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PIXE法を用いた凍結乾燥 アジサイ中のAlの絶対濃度測定

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Presentation on theme: "PIXE法を用いた凍結乾燥 アジサイ中のAlの絶対濃度測定"— Presentation transcript:

1 PIXE法を用いた凍結乾燥 アジサイ中のAlの絶対濃度測定
PIXE法を用いたアジサイ中のAl測定について発表します。 環境計測 柳川 昌逸

2 本研究の目的 ①PIXE法でのアジサイ中に含まれているAl濃度の絶対値測定。 ②濃度測定のための試料作成(乾燥方法)の改善。
本研究は、大きく分けて2つの目的があります。 1つ目は、アジサイ中に含まれているAlの絶対濃度測定。 2つ目は、ターゲット作りのための乾燥法の改善です。

3 ①Alの濃度測定 これまでの研究 アジサイでのAl測定。 花の色の違いによるAlの含有量比較。 濃度の測定 内部標準としてCo標準液を使用。

4 アジサイの特徴 一般の植物にとって、Alは有害 Alに高い耐性。 アジサイの花色は土壌環境によって 変化。
アジサイの花色は土壌環境によって  変化。 ここで、アジサイの特徴について説明します。  まず、一般的に花だといわれている部分は植物のガクにあたる部分で、装飾花と呼ばれています。しかし、今回の発表ではわかりやすいように花弁、もしくは花色と言っていくことにします。  次に、アジサイは通常の植物が吸収しないAlについて高い耐性を持っています。一般的な植物では、AlはP代謝に影響を及ぼすことがわかっており、生長が妨げられたり、もしくは枯れてしまいます。それに対し、アジサイでは、花の色を青くするためにAlを吸収、蓄積します。  そしてそのため、アジサイの花色は土壌の環境(酸性、もしくはアルカリ性)によって変化することがわかっています。一般的な植物の花色は通常、遺伝子によって決定されています。  最後に、このアジサイの花の色を発色しているのは花弁の液胞中に存在するアントシアニンという色素であるということを念頭に置いて、次に花色の発色のメカニズムについて詳しく説明します。 アジサイの花色は環境支配の要因が大きい。 (花色の多数は遺伝子により支配) バラ目 ユキノシタ科 アジサイ属 ガクアジサイ、ヤマアジサイ、西洋アジサイなど 原産地 日本・中国  落葉低木 花期 6月~7月 Al蓄積者 シダ(生育に関与)、チャ樹(生長に関与) アジサイの青色は色素であるアント シアニンとAlで発色。

5 測定したアジサイ 城ヶ崎 花、葉、茎 ホンアジサイ 花、葉、茎 ロシタ 花、葉

6 PIXE法と濃度測定 PIXE法(荷電粒子線励起X線放射法) 荷電粒子により元素を励起。 元素により放出された固有のX線を検出。
energy count 内部標準 求めたい元素 荷電粒子により元素を励起。 元素により放出された固有のX線を検出。 測定したピーク面積比により濃度を算出。

7 ②試料作成の改善 これまでの研究 乾燥方法の改善 押し花により試料を乾燥。 凍結乾燥法(フリーズドライ)で乾燥。
 アジサイの微量分析、特にAlに注目した実験を行いました。 アジサイを用いた本実験の目的といたしましては、PIXE法を用いて、花色に関係し、検出しにくいAlを検出すること、種類や花色の違いによる、Alの分布やその他の元素の蓄積量を比較することです。今回の実験は、アジサイの花色とAlの関係に興味をもってはじめたものですが、Alの吸収流路から、Alは花だけではなく葉や茎にも蓄積しているものだと考え、アジサイ全体におけるAl分布を測定することにしました。 ここで、今回の測定方法であるPIXE法について説明します。 PIXE法とは、加速器を用いた分析手法の一つです。加速器からの荷電粒子を試料に照射すると、試料中の原子が励起し、その原子固有の特性X線を放出します。この特性X線を検出器で検出することで元素分析を行うことができます。 加速器とは・・・電子や陽子などの原子核を、高速に加速する装置。原子核や素粒子の構造やそれらの間に働く力の本性を解明するために、加速器から得られる高速の粒子を標的に衝突させ、そのときに起こる反応を記録して解析する。質量、電荷、スピンなど原子核や素粒子のもつ固有の性質やそれらの内部の構造、あるいは原子核や素粒子に働く力の性質が、このような反応から明らかになる。 <バンデグラフがた加速器>ベルト式高電圧発生装置。絹のベルトを回転させ、電荷を接地側から絶縁物で支えられた球形電極に運び、高電圧を発生させる装置。電圧が極めて安定しているので、加速粒子のエネルギーの一様性がいいのが特徴。イオンの注入や微量分析などへの応用範囲も広い。 <コッククロフト-ウォルトン型加速器>倍電圧整流回路を何段にも重ねることにより、入力電圧よりはるかに大きな電圧を発生させるもの。大電流のビームの加速ができるので電子線による高分子の特徴改善などの応用分野に広く利用されている。 <多重加速(サイクロトロン)>電極に比較的木杭電圧を与えながら、粒子を何回も通して繰り返し加速する方法。電極に加える高周波の周期と粒子の運動の間に一定の関係を保ちながら加速するものであるので「共鳴加速」ともいう。 蛍光X線分析(X-Ray Fluorescence Analysis)との相違点・・・試料の励起に用いる一次放射線の種類がXRFではX線、PIXEでは陽子または重水素、α線であること。 凍結乾燥法(フリーズドライ)で乾燥。

8 凍結乾燥の特徴 低温、真空で乾燥。 試料から抜け出した水分を水分トラップ により収集することが可能。 押し花乾燥よりも短時間で行なえる。
低温、真空であるため 酸化や熱による物質の 化学変化も防げる。

9 凍結乾燥の装置図 葉;2時間 花、茎;6時間 60W 白熱電球 ピラニ 真空計 RP 水分トラップ (液体窒素) 試料

10 凍結乾燥装置

11 PIXE実験装置

12 測定装置・条件 京都大学 工学研究科原子核工学専攻 放射実験室 加速器 タンデム型加速器 入射粒子 2.5 MeV He2⁺ビーム
京都大学 工学研究科原子核工学専攻 放射実験室 加速器  タンデム型加速器 入射粒子  2.5 MeV He2⁺ビーム ビーム電流  7.5 nA ビーム径  2.0φ ビーム電流量  10mC (約15分間) 検出器  Si(Li)検出器 分解能  256eV アブゾーバー  9.4 mm厚  ダイヤホイル

13 アジサイ花のスペクトル 城ヶ崎 ホンアジサイ ロシタ
 こちらが測定した花弁のスペクトルです。Alに注目しているのでエネルギー範囲は4.5keVにしてあります。青い線が青い花のブルースカイ、水色の線がホンアジサイ、そして赤い線が赤い花のロシタのスペクトルです。植物の基本元素、P、K、Caは同じ位のピークの高さであるのに対し、Alを見ると、赤い花のロシタは、ピークが見えないがわかります。

14 結果

15 まとめ 青い花>赤い花 葉~花>茎 内部標準としてのCo。   花:城ヶ崎910 ppm ロシタ280 ppm 凍結乾燥での試料作成。

16 Acknowledgement 日本アイソトープ協会滝沢研究所 仁科記念サイクロトロンセンター 伊藤 じゅん
日本アイソトープ協会滝沢研究所     仁科記念サイクロトロンセンター      伊藤 じゅん 京都大学 工学研究科原子核工学専攻      伊藤 秋男  土田 秀次 京都府立植物園      松谷 茂 京都府立大学 材料設計学講座      石田 昭人


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