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Nuclear Structure‘06 Conference on Nuclei At the Limits
会議出席報告 物理学第二教室 原子核理論研究室 日野原 伸生 21世紀外国旅費補助・出張報告会
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北アメリカで2年毎に開催される原子核構造の会議 1970代から第15回目。 もともとの会議のテーマは高スピンでの原子核構造。
北アメリカで2年毎に開催される原子核構造の会議 1970代から第15回目。 もともとの会議のテーマは高スピンでの原子核構造。 最近は極限状態の原子核へとテーマは拡大。 参加者は180名。20カ国、4大陸、50研究機関から。 日本人参加者は14名(実験5名、理論9名) アブストラクトの1/3は理論、2/3は実験。 口頭発表者数 招待(25-30 min)37名、 一般(20min)30名, selected poster 11名(7min) ポスター数 : 45 GAMMASPHERE 10周年
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会議の概要 期間 場所 2006年7月24 – 28日 テネシー州 オークリッジ
テネシー州 オークリッジ Pollard Technology Conference Center
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会議のtopics EXPERIMENT: Proton-rich nuclei, including N~Z nuclei
Neutron-rich nuclei Synthesis and structure of very heavy nuclei Masses, moments and radii Decay modes and decay spectroscopy High spins, including high-spin isomers Collective phases, many-body symmetries, clustering in nuclei Warm nuclei and giant resonances Interface of structure and astrophysics Interface of structure and reactions Interface of structure and tests of the Standard Model Rare isotopes: Beams and facilities, instruments & techniques THEORY: Nuclear forces & effective interactions Ab initio theory Shell Model Mean-field theories & beyond Weakly-bound and unbound nuclei: Properties, physics of open channels Many-body symmetries & clustering in nuclei Reactions Interdisciplinary aspects of the nuclear many body problem
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発表について Selected Poster (7 min talk) Poster
Microscopic Approach to Oblate-Prolate Shape Coexistence Phenomena in Nuclei around 68Se and 72Kr. Poster Importance of Time-odd Mean Field on Large Amplitude Collective Motion
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“極限状態”の原子核 (高アイソスピン極限)
“極限状態”の原子核 (高アイソスピン極限) N=Z line proton decay (proton emitter) 陽子過剰核 (N~Z) shape coexistence exotic shapes 中性子過剰核 (N>>Z) Particle density (fm -3 ) 100 Zn 2 4 6 8 10 R (fm) (陽子) (中性子) 30 密度 中性子スキン・中性子ハロー proton – neutron pairing p n p n
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“極限状態の原子核” 変形の極限 3次元調和振動子ポテンシャルによる 一粒子エネルギー 変形することによって準位の縮退が解ける
長軸:短軸が整数比で再び縮退が起こる 超変形(superdeformation) ハイパー変形(hyperdeformation) 原子核の変形 オブレート変形 プロレート変形 球形 回転運動の自由度が生まれる
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極限状態の原子核 ~高スピン原子核
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Gammasphere 110のGe検出器アレイ
1993年完成(Lawrence Berkeley National Laboratory) 1997年からArgonne National Laboratoryに移動。極限状態の原子核の研究 励起状態からの脱励起γ線を測定 原子核構造、宇宙核物理、標準模型の検証、高スピン原子核 …
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変形共存現象 一粒子エネルギー N=Zの原子核(陽子過剰核領域) 中性子・陽子それぞれ、
変形魔法数34, 36, 38, … がオブレート(β<0), プロレート(β>0)両方に存在 W.Nazarewicz et a Nucl.Phys.A435 (1985),397. N=Z=34: 68Se N=Z=36: 72Kr 変形ポテンシャルエネルギー オブレート・プロレート変形に対応する 平衡変形平均場 観測される量子状態は オブレート・プロレート変形が 混ざった(変形混合)状態
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オブレート・プロレート変形共存において・・・
(A.Goergen, Gammapool workshop in Trent 2006) 68Se: Fischer et al. Phys.Rev.C67 (2003) オブレート・プロレート変形共存において・・・ 複数の変形状態はどのような自由度を通じて混ざるのか? 軸対称変形の自由度? 非軸対称変形の自由度? 量子状態ではどの程度変形状態は混ざるのか? ポテンシャルの評価だけでなく、集団運動の慣性質量の評価も混合に効く
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変形共存核の例: neutron-deficient Pb isotope
A.N.Andreyev et al., Nature (London) 405 (2000)430. three 0+ states within 1 MeV spherical-oblate-prolate shape coexistence
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大次元シェルモデル計算 生成座標の方法 (GCM) 時間依存平均場理論 (TDHFB) 変形共存を扱うための微視的理論 シェルモデル
多体系のHamiltonianを模型空間の中で対角化・厳密解を出す 模型空間の次元:(80Zr for 1013 dim) 現在の計算機では厳密な対角化が不可能! 平均場理論を超えた扱い – 複数の変形状態が関与する系の大振幅集団運動の理論 生成座標の方法 (GCM) 生成座標を仮定 (通常は軸対称変形度にとる) 生成座標に沿って平均場を重ね合わせる 非軸対称変形の自由度は? 時間依存平均場理論 (TDHFB) 平均場が時間変化する描像 変形共存を扱う上で理論的に解決すべき点 二つの変形状態はどの自由度を通じて混ざり合うのか? 変形状態間のポテンシャル障壁の高さ 二つの変形状態はどれくらい混ざるのか? 集団運動の慣性質量
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集団的自由度の抜き出し + + TDHFB 位相空間 対回転ゲージ空間 集団部分空間
張られる空間(集団経路)を抜き出す Self-consistent Collective Coordinate Method (SCC:自己無撞着集団座標法) Marumori et al., Prog.Theor.Phys.64 (1980) 1294. Matsuo et al. Prog.Theor.Phys. 76 (1986) 372. 正準集団変数 (集団座標: q, 集団運動量: p) 対回転ゲージ空間 + + TDHFB 位相空間 (q,p) (φ, N) 非集団的部分空間 集団部分空間 閉じた集団経路内で問題を解く SCCの基本方程式の解法 非調和γ振動 ・・・ (η, η*) 展開法 (1980) 変形共存現象 ・・・ 断熱近似 (集団運動量pの2次展開) Adiabatic SCC Method Matsuo et al. Prog. Theor. Phys. 103(2000) 959.
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変形混合を求めるまで 用意するもの: Microscopic Hamiltonian (effective interaction).
1st Step: ASCC方程式を解いて集団経路を求める Moving-frame HFB 方程式 Moving-frame QRPA 方程式 Double iteration for each q 2nd Step: 集団Hamiltonianを求める 集団ポテンシャル 質量パラメター 3rd Step: 集団Hamiltonianを量子化してスペクトルを求める
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対相関力の担う大振幅のダイナミクスへの役割
平均場のtime-odd項 1st order in p -> time-odd mean-field 2nd order in p -> time-even mean-field time-even mean-field Cranking 質量 平均場のtime-odd項から質量への寄与は考慮していない ASCC 質量 time-even, time-odd両方からの寄与が入っている 集団質量へのtime-odd項の寄与 集団質量のquadrupole pairing依存性 time-oddな対相関場によって集団質量は増大する N.Hinohara et al., Prog.Theor.Phys. 115 (2006) 567. multi-O(4) model (schematic model)による評価 ポスター発表”Importance of time-odd mean field” 変形共存ダイナミクスの集団質量に対しては time-oddな対相関場はどう影響するのか? Pairing + Quadrupole modelを用いて 68Se, 72Krでのオブレート・プロレート変形共存のダイナミクス
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68Seの計算 オブレート変形(γ=60°) 集団ポテンシャル 集団質量 γ プロレート変形(γ=0°) 励起エネルギー 集団波動関数
G2: quadrupole pairingの強さ χ: quadrupole interactionの強さ オブレート変形(γ=60°) G2=0: Kobayasi et al., PTP113(2005), 129. 集団ポテンシャル 集団質量 γ プロレート変形(γ=0°) Moving-frame QRPA frequency 励起エネルギー 集団波動関数 complete mixing
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72Krの計算 オブレート変形(γ=60°) 集団質量 集団ポテンシャル プロレート変形(γ=0°) 励起エネルギー 集団波動関数
G2=0: Kobayasi et al., PTP113(2005), 129. オブレート変形(γ=60°) 集団質量 集団ポテンシャル Moving-frame QRPA frequency プロレート変形(γ=0°) 励起エネルギー 集団波動関数
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Conclusion 68Seと72Krのオブレート・プロレート変形共存核の集団経路
オブレート・プロレート変形はγ方向の自由度を通じてつながる Quadrupole pairing を加えたP+Qモデルで、平均場のtime-odd項によって68Seと72Krの集団質量が増大することを示した。 励起エネルギーはquadrupole pairingを加えることによって下がった。これは主に平均場のtime-odd項による集団質量の増大に起因している。 68Seはオブレート・プロレートは完全に混合して個性を失う 72Krでは変形混合は起こるが、基底状態は個性を保ったオブレート変形、励起状態はプロレート変形。
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議論 D.Almehed氏との議論 ポスター発表 A.Baran氏、K. P. Rykaczewski氏、
G.Carlsson氏、P.Borycki氏らと議論 実験、理論の双方から興味を持っていただきました。 Almehed and Waletのcollective path (軸対称) ASCCで得られたcollective path (非軸対称)
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