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T型量子細線レーザーの利得測定と 多体理論計算との比較 秋山研 助教 吉田正裕 Outline: 1. 背景と目的

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1 T型量子細線レーザーの利得測定と 多体理論計算との比較 秋山研 助教 吉田正裕 Outline: 1. 背景と目的
秋山研 助教 吉田正裕 Outline: 1. 背景と目的 2. T型量子細線レーザー試料構造 3. 利得スペクトル測定 4. 実験結果‥‥光学利得のキャリア密度依存性 5. 多体理論計算との比較 (+ 気になる点) 6. まとめ

2 研究背景と目的 半導体量子細線レーザー 自由キャリア理論に基づく、バンド端状態密度先鋭化による   レーザー性能向上の予測      低閾値、高微分利得、特性温度の向上 ... M. Asada他(1985), Y. Arakawa他(1982)  一次元における強いクーロン相互作用      励起子効果の増大、状態密度発散の抑制 ... T. Ogawa他(1991).      クーロン相互作用を取り込んだ多体理論計算による利得スペクトル                                         ... Huaiさん発表 しきい値近傍での利得増強効果 高密度での利得ピーク抑圧効果 本研究では、  高品質なノンドープT型量子細線レーザーを用いて、光励起による利得吸収スペクトル測定を行い、 量子細線における光学利得のキャリア密度依存性の解明 クーロン効果を取り込んだ多体理論計算との比較 を行う。

3 T型量子細線レーザー試料構造 T wire 光導波路構造 T型量子細線構造
% : Al content (x) in AlxGa1-xAs MBEへき開再成長法+(110)面での   成長中断アニール法により作製 T型導波路に3周期T型量子細線 T細線 14 x 6 nm2, ノンドープ 光閉じ込め係数 G:       G = 1.3 x 10-3 Cavity : Cavity長 = 500μm    as cleaved (反射率=0.3) (110) MBE Growth In situ Cleave (001) MBE Growth [110] [001] substrate GaAs へき開再成長法 レーザー構造の作り方 何故今回3周期なのか L. N. Pfeiffer et al., APL 56, 1679 (1990).

4 ストライプ状光励起による導波路放出光測定
Excitation:     cw TiS laser, 1.661eV     チョッパー: duty比2 % PL 自然放出光 (PL) ストライプ励起 導波路放出光 強度均一性: < 10% F-Pフリンジ res. 0.1meV Emission Intensity 導波路放出光 Arm well に 平行な偏光成分を検出

5 gmod = G·G - a int gmod G a int G 利得吸収スペクトルの算出 gmod a int G・Gpk
: Modal gain G : Material gain a int Chemical potential (m) : Internal loss G : Optical  confinement factor フリンジ解析 Waveguide Emission Cassidy法を用いて、 Fabry-Perotフリンジ解析 Emission Intensity B. W. Hakki and T. L. Paoli,       JAP (1975). D. T. Cassidy, JAP (1984).

6 利得吸収スペクトル(3-prd T細線) 急峻な 利得ピーク (L2)の出現 大 細線利得ピーク値の飽和
(→ 近接量子井戸での利得) 細線利得ピーク値の飽和 利得ピーク(1.574eV)の出現   → ピーク値の増加      幅の増加 励起子吸収ピーク消失 Modal Gain G・G (10 cm-1/div.) 励起強度 G・Gpk m 励起子吸収 (1.580eV) no gain

7 ピーク利得の励起強度依存性 利得出現: 透明励起強度 ~3 mWで利得が発生し、励起強度に対して急激に増加。 ピーク利得の変化:
3 wire laser G = 1.3 x 10-3 Eex = eV 透明励起強度 ~3 mWで利得が発生し、励起強度に対して急激に増加。 ピーク利得の変化: 励起強度の増加に伴い、ピーク利得は最大値をとり、以降、減少傾向。 高温でピーク利得の最大値が低下。 理論計算との比較には、 キャリア密度 n1D の決定が必要。 キャリア温度 Te

8 PL励起強度依存性からのキャリア密度見積もり
3 x105 cm-1 PL強度 ∝ キャリア密度として、 各励起強度でのn1D算出 M. Yoshita et al., PRB 74, (2006).

9 KMS relation よるキャリア温度見積もり
Pex=11.3 mW n1D~9x105 cm-1 KMS関係式によりフィッティング。 Te ~ 60 ± 6 K cf. 測定温度=4 K m Carrier heating 準熱平衡系 KMS 関係式 利得 m : quasi-chemical potential Te : quasi-equilibrium carrier temperature H. Haug and S. Schmitt-Rink Prog. Quant. Electr. 9, 3 (1984).

10 光学利得の理論計算との比較 Gpk 理論計算 Screened Hartree-Fock with static screening
Free-particle model 理論 T = 30K 60K 100K 300K GaAs 14x6nm 矩形細線 infinite barrier 実験 Free-particle me= m0 mh=0.105 m0 ((110)QW) Gpk SHF = 0.8 meV (broadening) G = 1.3 x 10-3

11 光学利得の理論計算との比較 Gpk 多体理論計算との類似点 透明キャリア密度 ~ 3 x 10 5 cm-1
ピーク利得値   多体理論と同程度。 高密度での利得減少   多体理論と同じ傾向を示す。    (?) 理論 T = 30K 60K 100K 300K 実験 Free-particle Gpk 相違点 透明領域近傍での微分利得 利得最大となるキャリア密度 実験と比して、理論計算が  相対的に高温 SHF

12 気になる点 1. キャリア密度の見積もり精度? 理論計算との化学ポテンシャル位置の比較からキャリア密度を見積もれる?
ただ、実験からはBGR位置不明... 2. キャリア温度 ・・・・ Carrier heatingの影響 励起光子エネルギー依存性の測定

13 ピーク利得値の励起光子エネルギー依存性 Chemical potential (meV) 低エネルギー励起により、ピーク利得の増加
previous results excess energy =81 meV 低エネルギー励起により、ピーク利得の増加 高密度領域での利得の減少ほとんど無し(arm-QW励起時) wire exciton arm QW -10 10 20 30 ...現在考察中 Chemical potential (meV) 横軸原点 = 細線励起子ピーク位置

14 まとめと今後の課題 T型量子細線レーザーの利得吸収スペクトル測定を行い、光学利得の励起光強度(キャリア密度)依存性について調べた。
細線の光学利得は透明キャリア密度 3~4x105 cm-1 で出現し始める。この値は多体理論計算からの値とほぼ一致。 理論計算で見積もられるのと同程度のピーク利得値が得られた。 励起強度の増加に伴い、ピーク利得は最大値をとり、さらに増加させると減少へと転じていく様子を観測した。 多体理論から示唆される高密度側でのピーク利得の“抑圧効果”を観測していると考えられる。 今後の課題 : 光学利得測定でのキャリア温度上昇の影響    ‥‥ 励起光子エネルギー依存性について詳細測定と考察 キャリア密度精度向上

15 まとめと今後の課題 T型量子細線レーザーの利得吸収スペクトル測定を行い、光学利得の励起光強度(キャリア密度)依存性について調べた。
細線の光学利得は透明キャリア密度 3~4x105 cm-1 で出現し始める。この値は多体理論計算からの値とほぼ一致。 理論計算で見積もられるのと同程度のピーク利得値が得られた。 励起強度の増加に伴い、ピーク利得は最大値をとり、さらに増加させると減少へと転じていく様子を観測した。 多体理論から示唆される高密度側でのピーク利得の“抑圧効果”を観測していると考えられる。?? 低エネルギー励起において、利得の減少が観測されない。 キャリア温度上昇などを考慮しての再考察が必要! 今後の課題 : 光学利得測定でのキャリア温度上昇の影響    ‥‥ 励起光子エネルギー依存性について詳細測定と考察 キャリア密度精度向上

16 END

17

18 利得吸収/発光スペクトルの比較 実験 理論計算 (19nmx8nm) 相違点: 低エネルギー側  裾広がり BGRの大きさ

19 Fabry-Perot フリンジ解析(Cassidyの方法)
:Gain coeff. :Reflectivity hc (Free Spectral Range) D. T. Cassidy JAP, (1984).

20 光学利得の理論計算の比較 Peak material gain (cm-1) Gpk Carrier density (cm-1) 理論計算
x104 2.0 理論 T = 30K 60K 100K 300K Colored lines GaAs 14nmx6nm 矩形細線 infinite barrier 1.5 1.0 Peak material gain (cm-1) Gpk Black lines SHF GaAs 19nmx8nm 矩形細線 infinite barrier 0.5 0.0 0.0 0.5 1.0 1.5 2.0 2.5x106 Carrier density (cm-1)

21 利得吸収/発光スペクトルの比較 実験 理論計算 相違点: 低エネルギー側  裾広がり BGRの大きさ


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