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音読能力のスコア化と 英語学力との相関に関する研究

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Presentation on theme: "音読能力のスコア化と 英語学力との相関に関する研究"— Presentation transcript:

1 音読能力のスコア化と 英語学力との相関に関する研究
鈴木政浩(西武文理大学) 阿久津仁史(東京都文京区立第八中学) 飯野 厚(清泉女学院短期大学) 大澤由加里(埼玉県立蕨高校) 2019/2/21

2 音読能力の測定の問題 音読速度(渡辺1990;Shinzawa,2004) 単語の読み間違いを数える(Devine,1987)
観点による主観的評価(京堂,1989;英検2次試験) 音読の録音データ分析(小泉,2003) 問題点:数値化においてはその前提となる語彙力やミステイク(偶発的な発話ミス)などが考慮できないこと、主観的評価法の数値化の難。肉声データ分析による多面的評価がもっとも理想だが時間的、人的に時間がかかる 2019/2/21

3 本研究の目的 1.音読能力の数値化 2.音読能力と習熟度の関係を探る A B C D 習熟度 音読能力 2019/2/21

4 音読能力測定法 特徴 ①Windows XPのシステムの利用 ②学習者の英語音声アメリカ英語の発音との違いを比較して数値化
  Speak!(ライトハウス社) 特徴 ①Windows XPのシステムの利用 ②学習者の英語音声アメリカ英語の発音との違いを比較して数値化 ③テキストの音読後,即座に音読能力を数値化 2019/2/21

5 2019/2/21

6 習熟度の測定法 CASEC(Computerized Assessment System for English Communication) 運営会社:(株)教育測定研究所 セクション1:語彙の知識(15問250点) セクション2:表現の知識(15問250点) セクション3:リスニングでの大意把握(15問250点),   セクション4:ディクテーション(10問250点) テスト時間:約40分~70分 CASECホームページより転載 2019/2/21

7 CASECホームページより転載 2019/2/21

8 研究の方法 被験者:埼玉県内の大学生40人(1~3    年生)(男子24名,女子16名) 2019/2/21

9 手続き CASECによる被験者の英語能力測定 1人ずつコンピューターに向かい,問題に答える。 所要時間約50分
Speak!による音読能力測定 英検2級2次試験のパッセージ(62語)の音読 内容理解の確認 録音方法の説明 練習をした上で本番の音読 練習とは別の英文で測定 所要時間は10分程度 ソフトウエアの判定を,記録用紙に記入して提出 2019/2/21

10 測定に使用した英文 Childcare It is difficult for parents to work and raise children at the same time. Now, some companies are introducing a system to help such parents. This system allows employees with small children to use a childcare service at the workplace. This way, they can do their work without worrying about their children. These services are very useful for working parents. 実用英語検定試験2005年第1回2級二次試験より 2019/2/21

11 結果(1) 英語習熟度と音読能力の関係 やや強い正の相関(r= .608, p<.01) 平均値 標準偏差 習熟度スコア 404.05
結果(1) 英語習熟度と音読能力の関係 やや強い正の相関(r= .608, p<.01) 平均値 標準偏差 習熟度スコア 404.05 122.11 音読のスコア 177.73 28.08 Table 1 CASECとSpeak!の平均値と標準偏差 (N=40) Pearson の相関係数 音読スコア! 習熟度スコア .608(**) ** 相関係数は 1% 水準で有意 (両側) Table 2 CASECのスコアとSpeak!のスコアの相関 2019/2/21

12 散布図 CASECのスコア(習熟度) 音読能力 2019/2/21

13 結果(2) 習熟度の内訳と音読能力の関係 語彙力・表現力・聴解力と音読能力は弱めの正相関 ディクテーション能力と音読能力は中程度の正の相関
 Pearson の相関係数 音読スコア CASEC SECTION1(語彙) .489(**) CASEC SECTION2 (表現) .419(**) CASEC SECTION3 (聴解) .475(**) CASEC SECTION4(書き取り) .625(**) ** 相関係数は 1% 水準で有意 (両側) Table 5 CASEC Section1(語彙の知識)とSpeak!のスコアの相関(N=40) 語彙力・表現力・聴解力と音読能力は弱めの正相関 ディクテーション能力と音読能力は中程度の正の相関 2019/2/21

14 結果(3) 習熟度上位群と下位群の比較 上位群:習熟度と音読スコアには相関関係が見られなかった。
平均値 標準偏差 習熟度スコア 上位群 505.45 下位群 306.35 音読のスコア 196.15 160.25 相関係数 習熟度CASEC上位(N=20) r=-.049 n.s.(有意確率 .838) 習熟度CASEC下位(N=20) r=.435 n.s.(有意確率 .055 有意傾向) Table 3 CASEC上位群・下位群のスコアとSpeak!のスコアの相関 上位群:習熟度と音読スコアには相関関係が見られなかった。 下位群:中程度の正相関(r=.435, 有意確率 .055) 2019/2/21

15 考察 習熟度と音読能力比較的高い相関が認められた 音読の上手・下手は個人差要因が大きく関係する可能性がある。 →ソフトウエアを使った音読能力および習熟度の測定はある程度の妥当性を示しながら,学習者個々の違いを無視することはできないことを反映していると考えてよい ディクテーションとの相関が最も強い 文字から音声へというmodeの音読と同じ知識ベース、すなわち音声と文字が一致した形でのメンタルレキシコン(心的語彙)を共有してることを示唆 Speakが測定する音読力は、1語ごとの正確な音声であり、超分節音レベルのプロソディには対応していない。この機能上特徴も、ディクテーションスコアと音読スコアの強い関係を示す結果につながったと言えよう。 2019/2/21

16 課題 スコアの信頼性の問題 範読の質と音読練習 独立変数の設定 ネットワーク環境の壁 セキュリティーの問題でインストールや動作に問題が発生
複数のテキストを音読しスコアを計測。ソフトウエアの算出するスコアの信頼性を確認する。 人間の耳による評価との関係 範読の質と音読練習 教師のモデルリーディングとソフトウエアのリーディングの違い 独立変数の設定 音読能力と習熟度のどちらが独立変数か →音読による習熟度が上がるのか or 習熟度が上がると音読能力が上がるのか ネットワーク環境の壁 セキュリティーの問題でインストールや動作に問題が発生 2019/2/21

17 2 不要につき削除 音読に関する実証的な研究 1970’s  oral miscue analysis 音読を総合的英語力のデータ指標として扱う傾向、 羽鳥博愛(1977) 音読と読解の関係 - 峰野光善(1985) 音読とチャンク化の関係 + 京堂弘美(1989) 音読の評価とスピーキングの関係  渡辺浩行(1990) 音読指導と音読速度、読解速度 + 駒場利男(1992) PC利用音読指導 チャンク化 + 橘堂弘文(1993) 音読と学習 飯野厚(1998) 音読の長期的指導がリスニング力向上に効果、フレーズ認識、読解には有意傾向 鈴木寿一(1998) 音読指導と読解速度、聴解力の関係 + 〃    (2000) 音読指導と読解速度、読解力 + 安木真一(2001) 音読指導とチャンク化の関係 + 宮迫靖静(2002)音読指導と英語力 阿久津・飯野・鈴木(2005) 音読がリスニングに及ぼす効果 + 2019/2/21


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