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     財政と地域経済の      持続可能性について            岐阜県地方自治大学校       樋口 克孝 2018/11/9.

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1      財政と地域経済の      持続可能性について            岐阜県地方自治大学校       樋口 克孝 2018/11/9

2 地域社会の現状 (1) 国と地方の財政危機  ・税収の伸び悩み  ・財政支出の増大 → 公的債務が累積 2018/11/9

3 (1) 国と地方の財政危機 2018/11/9

4 (1) 国と地方の財政危機 2018/11/9

5 (1) 国と地方の財政危機 出典:「図説 日本の財政 平成14年度版」(東洋経済出版社)の仮定計算
(1) 国と地方の財政危機 出典:「図説 日本の財政 平成14年度版」(東洋経済出版社)の仮定計算  ~平成14年度当初の施策や歳出構造が今後も維持された場合の試算~ 2018/11/9

6 (1) 国と地方の財政危機 旧経済企画庁「経済審議会構造改革推進部会」の推計(1996年12月)
(1) 国と地方の財政危機 旧経済企画庁「経済審議会構造改革推進部会」の推計(1996年12月) 旧通商産業省「産業構造審議会基本問題小委員会」の中間とりまとめ(1996年11月) 2018/11/9

7 財政赤字が引き起こす問題 1 世代間の不公平 2 民間の投資を圧迫 3 国・地方自治体の破産
1 世代間の不公平   受益者は現役世代で、費用の負担者は将来世代。将来世代は発言権が皆無又は非常に弱い立場にありながら、一方的に負担のみを背負う。 →社会の閉塞感が強まる。 2 民間の投資を圧迫   民間投資に回るべき資金を政府が吸い上げるため、金利の上昇を招き、民間投資を押さえ込み、中長期的に経済にマイナス効果 3 国・地方自治体の破産  現状は超低金利で利払費を押さえ込んでいるものの、景気が回復して金利が上昇すれば、雪だるま式に債務が膨らみ財政破綻へ!  景気が回復しないと、税収が落ち込んで財政危機へ!  すでに日本国債の格付けは発展途上国並みに下がっているので、海外からの資金調達も困難になりつつある。 2018/11/9

8 地域社会の現状 (2) 雇用の危機 ①企業が海外へ移転、外資は東京に一極集中 →地方の産業空洞化が進行
(2) 雇用の危機   ①企業が海外へ移転、外資は東京に一極集中    →地方の産業空洞化が進行   ②地方の雇用を支える財政支出はもう限界    →大企業や政府以外による雇用創出が必要   2018/11/9

9 (2) 雇用の危機 ①東西冷戦の終結や自由貿易協定等の積み重ねにより世界が単一の市場となりつつあり、国や地域による産業保護は弱体化
(2) 雇用の危機 ①東西冷戦の終結や自由貿易協定等の積み重ねにより世界が単一の市場となりつつあり、国や地域による産業保護は弱体化 ・労働集約的(=雇用吸収力のある)産業は賃金の安い国へ移転 ・外国からの投資は金融やソフトウェア開発等に偏っており、金額の7割、雇用創出の8割が、東京に集中。 2018/11/9

10 (2) 雇用の危機 ②財政支出により創出される雇用の比率が上昇中 =財政破綻が近づく現状にあっては、雇用危機の到来が確実!
(2) 雇用の危機 ②財政支出により創出される雇用の比率が上昇中   =財政破綻が近づく現状にあっては、雇用危機の到来が確実! 1 直接雇用や政府消費支出がもたらす雇用   →行政改革により支出の削減が進行中   →公務員制度改革が進行中→公務員のリストラ 2 社会保障給付がもたらす雇用   →医療・福祉・年金制度の負担増と給付減が求められている 3 公共投資がもたらす雇用   →経済成長への寄与度は減少→投資の抑制が求められている 2018/11/9

11 2018/11/9 【出典】財務総合政策研究所「都道府県の経済活性化における政府の役割」研究報告書(平成14年6月27日発表)

12 2018/11/9 【出典】財務総合政策研究所「都道府県の経済活性化における政府の役割」研究報告書(平成14年6月27日発表)

13 2018/11/9 【出典】財務総合政策研究所「都道府県の経済活性化における政府の役割」研究報告書(平成14年6月27日発表)

14 問題の背景 ◆先進国に共通の現象 ・ある程度豊かになれば右肩上がりの成長は終焉 ・医療水準の向上に伴い少子高齢化
 ・ある程度豊かになれば右肩上がりの成長は終焉  ・医療水準の向上に伴い少子高齢化  ・グローバル化により、労働集約的な(=雇用吸収力のある)産業は賃金の安い国へ移転    ※日本ほど急速な「成長」をとげてきた国は無かった。     ※日本の少子高齢化は人類史上最速のスピード    ※日本は中国という人口超大国に雇用を吸い取られていく。 ◆日本特有の問題  ・行政が公的サービスを独占してきたため、民間公益サービスが貧弱   →財政に過重な負担  ・合理的な意思決定システムが無く改革が進まない   →他の先進国が解決した問題で我が国だけ挫折 2018/11/9

15 地域の課題 ◆公的サービスの受益と負担の均衡 未利用の地域資源を有効活用して、公益サービスを生み出すのが鍵!?
  未利用の地域資源を有効活用して、公益サービスを生み出すのが鍵!?   →行政改革(スリムで柔軟な組織へ脱皮)   →公益サービスの担い手を行政からNPOへシフト ◆地域経済の収支の均衡   公共支出と大企業の誘致以外の手法により雇用を創出することが必要   →地域での独創的な雇用創出プロジェクトが必要    (個人的意見)  地域で必要なサービスを全面的にグローバル市場を通して調達(「円」で購入すること)するのは無理がある。  あらゆる分野で出来る限りグローバル市場を介さずに調達(地産地消)しつつ、得意な分野で「円」や「外貨」を稼いで、必要なものを購入するような戦略が必要ではないだろうか。 2018/11/9

16 地域経済の活性化と自立的発展 -地方経済自立のための方策-
大熊 毅(日本政策投資銀行地方開発部部長)    我が国の、特に地方圏において、経済活動が総じて低調に推移する中で、既に人口の減少と高齢化が同時進行している地域が頻繁に見られる。こうした中で、効率的な財政運営を行いつつ、地域経済を自立的に再活性化させるためには何をなすべきかが、問われている 。  地域経済自立に向けては、「マチづくり」、「モノづくり」、「ひとづくり」の視点が必要であり、その中でも、地域の発展戦略の立案・実施を担う「ひとづくり」が重要である。その方法として地域と大学の連携などがある。 2018/11/9

17 行政の役割 地域経営(財政と経済の収支均衡)のビジョンと戦略を打ち出し、地域の合意を形成する
戦略遂行のために、多様なセクターの協働を調整する機能が重要になる         ~船の漕ぎ手から舵取りへ~ 2018/11/9

18 地方分権の推進 地方自治体が「舵取り」へ脱皮するためには、地域が自らの将来を自己決定できる仕組みが必要 ①国から地方自治体への権限委譲
②国から地方自治体への財源委譲 ③行政からNPO/コミュニティへの分権                           (済み)   2000年4月から、国と地方自治体は対等の関係となった                           (これから)   地域から声をあげていかないと進まない                               (進行中?)   住民の自治を尊重し、行政は補完者になる 2018/11/9


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