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有機化学 Organic Chemistry 吉野輝雄 W302 Tel: 3281 Yoshino@icu.ac.jp
有機化学 Organic Chemistry 吉野輝雄 W302 Tel: 3281 Home-page:
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有機化学(に限らないかも知れないが)を学ぶことは: 外国の町(言葉も地理も分からない)を歩いてその町
有機化学を学ぶ目的 • 有機化学(に限らないかも知れないが)を学ぶことは: 外国の町(言葉も地理も分からない)を歩いてその町 (組織、法律)と人々の生活(文化、習慣、活動など) を理解するようなもの。 すなわち、多様な有機分子の構造、性質、反応性と 反応機構(メカニズム)、生命体における役割、人間 生活への応用と問題性などを理解する。
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ガイドは、そばにいて間違えた場合には正しい道を示す。
●講義:初めは,ガイド付で案内する(いわば、テキストに従って講義で /地図を見ながらガイド付きで町巡りするようなもの)。(60分) ●クイズ:一人でブロック毎に歩いてみる(追体験学習)。 ガイドは、そばにいて間違えた場合には正しい道を示す。 ●コメント・質問シート:ガイドの説明について不明なところや質問を 毎回出す機会を設ける。 ●回答・説明:次の回に、コメント・質問に対する回答をする。 クイズの解答は、答案の提出次第。 ●最終試験:一人で目的地(問題)まで辿りつけるかを試す (オリエンテーリングのようなもの)。
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知識と知識の間を結ぶ発展性(広がり)と法則性(普遍性)をつかむように心がけながら学ぶことが重要。
●一人ひとりが有機化学の学びを通して有機物質の特性(構造、性質、反応)を理解し,役に立つ知識(化学における自然観を広げ,他の学問分野にも生かせる知識、また、人間生活を豊かにする知識)を身につける。 ●物質間の関係を成り立たせている自然法則を知る(簡単な分子から生体を構成する複雑な分子間に働く弱い相互作用から強い作用、さらに分子構造の変換=化学反応を支配する法則を学ぶ)。 ●成績,卒業単位の充足のために学ぶとすれば、学ぶべき知識の多さのために苦痛になることが必至。 知識と知識の間を結ぶ発展性(広がり)と法則性(普遍性)をつかむように心がけながら学ぶことが重要。 ●主体的な学びを! 学びが楽しくなり、知識が生かせるまでに。
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Prologue 有機化合物の起源
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宇宙における元素の生成 Q・宇宙で最も多い元素は? 水素 (H):93%、He:7% 他は1%以下
炭素(C)、酸素 (O)、 鉄( Fe )、金 (Au )、ウラン( U ) 元素の周期表 VTR「150億年の遺産」
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自然を形成する元素
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星の一生は元素生成のプロセス <核分裂:超新星の爆発> -プロセス 中性子を取り込んで各種原子核を再構成。92種の元素が出揃う。
4. >109 K 56Fe > 各種の原子核 + n(中性子) <核分裂:超新星の爆発> -プロセス 中性子を取り込んで各種原子核を再構成。92種の元素が出揃う。 その中の一つが ウラン 238U であり、金Auである. 星の一生は元素生成のプロセス
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元素形成プロセス=星の進化 1.超高温状態での核融合反応によって 水素原子核(H)からヘリウム(He)がつくられ(H燃焼)
2.さらにヘリウム(He)から炭素(C)、酸素(O)がつくられる(He燃焼)。 3.He, C, Oなどが核融合して さらに重い原子核がつくられ(重イオン反応) 4.最終核融合反応生成物として 最も安定な原子核である鉄(Fe)がつくられる(e プロセス)。 このようなプロセスが 星の一生 であり、 星は平均100億年の寿命がある。
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元素形成プロセス=星の進化 <核融合> <恒星の中で> <赤色巨星の中で> <核融合反応の最終生成物> 温度 核反応 d名称
1. 107 K 4 1H > 4He H燃焼 <恒星の中で> 2. 108 K 3 4He > C He燃焼 4He C > O 3. 109K 2 12 C > Ne + 4He 重イオン反応 O > 32S H + He 3x109K S > Fe e プロセス <赤色巨星の中で> <核融合反応の最終生成物>
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理科年表 www.rikanenpyo.jp/kaisetsu/ tenmon/tenmon_021.html
核融合 核分裂 F N 理科年表 tenmon/tenmon_021.html
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5. その後、星は自爆して死を迎える (これが超新星の爆発である)。 この爆発により鉄は核分裂して 様々な大きさ(重さ)の原子核となり、それらがまた結合して 鉄よりも重い原子核がつくられる。 ウラン(238U)は自然界の中で最も重い原子核である。 これらの核反応によりどの銀河系でも 共通な92種の元素が出そろったと考えられている。
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c. 原始太陽(protosun)と 惑星の形成 (約50億年前)
銀河系の中の超新星が約50億年前に爆発(g-プロセス)、 飛び散った元素(92種)<これを宇宙塵という>が 再び集まって密度の高い集団(星)を形成した。 その一つが太陽(protosun)であり、太陽系惑星 太陽;半径:138x104km (地球の200倍) 重さ:全惑星の700倍 十分大きく、内部圧によって 内部温度は1400万度(107 K ) 核融合反応が開始できる。 4 1H ----> 4He + energy(太陽エネルギー) 2 2D ----> 4He + energy 37x1020 KW/year (地球に届くのはその20億分の1)
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太陽と8つの太陽系惑星 太陽系第3惑星 地 球
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水の惑星 8つの太陽系惑星の中でなぜ地球だけが 海(液体の水)をたたえているのか? 海(液体の水)が出現するための基本条件: 0〜100℃
海(液体の水)をたたえているのか? 水の惑星 地球になぜ水があるのだろうか? 太陽系9つの惑星の中で、水が液体として存在するのは地球だけというのは本当なのか? 海(液体の水)が出現するための基本条件: 0〜100℃
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太陽系 9つの惑星 ・第一条件:太陽からの距離 惑星: 水星 金星 地球 火星 木星 土星 天王星 海王星 冥王星
太陽系 9つの惑星 ・第一条件:太陽からの距離 惑星: 水星 金星 地球 火星 木星 土星 天王星 海王星 冥王星 表面温度: (℃)
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月は、太陽からの距離が地球と 同じである にもかかわらず水が無い。 なぜか? ・第二条件:サイズ 月は地球より小さく重力は地球の1/6。
同じである にもかかわらず水が無い。 なぜか? 月は地球より小さく重力は地球の1/6。 すなわち、水分子を引力圏内にとどめておくことができず、 宇宙空間に逃げてしまったのだ。 (月では、昼間の温度が110℃, 夜間の温度が-180℃)
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原始地球大気中で起こったこと 環境:激しい雷雨、強い放電、紫外線 再現実験:ミラーの実験 結論<反応生成物>=
再現実験:ミラーの実験 灼熱の地表から水が蒸発し、 急上昇にて積乱雲をつくり激しい雷雨が降っていた。 太陽からは強い紫外線が降り注いでいた。 大気中のガス:H2, NH3, CH4, H2O それらの化学反応により生成したCH2O, HCN ガスが充満。 水蒸気によって絶えず拡散し、反応を繰り返していた。 結論<反応生成物>= 有機化合物(アミノ酸、糖、核酸塩基) 生成した有機化合物は海に溶けた (太陽からの強い紫外線によって分解されず に蓄積していった)。
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1週間後のたまり水の中には (CH2O) 6 = グルコース:生体エネルギー源、 他の生体物質の生合成材料
他の生体物質の生合成材料 (CH2O) = リボース :核酸RNAの構成成分 (HCN) = アデニン :核酸, DNA,RNAの構成成分 (HCN) 3 + CH2O = シトシン :核酸, DNA,RNAの構成成分 HCN + CH2O + H2O = グリシン :最も単純なアミノ酸。 タンパク質の構成成分 生体をつくる基本分子がつくられた(化学進化)
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Adenine Glucose (CH2O) 6 (HCN) 5
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海の中で 生命が発生した ・原始地球上の海辺で生体高分子 (タンパク質、核酸)がつくられ、 原始細胞(コアセルベート)=
原始細胞(コアセルベート)= 原始生命が発生した。 コアセルベート ▼ 単細胞生物は、太陽からの強い紫外線から護られた海の中で、 複雑な多細胞生物へと進化 ▼ やがて、光合成を行う藍藻(シアノバクテリア)ができ、 ▼ おだやかな気温と酸素量が増えた陸上で生活する動物へと進化。 ▼ 今から約200万年前に人類の祖先が地球上に現れた。 ヒトを構成する元素の種類と比率は海水の元素量/比率とよく似ている --> 人は海から生まれ、今も海を抱えている。
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§1 有機化合物とは? Organic compound: Vital forceをもった生命体だけが作れる物質 生命活動を支える物質
§1 有機化合物とは? ● Organic: 生命体 Organic compound: Vital forceをもった生命体だけが作れる物質 生命活動を支える物質 ● Wheler (1828) 無機化合物から有機化合物を合成 NH4 NCO > NH2CONH2 尿素 シアン酸アンモニウム ●現代の定義 有機化合物:C化合物 天然、非天然を問わない 有機化合物は地球を特徴づけるものの一つ (地球上での有機化合物の種類、数は圧倒的:3-400万) 地球外に有機化合物が存在するか?
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●人間の身体:有機化合物から成る (水と様々な無機化合物も含まれる) ●自然界では緑色植物が無機化合物を 有機化合物に変換している(光合成)
生物体を構成する有機化合物 ●人間の身体:有機化合物から成る (水と様々な無機化合物も含まれる) ●自然界では緑色植物が無機化合物を 有機化合物に変換している(光合成)
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光合成 6 H2O + 6 CO2 C6H12O6 + 6 O2 H2O とCO2 は、燃焼、呼吸により生じる“燃えかす”
光合成 緑色植物は、太陽エネルギーを使って 水と二酸化炭素からブドウ糖(生体物質)と 酸素を合成する。 太陽光 6 H2O + 6 CO C6H12O O2 クロロフィル ブドウ糖 (生体物質) H2O とCO2 は、燃焼、呼吸により生じる“燃えかす” エネルギー的には利用価値なし。 光合成(太陽エネルギー)により有効資源へと再生
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生体内での物質変換(メタボリズム) 呼吸・燃焼 H2O + CO2 +太陽エネルギー 細胞内 ぶどう糖 H2O + CO2 光合成
内呼吸 エネルギー ぶどう糖 核 酸 (RNA, DNA) セルロース (植物構造体) アセチルCoA エネルギー (ATP) アミノ酸 ステロイド ゴ ム タンパク質 脂質 呼吸・燃焼 H2O + CO2 (燃えかす)
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人間生活の中で有機化合物が 利用されている例 ?
人間生活の中で有機化合物が 利用されている例 ? 衣食住: 健康維持: 食料生産: 産 業: エネルギー源として:
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Solomons Thus for good or bad, organic chemistry is
associated with nearly every aspect of our lives. We should be wise to understand it as best we can. Solomons
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