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ILC/SCRF技術を用いた大電流電子 リニアックによる99Mo製造
2017年11月29日 KEK 2号館1階大会議室 梅森健成さん作成のスライドを基に 高エネルギー加速器研究機構 設楽 哲夫
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発表内容 ILC技術のスピンオフ(中井先生の提案) 加速器による99Mo生成の紹介 99Mo生成の例 超伝導リニアック
Compact ERLでの運転実績 99Mo生成のための超伝導加速器設計案 ILCにおける副次粒子利用としての99Mo製造 まとめ
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Feasibility of possible production of 99Mo with a single ILC/SCRF unit
(A spin-off project of the ILC technical development) KEKにおける ILC 技術開発の社会貢献 KEK機構長からも同様の検討依頼
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はじめに 原子炉での反応 加速器を用いた場合の反応 電子ビーム 陽子ビーム 重陽子ビーム Mo-99/Tc-99mの安定供給
99Moは核医学診断にて利用件数が最も多いTc製剤の原料であるが、100%を輸入に依存。さらに、ほとんどの99Moは高濃縮ウランの核分裂により原子炉で製造。原子炉の老朽化が問題となっており、今後の安定供給が大きな課題。⇒加速器を用いた99Mo製造への期待 原子炉での反応 235U(n,f)99Mo 98Mo(n,γ)99Mo 加速器を用いた場合の反応 電子ビーム 100Mo(γ,n)99Mo 陽子ビーム 100Mo(p,pn)99Mo, 100Mo(p,2n)99Mo 重陽子ビーム 100Mo(n,2n)99Mo 「Producing Medical Isotopes Using X-rays」 by M. S. de IPAC2012
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電子加速器による99Mo生成 電子ビームをconverterに照射した 際に発生する制動放射からのγ線を 用いる。 99Mo
数10MeV 電子ビーム Converter 制動放射 100Mo target 99Mo 製造 電子ビームをconverterに照射した 際に発生する制動放射からのγ線を 用いる。 100Mo(γ,n)99Moの反応に寄与するγ線 のエネルギーは10~20MeV そのために必要な電子ビームのエ ネルギーは20~30MeV程度。 あまりエネルギー高すぎるのも望 ましくない。(他の同位体との選 別、放射線の観点から) ビーム電流は大きい方が良い(mA ~10mA) ロス無くconverterに照射できれば 良い ⇒ エミッタンス・ビームサイ ズは重要でない。 大強度電子加速器とRI製造(東北大 柏木茂)@「大強度ビームとその応用利用」
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99Mo生成実験の例 ~東北大~ 制動放射線照射で製造できるRI(東北大 菊永英寿)@「大強度ビームとその応用利用」
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「Producing Medical Isotopes Using X-rays」 by M. S. de Jong @ IPAC2012
99Mo生成の例 ~CLS (Canadian Light Source)~ 「Producing Medical Isotopes Using X-rays」 by M. S. de IPAC2012 35MeV, 40kW electron linac by Mevex Corp ⇒ beam current ~ 1mA CLS medical isotope linac have capability to produce up to 25 Ci of 99Mo per day
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超伝導空洞を用いた 99Mo製造用加速器
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超伝導と常伝導の選択 常伝導リニアック 超伝導リニアック 建設・運転は比較的楽 パルス運転(空洞熱負荷の問題)
Duty factor 1% 程度が一般的 パルス運転のため電流値をかせぎづらい。 数100uAの運転はある。数mAは頑張れる?? 超伝導リニアック He冷凍機が必要 CW運転が可能 ⇒ ビーム電流をかせぎやすい。 1~10mA程度の運転はやりやすい。 20~30MeVのビーム加速ができれば良いので、どちらの方法でも可能。 収量をかせぎたければ、ビーム電流を上げる必要があるので、CW大電流の運転ができる超伝導リニアックを用いるメリットがある。
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超伝導加速器(CWとパルス) パルス超伝導リニアックの例 ILC, Euro-XFELなど 特徴:高加速勾配 大バンチ電荷
低繰り返し⇒低電流 CW加速器の例 ERL, CW-FELなど 特徴:中加速勾配 中バンチ電荷 高繰り返し ⇒ 大電流(CW) ERLの開発は、大電流CWライナックの開発であり、99Mo製造に要求される加速器仕様に近い。
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Compact ERL(cERL) project
3 GeV classの大電流ERL(エネルギー回収型リニアック)の実証機 KEK Parameters of the Compact ERL Parameters Beam energy MeV Injection energy MeV Average current mA Acc. gradient (main linac) 15 MV/m Normalized emittance mm·mrad Bunch length (rms) 1 - 3 ps (usual) ~ 100 fs (with B.C.) RF frequency 1.3 GHz ERL Development Building 70 m ※ red numbers are parameters for initial stage
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Major Components for the cERL
DC photo Gun (500-kV, 10mA) Injector SRF (2-cell x 3 cavity) Main Linac SRF (9-cell x 2 cavity) Liq. He plant Tsukasa Miyajima May 17, 2013, IPAC2013
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Operation of cERL Successful energy recovery
Start beam operation from 2014/Jan. Energy recovery successful. 20MeV, 300uA(1mA?) at present Operation of cERL Successful energy recovery Recirculation loop Beam dump SRF cavity (Main linac) SRF cavity (Injector) Upgrade of beam current (S. Sakanaka) Stable operation at 8.5MV/m. But accelerating gradient is limited by field emission. Energy recovery of E_beam(MeV)xI_beam(mA) Given power to beam acceleration = Obtained power from beam decceleration 500kV Electron gun Very stable operation at 390kV. Plan to upgrade to 500kV. At present 1mA operation. 10mA near future. 1mAでビームロスを抑えて安定運転実現 ⇒ ビームロス的には10mA運転可能なレベルにある
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99Mo製造用加速に要求される仕様 ~10mA(CW)のビーム電流 20~30MVの加速エネルギー 必要な加速器コンポーネント
適度な加速勾配(10~15MV/m)の超伝導空洞 大電力(CW)を供給できる入力カップラー CW大電流の超伝導リニアック設計のポイント ビーム負荷(ビーム電流 x 加速電圧)への対策 現状、L-bandのCW couplerは数10kWまで 空洞の加速電圧・台数は、むしろビーム負荷と入力カップラーの性能で決まる。 冷凍機負荷への対策 超伝導空洞のQ値の向上(He負荷の低減) 高加速勾配は冷凍機負荷的には好ましくない (He負荷 ∝ (電圧)2)
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99Mo製造リニアックに必要なコンポーネント
大電流を発生できる電子銃 ⇒ 1mA CWは実現。電源増強で10mA CWは見込める。 適当な加速空洞 ⇒ cERL入射部では、1mA CW加速の実績あり ⇒ 10mAの加速も特に問題になる要素はない ビームに大電力を供給する入力カップラー ⇒ cERL入射部カップラーは30kW CWまで試験にて実績あり ⇒ 冷却増強で、さらに出力アップが見込める 適切な放射線遮蔽、ならびにRIの取り扱い。実験施設 やビームダンプも含む。(重要な項目ですが、私の担 当範囲外ですので、今回の講演においてはこれ以上触 れないこととします) 1mA CWの加速は既に実績あり。10mAへのupgradeも多少の改良を加えれば、特に問題なく実現できると思われる。
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必要な技術(cERLにて開発されてきた)
フォトカソードDC電子銃 超伝導加速空洞 電子のバンチを、高繰り返し(1.3 GHz)で連続的(CW)に生成できる 低エミッタンス ( < 1 mmmrad) 大平均電流 ( 10 mA) 高電界で連続的(CW)にビーム を加速できる 入射器空洞: Eacc 7 MV/m 主加速空洞: Eacc 8.5 MV/m ※ 上記は現在の運転パラメーター SF6タンク 多段絶縁セラミック カソード準備系 入射器用超伝導空洞 電子ビーム レーザー カソード電極 主加速器用超伝導空洞
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99Mo製造のための超伝導ライナックの構成案
ビーム電流 ビーム負荷 必要な入力カップラー本数 空洞台数とセル数 ならびに加速電圧(勾配) 1mA 30kW 1本 9セル空洞 × 2~3台 (10~15MV/cavity = 10~15MV/m) 10mA 300kW 10本 2または3セル空洞 × 5~10台 (3~6MV/cavity = 9~18MV/m) 例えば、3セル空洞×3台入りモジュールを2~3台並べるようなイメージ cERL入射部の多少の設計変更でいける 電子ビーム 実験エリアへ
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将来への展望 【高Q値の実現】 超伝導空洞の高Q値の実現のための 研究が進んでいる。
Nb3Sn coatingの研究も進んで、良い 結果が出つつある。この空洞を使う と、4.2KでQ > 1x1010の運転ができる。 ⇒ 4.2Kで数10WのHe負荷ですみ、小 型冷凍機での運転が可能。 【大電力カップラーの実現】 カップラーの大電力化(~100kW)が 実現できると、空洞台数が減らせる ので、小型化につながる。 「First results from new single-cell Nb3Sn cavities coated at Cornell university」D. Hall, IPAC17, MOOCA2
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ILCにおける副次粒子利用としての99Mo製造
Electron Source system parameters ILC電子源 Schematic view of the polarized Electron Source NC tune-up dump近辺にコンバーター・ターゲット・分離器等を設置 Bunch repetition rateを上げた運転・・・ 陽電子生成ターゲット後の低エネルギー電子等を用いた運転・・・ 副次粒子利用というよりはインフラの多方面への利用・・・か?
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まとめ ILC技術のスピンオフとしての99Mo製造の可能性。 99Mo製造の国産化・安定供給が望まれている。
20~30MeVの電子加速器は、既存の技術を用いて 実現可能である。 10mA程度の大電流に対しては、超伝導加速器を用 いるのが有利である。 cERLのデザインをベースにすれば、多少の設計変 更を加える事で、問題無く動作する加速器が実現 できる。 ILCにおいても副次ビームの利用として検討すべき。
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