VIII. 空間情報表現.

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1 VIII. 空間情報表現

2 VIII-1　空間情報のデザイン 1) 目的の明確化 　　意図，対象，状況 2) 領域の設定 　　範囲，縮尺，方位 3) 内容の決定 4) 全体配置 5) 詳細設計 6) 配置

3 VIII-2　空間情報の構成要素と表現方法 　GISにおいて扱われる空間オブジェクトは点，線，面，連続面の4つである．これらは，様々な空間記号を通じて可視化される．

4 VIII-2.1　空間記号の種類 1) 点記号（point symbol） 　点オブジェクトの位置及び属性を表す． 　都市，施設など

5 都市 警察署 郵便局 小学校 寺院 温泉 駅 Point symbols

6 2) 線記号（line symbol） 　線オブジェクトの位置及び属性を表す． 　鉄道，道路，領域の境界など

7 河川 道路 鉄道 行政界 交通流 Line symbols

8 3) 面記号（area symbol） 　面オブジェクトの位置及び属性を表す． 　水面，行政区域など

9 水面 行政区 水田 果樹園 Area symbols

10 4) 文字記号（text symbol） 　オブジェクトの属性を表す． 　施設の名称，番号など

11 ○○郵便局 2 線 ○ ○ ○ ○○市 Text symbols

12 VIII-2.2　空間情報の表現方法 1) 形 　幾何的オブジェクトから絵記号まで 　丸，三角，四角，記号，実線，点線，．．．

13 2) 大きさ 　量的属性の表現に用いられる．

14 3) 方向 　風向，人口移動など

15 4) 色合い（hue） 　赤，青，緑など，いわゆる「色」 　質的属性の表現に用いられる．

16 5) 明度（value, tone） 　それぞれの色における「明るさ」 　白から黒へ至るグラデーション

17 6) 彩度（chroma） 　それぞれの色における「鮮やかさ」 　無彩色から原色へ至るグラデーション

18 明度 彩度

19 VIII-2.3　空間オブジェクトと表現方法 形 大きさ 方向 色合い 明度 彩度 点 線 （　　） 面

20 VIII-2.4　パターン 　同一の記号の繰り返し 　各オブジェクトの全体あるいは内部を覆う． ・構成記号・・・繰り返される記号の形，配置 ・テクスチュア・・・記号の密度（記号の大きさ，間隔など） ・方向・・・記号の方向

21 点記号 線記号 面記号 構成記号 テクスチュア 方向

22 VIII-3　表現上の留意点 　空間情報を表現する際の，一般的な留意点を4点挙げる．

23 1) 見易さ（legibility） 　何が描かれているのかわかること 　字が読める程度の大きさであること

24 2) コントラスト 　オブジェクト相互間の識別ができること

25 3) 図と地（figure and ground）
　主題が何であるかわかること 　図：表現すべき重要なオブジェクト 　地：背景

26 図と地を区別する方法 色，明るさ，パターン 情報量 図の閉図形化 階層性（レイヤー構造）

27 4) 階層構造 　内容の重要性の違いがわかること

28 オブジェクト間の立体的階層構造（レイヤー構造）

29

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31

32 記号の階層性（序列の表現）

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35 領域の階層的分割

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37 表現方法と見え方の関係 形 大きさ 方向 色合い 明度 彩度 パターン 見易さ コントラスト 図と地 階層構造

38 VIII-4　空間記号の形 　点記号及び線記号にのみ存在する概念 　抽象的記号～絵記号

39 　線記号の場合には，線のテクスチュアに相当する

40 　主に情報の見易さとコントラストに影響 　質的情報の表現に用いられる

41 留意点 1) あまり複雑すぎる記号は使わない 　複雑な記号を用いると，情報が不必要に多くなり過ぎ，見易さが損なわれる．

42 2) あまり類似した記号は使わない 　記号が類似していると，見間違えるおそれがある（コントラストが十分確保されない）． 3) 抽象的記号には必ず凡例をつける

43 VIII-5　空間記号の大きさ 　点記号及び線記号にのみ存在する概念 　量的属性の表現に適している

44 VIII-5.1　見易さ 　理想的環境下で，オブジェクトを2分間見つめるとき，オブジェクトを識別できる最小の大きさ

45 大きさ 0.3 1.2 2.9 5.8 8.7 11.6 14.5 17.4 [mm] 距離 0.5 2 5 10 15 20 25 30 [m] 点記号の最小サイズ

46 　これらは，「見える」ではなく，何が描いてあるのか「分かる」ための最小の大きさである．
　もちろん，条件によってはより大きな記号を用いる必要がある． 　線記号の大きさ（幅）についてもほぼ同様の規則が成立する．

47 VIII-5.2　コントラスト 　異なる記号を識別できるような，記号の大きさの差異の最小値

48 50% 25% 15%

49 　点記号の場合，15%以下の大きさの差異は識別できない．
　25%以上の大きさの差異が望ましい．

50 0.1 0.2 0.3 0.5 0.6 0.8 1.0 1.2 1.5 2.0 2.0 1.5 1.2 1.0 0.8 0.6 0.5 0.3 0.2 0.1

51 　線記号の場合，2～3倍程度の幅の違いがあれば識別できる
　但し，強すぎるコントラストは見易いが不快である

52 1:1.5 1:2.5 1:5.0 線記号のコントラスト

53 　コントラストは，大きさを他の表現方法，例えば，記号の形や色などと組み合わせることで，より効果的に表現することができる．

54 線記号のコントラスト

55 VIII-5.3　点記号における量的属性表現 　量的属性を表現するための，記号の大きさの設定方法 比例尺度法：記号面積が属性値に比例 心理尺度法：記号間の差異をやや誇張する 　　　　　　　　　　　（人間の目の錯覚に対応する） 線記号ではこのような問題は起こらない．

56 ～10,000 ～25,000 ～50,000 ～100,000 比例尺度法

57 ～10,000 ～25,000 ～50,000 ～100,000 心理尺度法

58 留意点 　質的属性の表現には記号の大きさを用いない 　記号の大きさは，直観的に量的属性と結びつけて捉えられるので，誤解を避けるようにする．

59 VIII-6　空間記号の方向 　点記号及び線記号にのみ存在する概念 　風向や人の移動などを示すために用いられる