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明日からの実践 -あなたの学習者の熟達化のためにすべきこと-
MEDC FELLOSHIP 2016 モジュール2 課題④ 明日からの実践 -あなたの学習者の熟達化のためにすべきこと- クラス:長良川 東京大学医学部附属病院 総合研修センター 木村 光利 発表日:2017年2月9日(木)
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私が携わる 継続的専門能力開発の概略 医学生 1年生 医学導入実習の引率(2日間)
私が携わる 継続的専門能力開発の概略 医学生 1年生 医学導入実習の引率(2日間) 4年生 PBL(7人程度の小グループ)のチューター(全5回) 5年生 胸部外科の臨床実習担当 (オリエンテーションやコーディネート中心) 6年生 臨床実習後試験の検討・作成 研修医 入職時のオリエンテーション(研修概要・規定説明) 研修レポートのチェック 研修中に心身に問題を抱えた研修医のサポート 医師・その他の医療従事者 日々の臨床における後輩医師・看護師等への指導 院内の蘇生講習会(BLS・ACLS等)の企画・運営・指導
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私が携わる 継続的専門能力開発の概略 私が携わる継続的専門能力開発の特徴 ・コーディネートが多い
私が携わる 継続的専門能力開発の概略 私が携わる継続的専門能力開発の特徴 ・コーディネートが多い (指導担当を決めて依頼・配属する、シラバスの作成等) ・評価を他のスタッフが担当しているものが多い (医学生の実習評価等は最終的には教授の業務) (自分で評価を行っているのは、PBLチューター、 研修医レポートチェック、蘇生講習会でのスキル評価) ・臨床の場で直接指導をする研修医・後輩医師等の不在 ・教育システムの改変に自分の裁量が及ばないものが多い (教授が変革を望まないと一蹴される)
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これまでの私の指導経験 -PBLチューター-
グループディスカッションを始めると…、 ディスカッションが深まらない 考えるポイントを伝えているつもりになって、話題をふるが…、 なかなか興味を示してくれない 調べもの学習は学生にノルマ感が漂う やってきた調べものは表面的なインターネットのコピペ… そして、最後のアンケートでは他グループと比較して 圧倒的に低い学生の満足度
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これまでの私の指導経験 -臨床実習後試験の検討・作成-
これまでの私の指導経験 -臨床実習後試験の検討・作成- 今年度から始まった実習後OSCE ほとんど何もないところからのSTART 実務委員の約半数が共用試験OSCEをみたことがない教授陣 自分なりの意見・考えを委員会の場で発言(ちょっと勇気がいる) 何度も具体的な素案の作成を繰り返す (委員の教授陣に部分的には納得され、部分的には一蹴され、) 準備不足の面も多々ありながら、 思いのほか大きな問題もなく試験は実施できた 学生からの評価もまずまずであり、同時に学生(や教員)に 臨床実習で何を学んでほしいかを示すことが出来た 現在は、次年度へ向けての課題の整理
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これまでの私の指導経験 -蘇生講習会の企画・運営・指導-
これまでの私の指導経験 -蘇生講習会の企画・運営・指導- インストラクター養成・育成が現在の課題 BLS・ACLSコースの企画・運営に携わる (大半は書類仕事と関係部署との調整業務) インストラクターとして受講生の指導を直接行う立場から 他のインストラクターの活動を見守り、サポートする立場へ どうすればコース全体の運営が上手くいくのかを考える 以前から活動していたインストラクターと 新たに加わったインストラクターとの役割の配分 他のインストラクターの技能を評価する必要がでてきた 但し、この評価法が我流であり、今後系統的な評価が必要 組織の中でインストラクターの活動が評価される仕組み作りを
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これまでの 指導者としての私の長所短所 Sutkin Gの挙げた指導医像 医師として 教育者として 個人として 知識 臨床技能 熱意
Sutkin G. Acad Med 2008より一部改編 医師として 教育者として 個人として 知識 臨床技能 熱意 医師‐患者関係 学習者との良好な関係 教育への熱意 近寄りやすさ 的確な回答 フィードバック・形成評価 印象に残る話し方 模範を示す 興味を持たせる 役割を与える 学習者に目配りする 教育の改善に参画する コミュニケーション力 ロールモデルになる 熱意がある 親しみやすさ 学習者への敬意 正直
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これまでの 指導者としての私の長所短所 長所 短所 教育への熱意はある 知識を維持しようと努力もしている
説明・解説やたとえ話での学習者の理解を深めるのは得意 短所 興味を持たせるのが苦手 ⇒ 特に学生がどうすれば課題に集中できるのか分からない ⇒それは「学習者との良好な関係」を築くのが苦手なのか ⇒努力が出来ない学習者にも敬意を払う必要がある 学習者の行動を観察し、把握するのが苦手 教育の中心にいながら、教育改善への参画を躊躇していた?
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私が行ってきた評価の 長所短所 PBLの学習者評価に関して… 教務から指示された多項目の評定尺度で評価 評価者(私)の主観が大きい
(R:信頼性とV:妥当性が著しく低い) ⇒評価者自身が評定尺度を補う明確な基準をもつ その基準を学習者に公表するかどうかは微妙 ⇒なぜなら、一部の学習者が、その基準を満たすためだけに 行動を起こす可能性がある(E:教育における影響の悪化) 現状では、 長所:C:コストパフォーマンスやA:認容性に優れる 短所:R:信頼性とV:妥当性が著しく低い
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私が行ってきた評価の 長所短所 臨床実習後試験の成績評価に関して… (臨床)医学全範囲から5つの領域を抽出し、その内2つを学習者が
ランダムに指定される(R:信頼性は低め) これまでの筆記試験と異なり、医療面接や身体診察、医学的知識を 総合的に問うことで、‘Knows’だけでなく’Knows how’も評価できる ようになった(V:妥当性は上昇) 上記3項目を代償型モデルで評価したが、それで良かったのか? 臨床実習後試験の内容が明らかになり、臨床実習において学生が何を 習得すべきか、指導者は何を教えるべきかが明確になった(E:教育 における影響の上昇) 現状では、 長所:V:妥当性とE:教育における影響に優れる 短所:R:信頼性が低く、A:忍容性やC:コストパフォーマンスが低下
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総合考察 私が携わってきた継続的専門能力開発は多岐にわたる
それらは1つの指導医像、ある特定の評価法が理想といえる のか? ⇒ そんなことはないはず! 学習者の熟達化段階に合わせて、自身(私)が指導医像を変 化させていく必要がある 4年生のPBLでは、興味を持たせることが大事。また、医療 界の先輩としてのロールモデルになる必要もある。一方で、 上から目線になるのではなく、一人の大人として学習者に敬 意を払うことも大切かもしれない。これができないと、学習 者との良好な関係を築くのが難しくなる可能性がある。 この時の評価法に関しては、多項目の評定尺度での評価とな るが、評価基準が明確になるように、自分の中できちんとし た基準を作ることが必要。この基準を常に頭の中に入れてお くことで、PBLにおけるチューターとしての関わり方も変 わってくるかもしれない(教育における影響)。
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総合考察 5年生の臨床実習に関しては、教育の改善に対して診療科の 他のスタッフに働きかけることが必要(教育改善への参画)。 医学教育について学んだ者としての意見を診療科に提案し、 認容性を損なわない程度に新しい試みを考える。 6年生の臨床実習後試験においては、「評価について評価す る」姿勢を忘れずに持つことが大事。評価の信頼性や妥当性 について気を配ることも必要だが、教育における影響も考慮 し、良い方向に教育(臨床実習)が変化していくのを促す。 医療従事者への蘇生教育(BLS・ACLS講習)の場面では、 コースの受講生だけでなく、初期のインストラクターの成長 を促すことを目標に掲げる。初期インストラクターも正統的 周辺参加という形で蘇生講習会に参加し、熟達化をしている と思う。この熟達化を促すために、適切な評価を行う必要が ある。ただ、この評価に関しては評価法をこれから練り上げ ていく必要がある。 最後に…、自分がつぶれない(burn outしない)!やらな きゃいけないことは多いけど、焦らずゆっくりと。
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明日からの心得3条 学習者に対して敬意を払う指導者を目指す 自分がどのような基準で学習者を評価してい るのかを振り返り、見直す努力をする
自分の周囲に対して教育改善を提言する勇気 を持つ できる範囲で、できるところから進めていき、 自分の心身の健康にも留意する
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参考にした文献・サイト・情報 西城卓也:初心者がエキスパートになるまで‐正統的周辺参加と熟 達化 鈴木康之:指導医・教育者の資質と役割
恒川幸司:ザ・プロフェッショナル:熟達化とその評価 「U=RVECA!?」 田中俊也:熟達者と初学者 渡邉俊太:「努力か?才能か?」エリクソン博士が登壇 為末大 氏らアスリートも スポーツにおける熟達化シンポジウム 成功者が共通して持つ「グリット」という能力‐才能でも努力でも ない第3の要素とは? 田川まさみ:医学教育における学習者の評価① 総論 錦織宏:医学教育における学習者の評価② 各論
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