社会言語学 pp. 155-188.

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1 社会言語学 pp

2 社会言語学の背景 社会言語学とは？ 言語を社会の生活の一部として、また社会生活を営む上で中核的な役割を果たす対象として研究する
１９７０年代～ デル・ハイムズやジョン・ガンパーズが中心となり、研究が進む

3 社会言語学の背景 なぜ社会言語学か？ チョムスキー革命 一定のルールにより言語が生成される
そのルールは言語や文化を超えるある種の普遍性がある 言語の生成と人間の脳に特有の「言語習得機能」の解明を目指す 研究対象は、脳における言語機能

4 社会言語学の背景 なぜ社会言語学か？ チョムスキー革命への反動 言語は社会生活において使用されて初めて意味を得る
言語が使用されるスピーチ・コミュニティを考慮しなければ、言語の真理を理解できない 社会的メカニズムと生物学的メカニズムという異なる研究対象であるので、片方を否定することはできない 言語が使用されるコンテクストをないがしろにしないことが重要であるという主張

5 社会的階層と言語使用 ウィリアム・ラボフの研究：社会階層と発音 「発音の変種は社会的要素と規則的に関連していない」という考え方への反論 実験
３つのデパートを３つの地域で選び、それぞれの店で客を装って店員に話しかける 帰ってくる返答の中の r の発音を比較 ニューヨークでcar の発音に違いがあることから行われた デパートの４階（Forth floor) に何があるか質問することで、 r 発音させる

6 社会的階層と言語使用 ウィリアム・ラボフの研究：社会階層と発音 結果 新規性
社会階層が低い地域のデパートほど、店員の r の発音が少なくなる傾向が見られた 同じデパート内でもフロア責任者など地位が高い人ほど、 r の発音が多くなる 新規性 実際に言語が使用されている社会の現場における調査 無コンテクストなチョムスキーの研究と対照的 “Excuse me”と聞き直し、改まった言い直しにおいてr の使用に変化があるかを調査

7 社会言語学的実験（シンデレラ実験） 以下は男と女、どちらが書いた文章だろうか？
シンデレラは美しい、気立てのやさしい少女です。けれども幸福ではありません。なぜならシンデレラの母は継母で、ことごとに彼女につらくあたるからです。継母が自分の子どもばかりを可愛がって継子をいじめるというのは一種の偏見にすぎませんが、それはこの際どうでもよいことです。とにかく、シンデレラは、いつもボロを着せられ、辛い仕事にこき使われていました。．．．

8 男女の会話のスタイル 女性特有の要素は？ フルーツが大好きなの。 私、フルーツが大好きですの。 みごとなお庭ですのねえ。

9 妻に話す時と他の女性に話す時 実験 ３０代後半の２０組のアメリカ人カップルが被験者
性別や関係という変数をコントロールし、１対１で１０分間会話させる 男女とも、自分の性の特徴が最もよく現れるのは、 と話している時であった 同性 ／ 異性 男性は、 と話すときよりも と話すときに男性的な話し方を和らげる。 はじめて合う女性　／　妻

10 言語のバリエーションと容認度 以下の文は、許容されるか？ 「このご飯、まずくて食べれないよ。」
若者が中心となって使われる非標準的なことばのバリエーション

11 PC (Politically Correct)
人種、民族、宗教、性別、性的趣向、宗教上の心情、出身国、祖先、年齢、婚姻、身体障害、ベトナム戦争従軍などにもとづいて、個人を差別したり苦しめたりする行為 Chairman Chairperson, chair Steward/ess Flight attendant Policeman Police officer

12 PC (Politically Correct)
人種、民族、宗教、性別、性的趣向、宗教上の心情、出身国、祖先、年齢、婚姻、身体障害、ベトナム戦争従軍などにもとづいて、個人を差別したり苦しめたりする行為 Indians Native Americans Orientals Asians Handicapped Physically challenged Deaf Hearing impaired