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一つのテーマの全体を通して遂行するには様々な力が必要
Rb 原 子 の 誘 導 ラ マ ン 分 光 ・担当教員: 熊倉 光孝 (工学研究科物理工学専攻) ・受 講 生 : 平井 裕也 (工学研究科物理工学専攻 M1) ・実施期間: 2011年度 前期 ( 2 単位 ) 1. 目 的 Rb 原子の磁気副準位構造を対象にした誘導ラマン分光の実習 ・ 大学院で学ぶ原子物理やレーザー光学などの基本を実地に確認 ・ レーザー分光についての現代的な知識・技能を習得 現代の分光学 レーザーのコヒーレンスや高い輝度 誘導ラマン分光 基本的な2光子過程 非線形分光法 基礎を学習するのに最適 ・ 多準位間の結合 ・ 緩和の効果 ・ 前期15回 夏休み、後期にも一部実施 ・ 毎週金曜日5時間ほど 1時間を教員とともに、後は自分で ・ 実施状況 参考論文の調査 レビュー ・ 具体的な測定法の検討 ・ 実験条件の吟味 実験方法の考案 ・ 実験条件の設定 ・ 装置構成 必要な物品の割り出し 装置の設計・製作 (ソレノイド、ホルダー他) 機材の準備 (光学素子など) 全体の組み立て、アライメント 分光計測 2. 実施方法・経過 3. 実験の概要 85Rb (Ⅰ= 5 / 2 ) 5s 2S1/2 2 3 5p 2P3/2 F 4 1 Energy 213 MHz 3.2 GHz 3.0 GHz m -1 Pump光 780 nm Probe光 磁場 10G σ- 18.8 MHz -2 σ+ Optical pumping 4. 装置の概略図 6. 実験結果 5. 実験装置 自作ソレノイド電磁石 音響光学変調器 レンズ ミラー λ/2 板 λ/4 板 偏光ビーム スプリッター 光検出器 ・ Probe光 : ~10μW/mm2 (~I sat )の周波数シフトを時間掃引 ・ Pump光 : ~ 10 mW/mm2 ( ~1000 I sat )を500 Hz (duty 50%)でswitching 外部共振器型 周波数安定化 レーザー光源 λ/ 2 板 偏光ビーム スプリッター ミラー アイソレータ fL = f F=1→F= GHz ⊿ = 2×80 MHz ⊿ = 2×(50~100) MHz λ/ 4 板 レンズ f=200 mm f=150 mm 音響光学変調器 光検出器 オシロスコープ 自作ソレノイド電磁石(~10 Gauss) Rb 原子蒸気セル Rb + Ne (6 Torr) Pump Probe Pump + Probe Sweep time (ms) Probe Laser Power (arb. Units) Frequency shift Laser off f probe – f pump (MHz) ‐10 -20 ‐30 30 20 10 ・ 透過probe光が数倍増加 : 増加量は透過光量に非線形(F=2へのpump rate が律速) ・ pump 光による m = 2 へのpumping (透過光量の減少) が見られていない 誘導ラマン効果 強いPump光によるAC Stark シフト ⇒ 広い共鳴線幅 7. まとめ 〔物理工学専攻の学生〕 ・ 電子計測・エレクトロ二クスの実際的な知識が必要 なじみが薄い ・ 電磁気学に基づく磁場のシミュレーション ソレノイドコイルの製作、部品の工作 ・ 教科書的なものが無い ・ 実験条件の設定に実際的な知識が必要 学生にとっては手を付けにくい 参考論文を探すことから 装置の自作、測定まで 一つのテーマの全体を通して遂行するには様々な力が必要 学生にとっては非常に良い経験 比較的スムーズ このテーマを通して非線形レーザー分光の基礎を学習 ・ スペクトル線幅(ドップラー線幅、衝突線幅、power broadening) ・ 緩和現象(光ポンピング)、AC Stark shift 8. 経費の使途 ・ 配分額 : 208,233 円 ・ 使用内訳 波長板(λ/ 2 板, λ/ 4 板) 2 個 141,558 円 Rb 原子蒸気セル 1 個 66,675 円 総 額 208,233 円 9. 受講生の感想 Rb原子の誘導ラマン分光実験を通して、実験の難しさや、やりがいを感じました。実験装置の配置方法や、レーザー光の偏光方向、必要な磁場の供給方法などの数多くの問題がありました。その都度、文献や資料を探し問題を解決することで、レーザー分光の知識や、技能を習得することができました。
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