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がん治療用67Cu及び64Cuの製造 片渕竜也 東京工業大学 原子炉工学研究所 (元 群馬大学医学系研究科) 共同研究者
渡辺智、石岡典子、松橋信平 (原研高崎) 飯田靖彦、花岡宏史、遠藤啓吾 (群馬大)
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群馬大学21世紀COEプログラム 「加速器テクノロジーによる医学・生物学研究」 細胞内微小領域の局所照射による医学・生物学研究
細胞内微量元素の動態研究 高精度炭素イオンマイクロサージャリー治療 新規RIの製造と医学応用 2004年10月にスタート 原子力研究開発機構(高崎)との共同研究
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RIを用いた癌治療 γ β g 線 b 線 RI標識薬剤 診断 PET SPECT etc. 治療 Radionuclide therapy
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銅標識薬剤 銅同位体に結合して、腫瘍に集積させる薬剤が開発され、銅の放射性同 位体を用いた診断・治療の研究がすすめられている。 腫瘍 抗体
Cu-ATSM 低酸素腫瘍ではCuがATSMから分離し、細胞内に滞留する。 腫瘍 Cu-抗体 キレート Cu 抗体 腫瘍関連抗原に対するモノクローナル抗体にCuを結合させる。
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注目している核種 67Cu 64Cu 半減期 2.6日 加速器で製造(70MeV以上の陽子) 半減期 12.7時間
有効な治療効果を得るため、薬剤の体内滞在時間と半減期が同程度に長い必要がある。短半減期の核種は診断には使えるが、治療には不向き。 60Cu 61Cu 62Cu 64Cu 67Cu 崩壊様式 b+, EC b-, b+, EC b- 半減期 23.2 m 3.41 h 9.74 m (9.19 h) 12.7 h 61.9 h
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照射から動物実験まで 照射 p, d, a 群馬大学へ 化学分離 67Cu イオン交換 ターゲット ターゲット 動物実験 標識 加速器
67Cu-ATSM
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RI製造の流れ 56m 搬送台車 固体用照射装置 化学分離 固体用遮蔽セル 第1軽イオン室 ターゲット脱着装置 セミホットラボ ホットラボ
イオンビーム ターゲット 搬送台車 56m ターゲット脱着装置 固体用照射装置 セミホットラボ ホットラボ 化学分離 マニピュレータによるターゲットの取出し 固体用遮蔽セル
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要求されること 生成量 動物実験:数百MBq、人:数GBq 100MBq 67Cu → 5.3 × 10-11 モル、3.2 × 1013個
無担体 ターゲットと生成核種は違う元素になるのが望ましい。同種元素になった場合、少量の薬剤を標識することができない。 → (n, g)による生成は好ましくない。 不純物の低減 標識薬剤は10-9モルオーダー 標識を阻害するような不純物を低減する必要がある。
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64Cu, 67Cu製造のための原子核反応 66Ga 67Ga 68Ga 69Ga 70Ga 71Ga 64Zn 65Zn 66Zn
安定同位体 66Ga 67Ga 68Ga 69Ga 70Ga 71Ga 64Zn 65Zn 66Zn 67Zn 68Zn 69Zn 70Zn 60Cu 61Cu 62Cu 63Cu 64Cu 65Cu 66Cu 67Cu 68Cu 58Ni 59Ni 60Ni 61Ni 62Ni 63Ni 64Ni 65Ni 66Ni 67Ni (n,p) (p,2p) (p,n) (a,p) 68Zn(p,2p)67Cu: 70MeV以上の陽子 67Zn(n,p)67Cu: 原子炉高速中性子 64Ni(a,p)67Cu: 50MeV程度のアルファ、低反応断面積
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68Zn(p,2p)67Cu反応 67Cu製造に現在最も選択されている 断面積:50MeV以上で ~10mb
濃縮68Znターゲットを用いることが好ましい(数グラム必要) 3g ~ 90万円 68Zn(p, 2p)67Cuの励起関数 10mb 照射エネルギー PSI 70 MeV Brookhaven 200 MeV 64Zn 66Zn 67Zn 68Zn 70Zn 存在比(%) 48.6 27.9 4.1 18.8 0.6
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67Cuの製造 AVFサイクロトロン (原研高崎) ターゲット: 68ZnO 酸化亜鉛粉末を石英容器に封入 ターゲットホルダー
陽子 70MeV 50MeV 68ZnO 70MeV – 50MeVの陽子を製造に使用 酸化亜鉛粉末
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66Ga、67Ga – 副生成核種 副生成物:66Ga(), 67Ga() 低エネルギーで断面積が大 → 50MeVまでの陽子を利用
68Zn(p, 3n)66Ga 副生成物:66Ga(), 67Ga() 低エネルギーで断面積が大 → 50MeVまでの陽子を利用 生成量(単位はMBq) 66Gaを減らすため数日の冷却が必要 照射直後 24時間後 60時間後 67Cu 270 210 140 66Ga 9300 1600 120 67Ga 970 790 570 68Zn(p, 2n)67Ga
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67Cuの化学分離 結果 溶解 塩酸 陽イオン交換樹脂 66Ga, 67Gaの除去 キレート交換樹脂 Cu-Zn分離 陰イオン交換樹脂
酸化亜鉛 溶解 塩酸 陽イオン交換樹脂 66Ga, 67Gaの除去 キレート交換樹脂 Cu-Zn分離 溶出 68Zn 再利用 陰イオン交換樹脂 Znの除去 結果 所要時間: 15時間 収量:100MBq(照射直後) → 30MBq(化学分離後) 化学分離の回収率:80% 67Cu
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今後 作業の遠隔化 不純物の低減 化学分離初期段のターゲットの開封、陽イオン交換部分の遠隔化 照射直後から化学分離を開始可能
Ga除去後はマニュアルで化学分離操作 不純物の低減 高純度試薬の使用(塩酸、水等) テフロン製、石英製の容器のみ使用 ICP-MSなどによる分析 – 不純物の同定、除去
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64Cuの製造 64Ni(p,n)64Cu反応 10MeV程度の陽子ビームで十分 医療用小型加速器で製造可能
ターゲット量はそれほど必要ない~0.2g 反応断面積が大きい 10MeV 化学分離が容易 64Cu-ATSMの研究が福井大学、ワシントン大学で進められている。 64Ni(p, n)64Cuの励起関数
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64Cuの化学分離 陰イオン交換樹脂を用いターゲットニッケルから64Cuを分離 生成量(照射直後):900MBq 照射条件:5mA, 2時間
酸化ニッケル 陰イオン交換樹脂を用いターゲットニッケルから64Cuを分離 生成量(照射直後):900MBq 照射条件:5mA, 2時間 化学分離後:450MBq 溶解、蒸発乾固 塩酸 陰イオン交換樹脂 Cu-Ni分離 溶出 64Ni 再利用 64Cu 腫瘍 PETイメージ、64Cu-TETA-NuB2を3.7MBq静脈注射後、24時間経過
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どれだけの67Cuが必要か? マウス(一匹あたり) 人 68Zn(p,2p)67Cu反応によって得られた67Cuの収量
体内分布 - 1 mCi (37 kBq) イメージング - 3 mCi ~ 1 mCi (110 kBq~37 MBq) 抗腫瘍効果 - 300 ~ 500 mCi (11~19 MBq) 人 はっきりした値は分からないが、数十~100mCi (~3.7 GBq) 68Zn(p,2p)67Cu反応によって得られた67Cuの収量 放射能 化学分離後 照射条件 100 MBq (2.7mCi) 30MBq (0.8 mCi) 6 h, 3 mA
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177Luの製造 177Lu: T1/2 = 6.7日, b-崩壊核種 東海原子炉JRR-4で製造 176Yb + n → 177Yb (T1/2=1.9h) → 177Lu 原研東海で照射後、群馬大に直接搬入し化学分離、標識、動物実験を行う 177Lu標識抗体の治療効果を研究する。 現状 JRR-4で実際に177Luを生成 5mg 176Yb, 1時間照射 → 7.8MBq 高速液体クロマトグラフィー(HPLC)によるLuとYbの分離を確認 JRR-4 177Lu 175Yb HPLCによる分離
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まとめ 67Cuの製造 68Zn(p,2p)67Cu反応により製造 生成量:100MBq(照射直後)、30MBq(化学分離後)
今後は、作業の遠隔化をして、収量を増やす 64Cuの製造 64Ni(p,n)64Cu反応により製造 生成量: 900MBq(照射直後)、450MBq(化学分離後) 陰イオン交換カラムで分離 177Luの製造 東海原子炉JRR-4で製造 生成量: HPLCにより分離
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