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2.5MeV単色中性子に対する TGCの動作特性の研究
2005年 9月 15日 喜家村裕宣、越智敦彦(神戸大) 大下英敏、竹下徹(信州大) 岩崎博行、田中秀治(KEK) 金子純一(北大) 落合健太郎、中尾誠(原研FNS) 他ATLASTGCグループ
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目次 目的 研究項目 実験セットアップ 実験結果 まとめと考察 中性子感度 出力電荷量 放電レート 2.5MeVと14MeV CO2とCF4
2005/9/15
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目的 ATLAS実験でTGCは、 数kHz/cm2の中性子バックグラウンドに曝されることが予想される。 中性子によるTGCへの影響
問題になるのは数MeVの中性子。 中性子入射により、陽子や原子核がはじき出され、TGC内に大きなエネルギーを落とし、大きなパルスを作る。 → TGCの安定動作への悪影響 (放電、早期劣化など)が懸念される。 TGCs いきなり、最初に「…のシミュレーションは行われている」とあるのはおかしい。 この実験の意義として、まずは、数MeVの中性子がTGCに対して大きなシグナルを 生成することについて言及するべき。その上で、 ・実際のATLASでは、連続したスペクトルの中性子がBGとして数KHz/cm^2で来ること。 ・14MeVの単色中性子に対する測定はあったが、他のエネルギーでの測定結果が必要。 ・2.5MeVの単色中性子であれば、発生が比較的容易であること ・これまでのシミュレーションから、TGCの内壁の影響について 14MeVと2.5MeVの間で 大きな差があること ・よって、2.5MeVにおける動作測定を行うことで、ATLASの連続スペクトル中性子 に対する動作特性について知見を与えること これらが、本研究の意義であることを言わなければならない。 ATLAS検出器 1/4図 → 中性子に対する動作特性の研究が必要。 2005/9/15
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シミュレーション結果 中性子のエネルギー ガスの混合比、種類 を変えて調査。 過去に行われたシミュレーションの結果から、 4MeV付近を境に
中性子感度(シミュレーションデータ) FR4 過去に行われたシミュレーションの結果から、 4MeV付近を境に 中性子との反応により陽子、 原子核を出す主な物質が変わる ことが示されている。 GAS Ref: H. Nanjo, et al., Nucl. Instr. and Meth. A543(2005) 441 中性子のエネルギー ガスの混合比、種類 を変えて調査。 2005/9/15
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研究項目 中性子エネルギーに対する依存性 ガススタディ 2004年9月に行った14MeVの中性子による測定結果
を比較し、様々なエネルギースペクトルの中性子に 対するTGCの動作特性の研究を行う。 ガススタディ ATLAS実験で使用されるCO2+n-Pentane クエンチ能力の高いCF4+n-Pentane を用いて、各ガスの中性子に対する耐性の研究を行う。 2005/9/15
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測定項目 中性子感度 出力電荷量 放電レート (信号を形成した中性子の数)/(入射した中性子の数) 中性子による出力電荷量データの取得。
出力電荷量分布の研究。 放電レート 中性子入社時のTGCのカレント状態の把握。 2005/9/15
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実験セットアップ 日本原子力研究所FNSにて。 (FNS=Fusion Neutronics Source)
D-D反応により2.5MeV単色中性子を照射。 → 中性子の他にγも出る。 発生した中性子数は常時モニター。 実験の模式図で、左上が中性子源であることをきちんと書くべし。 反応名 反応式(単位はMeV) D-D反応 D + D → 3He(0.82)+ 1n(2.45) 2005/9/15
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写真 ターゲット TGC 2005/9/15
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測定結果 2005/9/15
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中性子感度 シミュレーションの値とほぼ合っている。
縦軸:中性子感度(%) ガス混合比:55:45 Simulation: CO2+n-Pentaneのシミュレーションデータ シミュレーションの値とほぼ合っている。 14MeVと2.5MeVのどちらのエネルギーについても、ガスの違いによる顕著な差は見られなかった。 2005/9/15
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出力電荷量分布① ガス:CO2+n-Pentane(55:45) 横軸:出力電荷量(pC) 縦軸:イベント数
2.5MeV-3.0kV 14MeV-3.0kV 14MeV-3.3kV 2.5MeV-3.3kV γ n 横軸:出力電荷量(pC) 縦軸:イベント数 中性子のエネルギーへの依存性の研究。 γと中性子のピークがはっきりと区別できる。 ガスゲインを変えても、 分布にほとんど差はない。 中性子のエネルギーが 5.6倍違っても、 出力電荷量にはほとんど 差がない。 → 中性子信号はすでに サチュレートしている。 ガス:CO2+n-Pentane(55:45) 2005/9/15
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出力電荷量分布② 横軸:出力電荷量(pC) 縦軸:イベント数 ガスへの依存性の研究。 CF4ベースのガスの方が、
2.7kV 3.0kV CO2+n-Pentane(55:45) CF4+n-Pentane(55:45) 横軸:出力電荷量(pC) 縦軸:イベント数 ガスへの依存性の研究。 CF4ベースのガスの方が、 中性子に対する出力電荷量が小さい。 中性子信号がCO2ベースのガスに比べて早くサチュレートする。 → 中性子による大きなパルス が出にくい。 このページに、グラフだけでなく、ちょっとしたコメントも書いたほうが良い。 2005/9/15
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出力電荷量 CF4ベースのガスの方が、CO2ベースのガスより中性子に対する出力電荷量が小さい。
MIPに対する出力電荷量はCO2、CF4に差はない。 中性子に対する出力電荷量は、MIPに対する出力電荷量の CO2で約70倍、CF4で約30倍。 2005/9/15
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放電レート TGCに流れるカレントを100Hzでモニター。 記録したデータの中で、3uAを超える電流が流れた回数をカウント。
HV Voltage Current Monitor Sample まとめ、考察などがないとコメントしようが無いので、至急よろしく。 具体的には、 ・シミュレーションとの一致の具合 ・ガスを変えた場合についての言及(パルス高などを含めて) ・ATLASでどれだけの影響が出るか などについて、まとめてもらえると良いと思います。 2005/9/15
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放電レート① CO2+n-Pentaneを流入したときの、2.5MeVと14MeVでの放電レート 放電なし 2005/9/15
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放電レート② CF4+n-Pentaneを流入したときの、2.5MeVと14MeVでの放電レート 2005/9/15
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放電レート③ 2.5MeVでの各ガス流入時の放電レート 2005/9/15
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放電レートのまとめ 中性子エネルギーが低い方が、放電が起こりにくい。 CO2ベースのガスより、CF4ベースのガスの方が放電が起こりにくい。
実験を通して、トリップするほど大きな放電はなかった。 放電レートはどのガスをとっても小さく、 実験本番では問題ないと思われる。 2005/9/15
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まとめと考察 原研FNSにおいて、2.5MeVの単色中性子を用いて、TGCの中性子照射実験を行った。 中性子感度 出力電荷量分布 放電レート
エネルギー依存性はシミュレーションにほぼ一致。 ガスにはほとんど依存しない。 出力電荷量分布 2.5MeV、14MeVで大きな違いは見られない。 → 中性子による出力電荷量はサチュレートしている。 CF4ベースのガスの方が、中性子に対する出力電荷量は早く サチュレートする。 放電レート 中性子のエネルギーに依存する。 CO2に比べ、CF4ベースのガスの方が放電が少ない。 放電レートはどちらのガスでも非常に小さく、中性子による放電は 実験本番では問題ない。 2005/9/15
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おわり 2005/9/15
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