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呼吸器疾患 喘息・COPD みどり町店 佐々木 真子
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換気障害の分類 拘束性換気障害 正常 混合性換気障害 閉塞性 換気障害 間質性肺炎 1秒率(FEV ) 喘息 COPD %
100 拘束性換気障害 正常 混合性換気障害 閉塞性 換気障害 間質性肺炎 1秒率(FEV ) 70 喘息 COPD 1 % 80 100 %肺活量(%VC)
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喘息(気管支喘息) ○疫学 ・文部科学省が集計している「学校保健統計調査」の2016年度の喘息の者の割合は、幼稚園:2.30%、小学校:3.69%、中学校:2.90%、高校:1.91% ・幼稚園から高校まで、男女間では男性が女性よりも高い値を示す。 ・2006年の、日本人20~44歳全国調査における喘息有症率は9.4%、有病率は5.4%であり、ここ20年で2~3倍に増加している。 有症率 過去12ヶ月以内に、ぜいぜい、ヒューヒューしたことがありますか?という問いにハイと答えた場合、「喘息症状あり」=有症率に加えられる 有病率 医師による喘息の診断に加え、喘息症状がある、もしくは抗喘息薬を使用している場合、「喘息あり」=有病率に加えられる
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○病態 喘息では慢性の気道炎症、気道過敏性の亢進、気道閉塞が存在しており、これらにより喘息症状がみられる。なお、これらの病態は症状がないときも存在している。慢性化または難治化した気管支喘息ではリモデリングが進行している。 ○症状 ・夜間~早朝に発作性の呼吸困難、喘鳴、咳嗽が反復してみられる ・聴診上、連続性ラ音(笛音:高い、ヒューヒュー)を認める ・安静時には発作が生じなくても、運動、労作時に生じる場合がある ★発作の引き金 ・上気道感染症(かぜ症候群) ・アレルゲン ・運動および過換気 ・気温・気圧の変化 ・アルコール ぜー ぜー ・薬物 ・気道刺激物(タバコなど) ・疲労やストレス ・月経
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○病因による分類 アトピー型(外因型) 非アトピー型(内因型) 発症年齢 発生因子 証明できる 証明できない 遺伝的素因 あり なし
・ほとんどが小児(5歳未満)に発症 ・成人でも若年者では多い ・多くは成人(40歳以上)に発症 発生因子 吸入抗原(アレルゲン)に対する Ⅰ型アレルギーが関与 ・喫煙と肥満が関与 ・気道感染(特にウイルス性)に 引き続いて発症することがある 環境アレルゲンに対する特異的IgE抗体 証明できる 証明できない 遺伝的素因 あり なし
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○アスピリン喘息 アラキドン酸 COX LT PG 発熱・疼痛時の対応 ・塩基性NSAIDs、アセトアミノフェン、
アスピリン喘息誘発物質 ・酸性NSAIDs ・NSAIDs以外の薬物 ・添加物 ・自然界のサリチル酸化合物 アラキドン酸 5-リポキシ ゲナーゼ COX LT PG 発熱・疼痛時の対応 ・塩基性NSAIDs、アセトアミノフェン、 選択的COX-2阻害薬は添付文書上禁忌だが、使用可。 ・モルヒネ、ペンタゾシン、非エステル型ステロイド、葛根湯などはCOX-1阻害作用ないため安全に使用できる。 アスピリン喘息治療の注意点 ・コハク酸エステル型ではなく、リン酸エステル型のステロイドを使用する ・ステロイドの急速静注は発作を誘発しやすいため、点滴静注する
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成人喘息 ○診断 診断は、①発作性の呼吸困難、喘鳴、咳、胸苦しさなどの症状の反復、②可逆性の気流制限、③他の心肺疾患などの除外による。
診断は、①発作性の呼吸困難、喘鳴、咳、胸苦しさなどの症状の反復、②可逆性の気流制限、③他の心肺疾患などの除外による。 1.発作性の呼吸困難、喘鳴、咳(夜間、早朝に出現しやすい)の反復 2.可逆性の気流制限 β2刺激薬吸入により1秒量が12%以上増加かつ絶対量で200 mL以上増加 3.気道過敏性の亢進 アセチルコリン,ヒスタミン,メサ コリンによる気道収縮反応の亢進 4.アトピー素因 環境アレルゲンに対する特異的IgE抗体 5.気道炎症の存在 喀痰中の好酸球数の増加、ECP高値、クレオラ体の証明、呼気NO上昇 6.他疾患の除外
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. ・スパイロメトリー:1秒量(FEV1 ) ↓ , 1秒量( FEV1 %) ↓ ・フローボリューム曲線:ピークフロー値 ↓ , FVC ↓ , V 50 ↓ , V25 ↓ ・β2受容体刺激薬の吸入で、FEV1 が12%以上かつ200mL以上増加⇒気流制限の可逆性 ・Ⅰ型アレルギー検査:好酸球 ↑ , IgE ↑ (RAST法、皮膚テストなど) , ECP ↑ 閉塞性 換気障害 努力肺活量(FVC) 最大吸気位から最大呼気位まで一気に呼出させた時の呼出量 1秒量(FEV1) 努力性肺活量を測定する際の呼出開始点から1秒間に呼出し得る呼出量 1秒率(FEV1%) 1秒率(FEV1%)=1秒量(FEV1)/ 努力肺活量(FVC)×100% 予測値に対する 1秒率(%FEV1) %FEV1= (FEV1測定値/ FEV1予測値)×100 V 50 努力肺活量の50%を呼出した瞬間の呼気気流速度 V25 低下は末梢気道の閉塞性変化を反映
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○治療目標 1.健常者と変わらない日常生活を送ることができる 2.非可逆的な気道リモデリングを防ぎ、正常に近い呼吸機能を保つ PEFの変動が80%以上かつ、PEFが予測値の20%未満 3.夜間や早朝を含めた喘息発作の予防 4.喘息死の回避 5.治療薬による副作用発現の回避
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○未治療の臨床所見による喘息重症度の分類(成人)
軽症間欠型 軽症持続型 中等度持続型 重症持続型 症状の 特徴 頻度 週1回未満 週1回以上だが 毎日ではない 毎日 強度 症状は 軽度で短い 週1回以上日常生活や 睡眠を妨げられる 週1回以上日常生活や睡眠を妨げられる 日常生活に 制限有り ― しばしば増悪 夜間症状 月に2回未満 月2回以上 週1回以上 しばしば %FEV1, PEF %PEF 80%以上 60%以上 80%未満 60%未満 日内変動 20%未満 20~30% 30%を超える 治療ステップ ステップ1 ステップ2 ステップ3 ステップ4
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○治療 ①薬物療法 コントローラー(長期管理薬)を継続的に使用し、発作時にリリーバー(発作治療薬)を追加する。 ②原因因子の回避・除去 ・アレルゲンの除去 ・禁煙、禁酒 ・呼吸器感染症の予防 ・激しい運動は控える ・肥満の防止
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○喘息治療ステップ ステップ1 治療ステップ2 治療ステップ3 治療ステップ4 長期 管理薬 基本 治療 吸入ステロイド薬 (低用量)
(低~中用量) (中~高用量) (高用量) 上記が使用できない場合、以下の いずれかを用いる ・LTRA ・テオフィリン徐放性製剤 上記で不十分な場合に以下のいずれか1剤を併用 ・LABA(配合剤の使用可) ・LTRA ・テオフィリン徐放性製剤 上記に下記の いずれか1剤~複数を併用 ・LAMA 複数を併用 ・LABA(配合剤の使用可) ・LTRA ・テオフィリン徐放性製剤 ・LAMA ・抗IgE抗体 ・経口ステロイド 追加 LTRA以外の抗アレルギー薬(ケミカルメディエーター遊離抑制薬、H1受容体拮抗薬、TXA2受容体拮抗薬、TXA2合成阻害薬、Th2サイトカイン阻害薬) 発作治療 吸入SABA
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小児喘息 ○治療目標 1.β2刺激薬の頓用が減少、または必要がない。 2.昼夜を通じて症状がない。
3.ピークフロー(PEF)やスパイログラムがほぼ正常で安定している。 4.気道過敏性が改善し、運動や冷気などによる症状誘発がない。 5.スポーツも含め日常生活を普通に行うことができる。 6.治療に伴う副作用が見られない。
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○治療ステップを考慮した小児の重症度判定
現在の治療ステップを考慮した真の重症度 治療 ステップ1 ステップ2 ステップ3 ステップ4 軽症間欠型 ・年に数回、季節性の咳嗽、軽度喘息の出現 ・β2刺激薬頓用で短期間で症状が改善。 軽症 間欠型 持続型 中等症 重症 軽症持続型 ・咳嗽、軽度喘息が1回/月以上、1回/週未満。 ・呼吸困難を伴うが、持続は短く、日常生活が障害されることが少ない。 中等症持続型 ・咳嗽、軽度喘息が1回/週以上。毎日は持続しない。 ・時に中・大発作となり、日常生活や睡眠が障害される。 最重症 重症持続型 ・咳嗽、喘息が毎日持続する。 ・週に1~2回、中・大発作となり日常生活や睡眠が障害される。 症状のみによる見かけの重症度
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LTRA LABA(貼付薬あるいは経口薬)
○小児気管支喘息の長期管理に関する薬物療法プラン(2歳未満) 治療ステップ1 治療ステップ2 治療ステップ3 治療ステップ4 基本治療 発作の強度に 応じた薬物療法 LTRA and/or DSCG ICS(中用量) ICS(高用量) 以下の併用も可 LTRA 追加治療 ICS(低用量) LTRA LABA(貼付薬あるいは経口薬) LABA(貼付薬あるいは経口薬) テオフィリン徐放製剤(考慮) (血中濃度5~10μg/mL) 低用量 中用量 高用量 FP,BDP,CIC ~100 ~200 ~400 BIS ~250 ~500 ~1000 FP:フルチカゾン(フルタイド) BDP:ベクロメタゾン(キュバール) CIC:シクレソニド(オルベスコ) BIS:ブデソニド吸入懸濁液 DSCG:クロモグリク酸ナトリウム
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○小児気管支喘息の長期管理に関する薬物療法プラン(2~5歳)
治療ステップ1 治療ステップ2 治療ステップ3 治療ステップ4 基本治療 発作の強度に 応じた薬物療法 ICS(低用量) and/or LTRA and/or DSCG ICS(中用量) ICS(高用量) 以下の併用も可 LTRA テオフィリン徐放製剤 LABAの併用あるいはSFCへの変更 追加治療 LTRA LTRA テオフィリン徐放製剤 LABAの追加あるいはSFCへの変更 以下を考慮 ICSのさらなる増量あるいは高用量SFC 経口ステロイド薬 低用量 中用量 高用量 FP,BDP,CIC ~100 ~200 ~400 BUD ~800 BIS ~250 ~500 ~1000 DSCG:クロモグリク酸ナトリウム SFC:サルメテロールキシナホ酸塩・ フルチカゾンプロピオン酸エステル配合剤 FP:フルチカゾン(フルタイド) BDP:ベクロメタゾン(キュバール) CIC:シクレソニド(オルベスコ) BUD:ブデソニド(パルミコート) BIS:ブデソニド吸入懸濁液
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○小児気管支喘息の長期管理に関する薬物療法プラン(6~15歳)
治療ステップ1 治療ステップ2 治療ステップ3 治療ステップ4 基本治療 発作の強度に応じた薬物療法 ICS (低用量) and/or LTRA and/or DSCG ICS(中用量) ICS (高用量) 以下の併用も可 LTRA テオフィリン徐放製剤 LABAの併用あるいはSFCへの変更 追加治療 LTRA テオフィリン徐放製剤 LTRA テオフィリン徐放製剤 LABAの追加あるいはSFCへの変更 以下を考慮 ICSのさらなる増量あるいは高用量SFC 経口ステロイド薬 低用量 中用量 高用量 FP,BDP,CIC ~100 ~200 ~400 BUD ~800 BIS ~250 ~500 ~1000 FP:フルチカゾン(フルタイド) BDP:ベクロメタゾン(キュバール) CIC:シクレソニド(オルベスコ) BUD:ブデソニド(パルミコート) BIS:ブデソニド吸入懸濁液 DSCG:クロモグリク酸ナトリウム SFC:サルメテロールキシナホ酸塩・ フルチカゾンプロピオン酸エステル配合剤
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COPD ○疫学 ・厚生労働省が3年ごとに実施している「患者調査」の平成26年調査によると、慢性閉塞性肺疾患の総患者数(継続的な治療を受けていると推測される患者数)は、26万1,000人であった。 ・性別でみると、男性18万3,000人、女性7万9,000人であった。 ・厚生労働省発表の「人口動態統計の概況」によると、平成27年1年間の慢性閉塞性肺疾患(COPD)による死亡数は1万5,756人で、死因別死亡数では10番目に多く、死亡総数に占める割合は1.2パーセントという結果であった。 ・男女別に比べてみると、男性は1万2,642人で死因別死亡数の第8位に入っているのに対して、女性はランク外(11位以下)の3,114人であった。 ・現在習慣的に喫煙している者の割合は、18.2%であり、男女別にみると、男性30.1%、女性7.9%であった。 ・年齢階級別にみると、その割合は、男性では30 歳代、女性では40 歳代で最も高かった。
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○原因 最大の原因は喫煙であり、喫煙者の15~20%がCOPDを発症する。 ○病理 COPDでは中枢気道、末梢気道、肺胞領域、肺血管に病変がみられ、これらの病変は、タバコ煙などの有害物質吸入による炎症が原因である。 ○症状 慢性の咳嗽、喀痰、労作時呼吸困難 タバコ煙はCOPD最大の危険因子で90%のCOPD患者に喫煙歴がある。 死亡率は喫煙者は非喫煙者に比べ 約10倍高い。 外因性 喫煙※(受動喫煙も含む) 大気汚染物質の吸入 有機燃料(バイオマス)を燃焼させた煙 職業性の粉塵や化学物質(刺激性の蒸気や煙)の曝露 呼吸器感染症 など 内因性 α1-アンチトリプシン欠損症
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長期の喫煙歴があり慢性にせき、たん、労作時呼吸困難があればCOPDが疑われる。
○診断 長期の喫煙歴があり慢性にせき、たん、労作時呼吸困難があればCOPDが疑われる。 診断基準 ①気管支拡張薬投与後のスパイロメトリーで1秒率(FEV1/FVC)が70%未満であること。 ②他の気流閉塞をきたし得る疾患を除外すること。 ほかの検査 ・動脈血液ガス分析 SpO2 ↓ , PaO2 ↓ , PaCO2 → or ↓ , pH → or ↓ ・胸部X線 肺過膨張、肺野透過性の亢進、滴状心、横隔膜の平低化 鑑別を要する疾患 ・喘息 ・びまん性汎細気管支炎 ・先天性副鼻腔気管支症候群 ・閉塞性細気管支炎 ・気管支拡張症 ・肺結核 ・塵肺症 ・リンパ脈管筋腫症 ・うっ血性心不全 ・間質性肺疾患 ・肺癌
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病期分類には予測1秒量に対する比率(対標準1秒量:%FEV1)を用いる。
○病期分類 病期分類には予測1秒量に対する比率(対標準1秒量:%FEV1)を用いる。 《厚生省特定疾患呼吸不全調査研究班の報告による呼吸不全の診断基準》 ①室内気吸入時のPao2(動脈血酸素分圧)が60Torr以下となる呼吸障害、またはそれに相当する呼吸障害を呈する以上状態を呼吸不全と診断する。 ②Paco2(動脈血炭酸ガス分圧)の程度により下記に分類される ・Ⅰ型呼吸不全:Paco2が45Torr※以下のもの ・Ⅱ型呼吸不全;Paco2が45Torrをこえるもの ③慢性呼吸不全とは、呼吸不全の状態が少なくとも1カ月間持続するものをいう。 なお、Pao2がボーダーライン(60Torr以上、70Torr以下)にあり、呼吸不全に至る可能性が大なる症例を準呼吸不全として扱う。 ※35 ~ 45 Torr (mmHg)が正常値 病期 定義 Ⅰ期 軽度の気流閉塞 %FEV1≧80% Ⅱ期 中等度の気流閉塞 50%≦%FEV1<80% Ⅲ期 高度の気流閉塞 30%≦%FEV1<50% Ⅳ期 きわめて高度の気流閉塞 %FEV1<30% ※気管支拡張薬投与後の1秒率(FEV1/FVC)70%未満が必須条件
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息切れなどにより日常生活の労作がどの程度障害されているかを示す質問項目から患者が選択し、日常生活の息切れの程度を評価するものである。
《修正MRC呼吸困難スケール》 息切れなどにより日常生活の労作がどの程度障害されているかを示す質問項目から患者が選択し、日常生活の息切れの程度を評価するものである。 5段階スケール(欧米の論文) grade0:強い労作で息切れを感じる。 grade1:平地を急ぎ足で移動する、または緩やかな坂を歩いて登るときに息切れを感じる。 grade2:平地歩行でも同年齢の人より歩くのが遅い。または自分のペースで平地歩行していても息継ぎのため休む grade3:約100ヤード(91.4m)歩行した後、息継ぎのため休む。または数分間、平地歩行した後、息継ぎのため休む grade4:息切れがひどくて外出ができない、または衣服の着脱でも息切れがする。 6段階スケール(日本の運動療法、COPDのガイドライン) grade0: 息切れをまったく感じない grade1: 強い労作で息切れを感じる grade2: 平地を急ぎ足で移動する、または穏やかな坂を歩いて登るときに息切れを感じる grade3: 平地歩行でも同年齢の人より歩くのが遅い。または自分のペースで平地歩行していても息継ぎの為休む grade4: 約100ヤード(91.4m)歩行した後、息継ぎの為休む。または数分間平地歩行した後息継ぎの為休む grade5: 息切れがひどくて外出ができない、または衣服の着脱でも息切れがする
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○病型分類 CT所見による病型は、「気腫型」と「非気腫型」である。肺気腫の程度を示すLAA%は体重や1秒量(FEV1)を凌駕する生命予後因子であり、肺気腫の存在自体がCOPDの予後を左右する体重減少・骨粗鬆症などの併存症と重要な関連性をもっている。 ○臨床所見 病期 臨床所見 COPDリスク群で咳、痰があるが呼吸機能検査では問題がない Ⅰ 無症状であることが多いが、慢性の咳、痰が呼吸困難に先行して起きることが多い Ⅱ 労作時に呼吸困難を自覚することがあり、日常生活に支障をきたし始める Ⅲ 症状は持続性となり、呼吸困難の悪化が顕著。吸入ステロイド薬の必要も出てくる。呼吸困難の悪化とともに全身症状(慢性呼吸不全、右心不全、体重減少など)も見られるようになる Ⅳ 慢性呼吸不全や右心不全、重い肺炎などを起こし、ベッドから離れられないような状態
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○管理目標 1.症状及びQOLの改善 2.運動耐容能と身体活動性の向上及び維持 3.増悪の予防 4.疾患の進行抑制 5.全身併存症及び肺合併症の予防と治療 6.生命予後の改善
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・薬物療法:気管支拡張薬(抗コリン薬、β1刺激薬など)、吸入ステロイドなど
○治療 安定期 ・薬物療法:気管支拡張薬(抗コリン薬、β1刺激薬など)、吸入ステロイドなど ・その他:禁煙、ワクチン接種、呼吸リハビリテーション、呼吸管理、外科療法 増悪期 ・薬物療法:抗菌薬、気管支拡張薬、ステロイド ・呼吸管理:酸素療法、換気補助療法 インフルエンザワクチン 肺炎球菌ワクチン
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○禁煙 健康保険等が適用される禁煙治療を受けるための要件 ・ニコチン依存症を診断するテストで5点以上
・1日の平均喫煙本数×これまでの喫煙年数=200以上 ・1ヵ月以内に禁煙を始めたいと思っている。 ・禁煙治療を受けることを文書で同意している。 ・健康医療保険等で禁煙治療が受けられる医療機関に受診する ※過去に健康保険等で禁煙治療を受けたことある人は初回診察時から1年経過していないと自由診療になる。
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ニコチン依存度チェック はい⇒1点 いいえ⇒0点 Q1 自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか。 Q2
はい⇒1点 いいえ⇒0点 Q1 自分が吸うつもりよりも、ずっと多くタバコを吸ってしまうことがありましたか。 Q2 禁煙や本数を減らそうと試みて、できなかったことがありましたか。 Q3 禁煙したり本数を減らそうとしたときに、タバコがほしくてほしくてたまらなくなることがありましたか。 Q4 禁煙したり本数を減らしたときに、次のどれかがありましたか。 ・イライラ ・眠気 ・神経質 ・胃のむかつき ・落ち着かない ・脈が遅い ・集中しにくい ・手の震え ・憂鬱 ・頭痛 ・食欲または体重の増加 Q5 上の症状を消すために、またタバコを吸い始めることがありましたか。 Q6 重い病気にかかったときに、タバコはよくないとわかっているのに吸うことがありましたか。 Q7 タバコのために自分に健康問題が起きているとわかっていても、吸うことがありましたか。 Q8 タバコのために自分に精神的問題※が起きていると分かっていても、吸うことがありましたか。 Q9 自分はタバコに依存していると感じることがありましたか。 Q10 タバコが吸えないような仕事やつきあいを避けることが何度かありましたか。
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禁煙治療は12週間が基本で、その間に5回診察を受ける。
禁煙外来の流れ 禁煙治療は12週間が基本で、その間に5回診察を受ける。 《初回》 ①ニコチン依存症かどうかチェック ②一酸化炭素濃度の測定 ③「禁煙開始日」を決定し、禁煙宣言 ④禁煙経験の確認とアドバイス ⑤禁煙補助薬の選択 《通院2~5回目:初回診察から2週間後、4週間後、8週間後、12週間後に診察を受ける》 ①診察:喫煙(禁煙)状況の確認、体調チェックなど ②一酸化炭素量の測定 ③禁煙を継続するためのアドバイス(ニコチン依存症の対処法など) ④禁煙補助薬の効果の確認、副作用の対応など
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薬物療法 長所 短所 ニコチン パッチ 医師により処方 一部OTC (第1類医薬品) ・ニコチンが確実に補給される(安定した血中濃度)
・食欲抑制効果 ・使用していてもほかの人からはわからない ・突然の喫煙欲求に対応できない ・汗をかく人に使いにくい ガム OTC (第②類医薬品) ・突然の喫煙欲求に対応可能 ・ニコチン摂取量を調整できる ・ニコチン補充と口寂しさを紛らわすことが同時に可能 ・効果発現までの時間がニコチンパッチより速い ・噛み方などの使用法に若干コツが必要であり、使用法によって効果に差が生じることあり→噛み方の指導必要 ・ガムを噛めない人に使えない→なめるだけでも効果あり ・口の中が酸性だと吸収が悪い→炭酸飲料、コーヒー、アルコールの摂取控える バレニクリン ・循環器患者に使用可 ・喫煙による満足感減少 ・腎機能障害者では減量が必要
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治療薬 ★吸入ステロイド(ICS) 《特徴》 ・抗喘息薬の中で最も効果的な抗炎症薬。
・吸入薬は、喘息発症後早期に開始することで急性増悪を減少させることが知られていて、長期管理薬の第一選択薬。 《禁忌》 ・有効な抗菌薬の存在しない感染症 ・深在性真菌症 《副作用》 ・アナフィラキシー ・口腔および呼吸器カンジダ症 ・嗄声 予防:吸入後うがい
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・pMDI 特徴 ・小型で軽量のため、携帯しやすい ・噴霧された薬剤を吸い込むため、発作時などの吸入力が低い場合でも吸入しやすい 注意事項
・噴霧された薬剤を吸い込むため、発作時などの吸入力が低い場合でも吸入しやすい 注意事項 薬剤の噴霧と吸入のタイミングを合わせる必要があり、手技の習得が重要 薬剤名 商品名 特徴 ベクロメタゾン キュバール 粒子径小さく(1.1μm)、肺沈着率大きい(40~55%)が、抗炎症作用は弱い。 無水エタノール含むためアルコール臭あり。 シクレソニド オルベスコ 粒子径は小さく(0.9μm)、肺沈着率大きい(52%)。 フルチカゾン プロピオン酸エステル フルタイド エアゾール 吸入ステロイドのなかでは強い抗炎症作用。 不活性化率が高い。 無臭。
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・DPI 特徴 自分のタイミングで吸入できる 注意事項 ある程度の吸入力が必要なため、幼児や高齢者、呼吸機能低下している場合は向かない
自分のタイミングで吸入できる 注意事項 ある程度の吸入力が必要なため、幼児や高齢者、呼吸機能低下している場合は向かない 口腔内に薬剤が残りやすい 薬剤名 商品名 特徴 フルチカゾン プロピオン酸エステル フルタイド ロタディスク 使った分が目に見てわかるが、中身をかえる手間がかかる。 吸入ステロイドのなかでは強い抗炎症作用。 不活性化率が高い。 乳糖含むため甘い。 ディスカス ロタディスクより吸入準備の手間がかからない。 フルチカゾンフラン カルボン酸エステル アニュイティ 高い抗炎症作用が期待できる。 モメタゾン アズマネックス 小児への投与は安全性が確立されていない。 DPIの中で粒子径もっとも小さい(2.0μm)。 ブデソニド パルミコート 苦みあり。
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・吸入液 特徴 霧状になった薬液を自然な呼吸で吸い込めるため、乳幼児や高齢者でも確実に吸入できる 注意事項 ・吸入に時間がかかる
・電池式もあるが、電力のない場所では使用できないものが多い ・器具が大きく携帯に不向きなものが多い 薬剤名 商品名 特徴 ブデソニド パルミコート ネブライザーを必ず使用
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★β2受容体刺激薬 《特徴》 SABA β2選択性が高いために心臓での副作用が起こりにくく、速やかに気管支拡張作用を示す LABA
β2選択性が高いために心臓での副作用が起こりにくく、速やかに気管支拡張作用を示す LABA コントローラーとして使用する場合、吸入ステロイド薬と併用 《副作用》 ・低K血症(骨格筋においてカリウムイオンの細胞内シフトが起こる) ・手指振戦(骨格筋のβ2受容体刺激作用) ・心悸亢進、頻脈(弱いβ1受容体刺激作用)
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・SABA 薬剤名 商品名 剤形 特徴 半減期 サルブタモール ベネトリン サルタノール アイロミール 吸入、内服 吸入
錠剤のみ珪肺結核に適応有り。 サルタノール、アイロミールは噴霧剤として代替フロン使用。 10mg内服 1.5~2h テルブタリン ブリカニール 皮下注、内服 Β2受容体選択性高い。 ― フェノテロール ベロテック 併用禁忌:カテコールアミン(エピネフリン、イソプロテレノール等)を投与中の患者。 5mg内服 7h プロカテロール メプチン 持続性。吸入液ユニットは保存剤無添加で1回使いきりタイプ。 50μg内服 3.8h
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・LABA 一般名 商品名 剤形 特徴 用法 クレンブテロール スピロペント 内服 末梢気道に対する効果。 禁忌:下部尿路閉塞 1日2回
ホルモテロール オーキシス 吸入 作用発現が速く、長時間作動型(12時間持続) サルメテロール セレベント ドライパウダーの長時間作動型。作用発現遅い。心刺激作用少ない。 インダカテロール オンブレス 1日1回の吸入で24時間にわたる気管支拡張作用。 1日1回 ツロブテロール ホクナリン 貼付 作用時間長く、持続する気道閉塞や夜間発作を予防。
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★ICS+LABA 商品名 アドエア シムビコート 成分(ICS/LABA) 作用発現時間 15分程度 1分程度 作用持続時間 12時間
フルチカゾンプロピオン酸エステル /サルメテロールキシナホ酸塩 ブデソニド /ホルモテロールフマル酸塩水和物 作用発現時間 15分程度 1分程度 作用持続時間 12時間 吸入器具 ディスカス、pMDI タービュヘイラー 平均粒子径 4.4μm 2.2~2.4μm 用法 1日2回 用量調節 規格変更 吸入回数変更
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商品名 フルティフォーム レルベア 成分(ICS/LABA) 作用発現時間 3分程度 8分程度 作用持続時間 24時間 吸入器具 pMDI
フルチカゾンプロピオン酸エステル /ホルモテロールフマル酸塩水和物 フルチカゾンフランカルボン酸エステル /ビランテロールトリフェニル酢酸塩 作用発現時間 3分程度 8分程度 作用持続時間 50エアゾール:15時間 125エアゾール:13時間 24時間 吸入器具 pMDI エリプタ 平均粒子径 3.1~3.6μm FF:4.0μm VI:2.7μm 用法 1日2回 1日1回 用量調節 規格変更、吸入回数変更 規格変更
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★吸入用抗コリン薬 SAMA LAMA 分類 薬物名 ・イプラトロピウム(アトロベント) ・オキシトロピウム(テキシガン)
・チオトロピウム(スピリーバ) ・グリコピロニウム(シーブリ) ・アクリジニウム(エクリラ) ・ウメクリジニウム(エンクラッセ) 作用 ・M3受容体遮断、気管支平滑筋収縮抑制 ・第四級アンモニウム化合物であり、呼吸器粘膜から吸収されにくい。そのため呼吸器に局所的に作用、全身への副作用少ない。 適応 ・COPD ・気管支喘息(SAMA、スピリーバレスピマット[チオトロピウム]のみ) 副作用 ・口渇 ・眼圧上昇 ・排尿困難 ・嘔気 ・心房細動 禁忌 ・緑内障 ・前立腺肥大症 ・閉塞隅角緑内障 ・前立腺肥大症
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★LAMA+LABA 商品名 ウルティブロ アノーロ スピオルト 成分(LAMA/LABA) 吸入器具 専用器具 エリプタ レスピマット
グリコピロニウム臭化物 /インダカテロールマレイン酸塩配合 ウメクリジニウム臭化物 /ビランテロールトリフェニル酢酸塩 チオトロピウム臭化物水和物 /オロダテロール塩酸塩配合 吸入器具 専用器具 エリプタ レスピマット 用法用量 1日1回 1回1カプセル 1日1回1吸入 1日1回2吸入 特徴 ・日本初のLAMA+LABA配合剤 ・内容物は少量 防湿のため使用開始直前にアルミ包装を開封、6週間以内に使用 ・1 日1 回、できるだけ同じ時間帯に吸入する。 ・過度の使用により不整脈、心停止等の重篤な副作用が発現する危険性がある。 ・維持療法に用いること。急性症状の軽減を目的とした薬剤ではない。 ・スピリーバ と比べて呼吸機能、息切れ、QOLなどを有意に改善。
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★キサンチン誘導体 《作用》 ・PDEを阻害し、cAMPを増加⇒気管支平滑筋弛緩 ・アデノシンA1受容体に拮抗⇒気管支平滑筋収縮抑制
《副作用》 ・テオフィリン中毒の初期症状:悪心・嘔吐、頭痛など ・痙攣(6カ月未満の小児には原則投与しない) ・意識障害 ・消化管出血 ・横紋筋融解症
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《テオフィリンの血漿中濃度と副作用の関係》 痙攣又は死亡
ほとんどすべての患者に中毒 中枢症状、不整脈、痙攣(charcoal hemoperfusionの適応) 多くの患者の中毒域、期外収縮を伴わない毎分120分以上の心拍増加、 呼吸頻拍、まれに不整脈又は痙攣 一部の患者の有効域、中毒域としての消化器症状、頭痛、不眠及び心拍数増加 有効域 新生児無呼吸 非有効域 テオフィリン血漿中濃度 60 40 25 20 5 (μg/mL)
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《相互作用》 テオフィリンはCYP1A2で主に代謝される。 本薬作用↑ CYP1A2を阻害する要因
(フルボキサミンなどのSSRI、ニューキノロン系抗菌薬など) 本薬作用↓ CYP1A2を誘導する要因 (喫煙、オメプラゾール、フェニトイン、フェノバルビタール、モンテルカスト、インスリン)
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商品名 特徴 テオドール テオロング(後) ユニフィルLA
錠・顆粒:1 日1 回又は2 回の投与で上下変動幅の小さい安定したテオフィリン血中濃度推移を示し、至適血中濃度5~20μg/mL を24時間維持するためのRTC(Round The Clock)療法に適した製剤 シロップ:テオフィリン徐放性マトリックスを、D-ソルビトールを主体とする液相へ懸濁化することにより徐放性を有する ドライシロップ:テオドールシロップ2%と同等の徐放性を有する薬剤であり、臨床的には1 日2 回の経口投与で有効血中濃度を維持し、気管支喘息患児に対して有用性が認められた。 テオロング(後) 顆粒:テオフィリンを高濃度に含有する芯顆粒の表面を徐放化皮膜でコーティングした徐放顆粒 錠:テオフィリンを含有する徐放顆粒と賦形剤からなる顆粒とを打錠して製したマルチプルユニットシステムの徐放製剤 ユニフィルLA Nocturnal Asthma及びモーニングディップの改善に対し有用性が認められている。 生体リズムに合わせた新しい治療法(Chronotherapy)に適している。 主薬の放出を長時間コントロールできるコンチンシステムを採用している。
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★ロイコトリエン受容体拮抗薬(LTRA)
《作用》 気管支平滑筋などの標的細胞上のCysLT1受容体にアンタゴニストとして結合し、CysLTsの作用を抑制する。 一般名 商品名 剤形 用法 特徴 プランルカスト オノン カプセル、DS 1日2回 朝・夕食後 代謝:CYP3A4 半減期:225mg内服1.2h モンテルカスト シングレア キプレス 細粒、錠、 OD錠、チュアブル錠 1日1回 就寝前 代謝:CYP2C8,2C9,3A4 半減期:10mg空腹時内服4.6h 注意:チュアブル錠と錠ではBAが違うため、相互に代用しない
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★抗IgE抗体 一般名:オマリズマブ 商品名:ゾレア 貯法:凍結を避け、2~8℃に保存 規制区分:生物由来製品、劇薬 効能・効果:
一般名:オマリズマブ 商品名:ゾレア 貯法:凍結を避け、2~8℃に保存 規制区分:生物由来製品、劇薬 効能・効果: 気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る) 特発性の慢性蕁麻疹(既存治療で効果不十分な患者に限る) 用法・用量: 1回75~600mg、2又は4週間毎皮下注 投与量・投与間隔は換算表(初回投与前の血清中総IgEと体重)により設定 副作用: ショック、アナフィラキシー、注射部位の紅斑・腫脹・掻痒感・疼痛、頭痛、倦怠感など
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★抗IL-5抗体 一般名:メポリズマブ 商品名:ヌーカラ 貯法:凍結を避けて、遮光し、2~8℃に保存 規制区分:生物由来製品、劇薬
一般名:メポリズマブ 商品名:ヌーカラ 貯法:凍結を避けて、遮光し、2~8℃に保存 規制区分:生物由来製品、劇薬 効能・効果: 気管支喘息(既存治療によっても喘息症状をコントロールできない難治の患者に限る) 用法・用量: 通常、成人及び12歳以上の小児にはメポリズマブ(遺伝子組換え)として1回100mgを4週間 ごとに皮下に注射する。 副作用: 過敏症反応(蕁麻疹、血管浮腫、発疹、気管支痙攣、低血圧)、注射部位の紅斑・腫脹・掻痒感・疼痛、頭痛など
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模擬処方箋 症例1 ★SMART(Symbicort Maintenance And Reliever Therapy)療法 定期吸入
※医師の指示がある場合は1日12吸入まで可能 定期吸入 追加吸入 朝 夜 発作(症状)が出たとき 1吸入 1吸入 +追加吸入可 1日合計6吸入まで 2吸入 2吸入 1日合計4吸入まで 3吸入 3吸入 4吸入 4吸入 追加吸入の指示がある場合 1日通常 8吸入まで 今回
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・この吸入薬には炎症を抑える作用と気道を拡げる作用があります。
《服薬指導》 定期吸入について ・この吸入薬には炎症を抑える作用と気道を拡げる作用があります。 ・毎日正しく吸入することで、発作が起こりにくい状態を維持できるので、発作が起きなくても吸入しましょう。 追加吸入について ・風邪やアレルゲンなどの刺激で発作(症状)が起こることがあります。 ・発作が起きた時はまず1吸入してください。症状が治まらないときは数分あけてもう1吸入してください。 ・1回の発作に最大6吸入までとしてください。 ・先生の指示で1日12吸入まで可能ですが、1日8吸入を超えたり、追加吸入の回数が増加したりした場合はコントロールが十分でない可能性があります。その場合、速やかに受診してください。
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吸入方法について ・未使用の吸入器を初めて使用するときの準備操作、吸入する前の操作では、吸入器をまっすぐに立てる必要があります。
・一回に2吸入しますが、2吸入分まとめて吸入することはできません。 ・息を吐いてから吸入します。息を吐くときはマウスピースにふきかけないでください。 ・吸入するときは深く強く吸い込みます。 ・吸入後はうがいをしましょう。うがいはカンジダ症や声枯れを防ぐためにする必要があります。 ・小窓の表示が0になったら、新しい吸入器と交換しましょう。 ・カサカサと音がするのは乾燥剤の音です。お薬が残っているわけではありません。
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症例2 25本/日×(78歳-35歳)=1075(>200) 《服薬指導》
25本/日×(78歳-35歳)=1075(>200) 《服薬指導》 先生がおっしゃっていた病名は、今回出されたお薬から考えるとCOPDだと思われます。COPDは、長年にわたる喫煙が原因で引き起こされる病気です。この病気は治すというよりは、お薬を使ったり、禁煙をしたりして、これ以上悪化させないようにすることが大切です。 今回出されたお薬は、吸入するお薬です。気管支を拡げる作用のあるお薬なので、呼吸が楽になります。症状を緩和するためには毎日きちんと吸入する必要があるので、使いやすい方を選ぶのがいいでしょう。 禁煙を1か月続けると、咳などの症状が治まり、1年後には軽度・中度のCOPDの患者さんで肺の機能が改善すると言われています。それ以外にも心臓の病気やがんのリスクを喫煙し続けている人より低下させることができます。
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・処方薬の2種類の違い スピリーバ2.5μg レスピマット60吸入用 スピリーバ吸入用 カプセル18μg 製剤 吸入液剤 吸入粉末剤 吸入器
ソフトミストインヘラー(SMI) ドライパウダー吸入器(DPI) 用法用量 1日1回 1回2吸入 1日1回1カプセル 利点 ・噴霧剤を使用しないため、むせにくい ・噴霧時間は長いため、タイミングを合わせやすい ・自分のタイミングで吸入できる 欠点 注意点 ・使用開始時の組み立てにある程度の力が必要となる ・吸気流量が少ない患者は使用が難しい ・毎回カプセルの充填が必要
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・ニコチネルパッチ20,10 ・ニコチネル ミント,スペアミント,マンゴー
・ニコチン製剤のOTC 〈パッチ製剤〉 〈ガム製剤〉 第1類医薬品 第②類医薬品 ・ニコチネルパッチ20,10 ・ニコチネル ミント,スペアミント,マンゴー ・シガノンCQ1,CQ2 ・ニコレットガム クールミント,アイスミント, フルーティミント
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症例3 パルミコート吸入液0.5mg 準備 注意 ①1回分を切り離す ②アンプル上部を持ち振り混ぜる
③上部をねじり切って開封(こぼれないよう垂直に) ④ネブライザーの薬液ボトルに入れる 注意 ・すでに起こっている発作を抑えるお薬ではありません。 ・吸入するときはジェット式ネブライザーを使用してください。 (ネブライザーがジェット式かどうか確認) ・吸入時には新しいものを使ってください。 ・吸入後はうがいをさせてください。うがいが難しい場合は、飲み物を飲ませてください。 ・口の周りにお薬が付いている場合があるので、顔を洗ってあげてください。
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メプチン吸入液ユニット0.3ml(どのネブライザーでも使用可)
・防腐剤含まないため、使用直前に開封してください。 ・アルミピロー開封後は薬袋などに保管して、光が当たらないようにしてください。 (室温/白色蛍光灯下 分解物の増加、水分損失が認められた) ・1日4回までを目安としてください。 ・どのネブライザーでも使用できます。 インタール吸入液1%(電動式ネブライザーで吸入) ・インタール吸入液にメプチン吸入液を滴下します。 (メプチン吸入液が酸性であるために、メプチン吸入液にインタール吸入液を滴下した場合は変化を起こす可能性があるため)
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吸入方法 吸入のコツ 〈マウスピース使用の場合〉
マウスピースを口にくわえて霧状になった薬液が出始めたら、深くゆっくりと吸入し、マウスピースを通してゆっくりと吐き出す。 〈フェイスマスク使用の場合〉 乳幼児でマウスピースをしっかり口にくわえられない場合や、なめて唾液が入ってしまう場合は、小児用フェイスマスクをつけて口と鼻を覆って、霧状になった薬液が出始めたら、深くゆっくりと吸入し、ゆっくりと吐き出す。 吸入のコツ ・抱っこする ・リラックスできる雰囲気作り (ネブライザーに好きなキャラクターシールをつける、絵本や音楽などで興味を引く) ・吸入に飽きた場合は10分程度休ませる
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