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高エネルギー加速器研究機構/ 総合研究大学院大学 岡田安弘 2006年6月21日 茨城大学

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1 高エネルギー加速器研究機構/ 総合研究大学院大学 岡田安弘 2006年6月21日 茨城大学
ヒッグス粒子と電弱対称性の破れの物理 高エネルギー加速器研究機構/ 総合研究大学院大学 岡田安弘 2006年6月21日 茨城大学

2 素粒子物理のめざすもの 物質は何からできているか。(基本構成要素) どのような力が働いているか。(基本相互作用)
 物質は何からできているか。(基本構成要素)  どのような力が働いているか。(基本相互作用)  宇宙はどのように始まってどのように進化してきたか。 ビッグバン宇宙 「距離」 「エネルギー」 「温度」 「時間」 の関係

3 現在の素粒子像   素粒子標準模型 (ゲージ対称性とヒッグス機構) 現在の素粒子物理学の最大の課題   電弱対称性の破れの機構を探ること   ヒッグス粒子の物理 LHC実験    2007年からスタートするヨーロッパのCERN研究所 の世界最高エネルギー陽子陽子コライダー実験   ヒッグス粒子の発見が第一の目的  

4 現代の素粒子像 (1) b t s c d u nt t nm m ne e 物質の基本はクォークとレプトン 三世代発見されている。
現代の素粒子像 (1) 物質の基本はクォークとレプトン 三世代発見されている。 b t s c d u quark nt t nm m ne e lepton

5 現代の素粒子像(2) 力はゲージ粒子によって媒介される。 電磁気学の一般化 3つの相互作用の違いはゲージ理論の性質として説明できる。
強い相互作用 弱い相互作用 電磁相互作用 電弱理論 SU(2)xU(1) SU(3) gluon W, Z photon ゲージ粒子

6 どのようにしてこの描像に到達したか(1) 強い相互作用
1.核力の導入 原子核は陽子と中性子でできている。 それらをクーロン反発力に抗してくっつけて いるには別の力が必要。  2.湯川中間子 核力は中間子という粒子の交換によって 生じる。 p p,n p,n p 中間子の発見

7 強い相互作用はこれで終わりではなかった。
3.様々なハドロンの発見。    ストレンジネスの量子数の導入。 様々な中間子やバリオンが発見 され、もはや陽子、中性子、π中間子などは最も基本的な粒子とは考えられなくなった。 4.クォーク、パートン模型  ハドロンはクォークからできている。 クォークをハドロンに閉じ込めている機構は何か?

8 5.QCD の導入 強い相互作用はSU(3) ゲージ理論である、QCDによって理解できる。 強い相互作用: 量子色力学 (QCD)
強い相互作用の結合常数のエネルギー依存性 強い相互作用: 量子色力学 (QCD) グルーオン クォーク τ粒子崩壊 反クォーク LEP LEPII 光子、Z粒子 電子 陽電子 漸近的自由の性質を示す TRISTAN 長距離では引力が強くなりクォークの閉じ込めをおこす。 Gross-Wilczek-Politzer

9 どのようにしてこの描像に到達したか(2) 弱い相互作用
1. 弱い相互作用は19世紀の終わりに元素の変換として発見される。 2. フェルミ理論 3. Weak boson の交換 d u W e 湯川中間子と同様に 弱い相互作用も粒子の交換 で生じる。

10 4. 電弱理論の提唱 Glashow-Weinberg-Salam
電磁相互作用と弱い相互作用はSU(2) x U(1) ゲージ理論で“統一”される。 3種類のゲージ粒子の存在を予言。 ヒッグス機構 光子 (質量なし)-> 電磁相互作用 W粒子 (質量約 80GeV, 電荷 1)     -> 弱い相互作用 Z粒子 (質量約91GeV, 電荷無し)     -> 新しい中性カレント相互作用  クォーク/ レプトン 反クォーク/ 反レプトン Z粒子 1980年代にW、Z粒子発見 1990年代にZ粒子の大量生成実験 (LEP実験) ゲージ相互作用の精密検証が行われた。 陽電子 電子 ‘tHooft-Veltman

11 LEP実験でZ粒子のLine shape の測定
軽いニュートリノの世代数を3と決めた

12 標準模型の実験的検証 u,d,s e,m,n photon t (SPEAR) bottom gluon W, Z bosons
quark lepton ゲージ原理 ヒッグス機構 (質量生成機構) u,d,s e,m,n photon 1970 標準模型の提案 charm (SPEAR,AGS) t (SPEAR) bottom (FNAL) gluon (PETRA) 1980 W, Z bosons ( ) gluon-coupling (TRISTAN) 1990 top (TEVATRON) gauge-interaction (SLC, LEP) 2000 CPの破れ関する 小林 益川 機構 (KEKB, PEP-II) 実験的には未検証

13 ヒッグス機構 ゲージ対称性とともに標準模型の二つの原理のうちの一つ。 ヒッグス場を導入し、真空は場の期待値がゼロでない。
クォーク、レプトン、W粒子、Z粒子はヒッグス場との相互作用がなければ質量を持たない。 ヒッグス場の量子としてヒッグス粒子が存在する。(現代素粒子物理の重要な予言。) ヒッグス粒子の質量、いくつあるか、本当に存在するのかなど、実はよくわかっていない。

14 ヒッグスポテンシャル 素粒子の質量公式 ヒッグス粒子 トップクォーク W粒子 Z粒子 ヒッグス場の真空期待値

15 ヒッグス機構の意味 弱い相互作用がなぜ弱いのかの理解。
  物質から放出されたゲージ粒子は背景にたまっているヒッグス場との相互作用によって質量を持つので、短距離力になる。 Fermi定数と真空期待値の関係

16 David J. Miller (University College London) 氏の ヒッグス粒子の解説

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20 ヒッグス粒子の質量 素粒子は質量は大きいほど、ヒッグス場との結合力は大きい。
ヒッグス粒子の質量もヒッグス場自身の自己相互作用が大きいほど大きくなる。 ヒッグスの質量は標準模型を超える物理への手がかり。 現在の実験の下限は 115 GeV (LEP 実験による)。 

21 LHC 実験: ヒッグス粒子の発見  LHC 実験: CERNで2007年に実験開始される最高エネルギー実験。 重心系のエネルギーが14TeV(14000GeV)の陽子・陽子衝突加速器。 ヒッグス粒子の発見が主要な目的のひとつ。 ヒッグス粒子 グルーオン 陽子 陽子 LHC実験では ヒッグス粒子の質量に関わらず発見できると期待されている。

22 標準模型のヒッグス粒子の分岐比     なるべく重い粒子に壊れる

23 標準模型のヒッグス粒子は必ず発見できる。
LHC実験(ATLAS)での ヒッグス粒子発見  mH= 130 GeV H->gg H->ZZ* LHC 実験では  標準模型のヒッグス粒子は必ず発見できる。

24 電子陽電子リニアーコライダー: ヒッグスファクトリー
次世代高エネルギー加速器 International Linear Collider (ILC) 重心系エネルギー 500GeV  -> 1000 GeV (第二期) 2010年代中ごろ実験開始をめざす。 ヒッグス粒子を大量に作りその性質を詳しく調べる。

25 ILC実験の主要な目的のひとつがヒッグス物理
10万個のヒッグス粒子生成 スピン、パリティーの決定 質量の精密測定 分岐比、生成断面積の精密測定 ヒッグス粒子 Z粒子 ヒッグス粒子とほかの素粒子の結合常数の決定 素粒子の質量生成機構の解明

26 ILC実験におけるヒッグス粒子の生成と崩壊過程
ヒッグス生成過程 崩壊過程 =>分岐比の精密測定 

27 素粒子の質量生成機構の検証 ヒッグス粒子とクォーク、レプトン、 ゲージ粒子の相互作用の結合定数 を決める。 → 素粒子の質量生成機構の検証。
ILC 実験後の予想 質量と結合常数の関係

28 ヒッグスポテンシャルを決める ヒッグス3点結合はヒッグスポテンシャルの情報を担っている 120GeVのヒッグス粒子に対して
500GeV ILC では 20% 1 TeV ILC では10%ぐらいの精度で決定できる。 Y.Yasui, et al, LCWS 02

29 標準模型を超える物理とヒッグス粒子 新しい相互作用や時空の概念の変革の可能性 Energy
素粒子理論はたとえヒッグス粒子が見付かっても完結しない。 Time Energy Temp. SUSY GUT Superstring See-saw neutrino Electroweak phase transition Inflation 100 GeV Strong int. EM int. Gravity Planck energy Weak int. 電弱対称性の破れを引き起こす力は 三つの力の統一は統一されるか ニュートリノの質量の起源は 宇宙の暗黒物質の正体は 宇宙はなぜ物質でできていて反物質 は消えたか 新しい相互作用や時空の概念の変革の可能性

30 ヒッグス粒子の物理を解明することも新しい物理が何か探ることにつながる。
ヒッグス粒子の質量は模型によって可能な範囲が決まっている。

31 電弱相転移でバリオン数生成がおこる シナリオにおけるヒッグス3点結合の量子 補正。 超対称模型に於けるヒッグス粒子の
WWとtt  モードへの分岐比の比 S.Kanemura,Y.Okada,E.Senaha ACFA LC report

32 まとめ ヒッグス粒子は標準模型で最後に残された未発見の粒子。
素粒子の質量生成機構や電弱対称性の破れの機構を検証するためには、ヒッグス粒子に関する結合常数を決める必要がある。 ヒッグス粒子の性質(質量、結合常数など)の決定は、標準模型を超える物理に対する手がかりを与える。 ヒッグス粒子の物理の解明にはLHC実験にはじまる。ヒッグス粒子の性質を決めるにはILC実験が必要である。 ヒッグス粒子の物理は今後20年の高エネルギー物理の中心課題となる。


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