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福島県立医科大学 医学部4年 実習●班 〇〇、〇〇、〇〇、〇〇、〇〇、〇〇
糖尿病内分泌代謝内科学講座 教授試問 1週目 症例提示 福島県立医科大学 医学部4年 実習●班 〇〇、〇〇、〇〇、〇〇、〇〇、〇〇 2018年10月3日
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症例 34歳 女性 【主訴】 四肢脱力 【既往歴】 32歳:卵巣嚢腫摘出 【生活歴】 喫煙歴:なし 飲酒歴:機会飲酒 【家族歴】 祖母:胃癌 【服薬歴】 特になし(健康食品・サプリメントなし) 【現病歴】 X-4年の健康診断で初めて高血圧 (160/100 mmHg) を指摘さ れたが放置していた。X年Y-1月頃から筋力低下や下肢のしび れを自覚するようになった。 X年Y月Z日に野外ライブイベントへ外出した際、会場内で四肢 脱力により体動困難となったため、A病院へ救急搬送された。
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身体所見 身長 151 cm、体重 55.7 kg、BMI 24.4 kg/m2 血圧 164/98 mmHg、脈拍 74/分 体温 36.8℃ 呼吸数 22/分、SpO2 99% 意識清明 頭部:眼瞼結膜に貧血なく眼球結膜に黄染はない。 頸部:甲状腺に腫大はなく、圧痛も認めない。 胸部:心雑音やラ音は聴取しない。 腹部:平坦・軟で圧痛なし。 四肢:浮腫なし。近位筋有意に筋力低下を認める。 神経:四肢の粗大麻痺なし。深部腱反射減弱を認める。
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血液・尿検査所見 【 血算 】 白血球 11400 79.5 1.3 0.2 12.3 6.7 赤血球 441万 Hb 12.9 血小板
/μL 好中球 79.5 % 好酸球 1.3 好塩基球 0.2 リンパ球 12.3 単球 6.7 赤血球 441万 Hb 12.9 g/dl 血小板 38万 【 生化学 】 AST 39 U/L ALT 33 LDH 239 ALP 175 BUN 7.1 mg/dL Cre 0.6 Na 142 mEq/L K 1.8 Cl 100 CK 985 CRP 0.21 血糖 128 HbA1c 5.5 % 【 血液ガス 】 pH 7.53 PaCO2 32.0 mmHg PaO2 98 HCO3 26.6 mM/L 【 尿 】 糖 (-) 蛋白 潜血 Na 60 mEq/L K 15.2 Cre 75.1 mg/dL
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生理検査、画像所見 【 心電図 】 心拍数 72/分、正常洞調律、軸偏位なし(25度) 左室肥大を疑う所見なし、U波の出現を認める
【 胸部レントゲン 】 心拡大なし、肺野異常陰影なし、胸水貯留なし 【 腹部CT 】 左副腎に約15 mm の結節を認める (結節内部は低吸収域)
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内分泌検査所見 低レニン・高アルドステロン血症を認めた TSH 1.17 FT4 1.47 FT3 2.83 レニン活性 0.3
μU/mL FT4 1.47 ng/mL FT3 2.83 pg/mL レニン活性 0.3 ng/mL/h アルドステロン 536 ACTH 10.4 コルチゾール 20.7 μg/dL 尿中ノルメタネフリン 0.22 mg/gCr 尿中メタネフリン 0.08 低レニン・高アルドステロン血症を認めた
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問題点と検査・治療方針 【 問題点 】 #1. 四肢脱力、高CK血症、低カリウム血症 #2. 高血圧 #3. 左副腎結節
【 検査・治療方針 】 四肢脱力発作は、低カリウム血症によるミオパ チーと診断した。腎機能障害はなく、カリウム補 充を行い、速やかに脱力症状は改善した。 原発性アルドステロン症が疑われ、当科を紹介受 診し精査入院した。 負荷試験や蓄尿検査でまずは存在診断を進める。
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入院後経過①:確定診断 【 立位負荷試験 】 【 カプトプリル負荷試験 】 【 生理食塩水負荷試験 】 【 蓄尿 】 負荷試験すべて陽性
尿中アルドステロン 36 μg/日 0分 120分 レニン活性 0.3 0.4 ng/mL/h アルドステロン 536 553 pg/mL 負荷試験すべて陽性 尿中アルドステロン高値 ↓ 原発性アルドステロン症と診断した。 0分 120分 レニン活性 0.1 0.2 ng/mL/h アルドステロン 430 541 pg/mL 0分 120分 レニン活性 0.1 0.2 ng/mL/h アルドステロン 454 433 pg/mL
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入院後経過②:副腎静脈サンプリング 左副腎からアルドステロン過剰分泌があり、副腎結節も左側
PAC (pg/ml) コルチゾール F (μg/dl) PAC / F ACTH 負荷前 左副腎静脈 3720 13.5 275.6 右副腎静脈 620 27.7 22.4 下大静脈 227 7 32.4 ACTH 負荷後 14100 420 33.6 13300 2450 5.4 558 31 18.0 左副腎からアルドステロン過剰分泌があり、副腎結節も左側 → 左副腎アルドステロン産生腫瘍と診断、左副腎摘出術へ
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入院後経過③:手術とその後の経過 副腎内分泌外科にコンサルテーションし、Y+1月に腹腔鏡下左副腎摘出術が施行された。
病理標本では副腎腺腫の所見であり、アルドステロン産生腫瘍に矛盾しなかった。
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症例のまとめ 低カリウム性ミオパチーを契機に診断した原発性アルドステロン症 (PA) の若年女性である。
低カリウム血症の原因はアルドステロン過剰によるものであった。 静脈サンプリングによって左副腎からのアルドステロン過剰産生と局在診断し、責任病変に対して手術を行った。 術後にアルドステロンは正常化し、血圧・電解質とも改善を認め筋症状も消失した。
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