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12C標的を用いた ハイパー核ガンマ線分光(1)
東北大学大学院理学研究科 物理学専攻原子核物理 白鳥 昂太郎
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講演内容 E566実験の目的 セットアップ Hyperball2の解析 まとめ 2006/3/30 日本物理学会春季大会@松山
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The E566 Collaboration Tohoku Univ. :: H. Tamura, F. Futatsukawa, K. Hosomi, M. Kawai, S. Kinoshita, T. Koike, Y. Ma, N. Maruyama, M. Mimori, Y. Miura, Y. Miyagi, K. Shirotori, T. Suzuki, N. Terada, K. Tsukada, M. Ukai KEK :: K. Aoki, H. Fujioka, Y. Kakiguchi, T. Nagae, D. Nakajima, H. Noumi, T. Takahashi, T.N.Takahashi China Institute of Atomic Energy :: Y.Y.Fu, S.H.Zhou Kyoto Univ. :: K. Imai, K. Miwa Osaka Univ. :: S. Ajimura RIKEN :: K. Tanida 2006/3/30 日本物理学会春季大会@松山
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E566実験の目的 V(r) = V0(r) + Vs(r) sN・sL + VN(r) lNL・sN ーLN間有効相互作用の研究ー
+ VL(r) lNL・sL + VT(r) S12 (コア核:p-shell、Λ:s-shell) → Radial Integrals D、SN、SL、T を決定 D= 0.43 SN= -0.39 SL= -0.01 T= [MeV] 10B 基底状態二重項間の間隔 実験値 <100keV ⇔ 計算値 195keV L But…. 0.53D+1.44SL-1.72T 0- 11C 12LC 1- 2- 3/2- 1/2- 12Cから情報を得る ・パラメータの相違 ・ΛΣ coupling L 3/2- 0.58D+1.41SL-1.07T 9B 10LB 1- 2- 2006/3/30 日本物理学会春季大会@松山
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E566実験の目的 V(r) = V0(r) + Vs(r) sN・sL + VN(r) lNL・sN ーLN間有効相互作用の研究ー
+ VL(r) lNL・sL + VT(r) S12 (コア核:p-shell、Λ:s-shell) → Radial Integrals D、SN、SL、T を決定 N L p S D= 0.43 SN= -0.39 SL= -0.01 T= [MeV] 10B 基底状態二重項間の間隔 実験値 <100keV ⇔ 計算値 195keV L But…. 0.53D+1.44SL-1.72T+ΛΣC 0.53D+1.44SL-1.72T 0- 11C 12LC 1- 2- 3/2- 1/2- 12Cから情報を得る ・パラメータの相違 ・ΛΣ coupling L 0.58D+1.41SL-1.07T+ΛΣB 3/2- 0.58D+1.41SL-1.07T 9B 10LB 1- 2- 2006/3/30 日本物理学会春季大会@松山
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E566実験の概要 目的 : 12Cと11Bのγ線観測 KEK-PS K6 ビームライン SKS、Hyperball2 π+ビーム
予想レベル図 目的 : 12Cと11Bのγ線観測 L 3/2+ 11C+Λ 2+ 1/2+ 0+ π++12C → 12C + K+ 11B + p L 2+ 11 MeV 7/2+ 2+ L 5/2+ 11B+p L 11B L KEK-PS K6 ビームライン SKS、Hyperball2 π+ビーム Total 1.3×1012個 ポリエチレン(CH2) 標的 2005.9~10(640時間) 1- 2- 3- 2- 1- 2.6 MeV 2- 1- 0 MeV 12C L 2006/3/30 日本物理学会春季大会@松山
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E566実験の概要 目的 : 12Cと11Bのγ線観測 11C+Λ π++12C → 12C + K+ 11B + p 11B+p 11B
予想レベル図 目的 : 12Cと11Bのγ線観測 L 3/2+ 11C+Λ 2+ 1/2+ 0+ π++12C → 12C + K+ 11B + p L 2+ 11 MeV 7/2+ 2+ L 5/2+ 11B+p L 11B L 1- 2- 3- 2- 1- 2.6 MeV H. Hotchi et al Phys.Rev.C64(2001) 044302 2- 1- 0 MeV 12C L 2006/3/30 日本物理学会春季大会@松山
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E566実験の概要 目的 : 12Cと11Bのγ線観測 11C+Λ π++12C → 12C + K+ 11B + p 11B+p 11B
予想レベル図 目的 : 12Cと11Bのγ線観測 L 3/2+ 11C+Λ 2+ 1/2+ 0+ π++12C → 12C + K+ 11B + p L 2+ 11 MeV 7/2+ 2+ L 5/2+ 11B+p L 11B L 1- 2- 3- 2- 1- 2.6 MeV H. Hotchi et al Phys.Rev.C64(2001) 044302 2- 1- 0 MeV 12C L 2006/3/30 日本物理学会春季大会@松山
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セットアップ K+ p+ Setup for E566 K6 ビームスペクトロメータ SKS Hyperball2
K GeV/c Hyperball2 12C target p+ π GeV/c 2006/3/30 日本物理学会春季大会@松山
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セットアップ Setup for E566 ・BH1,2・・・Time-of-flight ・GC ・・・e+の除去(n=1.00245)
ビームスペクトロメータ ・BH1,2・・・Time-of-flight ・GC ・・・e+の除去(n= ) Setup for E566 SKS ・TOF・・・Time-of-flight ・AC ・・・π+の除去(n=1.06) ・LC ・・・陽子の除去(n=1.49) K GeV/c Hyperball2 12C target DC・・・ビームの位置検出 標的 : CH2 密度 0.93 g/cm3 厚さ 20 cm →18.6g/cm2 π GeV/c 2006/3/30 日本物理学会春季大会@松山
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Hyperball2 p+ K+ (個別型ゲルマニウム検出器+BGOカウンター)×14 +
+ (クローバー型ゲルマニウム検出器+BGOカウンター)×6 f7cm Ge BGO 個別型Ge 60% Clover型Ge (Add-back) 120% 相対検出効率 (3”f×3”NaIとの比) 横から見た図 下から見た図 3.5cm 7cm p+ K+ 高計数率用回路 →ハイパー核γ線分光が可能 2006/3/30 日本物理学会春季大会@松山
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Hyperball2 K+ p+ (個別型ゲルマニウム検出器+BGOカウンター)×14 +
+ (クローバー型ゲルマニウム検出器+BGOカウンター)×6 f7cm Ge BGO 個別型Ge 60% Clover型Ge (Add-back) 120% 相対検出効率 (3”f×3”NaIとの比) 横から見た図 下から見た図 3.5cm 7cm K+ 120% 高計数率用回路 →ハイパー核γ線分光が可能 p+ 2006/3/30 日本物理学会春季大会@松山
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解析 Hyperball2を用いたγ線の解析 スペクトロメータを用いたハイパー核生成反応の解析 (π+, K+)反応が起こった事象を選別
12Cの質量を解析 Hyperball2を用いたγ線の解析 エネルギー較正 クローバー型ゲルマニウム検出器の信号足し合わせ BGOを用いたバックグラウンド軽減 L ハイパー核生成事象の選択 γ線スペクトルの観測 2006/3/30 日本物理学会春季大会@松山
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エネルギー較正 線源によるエネルギー較正 ・最大1500 keV程度 高いエネルギー領域 ・ビームによって作られた
長寿命の通常核の励起状態からのガンマ線 + 16O 16O(SE) 16O(DE) 24Mg 24Na lifetime=15h b- 16N lifetime=7s ビームoffでのエネルギースペクトル 16O 16O(SE) 16O(DE) 24Mg e+e- 152Eu エネルギー較正に用いた四次曲線 2006/3/30 日本物理学会春季大会@松山
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エネルギー較正 線源によるエネルギー較正 ・最大1500 keV程度 高いエネルギー領域 ・ビームによって作られた
長寿命の通常核の励起状態からのガンマ線 + 四次曲線 16O 16O(SE) 16O(DE) 24Mg 24Na lifetime=15h b- 16N lifetime=7s ビームoffでのエネルギースペクトル 三次曲線 2006/3/30 日本物理学会春季大会@松山
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エネルギー較正 エネルギー較正→各Ge検出器の信号を足し合わせる 線源によるエネルギー較正 ・最大1500 keV程度 高いエネルギー領域
・ビームによって作られた 長寿命の通常核の励起状態からのガンマ線 + エネルギー較正→各Ge検出器の信号を足し合わせる Clover検出器ではCompton事象を足すことで 検出効率 1.5倍 (1.33 MeV γ線) e- g-ray Clover Sum 黒 : 足し合わせ前 赤 : 足し合わせ後 2006/3/30 日本物理学会春季大会@松山
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Hyperball2の検出効率 Total photo-peak efficiency 60Co, 152Eu線源で測定
赤線: シミュレーションから得た efficiency カーブ × : 線源を上流、中心、下流に 置いたefficiencyの平均 Total photo-peak efficiency 60Co, 152Eu線源で測定 Geant4を用いた シミュレーション Total photo-peak efficiency 5.3 % at 1.33 MeV (ビームoff 時) >Hyperball 2.5% ビームオン、オフでの相対検出効率→60Co線源で測定 beam on/beam off = 0.54 Dead Time 46% 2006/3/30 日本物理学会春季大会@松山
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Hyperball2の検出効率 Total photo-peak efficiency 60Co, 152Eu線源で測定
黒: 線源を中心に置いたとき 赤: 上流、中心、下流の平均 ×: 線源を中心に置いたとき のデータ点 ×: 上流、中心、下流の データの平均 Total photo-peak efficiency 60Co, 152Eu線源で測定 Geant4を用いた シミュレーション Total photo-peak efficiency 5.3 % at 1.33 MeV (ビームoff 時) >Hyperball 2.5% ビームオン、オフでの相対検出効率→60Co線源で測定 beam on/beam off = 0.54 Dead Time 46% 2006/3/30 日本物理学会春季大会@松山
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BGOとの反同時計測 ・コンプトン事象 ・p0崩壊による高エネルギーγ線 ・高エネルギー荷電粒子の突き抜け g Ge g p0 e- e+
ハイパー核 g Ge BGO g p0 e- e+ BGO p+ Ge BGO ・コンプトン事象 ・p0崩壊による高エネルギーγ線 ・高エネルギー荷電粒子の突き抜け バックグラウンドの低減 γ線スペクトル 黒: BGOサプレッション前 赤: BGOサプレッション後 p+トリガー 1 5 バックグラウンド BGO TDCの100nsの範囲を選択 BGO TDCスペクトル Over kill 25% (10B 718keV、ターゲット起因) 2006/3/30 日本物理学会春季大会@松山
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Summary KEK-PS、E566実験において12C(π+, K+) 反応で12ΛC, 11ΛBのγ線を測定
ΛN間有効相互作用についての情報を得ることが目的 Hyperball2の絶対検出効率は5.3%(Beam off時)であり、Dead timeやBGOの性能も含め、ほぼ期待通りのパフォーマンスを示した パート(2)で実験結果を発表する 2006/3/30 日本物理学会春季大会@松山
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予備 2006/3/30 日本物理学会春季大会@松山
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LN 間有効相互作用 SN D SL T V(r) = V0(r) + Vs(r) sN・sL + VN(r) lNL・sN
LN間有効相互作用 コア核:p-shell、L:s-shell スピン-軌道結合力 V(r) = V0(r) + Vs(r) sN・sL + VN(r) lNL・sN + VL(r) lNL・sL + VT(r) S12 テンソル力 中心力 スピン-スピン結合力 D SL T 核子-L 間平均距離での大きさを表すパラメータ これまでのHyperballグループによる 実験で得られたパラメータ D= 0.43 SN= SL= T= [MeV] 2006/3/30 日本物理学会春季大会@松山
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Present status D SΛ SN 1.44D-0.27T T 0.58D+1.41SL-1.07T
PLB 579 (2004) 258 SΛ SN D 1.44D-0.27T T 0.58D+1.41SL-1.07T 2006/3/30 日本物理学会春季大会@松山
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2006/3/30 日本物理学会春季大会@松山
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S p L 10B 基底状態二重項間の間隔 Hyperballを用いた実験値 E(2-) - E(1-) < 100keV
LSカップリングによる3相互作用 shell model calc. (Millener) N L p S with LS coupling effect w/o w/o 2- 2- 180 233 195 176 3/2- 3/2- 1- 1- 11C 9B 10LB 12LC LSカップリングの効果がもっと大きい? 12Cから情報を得る L 2006/3/30 日本物理学会春季大会@松山
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核内でのバリオンの性質変化 12LC* 10B 11LB spin-flip M1遷移確率 B(M1) L粒子の核内での g 因子
B(M1)=(2Jup+1)-1|<f low | m | fup>|2 =(2Jup+1)-1|<f low | gcoreJ+gLJL|f up>|2 =0.21(2Jlow+1)(2Jcore+1)-1(gcore-gL)2 1/t = 1.76×1013・B(M1)・Eg3 12LC* 7/2+ 10B 5/2+ 11LB 2006/3/30 日本物理学会春季大会@松山
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エネルギー較正 線源によるエネルギー校正 →最大1500 keV程度 高いエネルギー領域 →(n,n')反応による通常核の
152Eu 121.78 244.70 344.28 e+e- 511.0 778.90 964.06 24Mg 16O 高いエネルギー領域 →(n,n')反応による通常核の 励起状態からのガンマ線 7s 16N (p,n) 6128 keV 16O 2006/3/30 日本物理学会春季大会@松山
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ゲインシフト:実験初期/実験後期 黒:実験初期 赤:実験後期(黒の29日後) 2006/3/30 日本物理学会春季大会@松山
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ゲインシフト:ビームオン/オフ 黒:ビームオン 赤:ビームオフ 2006/3/30 日本物理学会春季大会@松山
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TDCによるタイミングカット K+ p+ p+ビームと同期した信号だけを選択
BH2 p+ Ge K+ Target BH2:データを取り始めるタイミングを決定(TDC start) Ge:γ線を捉えた時に信号を出す(TDC stop) p+ビームと同期した信号だけを選択 γ線のエネルギーによって 時間分解能が異なる Egによってカット幅を変更 1MeV 時間分解能 15 ns ゲート幅 75 ns 2006/3/30 日本物理学会春季大会@松山
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TDCによるカット γ線のエネルギーによって 時間分解能が違う ADCによる関数を用いたカット
TDC=p0・exp(p1・ADC)+p2+p3・ADC ガンマ線のエネルギー 時間分解能 時間ゲートの幅 200 keV 150 ns 200 ns 500 keV 60 ns 125 ns 1000 keV 15 ns 75 ns 2000 keV 10 ns 50 ns 3000 keV 7 ns 45 ns 2006/3/30 日本物理学会春季大会@松山
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BGOとの反同時計数 BGO TDCの範囲を100 nsと設定 サプレッションファクターで評価 Nbefore Sfactor=
Nafter Nbefore γ線スペクトル 黒: BGOサプレッション前 赤: BGOサプレッション後 2006/3/30 日本物理学会春季大会@松山
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