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化学シミュレーション 同志社大学 コンピュータが開く未来社会 2009/8/29 テンキューブ研究所 千田範夫 2009/08/29

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1 化学シミュレーション 同志社大学 コンピュータが開く未来社会 2009/8/29 テンキューブ研究所 千田範夫 2009/08/29
同志社大学 コンピュータが開く未来社会  2009/8/29 テンキューブ研究所 千田範夫 コンピュータの発達に伴い、これまで数式を駆使して考えていたことや、実験で実際の事象を確認していたことがコンピュータ上で行うことができるようになってきました。将来、コンピュータの性能がさらに向上し機能が変わっていくことで、ますます多くのことがコンピュータで行うことができるようになります。 2009/08/29

2 シミュレーション 流体 構造 化学(計算化学) 2009/08/29
一般にシミュレーションというと、構造とか流体とかのシミュレーションの方が知られていると思いますが、化学の分野でもシミュレーションの進歩が目覚しいので、今回紹介します。 化学(計算化学) 2009/08/29

3 2009/08/29

4 20年前  以前は、専門家が大型計算機を用いて行っていた計算も、現在はこのような誰でも持っていて、普段はワープロ等に使っているパソコンで計算することが出来るようになりました。 現在 2009/08/29

5 グリッド クラウド 並列クラスター計算機 2009/08/29

6 <実験研究者と化学化学の壁> 実験研究者 ベンダー 計算化学の壁 2009/08/29 赤外、UV-VIS、NMR 色、スペクトル
分子モデリング 分子軌道法プログラム Gaussian GAMESS MOPAC …, 合成法、収率、活性 分子構造、分子体積・表面積 分子力場法 配座解析 分子動力学 計算物理 溶解、強度、物性、相関 新薬、薬効、動態 コンサルティング 計算受託 高速計算 ジョブスケジューリング Linuxクラスター グリッド クラウド ジョブスケジューラ 2009/08/29

7 Winmostar MOPAC6 Winmostar 初期構造の作成 分子軌道法計算 計算結果の表示 2009/08/29
AM1 EF PRECISE GNORM=0.05 NOINTER GRAPHF Winmostar O H H MOPAC6 分子軌道法計算 Winmostar AM1 EF PRECISE GNORM=0.05 NOINTER GRAPHF Winmostar ATOM CHEMICAL BOND LENGTH BOND ANGLE TWIST ANGLE NUMBER SYMBOL (ANGSTROMS) (DEGREES) (DEGREES) (I) NA:I NB:NA:I NC:NB:NA:I NA NB NC O H * H * * CARTESIAN COORDINATES NO ATOM X Y Z O H H H: (AM1): M.J.S. DEWAR ET AL, J. AM. CHEM. SOC (1985) O: (AM1): M.J.S. DEWAR ET AL, J. AM. CHEM. SOC (1985) 計算結果の表示 2009/08/29

8 <水:H2Oの計算> 2009/08/29

9 <水:H2Oの計算> 2009/08/29

10 <水の赤外線吸収スペクトル> 計算 実測 吸収強度 波長(cm-1) 5000 4000 3000 2000 1000 2009/08/29
さて、赤外線を吸収するのは、水だけでなく、二酸化炭素も赤外線を吸収します。水の場合は、水蒸気として空気中に存在しても、雨になって降ったりしますので、一定量にはなりませんが、二酸化炭素が増えると問題になります。 25分 実測 5000 4000 3000 2000 1000 波長(cm-1) 2009/08/29

11 <温室効果ガスと地球温暖化> 温室効果ガスが地表から放射された 赤外線の一部を吸収して、 生物に 適した気温を保っている 温室効果ガスが増加 →赤外線吸収能力アップ →赤外線が逃げにくくなる →大気の温度上昇 →気候の変化 →地球温暖化 温室効果ガスが増加 →赤外線吸収能力アップ →赤外線が逃げにくくなる →大気の温度上昇 →気候の変化 →地球温暖化 温室効果ガスが地表から放射された 赤外線の一部を吸収して、 生物に 適した気温を保っている 2009/08/29

12 <二酸化炭素:CO2の計算> 40分 2009/08/29

13 ケミストリー Chemistry = 化学 Computational Chemistry = 計算化学 _ 2009/08/29

14 計算で予測 計算化学の重要性 化学は人類にとって根幹をなす科学 地球の温暖化 地球規模の汚染 →二酸化炭素の →原因物質の無害化
 固定化と有効利用 地球規模の汚染 →原因物質の無害化  代替品の開発 化学が諸悪の根源? 解決のキーは化学 グリーンITも 「物質を原子・分子レベルからコンピュータ上にモデル化し、 種々の物性・物理や化学現象の解析や予測を行う学問」 そして、化学研究の再重要なツールとなりつつある計算化学                                (分子計算) 「バイオテクノロジー」や「ナノテクノロジー」など、一般の人々にもなじみのある次世代の基幹技術として「化学」が主要な役割を担っていることは意外に知られていないことのようです。  一方、「化学」の研究は「計算化学」という、コンピュータを用いた新しい手法によって研究の方法が変わりつつあります。 今日行った水や二酸化炭素の計算が、なんの役に立つかということですが、たぶん、あまり役にはたちません。 役にたつ計算とはどんなものかということですが、、、。 計算で予測 _ 2009/08/29

15 分子設計とコンピュータ 分子計算 もっと青く光る材料? もっと効く薬? 経験と勘で 合成ターゲット 物性の予測 合成方法の提案
分析データの解析 合成 分析 分子の計算をするとどのような有り難味があるかということについてですが、 例えば、私が前にいた会社では、もっと青く光る材料、製薬会社では、もっと効く薬をつくるために、どんな分子を合成すればいいかを日夜必死で研究しているわけです。ここで、ます経験と勘である分子がよさそうだと予測して、合成ターゲットを決め、実際に合成して、本当に目的とした分子ができているか分析し、測定してみて予測したとおりのいい材料や良く効く薬であれば製品化の方向にいけますが、ここで駄目ならまた戻って合成ターゲットを決めるということの繰り返しです。ここで、コンピュータを用いることで、この回る回数を減らすとか、回るスピードを上げることが出来ます。本当に予測どおりのものが一発でできれば理想的です。省エネルギーの面からも、分子の計算、化学シミュレーションは化学関係の企業では必須の研究開発ツールとなりつつあります 。 45分 測定 回る回数を減らす 回るスピードを上げる 製品化 2009/08/29

16 <いろんな分子をモデリングしてみよう> 2009/08/29
世界の合成研究者が、何人かかっても出来ないような分子も、画面上のモデリングでは簡単にできます。 60分 2009/08/29

17 <最終課題:カフェインのモデリング> 2009/08/29 コーヒーやお茶等に含まれる。
主な作用は覚醒作用、脳細動脈収縮作用、利尿作用。医薬品にも使われ、眠気、倦怠感に効果がある 若干の依存性も持つが、その場合も害はわずかなもの 眠気防止薬、天然or合成? 2009/08/29

18 <カフェインの赤外線吸収スペクトル> 2009/08/29
カフェインの赤外線吸収スペクトルも、このように実測と良く合っています。赤外線吸収スペクトルは、このように複雑な分子の構造を同定(つまり、どんな分子構造であるかを決定)する方法です。実際には、経験的にどの位置がどの吸収(つまり、メチル基のC-H伸縮とか表現しますが)かはデータベースからわかっていますが、それを補助する形で計算で確認することができます。ここでは、一番波長が短い(波数が大きい)吸収は、ここの炭素と水素の伸縮であることがわかります。 2009/08/29

19 紫外・可視吸収スペクトル 赤外線吸収スペクトル 核磁気共鳴吸収スペクトル 2009/08/29
人間が眼で見える光(電磁波)の範囲の計算も可視吸収スペクトルの計算で出来ます。これは新しい染料をつくろうとした時に、合成する前にどんな色になるかを予測できるということです。マイクロ波より長いラジオ波の領域では、核磁気吸収スペクトル(NMR)というのがあって、赤外線吸収スペクトルよりも、もっと強力に分子構造の情報がわかりますので、分子構造を同定する手段としては、現在では赤外線より多く利用されています。 核磁気共鳴吸収スペクトル 2009/08/29

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