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研究課題 C4411 天然色素に防虫効果があるのは本当? スライドショー26枚再生【12秒間隔に設定】
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ヒメマルカツオブシムシ ※ 写真、イラストはすべてイメージです。
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白い花に集まるヒメマルカツオブシムシ成虫
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ヒメマルカツオブシムシ タンスにしまっておいた服が虫に食われて穴があいてしまったことを経験された人は多いと思います。その犯人の虫の一つがヒメマルカツオブシムシです。 成虫は加害しませんが、幼虫は細長いダルマ形(体長4-5mm)で、繊維害虫として知られています。 世界中に分布し、羊毛、繭、生糸などの繊維のほか、乾いた動物質のものを食べ荒らす大害虫です。 幼虫の期間は10ヶ月間に及び、その間に6-8回脱皮し、幼虫で越冬します。幼虫は暗所を好み、繊維、動物質(水産乾物、動物昆虫標本、カイコの蛹)を摂取して生育します。 4月ころ蛹化、5月ころ成虫となります。 年に一世代。成虫は暗所を好み産卵し、産卵後は屋外に飛来し、マリーゴールドの花などの白い花に集まります。 成虫の寿命は1月間くらいです。卵は楕円形、乳白色で大きさは約0.6mmです。
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成虫
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卵
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成熟幼虫
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老熟幼虫
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繊維害虫
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ヒメマルカツオブシムシ タンスにしまっておいた服が虫に食われて穴があいてしまったことを経験された人は多いと思います。その犯人の虫の一つがヒメマルカツオブシムシです。 成虫は加害しませんが、幼虫は細長いダルマ形(体長4-5mm)で、繊維害虫として知られています。 世界中に分布し、羊毛、繭、生糸などの繊維のほか、乾いた動物質のものを食べ荒らす大害虫です。 幼虫の期間は10ヶ月間に及び、その間に6-8回脱皮し、幼虫で越冬します。幼虫は暗所を好み、繊維、動物質(水産乾物、動物昆虫標本、カイコの蛹)を摂取して生育します。 4月ころ蛹化、5月ころ成虫となります。 年に一世代。成虫は暗所を好み産卵し、産卵後は屋外に飛来し、マーガレット、コデマリ、マリーゴールド、カモミールなどの白い花に集まります。 成虫の寿命は1月間くらいです。卵は楕円形、乳白色で大きさは約0.6mmです。
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試験方法 乾繭布袋中に大量発生したヒメマルカツオブシムシ幼虫を採取して、温度24±1℃のインキュベーター内でカツオブシ粉末を餌にして1年間飼育した大きさがよく揃った比較的若齢のエサをよく食べる時期のヒメマルカツオブシムシ幼虫を使って、 虫が食べることを好む色素と嫌う色素の究明ならびに防虫効果のある天然由来物質の探索などの研究を行っています。 食害試験は、染色した各試料は2cm四方の大きさに切断して(重量は約0.5gグラム)、ランダムに選抜した10個体の幼虫とともにシャーレに入れ、これをインキュベーター内に保管して暗黒状態で食害試験を行った。 1週間ごとに食害量を羊毛の重量減少法によって測定した。食害試験は同一試料に2個のシャーレをあて、4週間試験を続けた。
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ヒメマルカツオブシムシ幼虫による摂食試験(1,2)
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ヒメマルカツオブシムシ幼虫による摂食試験(1,2)
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ヒメマルカツオブシムシ幼虫による摂食試験(1,2)の結果から
未染色羊毛(A)の試料はもっとも多く食害されて、すっかり食べ尽くされて布の形態をまったく残していない状況であった。さらに未染色の羊毛試料は染色した羊毛の場合とはやや異なって、食害量が食害日数の経過とともに増加する傾向が観察された。 3-4週間目には7日間で15-17mg(10匹平均mg)も食っており、幼虫が空腹になることなく羊毛を栄養源として食べて成長していることが推察される。 ウコンで染色した羊毛(B)とヘマチンで染色した羊毛(C)についても、布の痕跡はかろうじて残っているが、よく食べられている。7日間当たりの食害量で調べると、2週間目が最高であり、2週間目以降は食害量はやや低下している傾向があった。 一方、上記の3点の試料に対して、ヘマチンで染色したのち鉄媒染した羊毛(D)は食害量がきわめて少なく、さらにラックダイ虫から抽出した色素で染色した羊毛(E)はほとんど食べられていない。 両試料とも虫に食べられて布に穴が空いているところはまったくなく、ヒメマルカツオブシムシ幼虫は4週間、絶食して生き続けていたのである。なぜヒメマルカツオブシムシはラックダイ虫抽出色素で染色した羊毛を忌み嫌がっていたのであろうか。興味ある実験結果となった。
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ヒメマルカツオブシムシ幼虫による摂食試験(その3)
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摂食前 摂食後
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10匹の幼虫で4週間摂食したあとの羊毛布状態 紫根で染色した色の濃さと試料の並べ方違いによる摂食状況
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要約 天然色素の機能性究明の一環として、各種の天然色素抽出物で染色した羊毛布のヒメマルカツオブシムシ幼虫による摂食量の関係を調査した。得られた結果は次のとおりである。 紫根やウコンのような一部例外はあっが、多くの天然色素抽出物は摂食を著しく抑制阻止する効果が認められた。 摂食は色の濃さや色合いには関係しない。 ウコンを除く天然色素抽出物に共通して含まれる280nm付近に吸収をもつ水溶物の成分(タンニン酸、カテキン)が、摂食抑制の主たる原因となっていると考えられた。 ポリフェノール化合物のタンニン酸とエピカテキンは摂食抑制と密接な関係があり、タンニン酸、カテキン類の付着量が大であるほど摂食抑制効果は大きいことが推定された。 例外的に摂食された紫根抽出物は、透析処理後(膜分画分子量12,000~14,000)に染色すると、摂食が著しく抑制されることを見出した。一方、透析膜から流出した液中に浸した試料は非常によく摂食された。 紫根抽出物を透析した膜から流出した主成分は、NMRスペクトル構造解析から「1-メトキシ-2-プロパノール」であると判明した。 1-メトキシ-2-プロパノール溶液に浸した試料はヒメマルカツオブシムシ幼虫によく摂食された。 鉄媒染(硫酸第一鉄、木酢酸鉄)を施すと、摂食抑制効果が認められた。
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Web サイト;J-STAGEよりアクセス
研究報告 日本蚕糸学雑誌 Vol. 72, No. 2, pp , 2003 Web サイト;J-STAGEよりアクセス JARQ Vol. 38, No.4, pp , 2004 Web サイト;JIRCASよりアクセス.
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これが私の最後の研究報告となりました。 38年間、たいへんお世話なりました。 ありがとうございました。 平成17年1月
謝辞 これが私の最後の研究報告となりました。 38年間、たいへんお世話なりました。 ありがとうございました。 平成17年1月
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