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発光と発光励起スペクトルから見積もる 低次元電子系のキャリア温度

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1 発光と発光励起スペクトルから見積もる 低次元電子系のキャリア温度
’06 秋山研打ち合わせ 発光と発光励起スペクトルから見積もる 低次元電子系のキャリア温度 井原章之 東京大学 物性研究所 秋山研究室 D2 Ph.D student of Akiyama group in Institute for Solid State Physics, University of Tokyo and CREST, JST, Chiba , Japan 10

2 FESが弱い。本当に温度は5Kまで冷却されているのだろうか?
ドープ細線の実験結果 Vg = 0.7V Tcryostat = 5K Photon energy (eV) FESが弱い。本当に温度は5Kまで冷却されているのだろうか?

3 固定の条件 : Te = Th me = 0.067m0 mh = 0.105m0 Gγ:γ = 1 meVのGaussian
自由粒子モデルでのフィッティング 固定の条件 : Te = Th    me = 0.067m0     mh = 0.105m0     Gγ:γ = 1 meVのGaussian 求まる値 Te = Th = 10±3 K  ne = 6(±1)x105 cm-1

4 A. Yamaguchi, K. Nishi, and A. Usui,
フィッティングの問題点 固定した条件は正しいか? A. Yamaguchi, K. Nishi, and A. Usui, Jpn. J. Appl. Phys. 33, L912 (1994). Te = Th me = 0.067m0 mh = 0.105m0 Gγ:γ = 0.5 meV の Gaussian 測定値がないため、 二次元系の計算値を利用。 正孔の有効質量を変えるとどうなるか? mh = 0.105m0 Te = Th = 10±3 K  ne = 6(±1)x105 cm-1 mh = 0.7m0 Te = Th = 13±3 K  ne = 7(±1)x105 cm-1 さらに ブロードニングの幅γの値にも依るし、 発光・吸収どちらに重みを置くかにも依る。(要するに恣意的) 温度を独立に決定する方法はないか?

5 発光÷吸収 (I/A) を計算するとどうなるか
ブロードニング関数をγ→0のδ関数の極限にとる f h << 1 のエネルギー範囲(正孔濃度が小さい) ※ Kochらの言う「KMS関係式」に相当 Koch et al. , Physica E 14, 45 (2002). Chatterjee et al., Phys. Rev. Lett. 92, (2004). キャリア温度以外のパラメータが消えた 仮に、KMS関係式と呼ぶ

6 KMS関係式を用いて温度を求める 実験 T = 11±2 K log(I/A)の傾きから温度が求まる

7 おおまかには合うものの、温度計よりも高い値が出る傾向にある
ヒーターで温度を変えてみる 黒字:クライオスタット温度計の表示 青字:KMS関係式を用いて求めた温度 おおまかには合うものの、温度計よりも高い値が出る傾向にある

8 温度計の表示と、KMS関係式での解析結果が異なる原因を考える
3.671 11 20.3 23 30.35 34 41.11 45 51.75 60 ① 温度計の表示が間違っている ② 温度計は正しいが、途中の熱接触の問題で試料(格子・電子)の温度が高い ③ 格子系の温度は温度計の通りだが、光励起のせいで電子系の温度が高い ④ ブロードニングの効果のため、KMS関係式から求めた値が間違っている 最近気になりだした

9 自由粒子モデルで、ブロードニングを変えてみる
計算 Gauss関数の場合、 γ<< kBTの条件下において、 KMSで求める温度は正しい 計算 Lorentz関数の場合、 KMSで求める温度は 分布関数の温度よりも高くなる Kiraら(※)の示唆するように、δ→ 0でないと使えない? ※ M. Kira, F. Jahnke, W. Hoyer andS. W. Koch,Prog. Quantum Electron. 23, 189 (1999).

10 KMS関係式は、ブロードニングがある場合は、 連続状態であっても正確ではない?
質問 KMS関係式は、ブロードニングがある場合は、 連続状態であっても正確ではない? → 状況による。外的要因の幅なら不正確になる。 KMS関係式を使って 正確な温度を見積ることはできない? → システム内部に起因するブロードニング だけならば、正確に求まると考えてよい。

11 離散的なピーク構造のピークの 近傍では成立しない?
質問 離散的なピーク構造のピークの 近傍では成立しない? → 幅の要因がシステム内部か外部かによる。 連続状態の低エネルギー端 (バンド端の低エネルギー側テール) では成立しない? → 上に同じ。

12 BCSやBECなどギャップが開いている場合は、 フェルミエッジ近傍で成立しない?
質問 BCSやBECなどギャップが開いている場合は、 フェルミエッジ近傍で成立しない? → ギャップは関係ない。フェルミ端で吸収が0になることに注意が必要、という意味。 フェルミ端特異性があってもKMSは成立する? → 成立する。

13 線形応答理論に現われる「KMS条件」と Kochの言う「KMS関係」は等価?
質問 線形応答理論に現われる「KMS条件」と Kochの言う「KMS関係」は等価? → 似たようなもの。逆を示している。 「線形応答ならKMSが使える」とは、 どんな条件のもとで、何のために使うことを指す? → KMSを使う = 吸収から発光を出す

14 電子正孔系の上記の関係式には KMS以外の呼び名はない?
質問 電子正孔系の上記の関係式には KMS以外の呼び名はない? → 特になし。KMSでいい。 アインシュタインの関係式とも繋がっているっぽい。 電子系の上記の関係式は KMSと呼ぶ?他の呼び名は? → 特になし。

15 浅野先生のノートより抜粋 準熱平衡・線形応答であれば、発光と吸収の対応は厳密である。
スペクトルに幅があったとしても、それがハミルトニアンによって自動的に生まれるものであれば、厳密にこの関係は満たされる。 無輻射遷移などによって電子・正孔の数が保存しなくなるとまずい。 電場の高次の効果がまったく入っていない。 ポラリトン効果が効くとまずい。

16 ディスカッションの内容をまとめた井原なりの理解
電子系・格子系も含めて熱平衡であれば、電子・電子散乱や フォノン散乱があってもKMSは成立する。 「δ関数の集まりで幅が生じている」というように考える。 不均一幅や、寿命による自然幅など、ハミルトニアンに 含まれない幅がある場合は、ずれる可能性がある。 実験は全て含めたハミルトニアンを解いているようなものなので、 KMSは成立すべき。温度が高い原因は①~③と考えるのが妥当。 電子正孔系のKMSは、準熱平衡状態という概念が必要不可欠。 システムの内部による幅が主要であれば(?)、KMSは成立。 μeやμhは、相互作用を含めても定義できる。それぞれ観測可能(?)。 Haug et al., Prog. Quantum Electron. 9, 3 (1984). の14ページで、KMSが発光と吸収の間に成立することを一般的に示している。 ただし、この論文は上級者向け。


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