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E-出来形検査 電子納品の次にくる(かもしれない)もの 株式会社コイシ 開発課 井上.

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1 e-出来形検査 電子納品の次にくる(かもしれない)もの 株式会社コイシ 開発課 井上

2 第1部 導入

3 むかしむかし、ギリシャに 二人の天才画家がいました・・・
パラハシアス と申す ゼウクシス じゃよ ふたりはライバルでした。現在にはゼウクシスの作品しか残っていませんが、ふたりの腕試しの記録が残っています。

4 ある日、二人は腕試しをしました そのベールを見て、ゼウクシスは言いました。
一方、パラハシアスは、壁に一枚の ベールを描きました。 そのベールを見て、ゼウクシスは言いました。 「早くそのベールを取って、その下に何を描いたのか見せてくれたまえ」 ゼウクシスは石畳にぶどうの絵を 描きました。

5 「見かけ」と「見かけの見かけ」 ゼウクシスは鳥たちをだましました。 ぶどうの実は贋物、ただの見かけでした。 真実そっくりのウソ
パラハシアスは人間をだましました。 壁に描いたベールは、背後に何もないことを隠す、 まるで見かけであるかのように見せかけたベールでした。 真実をつくりだすためのウソ

6 見かけの見かけ? 典型的な用法 服を着ること 着衣という行為は、肉体の表面に「裸(ヌード)」というものを作り出す「見かけの見かけ」である。
そして「裸」は、肉体の正体が内臓や神経といった器官の集まりであることを隠す「見かけ」として機能する。 表……「見かけ」の「見かけ」 裏……「見かけ」の「見かけ」によって生成した見えない真実

7 梗概(表) 電子納品の次に来るIT施策 効率化、高品質化をめざすという設計・施工・管理にいたる土木建設業全般の統合と改革の第一歩
情報化施工の第一歩 簡単にいうとテープでやっていた検査をトータルステーション(座標)とコンピュータ(演算)で行う 計測技術の進化が基準を変える 効率化、高品質化をめざすという設計・施工・管理にいたる土木建設業全般の統合と改革の第一歩 3次元データの活用 従来の検査基準を置き換えずに実施可能

8 計測技術の進化が基準を変える? 1メートルの定義の変遷 1秒の定義が必要 時間(秒)と空間(m)がここで相互的な関係を結んでいる
メートル原器(19世紀) 白金とイリジウムの合金でつくられた1メートルの長さを定義したもの クリプトン元素が一定条件下で発する橙色の光の真空中波長の 倍に等しい長さ(1960年) 1秒の299,792,458分の1の時間(約3億分の1秒)に光が真空中を伝わる距離(1983年) 1秒の定義が必要 時間(秒)と空間(m)がここで相互的な関係を結んでいる

9 計測技術の進化が基準を変える? 1キログラムだけは現在でも原器を用いている。
今なお普遍的な物理量ではなく人工物に基づいて値が定義されているのはキログラムだけ 重さは気圧に影響され、気圧にそもそも重さの因子が含まれている(循環依存) 10年に一度、各国のキログラム原器はパリ郊外にある世界にひとつしかない国際キログラム原器と重さの比較を検定する 19世紀に日本国キログラム原器として複製されたものは、現在の計測技術で0.170mg重いことがわかっている

10 e-出来形検査の目的(表) 設計、施工にわたり3次元情報によって一貫した工事発注、監督検査が可能
複雑な地形、構造物における定められた水準の品質確保の保証 出来形検査結果の透明性・信頼性向上、検査技術力の向上、設計変更協議の明確化、迅速化 信頼性の高い完成図の作成 国土交通省 国土技術政策研究所より

11 e-出来形検査のシナリオ e-出来形検査 簡単な検査 高品質が保証される 検査基準・規制の緩和 検査コストの削減
検査方法に理論的な根拠を示すことができる 簡単な検査 施工途中でいつでもどこでも自主検査可能 高品質が保証される 簡単な検査手法が浸透すれば施工に安心が生まれる 検査基準・規制の緩和 施工結果への信頼性が高まる 検査コストの削減

12 検査基準・規制がさらに無意味に、厳格になる
e-出来形検査の目的(裏) 現行の検査 検査の基準や根拠がだれにもわからない 例:道路土工-のりの検査基準値 のり長L のり面高さH 勾配1:X If L>=5m i=2%(盛土),i=4%(切土) 高さ:-iH以上 幅:-iHX以上 If L<5m -200mm以上 検査官も知らない 合格しさえすればいい 性悪説 検査基準・規制がさらに無意味に、厳格になる さらに狡猾なごまかしを育てる 検査コストの増加

13 情報化施工の背景(表) 小泉政権になってから、公共事業費の大幅な削減が始まった。 九州の公共事業費の遷移
良いものを造り、良い管理を行い、長持ちさせること。それが造ることよりも優先事項となった。

14 情報化施工の背景(裏) 構造改革(欧米に経済を教えてもらっている)
公共事業は景気対策に有効ではない 都市対農村という対立構造が終焉を迎えた 破産する国家という恐怖、バブルがはじけたことがトラウマになって、ケチになった いやケチになったのではない。浪費することだけが倹約になるという高度資本主義社会の法則にしたがい、賢い浪費を選択すべきだということに人々は気づきだした

15 あなたを愛せば愛すほど愛されてしまうのはなぜでしょう?
浪費することだけが倹約になる? ロミオ様 あなたを愛せば愛すほど愛されてしまうのはなぜでしょう? ジュリエットに学べば、賢い消費とは、さらに儲かるための消費である

16 強いられる三つの選択 3次元データの標準化 業種転換 「土から土へ」 土木そのものの質的転換 土木建設業社の農業や福祉への転換
業種転換 「土から土へ」 土木建設業社の農業や福祉への転換 土木そのものの質的転換 IT化 建設CALS/EC 電子納品(ドキュメント保存) e-出来形検査(検査・品質管理) 情報化施工 3次元データの標準化 もちろんどちらを選んでも「土木」の否定を意味する

17 第2部  e-出来形検査

18 現状の出来形管理における問題 効率(コスト縮減) 精度 施工性 データのごまかし
巻き尺、レベル、写真による出来形管理は、準備作業に多大な労力と時間を要している。 精度 広帯テープによる出来形計測の信憑性低下 施工性 監督職員の確認、検査待ちによる工程の遅れ データのごまかし 出来形値の乱数発生的自動生成などソフトウェアによるデータのごまかし 国土交通省 国土技術政策研究所より

19 言いかえると e-出来形検査 とは 巻き尺といった過去の検査方法を、トータルステーションによる座標検査に置き換えること そのためには、
発注者の仕様を満たすかどうかという検査基準、検査方法を見直す必要があり、 3次元のプロダクトモデルを設計のみならず施工段階に生かせる標準化を目指す必要があり、 設計から施工、管理へと流れる一貫したデータの流れを作り出すことである

20 △ ○ △ × 3次元データの要件 施工における情報の交換・再利用に主眼をおいた3次元データ 任意位置での“位置出し”が容易となること
・従来の3次元データ  ⇒任意位置での座標算出が可能 ・従来の紙・電子データ  ⇒平面図より測点,位置(X,Y)  ⇒縦断図より測点位置での高さ(Z)  ⇒測点位置の横断作成,相対位置   から最終的な位置(X,Y,Z) 現地状況に応じた修正※が容易となること ・従来の3次元データ  ⇒大幅なデータの加工・修正,データ量も膨大 ・従来の紙・電子データ  ⇒ほぼ一からの修正設計・再作図 × ※現場合わせ(線形シフト等),現況地形(着工前測量)を反映した設計形状の変更 等

21 3次元データの基本概念 形状構造 平面線形要素 点k(Lk,Wk) 曲線終点 座標EC 曲線始点 座標BC 直線 直線 曲線半径R 緩和曲線
変数A 緩和曲線 変数A 追加距離Lk 交点座標IP ・道路線形は起点と終点を持つ.道路線形上の任意点kは,道路線形上における道路線形座標系に従った起点からの追加距離Lk,中心線からの幅Wkを持つ. 設計仕様

22 平面線形 (L’,W’,H’)→(X,Y,H) 道路線形座標系 標高H Y 終点 L’ L’における接線 IP IP 距離L IP座標系
工事基準点 起点 ・工事基準点は工事区間の近傍に2点以上必要 基準となる座標系 平面直角座標系(第n系) X

23 縦断線形 縦断線形座標系 H Lk(水平距離) 点k(Lk,Hk) 実距離RLk +i -i L(水平距離) Hk(鉛直高さ)
基準となる座標系 縦断変化点 L 水準座標系(T.P.,O.P.,Y.P.・・・) DL 平面上における任意の点kは道路線形座標系に従った起点からの追加距離Lk,中心線からの高さHkを持つ. 道路線形上の点kの座標値(Lk,Hk) 点kにおける高さ:Hk=f(k(Lk) ・実距離RLkは,平面線形と縦断線形を組み合わせた3次元距離である. RLk=Σ(直線部RLk+曲線部RLk) 直線部RLk=√(Lk^2+(iLk)^2) 曲線部RLk=Lk+⊿L,(ここで⊿Lは曲線部の実補正距離)

24 横断形状 (オフセット座標系) 道路横断座標系 + ⊿W W1 (勾配座標系) ⊿W=W1-W2 ⊿H=H1-H2 W2 + W3 ⊿H
ローカルオフセット 座標系 L H3 H2 L=√(⊿W^2+⊿H^2) ⊿H (オフセット座標系)道路線形座標系上の横断方向であり,追加距離が大きくなる方向(路線方向)に向いて,中心線から右側がプラス,上側がプラス. (勾配座標系)道路線形座標系上の横断方向であり,追加距離が大きくなる方向(路線方向)に向いて,勾配が上向きがプラス,下向きがマイナス (ローカルオフセット座標系)中心線からのオフセット量を持った.オフセット座標系.

25 道路中心線 幅 のり面 従来の規格値を3次元計測で検査可能 設計値に対して幅、高さ方向±50mmを確保 CL
設計値に対して幅-iHX以上、高さ方向-iHを確保 CL 測定項目 規格値 測定基準 備考 道路中心線 高さ:±50mm 幅:±50mm 変化点毎に1ケ所以上 3次元計測 幅(W) 幅: -50mm以上 断面変化点毎に1ケ所以上 法長(L) i=2%(盛土) i=4%(切土) 高さ:-iH以上 幅: -iHX以上 -200mm以上(L<5m) のり面高さH 勾配1:X

26 道路土工における実証実験計画 事務所で、出来形データ全体を評価 現地で、各計測点を評価 ・e-出来形基準→中心離れ距離と標高で点評価
<?xml version="1.0" ?> - <LandXML xmlns=" xmlns:xsi=" xsi:schemaLocation=" version="1.0" date=" " time="18:58:28" readOnly="false" language="english"> 3次元設計データ (Landxmlver1.0) 現地で、各計測点を評価   <?xml version="1.0" ?> - <LandXML xmlns="   <Project name="HIMEJI-B-LUMP" />   <Metric linearUnit="meter" areaUnit="squareMeter" volumeUnit="cubicMeter" temperatureUnit="celsius" pressureUnit="mmHG" /> - <Units> - <CgPoints>   </Units>   <CgPoint name="10000" desc="2"> </CgPoint>   <CgPoint name="10001" desc="3"> </CgPoint>   <CgPoint name="10002" desc="2"> </CgPoint> 出来形計測データ 「XML) 出来形帳票 -評価方法- ・e-出来形基準→中心離れ距離と標高で点評価 ・現行基準→法長・小段幅の長さ(幅)評価 -情報利用- ・3次元設計データ+出来形計測データ→出来形帳票データ

27 実証実験 一般国道29号、兵庫県姫路市石倉地先 姫路北BP石倉地区改良工事 Bランプの出来形計測地点 H15年度 施工範囲 3次元形状図面
No.6+10 No.6 H15年度 施工範囲 No.7 3次元形状図面 No.7+10 No.5+10 ・高低差50m以上の長大法面現場 ・計測区間は、クロソイド-単曲線-クロソイド区間

28 実験結果 計測準備は、測量基準点数値入力のみで、ほぼゼロに等しい 三次元設計を利用する事で、準備計算なしで断面誘導が可能であった
どの位置でも、計測と同時に設計値との対比が可能であった(一部問題有り) 出来形形状(寸法)のみでは評価できない構築位置の評価が可能であった 国土交通省 国土技術政策研究所より

29 検査点の合否と設計値との水平・鉛直方向の離れを表示
KOISHI-3Dでの検査結果表示 検査点を含む横断情報を表示 検査点の合否と設計値との水平・鉛直方向の離れを表示

30 簡易チェックプログラム データ入力なし 検査済みデータを読み込み、エクセルを使ったチェックプログラムを起動する
品質管理・出来形の評価へと連動する

31 課題と展望 3次元データ構造の策定 点による検査から面による検査への拡張 面的な検査データからそのまま出来形データを生成する手法の確立
必要最低限のデータ 点による検査から面による検査への拡張 レーザースキャナなどの新技術活用 面的な検査データからそのまま出来形データを生成する手法の確立 出来形管理への直結

32 第3部 帰結

33 e-出来形検査が描くもの 施工 検査 管理 e-出来形検査 設計 基本3次元データ ロボット施工 一般への 情報公開 e-出来形管理
平面図 縦断図 横断図 e-出来形検査 施工 検査 設計 基本3次元データ ロボット施工 +機械制御技術 +通信技術 一般への 情報公開 管理 e-出来形管理 3次元CG

34 三つめの選択 すべての局面には最低でも三つの選択肢がなければならない。(法則) 業種転換 土木の質的転換

35 ありがとうございました


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