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2017 現代文明論 10 3つめの原理 資本主義
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科学革命、資本主義、産業革命の連関 「ヨーロッパの科学的学問世界の成立が資本主義の発展と産業革命に結びついていることを否定するわけにはいかない」(盛山和夫、近代世界の形成とヴェーバー・テーゼ、UP, p. 46)
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資本主義の定義 資本主義とは、機械や土地のような生産手段(資本)を所有する「資本家」が「労働者」を賃金で雇って市場向けの生産をおこなうこと(「世界史詳説」山川出版社、330ページ)
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資本、資本家、資本主義 「資本主義」という用語は、ヴェルナー・ゾンバルト『近代資本主義』1902年による。(カール・マルクス「資本論」にはない。)
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ブローデルによる定義 資本(つねに働き続けている財源、単なる蓄財ではなく、利用可能な労働の成果)
資本家(社会そのものの存立基盤たる不断の生産過程への資本の投入を指揮する人間) 資本主義(資本投入という絶えざる賭のありよう) (「資本主義のダイナミズム」(邦訳「歴史入門」65頁による)
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市場経済と資本主義
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西ヨーロッパの特殊性 「歴史上で、資本主義が生まれたのは、むしろ、高利の貸借や商業取引による暴利の取得が罪悪視され、営利追求が社会的、宗教的にきびしく取り締まられていた地域であった。」(中村雄二郎、21世紀問題群、21ページ)
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広松渉による産業資本主義の要因 ー 東西への大航海のもたらした外在的要因を重視(キリスト教わけてもプロテスタンティズムの存在やいわゆる西洋的科学・技術の独自の発達といった因子を、重視はしない。137ページ) (東方との直接的交易のもたらしたインパクト、および新大陸の略奪的経営・開発、この大陸との物資流通のもたらしたインパクト、このヨーロッパ外的要因の介在を抜きにしては、西欧において産業資本主義があのようなかたちで成立することはありえなかったであろうと考える。 ページ)
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3つの資本主義 (フェルナン・ブローデルによる)
商業資本主義(16世紀、ヴェネツィア) 金融資本主義(16世紀、ジェノヴァ) 産業資本主義(18世紀末から19世紀、イギリス)
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16世紀資本主義の発達の例 1492年のユダヤ人追放→コンスタンティノープルに毛織物産業の技術を導入
「どんな産業の発展も矢のように一直線に進み、衰退は垂直に下降する」(地中海2,142ページ) 1579 ブザンソン定期市(両替)「資本主義の歴史という観点からすると、この世紀の最大の事件」(同上、54ぺーじ) ヴェネツイァの貿易(東洋から買うもの:胡椒、香辛料、薬品、綿、麻、絹→絹織物、高級羊毛織物、ガラス製品、印刷機)
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土地ー投資の対象(背景に人口増、農業開発)
ぶどうの栽培(山の頂まで耕作) 沼地の平野に農業の支配力を拡大、土地改良(干拓と灌漑)(土地でお金を儲ける)→土地資本主義
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ジェノヴァの金融 1579ピアチェンツァ(ブザンソン)定期市、ジェノヴァの銀行家がヨーロッパと世界の財産の支配者、スペイン財政の支え(金融資本主義):ジェノヴァ人の世紀(手形の発行) 貨幣の流通→格差を生み出す(5パーセントのごく少数の金持ちと大多数の貧しい人々)
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金利
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小麦価格の上昇1550年から 資料提示
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ル・ゴフによる資本主義 中世には資本主義はなかった。 16世紀から(証券取引所の誕生)
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経済=世界という考え方 (フェルナン・ブローデル)
経済圏(中心、半周辺、周辺)→世界システム論(ウォーラーステイン) 中心
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経済=世界の中心は移動する 16世紀 ヴェネツィア 16世紀後半 ジェノヴァ、アントワープ(ベルギー) 17世紀 アムステルダム(オランダ)
16世紀 ヴェネツィア 16世紀後半 ジェノヴァ、アントワープ(ベルギー) 17世紀 アムステルダム(オランダ) 18世紀後半 ロンドン 20世紀後半 ニューヨーク
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近代世界システム論 近代世界システム論(用語はウォーラーステインによる)
長い16世紀(1450年から1650年まで)の間に近代世界「システム」が資本主義的経済=世界という形をなした
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近代世界システムの3つの枠組み 1 経済=世界は、世界全体に拡大する。
1 経済=世界は、世界全体に拡大する。 2 経済=世界は、交互にA局面(拡大)とB局面(後退)が入れ替わる周期的なモデルに従って、また、変化しつつある地理的な役割分配に従って、進展する 3 経済=世界は、百年にわたる内的変化のプロセスに従う。そのプロセスとは、技術上の進歩、工業化、プロレタリア化、こうした変化への政治的抵抗といったものである。(ステネール、封建君主とブルジョワ、 『ブローデル帝国』、179ページ)
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ミシェル・ボーとウォーラーステインの世界システム論の比較(別紙PDF)
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資本主義の宿命 格差 資本家と労働者(資本を持たない者)の格差が大きくなる (歴史上、平等な社会は存在したことがないーブローデル)
参考 ピケティ『21世紀の資本』
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