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Published byJohn Lee Modified 約 6 年前
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北海道大学・環境科学院 藤原正智 http://wwwoa.ees.hokudai.ac.jp/~fuji/
気象学入門 1.イントロダクション 北海道大学・環境科学院 藤原正智
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気象学入門: 講義内容 「天気」に関するさまざまな現象を、図や写真などを見ながら学ぶ
気象学入門: 講義内容 「天気」に関するさまざまな現象を、図や写真などを見ながら学ぶ 「気候とその変動」に関するさまざまな話題(オゾン層破壊、地球温暖化など)を、図や写真などを見ながら学ぶ 気象予報士? 「気候変動を科学する」、「地球惑星科学II」
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気象学入門: 講義内容 イントロダクション(10月3日) [10月17日:カナダ出張のため休講] 日本の四季(10月24日)
気象学入門: 講義内容 イントロダクション(10月3日) [10月17日:カナダ出張のため休講] 日本の四季(10月24日) 身近な気象現象(10月31日) 日本付近の地上天気図<演習> (11月7日) 熱帯・極域の気象現象(11月14日) 気象観測ネットワーク(11月21日) 天気予報のしくみ(11月28日)
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気象学入門: 講義内容 気象と歴史(12月5日) [12月12日:米国出張のため休講] オゾン層破壊の科学(12月19日)
気象学入門: 講義内容 気象と歴史(12月5日) [12月12日:米国出張のため休講] オゾン層破壊の科学(12月19日) 海洋学事始(12月26日) 東日本大震災と気象学(1月16日) 気候変動(1月23日) 地球温暖化の科学(1月30日) 地球温暖化の影響と対策(2月6日) 10/17(月): カナダVictoria出張のため休講 12/12(月): 米国San Francisco出張のため休講
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気象学入門: 成績評価など 成績評価 毎回最後にミニレポート(出席の確認にも使用します)
気象学入門: 成績評価など 成績評価 毎回最後にミニレポート(出席の確認にも使用します) レポート課題(1回)(2月頭〆切予定; 内容は年末(12月末)頃に予告します) 参考図書 話題に応じてその都度紹介 講義資料: (欠席時は、資料を読んでミニレポートを後日提出してください)
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台風情報について http://www.jma.go.jp/jma/index.html ×印: 現在の台風の中心位置
台風情報について ×印: 現在の台風の中心位置 赤太線: 暴風域(風速(10分間平均)が25m/s以上) 白破線: 台風中心の予報円(70%確率) 赤細線: 暴風警戒域
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地球大気の概観と気候の形成 太陽系第3惑星・地球 (地学図表、浜島書店)
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宇宙から見た地球の特徴は? 巨大な衛星、月の存在 大気の存在(青色部) H2Oの雲の存在(白色部)cf.月面
大陸とプレートテクトニクス 強い磁場の存在(内部に液体鉄) 酸素(O2 )主成分の大気 オゾン(O3)層の存在 生命の存在/人類・知性の存在 “Earth Rise” : December 1968, Apollo 8 月(38万km)上空から見た地球(アポロ8号:初の月周回)―写真右上より太陽光 < <
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地球半径: 6370 km 対流圏の厚さ: ~10 km 大気圏の厚さ: ~100 km 海洋の平均水深: ~4 km
(cf. 北海道:~400 km×400 km) 1997年8月 台風“Winnie” (スペースシャトル Discovery、高度300~500 km)
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成層圏 対流圏界面 対流圏 (2000年4月、ベトナム・ラオス・カンボジア国境付近、旅客機(高度約10km)より撮影)
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大気の温度構造 [熱圏] 数100kmにわたり極めて高温(分子運動活発) ただし、空気は希薄(気圧極低) 電離層の存在、オーロラの存在
(太陽からのプラズマ粒子が大気分子に作用) [成層圏・中間圏] オゾン層が存在し太陽紫外線を吸収 気温極大層を形成 ・雲は基本的には存在しない ・対流活動がない代わりに波動活動あり ・火星や金星にはオゾン層がない 気温極大層ない (ジャンボジェット機 ~ km) [対流圏] 気温減率 ~ 6℃/1 km 鉛直対流運動活発 雲(積乱雲)が存在 (0℃=273K) (小倉義光著、一般気象学、東京大学出版会)
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地球大気の成分 大気の主成分: N2(78.084%)、O2(20.946%): 長波放射(赤外線)と相互作用しない
アルゴンについて: 他の物質と化学反応を起こさないため、 例えば、電球のフィラメントが 焼き切れるのを防ぐために 電球の中に封入されている。 地球大気の主成分 窒素分子N2(混合比0.78、過去の火山活動により固体地球から供給) 酸素分子O2(混合比0.21、光合成を行う生物により生成) 他の地球型惑星: 火星(地表10hPa): CO2(0.93), N2(0.06) 金星(地表90,000hPa):CO2(0.96), N2(0.034) 地球大気の微量成分( H2O、CO2、O3などなど) (1)温室効果気体としての役割 長波放射(赤外線)(<->地表面・大気温度)と相互作用 -> 地球の温度構造を決める(いわゆる温室効果気体) (2)オゾン層 O3(およびO2)は太陽紫外光を吸収 -> 成層圏・中間圏(温度構造)を形成 地表生態系を保護(大気の進化と生物の進化) (3)水と雲 H2Oは地球温度環境下で活発な相変化 -> 潜熱は大気循環の駆動源のひとつ。 雲と放射の相互作用 -> 地球の温度構造 (4)大気化学 オゾン層破壊の問題、大気汚染の問題 対流圏におけるO3、NOx、CO、SO2、CH4、各種有機物等々 -> “大気汚染”(光化学スモッグ、酸性雨)、大気の酸化能(洗浄能力) -> 大気微量成分は、気候変動・環境問題において重要な役割を果たしている (北海道大学大学院環境科学院編、オゾン層破壊の科学、北海道大学出版会) 大気の主成分: N2(78.084%)、O2(20.946%): 長波放射(赤外線)と相互作用しない 大気の微量成分: 短波放射・長波放射と相互作用する、化学反応する (紫外線・可視光線・近赤外線)
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どのような物理的・化学的過程が かかわっているのだろう?
地球の気候を決める要素 どのような物理的・化学的過程が かかわっているのだろう? 温室効果の図 (北海道大学大学院環境科学院編、オゾン層破壊の科学、北海道大学出版会)
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地球の自転と公転 太陽地球間距離: 1.52×108 km 1.47×108 km
太陽地球間距離: 1.52×108 km 1.47×108 km (J. Williams, The Weather Book, 1997) 地球の自転と公転 放射(光・電磁波)の観点: 昼と夜(1日)、春夏秋冬(1年/季節) 力学の観点: コリオリ力・遠心力(渦巻運動等)、潮汐(海洋、大気) 1 day (太陽で測る1日、1年平均)= 24 h 1 sidereal day (恒星で測る1日、春分点)= 23 h 56 m s (自転)
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短波放射(太陽放射)と長波放射(地球放射)
放射=光=電磁波: 真空中を光速約3x108 m/sで進む電磁波。波動性と粒子性(“光子”)の二面性を持つ。 波長により名称・利用法等が異なる (μ=10-6, T=1012, G=109, M=106, k=103) 例: X線(レントゲン)、紫外線(日焼け)、紫外・可視・近赤外(太陽光)、赤外線(暗視カメラ、地球放射)、 マイクロ波(電子レンジ)、電波(テレビ、ラジオ、携帯電話(800MHz, 1.5GHz, . . .)) プランクの法則 物体は自分自身の温度に対応した光・放射(波長・エネルギー)を出す (色(=波長)で温度が分かる、高温ほど短波長) <例> 太陽(恒星)、白熱電球 : 紫外線~可視光線~近赤外線 人間、動植物、地球大気・地表: 赤外線 宇宙背景放射(3K)ビッグバンの名残り : マイクロ波(~1mm、~300GHz) (19世紀末、鉄鋼業の発展(溶鉱炉)やエジソンによる白熱電球の発明)
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短波放射(太陽放射)と長波放射(地球放射)
地球大気・地表系のエネルギーの源は太陽からの光である 太陽放射(短波放射): 太陽表面温度5800K (0℃=273K, 5800K~5500℃) 紫外線(<0.36μm) (μ=10-6) : O3層などにより吸収 可視光線(青:0.48μm、緑:0.53μm、赤:0.7μm): O2やN2等により一部散乱 他は地表を暖める 近赤外線(1~5μm) : H2Oなどにより一部吸収 地球からも宇宙へ光の形でエネルギーを捨てることで、 エネルギー収支を保っている(温度をほぼ一定に保っている) 地球放射(長波放射): 地表・大気温度200~300K 赤外線(5~100μm): 温室効果ガス(H2O, CO2, O3, . . .)により吸収・射出 下向き射出分の一部が再度地表を暖める(温室効果)
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地球大気・地表系のエネルギー収支 ・短波放射エネルギーのうち: 3割:雲・大気・地表面により宇宙へ反射(“散乱”)
3割:雲・大気・地表面により宇宙へ反射(“散乱”) 2割:大気(微量)成分( O3、H2O、雲、塵・ダスト・エアロゾル粒子)により吸収(大気を加熱) 5割:地表面に到達し地表面を加熱する ・大気微量成分( H2O、CO2、O3、CH4、N2O、フロンなど)や雲やエアロゾル: 赤外線を吸収・射出する性質(温室効果=赤外線閉じ込め効果)を持つ 大気からの下向き長波放射も地表面を加熱(短波放射の2倍の加熱量!) 地表温は大気がない場合よりも昇温している(-20℃ +15℃) (地学図表、浜島書店)
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大気による太陽光の散乱と空の色・雲の色 大気分子による太陽光散乱 “レイリー散乱”過程 ・強度は波長の4乗に反比例
・赤い光よりも青い光の方が 5倍近く強く散乱される 雲粒子による太陽光散乱 “ミー散乱”過程 ・波長依存性弱い 白色 大気による太陽光の散乱と空の色・雲の色 1996年9月 イタリア・ヴェネツィア (運河都市、迷路の街) 2004年12月 ミクロネシア連邦・チューク (熱帯西太平洋、グアムの南、北緯7度)
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温室効果: 大気分子による赤外線閉じ込め効果
温室効果: 大気分子による赤外線閉じ込め効果 3原子以上の分子(H2O、CO2、O3、CH4、N2O、CFCなど)は、振動・回転状態の 遷移に伴い、固有の波長の赤外放射を吸収・射出する性質を持つ 地表から出た赤外放射は、大気中の上記分子に吸収・射出を受け、一部は地表を 再度暖める(温室効果)結果的に地表温は大気がない場合よりも上昇している。 “空気塊”の図 CO2 :15μm帯 O3 :9.6μm帯 H2O :6.3μm帯、回転帯(>10μm) (北海道大学大学院環境科学院編、オゾン層破壊の科学、北海道大学出版会)
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オーロラ(極光) “Aurora Oklahoma” “Dueling Auroras” (Yukon, Canada)
高度: 最頻110 km、400~700 kmあたりまで 地域: 両極地方の磁気緯度65~70度付近で最頻(“オーロラ帯”) 色 : 酸素原子の緑(557.7 nm)、電離窒素分子の青 (427.8 nm)、酸素原子の赤(630.0 nm) オーロラ帯においては、緑色の“カーテン”オーロラ 太陽活動度(11年周期;2013年前後に極大だったが以前と比べて低い)が高い時には、北海道(陸別町)でも(ぼんやりとした)赤いオーロラが見える “Dueling Auroras” (Yukon, Canada)
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オーロラ(極光) 南極昭和基地上空を舞うオーロラ(魚眼レンズにて撮影)
南緯69.0度、東経39.6度、インド洋側の東オングル島(沖合い4 km) 磁気緯度も南緯70度程度でありオーロラ帯の真下に位置する 1957年建設、以降、測地・地質・氷床・氷床コア・海洋・気象・オーロラ・ 隕石・陸上/海洋生物・医学等、様々な研究調査。現在第57次隊。 [ ]
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オーロラ(極光) “Aurora from Space” International Space Station
(ISS、国際宇宙ステーション) アメリカ、日本、カナダ、ヨーロッパ 各国、ロシアの共同計画 各種実験研究を行う有人施設 1984年米国提案 1998年建設開始 2009年日本実験棟「きぼう」完成 “Aurora from Space” 国際宇宙ステーション(カナダ上空;高度330~480 km) から見たカーテンオーロラ (手前の円地形はカナダ北部のManicouagan Impact Crater)
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1. 太陽風(黄色)は電荷を帯びた希薄な気体(プラズマ)で、太陽表面から常時400km/s程度の高速で噴き出している
These images are taken from a computer animation illustrating the Earth's space storm shield in action. The solar wind, a thin, high-velocity electrified gas, or plasma, blows constantly from the Sun at an average speed of 250 miles per second (400 kilometers/sec). It is represented in Image 1 as a stream of yellow particles flowing from the Sun. The solar wind impacts the Earth's magnetic field, represented by the blue lines in Image 2. As the solar wind flows past the Earth's magnetic field, it generates enormous electric currents that heat Earth's space storm shield -- a layer in the Earth's electrically charged outer atmosphere (ionosphere) -- causing the shield to eject electrically charged oxygen atoms (oxygen ions) into space. The expelled oxygen ions are represented by the green particle streams in Image 3. The ejected oxygen ions gain tremendous speed as they leave the atmosphere, become trapped by the Earth's magnetic field and ultimately encircle the Earth, where they form a billion-degree plasma cloud around the planet, represented by the red cloud in Image 4. The blue doughnut shape in Image 4 represents the high-speed flow of these particles around the Earth. The red "ring of fire" around the Earth's polar regions represents the contribution of the particles to the aurora (the northern and southern lights). ( accessed) (コンピューター・アニメーション) (“Magnetic Fields” by NASA/Goddard Space Flight Center Conceptual Image Lab) 1. 太陽風(黄色)は電荷を帯びた希薄な気体(プラズマ)で、太陽表面から常時400km/s程度の高速で噴き出している 2. 太陽風が地球磁気圏(青線が磁力線を表す)に衝突すると、次々と磁力線のつなぎ替えが生じる 3. この時巨大な電流が生じて電離層が加熱され、イオン化した酸素原子(緑色)が高速で(地球の重力を振り切って) 宇宙空間へ排出される 4. しかし、地球磁場に捕捉されているため最終的には地球を囲むような高温のプラズマ雲(赤色)を形成する (青いドーナツ状の領域は、高速プラズマ流を表す) 5. 極域のリング状の“火”は、このようなプラズマ粒子によるオーロラの形成を示す
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気象学入門 1.イントロダクション 気象学入門:イントロダクション 地球大気の概観と気候の形成 地球の気候を決める要素 オーロラ(極光)
「ミニレポート」: 今日の日付( )、所属学部・学科等、学籍番号、氏名 大学入学の動機、興味あること、その他 講義資料(PowerPoint/PDF)
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地球の気候を決める 基本定数および物理・化学過程
太陽定数(太陽表面温度、地球・太陽間距離(地球公転軌道)) 地球公転速度、地球自転軸と公転面の傾き(“地球軌道要素”) 地球半径・質量、自転速度 重力とコリオリ力(転向力) 大気総量、大気組成(温室効果気体、エアロゾル、雲) 気温気圧分布(大気安定度)、水蒸気量(潜熱)、粘性(乱流) 地表面状態(海陸、植生、雪氷等の分布 放射的、熱的、力学的特性) 大気海洋相互作用、大気陸面(生物圏含む)相互作用、 大気雪氷相互作用、海氷海洋相互作用 海洋深層循環 火山噴火、隕石衝突… 気候変動には様々な周期成分がある 様々な過程・“外力”変動が関わっている 地球軌道要素/太陽定数: (例えば)数万年~数十万年、他様々 海洋深層循環(熱塩循環): (例えば)数百年~数千年~数万年 大気海洋(海表)相互作用、大気陸面相互作用: (例えば)数年~数十年 温室効果気体の変動: (例えば)数十年~数億年
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