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阿部彩子 (CCSR/FRSGC(D3)) 齋藤冬樹、小倉知夫、羽角博康、 瀬川朋紀、大垣内るみ

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1 阿部彩子 (CCSR/FRSGC(D3)) 齋藤冬樹、小倉知夫、羽角博康、 瀬川朋紀、大垣内るみ
共生2: 地球システム結合モデル における寒冷圏モデリング 阿部彩子 (CCSR/FRSGC(D3)) 齋藤冬樹、小倉知夫、羽角博康、 瀬川朋紀、大垣内るみ

2 共生第2:寒冷圏モデル 氷床と海氷力学モデルの開発、現実データによる検証、感度実験(齋藤、阿部、羽角、小倉)
中解像度結合モデルの調整 (小倉、大垣内、瀬川、齋藤、羽角、阿部) カップラー(氷床など)の構築(齋藤) 目標1:温暖化に対する寒冷圏の応答予測 目標2:PMIP/CMIP=== IPCC第4次報告 目標3:過去の環境変動データによる統合モデルの検証

3 氷床 南極と グリーンランド 氷床 氷床の海水準上昇分 南極〜約70メートル グリーンランド    〜約7メートル

4 氷床はいかに存在しているのか? Equilibrium line Altitude(ELA) 「均衡線高度」で 融解= 降雪

5 海面変動予測と氷床の寄与: 将来100年 (IPCC, 2001)
海水膨張 +11~ +43 cm  山岳氷河 ~ +23 cm グリーンランド氷床 ~ +9 cm 南極氷床 ~ +2 cm

6 海面変動への氷床の寄与 将来1000年 (IPCC, 2001) 1〜6メートル上昇(温暖化シナリオに大きく依存)

7 東京周辺の地形 北海道地図株式会社のGISMAPを使用

8 海水準 3 m 上昇の浸水域

9 海水準 6 m 上昇の浸水域

10 氷床変動による海面 変動予測の方法(1) 海面変動予測の方法について 大気海洋結合大循環モデル CCSR/NIES/ FRSGC 共同開発
気温/降水量 3次元氷床力学モデル(Saito & Abe) 氷床の形分布 流動/温度

11 山岳氷河 氷河や氷床は「流動する」氷体である。 氷の流動や物性研究は、山岳氷河での観測や室内実験 から得られた。

12 氷河物理過程  基礎方程式

13 物理定数等

14 氷の形状と流動: 観測とモデル (流動パラメタ 依存性)

15 氷の温度と年代: 観測と モデル

16 氷の流動と温度

17 氷床と気温

18 表面の質量の収支

19 年間融解量(水等量mm)と夏の気温の関係

20 グリーンランド氷床のモデルによる再現

21 温暖化とグリーンランド氷床の 体積変化(計算結果)
現在  1度   2度   3度   4度 

22 温暖化に対する グリーンランド氷床の平衡応答 Steady state response of Greenland Ice vol
温暖化に対する グリーンランド氷床の平衡応答 Steady state response of Greenland Ice vol. to warming

23 氷床の成長(時間変化)

24 氷床の後退(時間変化)

25 グリーンランド氷床の 温暖化に対する応答実験
氷床の応答は非常にゆっくりしたものである。 今世紀の温暖化の効果が、未来千年以上の海面増加へ 波及する。

26 現在の南極氷床

27 7度気温上昇 --> 海水準 約1メートル 上昇に相当

28 8度気温上昇 --> 海水準 約2メートル 上昇

29 氷床の温暖化に対する応答:まとめ 温暖化における氷床の変動の時間尺度は百年から千年に及ぶものである。
氷床モデル単独計算によると、海水準増加に2メートル分貢献するのにグリーンランド氷床上で約2度温暖化、南極氷床上で約8度温暖化が必要。 しかし、ここでは、高度効果以外の結合プロセス(アルベドfeedbackや降水量変化)は考慮していない。

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31 標準実験 年間 融解 観測値 T21      T42    T106        [mm/year]

32 温暖化による気温変化の 分解能依存性 JJA T21 T42 T106 海陸のコントラストは高分解能ほどはっきりする。
NADWの影響は、低分解能ほど内陸に及ぶ。

33 温暖化による 年間融解変化 CO2x1 vs x2 T106 [mm/year]

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35 標準実験における気圧と風の場

36 温暖化による降水量と風(850hPa)の変化

37 温暖化により降水量が増加する効果 はどのくらい効くか? 降雪増加分:+14 mm/年 融解増加分:-119 mm/年
---> 気温上昇による降水量の増加の寄与は 融解増加の効果に比べて非常に小さい。

38 氷床変動による海面変動予測の方法について(2)
大循環モデルと氷床モデルは同期結合ではない。

39 温暖化の氷床変動における氷床力学の効果 (Saito and Abe-Ouchi, 2003)

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42 気候モデルによる21世紀末の予測:氷床の融解による海面上昇
大循環モデルによる推定 Wild and Ohmura (2000) : 3.1 cm Abe-Ouchi, Segawa and Nishimura (2003): 4 cm 簡易大気モデルを用いた推定 Huybrechts and de Wolde 1999など: 〜10cm

43 << Source of uncertainties of ice sheet - sea level change>> (10 cm --> 4cm per century ) -北大西洋深層循環の応答 (CGCMs; seaice + THC) (極域でも温度上昇は抑制される! ただし、高解像度にすると寒冷化するほどではない、 海洋応答の陸上への影響の検討が重要) 融解の潜熱による地表面付近の温度上昇の抑制 High resolution feature at the margin of Greenland (smaller response compared to the central part of the Greenland ice sheet) 降水量の増加がとくに高緯度で顕著、循環の影響も強く受ける。 Accumulation change compensates the temp.change a little (response of weather pattern to GH warming is important!)

44 大気海洋結合モデルの開発: フラックス調節はないにもかかわらず気候ドリフトが少ない
[℃] CO2漸増に対する応答実験 全球平均気温 現在のCO2量維持の実験 [years] 観測される海面水温WOA 数値実験で再現された海面水温WOA [℃] [℃]

45 (新旧比較)フラックス調節あり(左)vs無し(右)
大気海洋結合モデルによる温暖化実験 (新旧比較)フラックス調節あり(左)vs無し(右) 気温変化 年平均 年平均

46 New (ES) Old SRES-A2

47 海氷厚 [m] February    大気海洋結合実験 混合層海洋実験 CO2x1 CO2x2 [m] 全球平均2度上昇 全球平均5度上昇

48 北大西洋熱塩循環(NADW)の変化 (IPCC)

49 北大西洋子午面循環 [Sv] 標準実験 CO2漸増実験 19Sv 深さ [m] 15Sv SP NP

50 CO2x1 CO2x2 convection(カラー, 深さ100m), 海氷密接度(コンター0, 0.3, 0.6, 0.9)
February August CO2x1 CO2x2

51 温暖化予測結果のまとめ 20世紀後半のグリーンランド上での夏の気温は現在より 1度から4度上昇する。 地球シミュレーターによる新しい温暖化実験では、 高解像度化、フラックス調節をはずした、海氷のモデル改良などがより精度高い温暖化予測をもたらすと、期待される。 不確定性が他の地域に比べて大変大きい。大気/海洋/海氷 の複雑な相互作用を受けている。 とくに深層循環の沈みこみ位置や強度の変化に影響された海氷の位置の変化がこの地域の気候を大きく変化させることが 考えられる。

52 過去と現在の氷床 氷河期の氷床(約2万年前、左図)の存在は 海水準を120メートル低下させた

53 Global Temperature (°C)
6 過去の気候 5 IPCC Projections 2100 AD 4 3 Global Temperature (°C) 2 1 1 Mann et al (1999) GRL and IPCC (2001) 0.5 N.H. Temperature (°C) -0.5 1000 1200 1400 1600 1800 2000

54 過去の気候の復元 海底コア掘削や分析  (--> IFREEとの連携) - 氷床コア掘削や分析

55 海底コアや氷床コアのデータ解析 Termination のlead lag CO2は氷より7ka 先行 (Hargreaves and Abe-Ouchi in press)

56 海水準の高精度データ(海岸段丘の解析による)Lambeckら2002
(1)海水酸素同位体比 データより早くから 海面上昇始まる(19ka) (2) 氷床ごとに後退の Timingが違えば及ぼす 影響も異なる。

57 大気大循環モデルによる氷期気候の再現

58 北米氷床上の気温変化: 氷床の自己維持作用が大きい
北米氷床上の気温変化:     氷床の自己維持作用が大きい (K) SST and CO2 effect Ice Albedo effect Ice topogra-phy effect Total Present - LGM Annual mean -0.8 -12.2 -4.8 -17.8 Summer (JJA) -4.2 -10.2 -6.7 -21.1

59 Laurentide Ice Sheet 北米氷床 再現の試みは 始まったばかり。 。。。。複合システムのモデルの検証として過去の気候をシミュレートする努力を続ける

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