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埼玉医科大学国際医療センター核医学 松田博史
認知症の早期画像について 埼玉医科大学国際医療センター核医学 松田博史
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認知症における画像診断の役割 アルツハイマー型認知症の早期診断と予後予測 前駆期である軽度認知機能障害の時期での診断
軽度認知機能障害における予後推定 認知症の鑑別診断 認知症に対する薬物治療の効果判定 11/12/2018
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認知症の画像診断法 ポジトロンCT(PET) グルコース代謝 シングルフォトンCT(SPECT) 脳血流 磁気共鳴画像(MRI) 脳萎縮
11/12/2018
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PET 長所 シナプス活動を反映し、感度が高い 空間解像力がSPECTに比べ高い 短所 保険未適応 装置が高額のため、普及していない
放射線被曝 11/12/2018
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SPECT 長所 保険適応 装置がPETに比べ普及 短所 検査費用がMRIに比べ高額 空間解像力が低い 放射線被曝 11/12/2018
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アルツハイマー型痴呆の診断・治療・ケアガイドライン
脳機能画像はADの診断精度向上に有用 視察法は、中等度以上のAD症例について側頭・頭頂葉皮質の血流・代謝低下を確認しやすく、痴呆性疾患を専らとする専門医以外が診断する際は全例で施行されることを推奨する。 (グレードB:行うよう勧められる) しかし、軽度~中等度のAD症例においては視察法でADに特徴的な血流・代謝低下パターンを検出できないことがある。そのような症例では、画像統計解析を行うことが勧められる。 中野正剛:老年精神医学雑誌 第16巻(2005)増刊号-1
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アルツハイマー型痴呆の診断・治療・ケアガイドライン
脳機能画像はADの診断精度向上に有用 軽度~中等度のAD症例 画像統計解析は可能なかぎり行い、後部帯状回の血流・代謝低下を検出することが推奨される。 (グレードB :行うよう勧められる) 画像統計解析:3D-SSPなど 中野正剛:老年精神医学雑誌 第16巻(2005)増刊号-1
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MRI 長所 装置がSPECTよりも普及 検査費用がSPECTよりも安価 放射線被曝がない 短所 疾患特異性が低い 閉所恐怖症
11/12/2018
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画像統計解析手法 長所 客観的手法である 全脳を探索できる 仮説に基づかない 統計学上の有意性を算出しうる 短所
血流・代謝の低下や増加の絶対値を算出できない 11/12/2018
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画像統計解析手法 元画像 解剖学標準化: 個人の脳を標準脳に形態変換する 平滑化: 信号対雑音比を上げる 個人のわずかな形態の差を吸収する
信号対雑音比を上げる 個人のわずかな形態の差を吸収する Zスコアの算出: 正常画像データベースとの比較により画 素ごとにZスコアを算出する 11/12/2018
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Z-score Control Database のボクセル値 平均±SD 1 2 3 4 5 6 z-scoreについて
z-scoreは疾患例のピクセル値が正常の平均ピクセル値から何SD離れているかを示しています。 仮に疾患例のあるピクセルのz-scoreが3の場合、正常の平均ピクセル値から3SD離れていることを示しています。 11/12/2018
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健常者群の条件 MMSE, HDS-R正常 Wechsler Memory Scale-Revised (WMS-R)正常
Wechsler Adult Intelligence Scale-Revised (WAIS-R) 正常 MRIで年齢相応のUBOがT2WIでみられるのみ 糖尿病などの脳血管障害の危険因子がない 11/12/2018
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MRI (Voxel-based Morphometry)
アルツハイマー型認知症の早期画像診断 脳血流SPECT MRI (Voxel-based Morphometry) 11/12/2018
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軽度認知機能障害(健忘型) 記憶障害の自覚、または情報提供者の証言がある 記憶障害が年齢、教育歴に比べ客観的に示される
全般的な認知機能は正常(MMSE 24点以上) 日常生活活動は正常 認知症はない 高齢者の約3% 年約12%ぐらいの割合でアルツハイマー型認知症に移行 11/12/2018
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脳血流SPECTによるアルツハイマー型認知症の早期診断
頭頂葉皮質 帯状回後部 楔前部 11/12/2018
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Matsuda H, Kitayama N, Ohnishi T, et al. J Nucl Med 43;304-311,2002
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11/12/2018
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Papez回路(記憶)とYakovlev回路(感情)
11/12/2018
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側頭葉てんかん重責発作後の帯状回病変 11/12/2018
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Entorhinal cortexの線維結合
ヒト以外でのRemote effectの報告 Meguro (1999):ヒヒの嗅内野を損傷させることにより、損傷30日以後に18F-FDG PETにて 下頭頂葉、側頭葉後部、後帯状回皮質、後頭連合野に代謝低下 (Mikkonen1999) 考察です。Entorhinal cortexは解剖学的に多くの皮質および皮質下領域と線維連絡があることが知られています。スライドに今までに報告されているentorhinal cortexとの線維連絡を示します。ここで見られる線維連絡はSuperior temporal gyrusとcingulate cortexを除いたすべての部位においてcontrol群でも相関が認められました。そして、AD群で初めてsuperior temporal gyrus及びcingulate cortexに相関が認められるようになりました。これはアルツハイマー病そのものが記憶処理に関するネットワークに負荷をかけている状態であると想定すると説明がつけられると考えられます。つまり、元来entorhinal cortexとposterior cingulate cortexにはconnectivityがあるわけですが、そのconnectivityはnormalの状態でははっきり認められません。しかし、負荷がかかることにより、そのconnectivityが強化されたようにみえるようになり、その結果、PCCとの相関が認められるようになるということです。また、Meguroらはヒヒを使った研究にて、嗅内野を損傷させることにより損傷30日以後に下頭頂葉、側頭葉後部、後帯状回皮質、後頭連合野に代謝低下が認められたことを報告していますが、我々の結果はこれらの領域とほぼ合致していました。このことから、ヒトでもentorhinal cortexの萎縮、つまりneuronal lossにより、後帯状回皮質をはじめとした、線維連絡のある部位での血流低下、つまり遠隔効果仮説が正しいことが示唆されました。 11/12/2018
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