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7.4 Two General Settings D3 杉原堅也.

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1 7.4 Two General Settings D3 杉原堅也

2 7.4 節の内容 定理 7.4.1 定理 7.4.2 定理 7.4.3   この節でやることを大雑把に言うと,   ランダムグラフ G(n, p) を一般化したもの(正確にはもっと一般的なものを扱う)を対象として、マルチンゲールを定義し、2つの不等式を紹介する.

3 定義 1 A = {0, 1} B = {vw, wx, xv} A, B をある集合とし, を関数 g : B → A の集合とする.
例: A = {0, 1}, B をグラフG (節点数n) の節点ペアの集合, とすれば, g ∈ AB は n節点のグラフとみなせる.  A = {0, 1} B = {vw, wx, xv} v g(vw)=1 g(wx)=1 g(xv)=0 w x 全ての節点ペア b ∈ B で p1b = p, p0b = 1- p とすれば, g はランダムグラフ G(n, p).

4 定義 2 gradation を固定, を汎関数(e.g., クリーク数)とする. マルチンゲール を次のように定義.
B1 定義 2 B2 B3 B4 gradation      を固定,          を汎関数(e.g., クリーク数)とする. マルチンゲール          を次のように定義. b ∈ Bi で g(b)=h(b) = E[L(g)] : 定数. (h) = L(h) . b ∈ Bi+1 で g(b)=h(b) Xi(g) の値は g(b) が「公開される」につれて L(g) に近づく.

5 定義 2 gradation を固定, を汎関数(e.g., クリーク数)とする. マルチンゲール を次のように定義.
B1 定義 2 B2 B3 B4 gradation      を固定,          を汎関数(e.g., クリーク数)とする. マルチンゲール          を次のように定義. b ∈ Bi で g(b)=h(b) b ∈ Bi+1 で g(b)=h(b) Xi の値は b ∈ Bi だけが寄与する. Xi+1 の値は b ∈ Bi+1- Bi の寄与が新たに加わる.

6 リプシッツ条件 汎関数 L の,gradation   に関するリプシッツ条件.   全ての       に対し,   h, h’ が 上でのみ異なる

7 定理 7.4.1 定理 7.4.1   L が                に関するリプシッツ条件を満足するとき,対応するマルチンゲールは   全ての           で,

8 系 7.2.2 (前回のスライド) X0,…,Xm をマルチンゲール、X0 = c とし、 |Xi+1–Xi| ≦ 1
が 0 ≦ i < m について成り立つとする。 このとき、次が成り立つ。

9 定理 7.4.1(証明) H wh’ を条件付き確率とすると H: b ∈ Bi+1 で h’(b) = h(b) となる
  h’ ∈ AB の集合. H wh’ を条件付き確率とすると (条件は,b ∈ Bi+1 で h(b) = g(b)), (つまり,                            )

10 定理 7.4.1(証明) H H[h’] H: b ∈ Bi+1 で h’(b) = h(b) となる h’ ∈ AB の集合.
qh* を以下の条件付き確率とすると,

11

12 定理 7.4.1(証明) h’ と h* は Bi+1-Bi 上でのみ異なるので, 仮定からリプシッツ条件            が成立.

13 定理 7.4.2 定理 7.4.2           とおく.   L がリプシッツ条件を満足するとき,   全ての    で,

14 定理 7.2.1(前回のスライド) X0,…,Xm をマルチンゲール、X0 = 0 とし、 |Xi+1–Xi| ≦ 1
が 0 ≦ i < m について成り立つとする。 l > 0 を任意に選ぶとき、次が成り立つ。 (Azumaの不等式)

15 系 7.2.2 (前回のスライド) X0,…,Xm をマルチンゲール、X0 = c とし、 |Xi+1–Xi| ≦ 1
が 0 ≦ i < m について成り立つとする。 このとき、次が成り立つ。 ※初期値が 0 でない場合に拡張しただけ。

16 準備 Alonら(1997)による本発表2つ目の設定.
確率空間を有限で独立な Yes/No choice とする.indexを i ∈ I. choice i は確率 pi で Yes. この確率空間上の確率変数 Y が与えられる. ・ I: 質問の有限集合. ・ 質問 i ∈ I をオラクルに投げると確率 pi で Yes. (choice) ・ 各質問の答えがYes/Noとなる確率は互いに独立. ・ 質問の答えによって決まる値が Y.

17 準備 i 以外の質問の答えを固定した時,質問 i の答えが反転しても Y は高々 ci だけ増減するとする.
ci を i の effect と呼ぶ. C を全ての ci の上界とする.      を choice i の分散とよぶ.

18 Solitaire Game ソリティアゲーム - 1人で遊ぶゲーム (e.g., パズル,クロンダイク)
Paul はある値 Y を見つけるため,(いつも正しく答えを返す)オラクルに質問 i ∈ I を投げる.    - Paul は前の質問に依存した質問を選んでよい.    - Paul の戦略は決定木で表せる. root 3 Yes 1つのパスに対してY の値が1つ決まる No 2 1 Yes No パス(line of questioning)が含むchoice i の分散の合計を そのline of questioning の分散とよぶ. 3 4 Yes ・・・ Yes No

19 定理 7.4.3 定理 7.4.3 全てのε> 0 に対し,以下が成り立つようなδ> 0 が存在する.
  全てのε> 0 に対し,以下が成り立つようなδ> 0 が存在する.   Paul の戦略において,任意のline of questioningの分散が高々 σ2 のとき,全ての α> 0 に対し, ただし,α (> 0) は            を満たす.

20 定理 の応用 ε= δ = 1とする.   C = O(1) のとき,α→∞ かつ α= o(σ) とすれば,   右辺は

21 定理 7.4.3 の応用 たいてい Paul は全ての i ∈ I を質問するので,
  ランダムグラフ G(n, p) 上で枝リプシッツ条件を満たす Y を考える.ただし,p = p(n) → 0 とする. I を      個の節点ペアに枝があるかない(Yes/No)とし,   全ての pi = p (ランダムグラフ), C = 1 (リプシッツ条件)なので,   このとき,α→ ∞,          ならば,右辺は

22 グラフ特徴量のリプシッツ条件 (前回のスライド)
グラフ上の特徴量 f について、枝 1 本だけ異なる 2 つのグラフ H,H’ において | f(H)–f(H’)| ≦ 1 が成り立つとき、f は枝リプシッツ条件を満たすという。同様に、頂点 1 個だけ異なる 2 つのグラフ H,H’ において上式が成り立つとき、頂点リプシッツ条件を満たすという。

23 定理 7.4.3 (再褐) 定理 7.4.3 全てのε> 0 に対し,以下が成り立つようなδ> 0 が存在する.
  全てのε> 0 に対し,以下が成り立つようなδ> 0 が存在する.   Paul の戦略において,任意のline of questioningの分散が高々 σ2 のとき,全ての α> 0 に対し, ただし,α (> 0) は            を満たす.

24 定理 7.4.3 (証明) 簡単のため E[Y] = 0 とする. また,upper tailを示す.つまり, を示す. とおくと, は .
              は      . 以降,                      を示せばよい. なぜなら, Markov Bound

25 定理 7.4.3 (証明) まず次のことを示す. 全てのε> 0 に対し,δ> 0 が存在して,
  全てのε> 0 に対し,δ> 0 が存在して,   0 ≦ p ≦ 1 と |a|≦ δ に対し, 左辺を a に関してテイラー展開. (左辺) = a2p(1-p)/2 + ・・・ aj ( j ≧3 ) の係数は,高々 δを, |a| ≦δが          を満たすように取ると, 1 + x ≦ ex を使って右辺を得る.

26 定理 7.4.3 (証明) 決定木の深さに関する数学的帰納法で(7.2)を示す. M = 0 のとき,Y は定数なので成立.
Paul の最初の質問に対して,   p: 確率,c: effect,v = p(1-p)c2 を分散とする.   また,μy, μn を最初のオラクルがYes/Noを返すときの Y の条件付き期待値とする.   ・ E[Y] = 0 なので,0 = pμy + (1-p)μn.   ・ effect の定義から,|μy -μn|≦ c.   ・ パラメータ b (|b| ≦ c) を用いて,    μy = (1-p)b, μn = -pb とかく. root Yes No μy μn Yes No Yes ・・・ Yes No No

27 定理 7.4.3 (証明) μy = (1-p)b, μn = -pb. 先に示した から, μy μn ・・・ root Yes No
先に示した から, root Yes No μy μn Yes No Yes ・・・ Yes No No

28 定理 (証明) Ay をオラクルがYesを返したときの e λ(Y-μy) の条件付き期待値とする.(E[ Y-μy | Yes ] =0.) An をオラクルがNoを返したときの e λ(Y-μn) の条件付き期待値とする.(E[ Y-μn | No ] =0.) Yes/Noが帰ってきたとき,部分木に関して Y の分散は高々σ2- v,深さは M-1. 帰納法の仮定から, root Yes No μy μn Yes No Yes ・・・ Yes No No

29 定理 (証明) root Yes No μy μn Yes No Yes ・・・ Yes No No


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