いただいた患者さん・医療関係者、すべての関係者に、心より感謝申し上げます。　 　本研究内容は著者らの見解であり、統計調査委員会の公式見解ではありません。 Wakasugi M et al. Cause-specific excess mortality among dialysis patients: Comparison with the general population in Japan. Ther Apher Dial 2013;17: 1) Lopes AA et al. Kidney Int. 2004;66: 2) Kurella M et al. J Am Soc Nephrol 2005;16: 3) Fukuhara S et al. Kidney Int 2006;70: 4) World Health Organization: SUPRE.