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学問の流れ クォークセクタにおけるフレイバー物理

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Presentation on theme: "学問の流れ クォークセクタにおけるフレイバー物理"— Presentation transcript:

1 学問の流れ クォークセクタにおけるフレイバー物理
学問の流れ クォークセクタにおけるフレイバー物理 高エネルギー 野村 正 Contents フレイバー物理のめざすもの CP非保存、so far K中間子による探求 B中間子による探求 これからの展開 March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

2 フレイバー物理のめざすもの フレイバーと相互作用
フレイバー物理のめざすもの フレイバーと相互作用 3世代のクォークとレプトン 相互作用 とりあえず3つだけで… 電磁相互作用 g 電荷に絡む 弱い相互作用 W±,Z フレイバーに絡む 強い相互作用 g 色に絡む クォークだけ 第一 第二 第三 電荷 クォーク u c t +2/3 d s b -1/3 レプトン ne nm nt e m -1 弱い相互作用では P対称性、CP対称性が 破れている March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

3 フレイバー物理のめざすもの CP対称性の破れの源を探る
粒子反粒子のバランスはなぜ崩れている? 宇宙はほとんど「物質」でできているようだ 始まりは粒子と反粒子の数は同じだったはず バランスを崩すための3条件(サハロフ) バリオン数を保存しない相互作用 C, CP対称性の破れ 「非」熱平衡状態 これらの存在が必要 March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

4 フレイバー物理のめざすもの 弱い相互作用 in the Standard Model
荷電カレント ⇒ フレイバー状態間の遷移 “Up”クォーク(u,c,t) ⇔ “Down”クォーク(d,s,b) 荷電レプトン(e,m,t) ⇔ ニュートリノ(ne,nm,nt) 質量の固有状態 ≠ 相互作用の固有状態 世代間の混合 混合時の位相が CPの破れを引き起こす March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

5 フレイバー物理のめざすもの Cabbibo-Kobayashi-Maskawa行列
3世代の必要性と位相の導入 Wolfensteinパラメータによる記述 sinqc=l (0.22); qcはCabbibo角(=q12) Al2sin q23 (0.04) 第一、第三世代混合に複素位相を押し込める March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

6 フレイバー物理のめざすもの ユニタリティ三角形
フレイバー物理のめざすもの ユニタリティ三角形 CKM行列のユニタリ条件 V†V=VV†=1 6つの対角成分条件と6つの非対角成分条件 ユニタリティ三角形 非対角成分条件を 幾何的に表現 (例)b-dラインでの条件VudVub*+VcdVcb*+VtdVtb*=0 (1,0) a(f2) g(f3) b(f1) VudVub*/Al3 VcdVcb*/Al3 VtdVtb*/Al3 (0,0) (r,h) 面積=J/2  J≈A2l6h ⇒三辺が同オーダー O(Al3)   の組み合わせ (1-l2/2)×Al3(r+ih) -l×Al2 Al3(1-r-ih) March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

7 フレイバー物理のめざすもの 標準模型の検証
フレイバー物理のめざすもの 標準模型の検証 実験の課題は? CKM行列パラメータの精密測定 三角形の辺、内角、高さ 標準模型からのずれ 異なるダイアグラムで 相互チェック ⇒異なる始状態(KとB) ⇒終状態(フレイバー)の異なる過程 a(f2) g(f3) b(f1) B→pp B→J/yK KL→p0nn K+→p+nn 非常に重要 New physicsへの窓 なぜなら物質・反物質差を説明するためには CKM行列位相によるCPの破れは小さすぎるから March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

8 K中間子 B中間子 KL→p+p- KL→p±l∓n(荷電非対称)、 KL→p+p-e+e-(pp平面とee平面の角度非対称)
CP非保存、so far 歴史と現在 K中間子 KL→p+p- KL→p±l∓n(荷電非対称)、 KL→p+p-e+e-(pp平面とee平面の角度非対称) KL→2p における 『 e’ / e 』 B中間子 B→J/ψK B→pp CP非保存の発見(1964) CPの直接的破れ(1988、99/01) Bでの最初のCP非保存(2001) March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

9 K中間子での探求 KL→p+p- : CPの破れの発見
Princetonグループによる実験 (J.Christenson et al., 1964) BNLのAGS加速器での実験 Spark chamberを使ったダブルアームスペクトロメータ 45 p+p- イベントを観測 ⇒ B(KL→p+p-) ≈ 2.0x10-3 CPの破れの発見 CP ≈ -1 CP = +1 KL → p+p- March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

10 K中間子での探求 KL→p+p- : CPの破れの発見
S= +1 S= -1 CP= +1 フレイバー固有状態の混合 CP固有状態 CP= -1 Weakの固有状態 直接的破れ CP= -1 → +1 終状態 CP(p+p-)=+1 混合による破れ CP= +1 → +1 March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

11 K中間子での探求 KL→p+p- : CPの破れの発見
CKM行列での混合 Box diagram (weakの4次) 実部: DmK, e ∝虚部 W d s ui K0 Vid Vjd V*js V*is uj ui, ,uj=u,c,t 回る q カップリング ループ tとt Im(Vtd V*ts)2 = 2A4l10 (1-r) h mt2 cとc Im(Vcd V*cs)2 = 2A2l6h mc2 tとc 2ImVtd V*tsVcd V*cs = 2A2l6h m2ln(mt2/mc2) h r (r,h) e ∝ ( C – r ) h の形になる ⇒ 右図 March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

12 K中間子での探索 e’ / e : 直接的CPの破れ
e’ は DS=1遷移中の 直接的CP非保存の量を示す (混合はDS=2遷移) 二つの終状態アイソスピンの 干渉によって観測される “ペンギン”ダイアグラムの寄与 s q d W g Vid Vis gluonic penguin p+p-, p0p0 s q d W g Vid Vis EM penguin March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

13 K中間子での探索 e’ / e : 直接的CPの破れ
K0S,L→2pのアイソスピン解析 K0 は I=1/2 2p系は I=2 と I=0 の混合 (I=1,Iz=+1,0,-1 for p+,p-,p0) I=0とI=2への遷移の位相寄与の差分 DI=1/2ルールによる抑制(1/22) March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

14 K中間子での探索 e’ / e : 直接的CPの破れ
観測量 CERN FNAL NA48 (2001) (1.53±0.26)x10-3 KTeV (1999) (2.80±0.30) x10-3 NA31 (1993) (2.3±0.65)x10-3 E731 (1993) (0.74±0.52) x10-3 h r Im(VtdVts*)が効く ⇒高さに相当 March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

15 B中間子での探索 B→J/yKS : BでのCP非保存の発見
B0→fCP B0→B0→fCP G(B0→ fCP) = |〈 fCP |B0(t)〉|2 = e-t/t |A|2[1+Iml sin(Dm・t)] - G(B0→ fCP) = |〈 fCP |B0(t)〉|2 = e-t/t |A|2[1-Iml sin(Dm・t)] 〈 fCP |B0〉=A, 〈 fCP |B0〉=A,  l =(q/p)(A/A) - (|A|=|A| and |q/p|=1を仮定: 崩壊、混合、各々はCP保存) p,qは相互作用固有状態でのB0とB0の混合割合 - ) f B ( A CP d G + - = -Iml sin(Dm・t) March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

16 B中間子での探索 B→J/yKS : BでのCP非保存の発見
B0混合⇒崩壊⇒K0混合 B混合 崩壊 W d b t B0 Vtd V*tb d s c W Vcb Vcs b B0 J/y K0 K混合 a(f2) g(f3) b(f1) VudVub* VcdVcb* VtdVtb* W d s c K0 Vcd V*cs 虚部は sin2b March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

17 B中間子での探索 B factory at KEK
KEKB asymmetric e+e- collider Two separate rings e+ (LER) : 3.5 GeV e- (HER) : 8.0 GeV bg = 0.425 ECM : GeV at (4S) Beamsize: sy 3 mm sx  100 mm ±11 mrad crossing angle Luminosity: (achieved) 1.13 x1034 cm-2s-1 Current: / 1.1A (LER HER) World highest Lum. Machine ! March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

18 B中間子での探索 B factory in the world
KEKB (日本) PEP II (米国) March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

19 B中間子での探索 Belle detector
m / KL detection 14/15 lyr. RPC+Fe CsI(Tl) 16X0 Aerogel Cherenkov cnt. n=1.015~1.030 Si vtx. det. 3 lyr. DSSD TOF conter SC solenoid 1.5T 8 GeV e- 3.5 GeV e+ March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

20 B中間子での探索 CP非対称の時間発展測定
U(4S)からスタート する コヒーレントB0B0 ⇒どちらかのBが崩壊するまで ブーストされたBの崩壊点を測定する 時間差に焼きなおす フレイバーを決める Flavor-tag (B0 or B0 ?) J/ KS e e z t=0 fCP Vertexing Reconstruction of B1 B2 March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

21 B中間子での探索 B→J/yKS : f1 (b)の測定
fb-1 March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

22 B中間子での探索 B→p+p- : f2 (a)の測定
基本的にはB→J/yKSと同じだが… Weak位相の異なる gluonic penguinの 寄与があり、 f2は正しく測れない a(f2) g(f3) b(f1) VudVub* VcdVcb* VtdVtb* d u W Vub Vud b B0 p+ p- u W g Vtb Vtd d b p+ p- B0 March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

23 B中間子での探索 B→p+p- : f2 (a)の測定
CP非対称の時間発展 f2を求めるには… アイソスピン解析をして効果の関係を見る B0→p+p- 、B0→p0p0、 B+→p+p- Penguinの寄与 A = S sin(Dmt) + A cos (Dmt) CP 2Iml |l|2 + 1 S = = (1-A2)1/2 sin(2f2+2q) q p A l = xf |l|2 -1 |l|2 +1 A = (直接的CPの破れ) March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

24 B中間子での探索 B→p+p- : f2 (a)の測定
App= 0.15(stat) 0.07(syst) Spp= 1.00 0.21(stat) 0.07(syst) B0 tag B0 tag Dt (ps) Dt (ps) March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

25 B中間子での探索 B→p+p- : f2 (a)の測定
App ,Spp by Belle and Babar Belle claimed… Belle BaBar App No CPV ⇐ “ruled out at the %” App=0 ⇐ excluded 3.2s for any Spp Spp March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

26 さて、これからの展開ですが… 以下、偏りがあるのはお許し下さい これからの展開 これからの展開 March 3, 2004
これからの展開 これからの展開 さて、これからの展開ですが… 以下、偏りがあるのはお許し下さい March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

27 ⇒ K→pnn モードは有望である 実験的に非常に難しいが…
理論的にクリーンなモードが必要 理論と実験を結びつけるために 精密測定が必要 標準模型の綻びを見つけるために ⇒  K→pnn モードは有望である 実験的に非常に難しいが… March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

28 B,Kをとおして見ても理論的にクリーン K系で三角形を構成できる ハドロン化の部分はよく測定された実験量を 使える Br(K+→p0e+n)
これからの展開 K→pnn B,Kをとおして見ても理論的にクリーン ハドロン化の部分はよく測定された実験量を 使える Br(K+→p0e+n) K系で三角形を構成できる BNL-E787/949 a(f2) g(f3) b(f1) KL→p0nn K+→p+nn charmの寄与分 KEK-E391a KOPIO March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

29 これからの展開 K+→p+nn (BNL-E787/949)
Stopped Kaon p+の運動量、レンジ、 エネルギーを測定 粒子識別(p/m) 4p光子Veto 運動学的カットによる BG排除 黄色:MC ▲■:データ E787 2イベント E949 2002年 ??? March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

30 KL→p0nn はCPの直接的破れを見る 格好の過程である A(KL→p0nn) ∝ Im(Vtd) Br(KL→p0nn) ∝ |h|2
予想分岐比 ~10-11 現在の実験上限 <5.9x10-7 (KTeV,2000) CKMの複素位相そのもの d n W Z Vts Vtd s K0 p0 March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

31 これからの展開 KL→p0nn (KEK-E391a)
KEK 12GeVPS KEK、大阪、山形、佐賀、シカゴ、FNAL、JINR、京都 感度10-9 ~10-10  2004年2月より、物理ラン(4ヶ月の一発勝負) March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

32 これからの展開 KL→p0nn - KOPIO実験 -
BNLで予定されている KL→p0nn 測定実験 アメリカ、カナダ、ロシア、スイス、イタリア、日本(京都) 40信号イベントの観測をめざす 陽子強度 100 TP / pulse × 約3年 S/N比 2 予想されるバックグラウンド Kp0p Kp0p+p Kp-e+ng March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

33 これからの展開 KL→p0nn - KOPIO Concept -
つまり「p0からの2g」と「他には何もない」 中性粒子 2g 崩壊 見えない 崩壊領域を覆うハーメチックVETO KL静止系でのKinematics 2g の vertex、不変質量を再構成 信号光子の位置、エネルギー、角度、時間を測定 マイクロバンチ陽子ビーム ⇒TOF測定(中性粒子の!!) ⇒KL静止系で適用可能 March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

34 これからの展開 KL→p0nn - KOPIO Apparatus -
Beam  veto Shashlyk calorimeter 2X0 Preradiator Decay region March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

35 これからの展開 KL→p0nn - KOPIO prospect -
米国2005年NSF予算要求 RSVP(KOPIOを含む)建設は 米国2005年度からスタートとして予算要求された (次の10月からの予算年度!!) March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

36 これからの展開 KL→p0nn - KOPIO スケジュール -
H16 H17 H18 H19 H20 H21 H22 KOPIO全体 R&D 予算開始 建設予算開始 ビームライン完了 エンジニアリングラン/物理ラン AGS増強 μバンチテスト ビームライン建設 検出器量産 検出器インストール ビームラインテスト 検出器実地テスト・調整 初期物理ラン フル検出器による物理ラン 日本G (Catcher) 実機サイズプロトタイプ プロトタイプアレイ(小規模量産試験) 量産 インストール 実地テスト 較正・解析 PMT 鏡・エアロジェル Waveform Digitizer March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

37 として、Bの物理と共に これからのdecadeを代表する実験となる
これからの展開 K→pnn K→pnn実験は ユニークなK系での測定 標準模型へのチャレンジ として、Bの物理と共に これからのdecadeを代表する実験となる March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」

38 Summary クォークセクタにおけるフレイバー物理は CP非保存の探求 を中心に活発に進められている。
標準模型の検証のみならず  Beyond the Standard Model へのあしがかりを探るものである。 京都グループは  Kaonセクタでの精密測定 を軸にフレイバー物理に取り組んでいる。 March 3, 2004 物二教室発表会「学問の流れ」


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