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各構造物の詳細点検結果 (津波) 平成26年2月5日 資料4 平成26年2月5日(水)15:00~

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1 各構造物の詳細点検結果 (津波) 平成26年2月5日 資料4 平成26年2月5日(水)15:00~
第7回南海トラフ巨大地震土木構造物耐震対策検討部会 各構造物の詳細点検結果 (津波) 平成26年2月5日

2 施設点検目次(津波) 4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果

3 拡大 4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 【対象橋梁】 浸水区域内の広域緊急交通路に架かる橋 大阪臨海線・泉佐野岩出線 ⇒ 24橋
4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 【対象橋梁】 浸水区域内の広域緊急交通路に架かる橋 大阪臨海線・泉佐野岩出線 ⇒ 24橋 ○道路施設の津波に関する詳細耐震点検は、これまでの部会でお示ししたように浸水区域内に架かる24橋を対象に実施します。 拡大 3

4 4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 ■1次照査(浸水橋梁の抽出 現況桁下高) 【大阪府最大津波高により照査】 対象橋梁24橋中、
4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 ■1次照査(浸水橋梁の抽出 現況桁下高) ○これまでの部会では一次スクリーニングの結果、10橋が津波の影響を受ける橋梁とご説明しておりましたが、 【大阪府最大津波高により照査】  対象橋梁24橋中、  10橋が津波の影響を受ける。 4

5 ■1次照査(浸水橋梁の抽出 広域地盤沈降考慮)
4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 ■1次照査(浸水橋梁の抽出 広域地盤沈降考慮) ○広域地盤沈降の影響を考慮した結果、3橋増えて13橋が津波の影響を受ける橋梁となりました。 【広域地盤沈降考慮後】  対象橋梁24橋中、  13橋が津波の影響を受ける。 5

6 上記により、 ①助松橋、②新川大橋、③大道橋の 代表3橋を照査対象として抽出した。
4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 ■二次照査橋梁のグルーピング 【グルーピングの着眼点】 1.橋梁形式(単径間or多径間) 2.河口の状況(河口からの距離、障害物など) 3.浸水量(大小)  ○対象橋梁に対してグルーピングを行い、3橋を抽出して三次元解析を実施します。 上記により、 ①助松橋、②新川大橋、③大道橋の 代表3橋を照査対象として抽出した。  6

7 4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 ■津波波形の選定(解析条件) 内閣府の対象地震11ケースのうち、
4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 ■津波波形の選定(解析条件) 内閣府の対象地震11ケースのうち、 大阪府下に与える影響の大きい4つのケース(3, 4, 5, 10 ) を選定 【内閣府の対象地震の条件】 ・ケース3 : 「紀伊半島沖~四国沖」に「大すべり域+長大すべり域」を設定 ・ケース4 : 「四国沖」に「大すべり域+長大すべり域」を設定 ・ケース5 : 「四国沖~九州沖」に「大すべり域+長大すべり域」を設定 ・ケース10 : 「三重県南部沖~徳島県沖」と「足摺岬沖」に「大すべり域+長大すべり域」 【大阪府の津波シミュレーション条件】 ○三次元解析の津波データは、二次元解析の12ケースのうち津波水位が最大となる条件を解析に用います。 よって、 対象地震4×堤防等3条件=12ケースの 最大となる条件を解析に用いる。 7

8 【津波波形の選定】 ◆助松橋 : 津波ケース3、堤防条件3を選定 ◆新川大橋 : 津波ケース3、堤防条件3を選定
4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 ■津波波形の選定(解析結果:津波水位) ○ご覧の条件で三次元解析を実施します。 【津波波形の選定】  ◆助松橋  : 津波ケース3、堤防条件3を選定  ◆新川大橋 : 津波ケース3、堤防条件3を選定  ◆大道橋  : 津波ケース4、堤防条件1を選定 8

9 ■三次元解析手法(CADMAS-SURF/3DとOpenFOAM)の比較
4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 ■三次元解析手法(CADMAS-SURF/3DとOpenFOAM)の比較 ○三次元解析は、水と空気の2相流を考慮できる有限体積法によるOPEN FOAM(オープンフォーム)により解析を行います。 ○本解析手法については、以前の部会において道奥委員より妥当性について確認して頂いたところです。 9

10 ■メッシュ数とメッシュサイズ 4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果
4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 ■メッシュ数とメッシュサイズ ○こちらは、助松橋の例ですが、水域層と空気層で約1,100万メッシュに分割しております。 10

11 ■境界条件(造波境界と放射境界) 4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 放射境界の説明: 波は透過
4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 ■境界条件(造波境界と放射境界) 造波境界 反射した波は透過 水位と流速を与える 放射境界 放射境界の説明: ・放射境界面に対して法線方向の流速成分だけ水が放出される. ・その成分の流速がなければ,水位が高くてもこぼれない(水位が保たれる). 波は透過 ○こちらは解析の境界条件で、造波境界は河口部付近とし二次元解析の水位と流速を与えており、その他の境界は放射境界としております。

12 三次元解析の設定条件 ■三次元解析に用いる津波データ ■解析開始時刻と終了時刻 ① 災害対策等検討部会(危機管理室)から提供を受けた
4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 三次元解析の設定条件 ■三次元解析に用いる津波データ ① 災害対策等検討部会(危機管理室)から提供を受けた  10mメッシュ津波データ(二次元解析)を用いる。 ② 河口部(解析範囲の一番海側)の津波流速・水位  データを入力データとする。 ■解析開始時刻と終了時刻 ③ 解析開始時刻は、引き波開始時の水位を、押し波が  超える時刻とする。 ④ 解析終了時刻は、津波高さが最大となる時刻から  数分経過した時刻とする。 ○解析に用いる津波データは①危機管理室から提供を受けた二次元解析の結果を用いております。 ○②二次元解析では河川幅が10m以下の河川がモデル化されていないため、河口部のデータを入力データとしております。 ○後程、解析結果の評価を行う際にも二次元解析で河川がモデル化されている場合とされていない場合とで考え方が異なります。 ○三次元解析の開始・終了時刻については、前回の部会でご説明させて頂いた通りです。 12

13 ⇒ 橋梁に最も影響を与える条件で解析を実施
4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 ■河川堤防等および水門の条件 ⇒ 橋梁に最も影響を与える条件で解析を実施 河川堤防等: 津波による水量が最も多く河川を遡上するように、液状化による沈下や破壊は考慮せず、健全な状態で解析を実施 助松橋 水 門: 反射波の影響を受ける方が橋梁に作用する波力は大きくなると考えられるため、橋梁の山側の水門は閉鎖された条件で解析を実施 水門 ○河川堤防等および水門は、橋梁が最も津波の影響を受ける条件で解析を実施しています。 助松橋 河川堤防

14 ■助 松 橋 4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 ○それでは、三次元解析の結果についてお示しさせて頂きます。
4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 ■助 松 橋 ○それでは、三次元解析の結果についてお示しさせて頂きます。 ○こちらは「助松橋」の入力波形です。

15 4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 三次元解析の結果【助松橋】 水門閉鎖 【助松橋】 海側 (P1) 陸側 (P2)
4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 【助松橋】 大阪臨海線 三次元解析の結果【助松橋】 水門閉鎖 海側 (P1) 陸側 (P2) 水門閉時 水門閉時 水門閉時 水門閉時 ○こちらが、陸側の水門を閉鎖した状態での「助松橋」の解析結果です。 ○グラフの左上が「水位」、左下が「流速」、右上が「上揚力」、右下が「水平波力」です。 15

16 三次元解析による流出判定【助松橋】 水門閉鎖
4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 大阪臨海線 三次元解析による流出判定【助松橋】 水門閉鎖 ■橋梁上部構造重量【Wd】  ・海側(北行):9,843 kN/橋  ・陸側(南行):9,746 kN/橋 橋梁重量 ■上揚力による浮上り判定【Wd/Fz】  ・海側(北行):9,843/11,713   =0.84 <1 ・・・NG  ・陸側(南行):9,746/10,528   =0.93  <1 ・・・NG ○流出判定ですが、橋梁の上部構造重量、約9800kNに対して、 ○鉛直方向に働く上揚力は1万kNを超えていますので、上部構造が浮き上がります。 ○水平波力は小さいですが、上部構造が浮き上がっている状態ですので、摩擦抵抗が無くなり、水平方向の力が加わることで流出することになり、NGとの判定となりました。 ■水平波力による流出判定【(Wd-Fz)μ/Fx】  ・海側(北行):(9,843-11,713)×0.6/173   =-6.49 <1 ・・・NG  ・陸側(南行):(9,746-10,528)×0.6/ 78   =-6.02 <1 ・・・ NG 16

17 4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 三次元解析の結果【助松橋】 水門開放 【助松橋】 海側 (P1) 陸側 (P2)
4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 【助松橋】 大阪臨海線 三次元解析の結果【助松橋】 水門開放 海側 (P1) 陸側 (P2) ○「助松橋」については水門が開いている条件も解析しました。 ○最大水位は水門を閉じている場合は5m程度でしたが水門を開いているときには、右上の図のとおり、4m程度と、水門を閉めることによって1m程度水位上昇することがわかります。 ○また、流速も水門が閉じている場合には0.6m毎秒程度でしたが、毎秒2m程度と水門が開くことで早くなります。 ○上揚力は5500kN程度で、水門が閉じられた場合の約1/2となっています。   これは、水門が閉じられた場合の水位と比べて水位が低いことによるものと考えられます。 ○水平波力は最大で45kNと軽微です。 17

18 三次元解析による流出判定【助松橋】 水門開放
4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 三次元解析による流出判定【助松橋】 水門開放 ■橋梁上部構造重量【Wd】  ・海側(北行):9,843 kN/橋  ・陸側(南行):9,746 kN/橋 橋梁重量 ■上揚力による浮上り判定【Wd/Fz】  ・海側(北行):9,843/5,488   =1.79 >1 ・・・OK  ・陸側(南行):9,746/4,552   =2.14  >1 ・・・OK ○これらの解析結果を基に行った水門が開いている場合の「助松橋」の流出判定の結果、上部構造の浮き上がり、流出ともにOKとなりました。 ■水平波力による流出判定【(Wd-Fz)μ/Fx】  ・海側(北行):(9,843-5,488)×0.6/25   =104.5 >1 ・・・OK  ・陸側(南行):(9,746-4,552)×0.6/45   =69.3 >1 ・・・ OK 18

19 4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 ■新 川 大 橋 ○次は前回部会でお示しできなかった、新川大橋です。

20 4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 三次元解析の結果【新川大橋】 【新川大橋】 海側 (P1) 陸側 (P2)
4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 海側 (P1) 陸側 (P2) 【新川大橋】 三次元解析の結果【新川大橋】  ○これは、「新川大橋」の結果で、グラフの配置などは先ほどと同様です。 20

21 4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 三次元解析による流出判定【新川大橋】 ・海側(北行):9,066 kN/橋
4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 三次元解析による流出判定【新川大橋】  ■橋梁上部構造重量【Wd】  ・海側(北行):9,066 kN/橋  ・陸側(南行):9,066 kN/橋 橋梁重量 ■上揚力による浮上り判定【Wd/Fz】  ・海側(北行):9,066/5,428   =1.67 >1 ・・・OK  ・陸側(南行):9,066/5,772   =1.57  >1 ・・・OK ○「新川大橋」の流出判定ですが、上部構造重量が上揚力を上回るため、流出は生じません。 ■水平波力による流出判定【(Wd-Fz)μ/Fx】  ・海側(北行):(9,066-5,428)×0.6/87   =25.1 >1 ・・・OK  ・陸側(南行):(9,066-5,772)×0.6/68   =29.1 >1 ・・・ OK 21

22 4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 ■大 道 橋 ○最後に大道橋です。

23 4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 三次元解析の結果【大道橋】 【大道橋】 【大道橋】 海側 (P1) 陸側 (P2) ○ 23
4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 【大道橋】 【大道橋】 海側 (P1) 陸側 (P2) 大阪臨海線 三次元解析の結果【大道橋】 23

24 4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 三次元解析による流出判定【大道橋】 ・海側(北行):3,582 kN/橋
4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 大阪臨海線 三次元解析による流出判定【大道橋】 ■橋梁上部構造重量【Wd】  ・海側(北行):3,582 kN/橋  ・陸側(南行): 3,582kN/橋 橋梁重量 ■上揚力による浮上り判定【Wd/Fz】  ・海側(北行):3,582/3,092   =1.16 >1 ・・・OK  ・陸側(南行):3,582/3,509   =1.02  >1 ・・・OK ○前回報告どおり、上部構造の浮き上がり、流出ともにOKとなりました。 ■水平波力による流出判定【(Wd-Fz)μ/Fx】  ・海側(北行):(3,582-3,092)×0.6/37   =7.95 >1 ・・・OK  ・陸側(南行):( 3,582-3,509)×0.6/ 43   =1.02 >1 ・・・OK 24

25 解析の結果、助松橋(水門閉鎖)において、上揚力が上部構造重量を上回り、上部構造が浮上ることが確認された。
4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 三次元解析の結果(まとめ) ○こちらが、三次元解析の結果をまとめたものです。 ○水門を閉鎖した場合の助松橋だけが、上部構造が浮き上がる結果となりました。  解析の結果、助松橋(水門閉鎖)において、上揚力が上部構造重量を上回り、上部構造が浮上ることが確認された。

26 ■助松橋の考察 4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 ・鉛直方向の上揚力と上部構造重量がつり合うときの浮力の 関係から浮上り量を求める。
4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 ■助松橋の考察 ・鉛直方向の上揚力と上部構造重量がつり合うときの浮力の  関係から浮上り量を求める。 ・「鉛直波力c(上揚力a-浮力b)」=「上部構造重量d-浮力e」 となる浮力eを求める。 (※三次元解析から得られる上揚力は、鉛直波力+浮力である) ○浮き上がりが生じる助松橋に対して流出、つまり水平方向への移動が生じるかを検証しました。 ○まずは、上揚力と上部構造重量が釣り合う条件から、桁の浮き上がり量を求めます。 ○三次元解析の上揚力(a)から桁が水没した時の浮力(b)を差し引いて、津波による鉛直波力(c)を求めます。 ○上部構造重量(d)と鉛直波力(c)+浮力が等しくなるように、浮力(e)を求めた結果、7,900kNで両者が釣り合う結果となりました。

27 ■助松橋の考察 ・次に、釣り合う浮力(e)=7,902kNとなる浸水深を算定。 4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果
4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 ■助松橋の考察 ・次に、釣り合う浮力(e)=7,902kNとなる浸水深を算定。 ○釣り合う浮力から、浸水深を算定したところ、1.17mとなりました。

28 ■助松橋の考察 4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 ・上部構造の浮上り量=津波水位(4.99m)-浸水深(1.170m)
4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 ■助松橋の考察 ・上部構造の浮上り量=津波水位(4.99m)-浸水深(1.170m)                -浮上り前桁下高さ(3.376m)= 0.444m ○津波水位から浸水深を引いた浮き上がり後の桁下高と、浮き上がり前の桁下高と比べた結果、約44cmの浮き上がりが生じることがわかりました。 浮上り量

29 ■助松橋の考察 ・下図のとおり、耐震補強(落橋防止工事)を予定しており、 アンカーバー(0.60m)>桁浮上り量(0.444m) となり、
4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 ■助松橋の考察 ・下図のとおり、耐震補強(落橋防止工事)を予定しており、  アンカーバー(0.60m)>桁浮上り量(0.444m) となり、  上部構造は浮上がるものの、流出しないことが確認された。 根入れ長 600mm ○助松橋は、来年度から予定している耐震補強工事で水平方向の移動を防止するアンカーバーを設置する予定です。 ○このアンカーバーは下部構造に固定され、上部構造と一体化した横桁をかぶせたような構造となっているため、 ○上部構造が上向きに変位する場合には抵抗しないが、水平方向に変位する場合に抵抗します。 ○浮き上がり量44cmに対して、アンカーバーの根入れ長が60cmありますので、上部構造の浮き上がりは生じるものの、流出は防ぐことができます。

30 ■津波流速は 0.6~1.9m/s と緩やかであり、上部構造に 作用する水平波力は43~173kNと軽微である。
4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 大阪臨海線 三次元解析の結果 ■津波流速は 0.6~1.9m/s と緩やかであり、上部構造に  作用する水平波力は43~173kNと軽微である。 ■浮力ならびに水位上昇に伴う上揚力が3,509~11,713kN  と大きく、上部構造重量を上回る橋梁がある。 他橋梁への適用検討 ■橋梁に作用する力が支配的な上揚力に着目する。   (※解析で得られる上揚力=鉛直波力+浮力) ■単位面積当たりの鉛直波力を基に、次の着眼点に   より関連性を検討した。 ○三次元解析の結果、水平波力は軽微ですが、浮力を含めた上揚力が大きく働くことが判りました。 ○この結果をもとに、三次元解析を実施しないその他の橋梁への津波の影響を検証するために、橋梁に作用する力が支配的な上揚力に着目しました。 ○解析で得られる上揚力から浮力の影響を除いた鉛直波力を単位面積当たりに換算し、浸水深、流速、水位上昇率との関連性を検討しました。 ①浸水深、 ②流速、 ③水位上昇率 30

31 考 察 ■鉛直波力(単位面積当たり)との関連性の検討 4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 ■2D解析結果からデータが
4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 ■鉛直波力(単位面積当たり)との関連性の検討 ①浸水深との関係 ②流速(鉛直方向)との関係 助松橋 新川大橋 ③水位上昇率との関係 考 察 ■2D解析結果からデータが  得られる「浸水深との関係」を   参考とし、他橋梁の照査を行う。 ○それぞれの関係をグラフに表したものがこちらになります。 ○どの手法においても、明確な相関性を示すものはありませんが、二次元解析からのデータ抽出が比較的容易で、 ○津波鉛直方向作用力と一定の関係性があると思われる浸水深との関係を参考として、他橋梁の照査を行いました。 ○なお、相関関係の信頼性が低いため、安全側となるように最大値を用いて照査を行っております。 ■安全側となるよう、  最大値を用いて照査を行う。 31

32 ■三次元解析結果の整理(水位) 考 察 4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果
4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 ■三次元解析結果の整理(水位) ○浸水深との関係を用いて照査を行いますので、二次元解析と三次元解析のそれぞれの水位について比較すると、 ○助松橋のように二次元解析において河川がモデル化されている場合、水門の影響がなければ二次元解析と三次元解析の水位は同程度となります。 ○一方、新川大橋や大道橋のように二次元解析で河川がモデル化されていない場合は、水門の影響を含めて、二次元解析の河口部付近の水位に比べて ○三次元解析の橋梁位置での水位は0.6m程度高くなっております。 考 察 2D河川モデル化のとき、水門開閉の影響がなければ2Dと3Dの水位は同程度(水門開閉の影響による水位上昇は1m程度)。 2D河川非モデル化のとき、水門開閉の影響を含めて水位上昇は0.6m程度。

33 すべての橋梁において、30cm程度の部分浸水に留まる。
4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 ■浸水深の試算(河川モデル化橋梁) 【推定条件】  ① 2D河川モデル化橋梁はすべて水門がないため、   橋梁位置の水位は2D橋梁部水位と同等とする。 ○これらの整理を踏まえて、解析を実施していない橋梁の浸水深を推定します。 ○まず、二次元解析で河川がモデル化されている橋梁は、二次元解析の結果をそのまま採用します。 ○該当する3橋について、すべて30cm程度の部分浸水となることがわかりました。 すべての橋梁において、30cm程度の部分浸水に留まる。

34 (ただし、路面標高と2D解析河口水位の高い方を上限とする)
4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 ■浸水深の試算(河川非モデル化橋梁) 【推定条件】  ② 2D河川非モデル化橋梁は、水門の影響も含み、   2D河口部水位+1.0mとする。  (ただし、路面標高と2D解析河口水位の高い方を上限とする) ○次に、二次元解析において河川がモデル化されていない4橋についての結果です。 ○二次元解析の河口部付近の水位に対して、三次元解析の結果によると+0.6mでしたが、安全側をみて最大となる1.0mを加算して橋梁位置での水位を推定しますが、 ○上限を路面標高と二次元解析河口水位の高い方とします。 ○これは、津波水位が広域的な二次元解析の結果を上回ることはないためであり、 ○また、津波水位が路面標高よりも低い場合、路面高を津波水位が超えると越水し、それ以上水位上昇が生じないためである。 ○推定の結果、すべての橋梁が完全に水没します。 すべての橋梁において、完全に水没する。

35 ■水没橋梁に対する上揚力の試算 鉛直波力は、最大となる助松橋の応力度を用い、 各橋梁の浸水深に応じた浮力を加えて想定上揚力とする。
4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 ■水没橋梁に対する上揚力の試算 鉛直波力は、最大となる助松橋の応力度を用い、 各橋梁の浸水深に応じた浮力を加えて想定上揚力とする。 ○浸水深から、最大値である助松橋の鉛直波力応力度を用いて、三次元解析を実施しない各橋梁の想定上揚力を計算します。

36 上揚力が上部構造重量を下回り、浮上りは生じない。
4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 ■浮上り・流出の判定 ○検討結果がこちらになります。 ○Qの欄の浸水率を基に、助松橋の鉛直波力応力度の推定式に当てはめて、Sの欄の想定鉛直波力を計算します。 ○この想定鉛直波力にLの欄の浮力を足したTの欄の想定上揚力と上部構造重量と比較したものがVの欄の安全率となります。 ○すべての橋梁において浮き上がり判定がOKとなりますが、念の為、安全率に余裕がない緑川橋と堅川橋の2橋に対して、現地の状況を確認しました。 すべての橋梁において、 上揚力が上部構造重量を下回り、浮上りは生じない。 安全率に余裕がない橋梁は、現地の状況を確認。

37 ■緑川橋(PC単純プレテン床版橋 L=7.3m)
4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 ■緑川橋(PC単純プレテン床版橋 L=7.3m)  河川護岸の天端コンクリートが桁端部に掛かっており、流出が抑止できる構造となっている。 ○こちらは緑川橋です。 ○緑川橋は河川護岸の上にコンクリート突起が設置されており、仮に上部構造が浮き上っても、突起が干渉して流出を抑止できる構造となっております。 桁下より 桁上より 37

38 ■堅川橋(PC単純プレテンT桁橋 L=11.5m)
4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 ■堅川橋(PC単純プレテンT桁橋 L=11.5m)  河川護岸と橋梁間の間詰めコンクリートが桁端部に 掛かっており、流出が抑止できる構造となっている。 ○こちらは堅川橋の現地写真です。 ○河川護岸と橋梁の間に間詰めコンクリートが設置されており、緑川橋と同様に流出が抑止できる構造となっております。 38

39 道路橋の津波照査(まとめ) 4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 ○検討結果をまとめますと、
4-1 道路施設(橋梁)の詳細点検結果 道路橋の津波照査(まとめ) ○検討結果をまとめますと、 ○三次元解析を実施した6橋については、水平波力が軽微であるが、上揚力が大きいため、上部構造の浮き上がりが生じる橋梁がありましたが、 ○該当橋梁のアンカーバーの根入れ長が浮き上がり量以上に確保されているため、流出が抑止されることが確認できました。 ○また、三次元解析を実施しない7橋について、二次元解析の水位を基に上揚力の推定を行いました。 ○完全に水没する橋梁があるものの、浮き上がりが生じる橋梁はなく、 ○念の為、浮き上がりに対して余裕が少ない橋梁について、現場の状況を確認したところ、桁の流出が抑止される構造であることが確認できました。 ○したがって、道路橋の津波照査の結果は、浮き上がりが生じる橋梁が一部であるものの、水平方向の流出を抑制できる構造となっているため、 ○津波に対してあらたな対策は不要であることがわかりました。 ○以上で、道路施設の報告を終わります。


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