Presentation is loading. Please wait.

Presentation is loading. Please wait.

海野信也 北里大学病院長 日本産科婦人科学会医療改革委員会・委員長 「周産期医療の広場」

Similar presentations


Presentation on theme: "海野信也 北里大学病院長 日本産科婦人科学会医療改革委員会・委員長 「周産期医療の広場」"— Presentation transcript:

1 海野信也 北里大学病院長 日本産科婦人科学会医療改革委員会・委員長 「周産期医療の広場」 http://shusanki.org/
平成24年7月15日 大阪医科大学産婦人科医会 三曜会例会 産婦人科医療の自律的再生にむけて 海野信也 北里大学病院長 日本産科婦人科学会医療改革委員会・委員長 「周産期医療の広場」 

2 「自律」と「自立」 経済的意味での「自律」と「自立」 医療を進歩させるための自律的な取り組み 本日の主題
Professional autonomyという面では、産婦人科は先進的な取り組みを続けている

3 産婦人科における Professional autonomy
産婦人科診療ガイドラインの作成過程 「ガイドラインは現場の医師を縛る」のか? 学会・医会の共同事業 → 国内で最高の権威をもつ 推奨レベルの設定 コンセンサス形成 医師の裁量権を制限する危険 新しい考え方・新規技術の導入が困難になる危険 「ガイドラインは現場の医師を守る」のか? ガイドラインの作成過程でエビデンスの精査が行われる 玉石混淆のエビデンスの取捨選択が行われた後に、ガイドラインへの記載が行われる。 現場のコンセンサスの得られた診療水準が予めわかることになる。 素人であるマスコミ、裁判官等に理解してもらう根拠として使える。 添付文書記載をガイドラインにあわせることが可能になりつつある。 新しい考え方も、ガイドラインに記載されることで、導入が容易になるかもしれない。

4 産婦人科における Professional autonomy
産科医療補償制度 わが国最初のさまざまな問題点、限界を最初から抱えている制度 政治的導入決定・民間保険・運営組織 厚生労働省「医療事故調」導入の動きとの関係 医政局総務課医療安全推進室の介入 医療紛争専門弁護士等の介入 牽強付会的な「無過失補償」と「原因分析・再発防止」の同一組織運営 訴権制限ができない  「無過失補償」と「過失補償」の間の整理が不十分 専門家による「組織的な事例ごとのピアレビュー」がはじめて行われている

5 医療と原因分析・再発防止 「診療行為に関連した死亡の調査分析モデル事業」:日本医療安全調査機構: 産科医療補償制度:日本医療機能評価機構
診療行為に関連した死亡の死因究明と再発防止 解剖・分析・検証・公表 平成22年度 24例 平成23年度 32例 産科医療補償制度:日本医療機能評価機構 分娩に関連した重度脳性麻痺児の一部に対して補償  「無過失」補償 保険制度 カルテ等の資料の提出は保険加入の条件 患者側弁護士を含む第三者を構成員に含む 提出文書に基づく原因分析・再発防止対策の検討 個別分析結果の公表 平成22年 15例 平成23年 64例 平成24年 61例 「再発防止に関する報告書」 妊産婦死亡症例検討評価委員会:国立循環器病研究センター・日本産婦人科医会 日本産婦人科医会会員施設からの自発的届出制度 資料の提出は全くの自発的意思 専門家のみによる原因分析・検討 提出文書に基づく原因分析・再発防止策の検討 項別分析結果は当事者に通知。公表はしない 平成18-21年 後方視的検討 73例 平成22年以降 前方視的検討 44例 「母体安全の提言 2010」

6 産科が追求しているのは、産科医療の進歩であり、 診療行為関連有害事象の再発防止ではない
産科的予後の改善 児の神経学的後遺症の減少 妊産婦死亡の減少 産科的予後不良症例には、診療行為が関連しているものもあるが、全く関係ないもの、現代の医療水準では発生を防ぎ得ないものが沢山含まれている 医療水準に関する認識の共有 起こりうることについての認識の共有 社会全体 地域医療機関相互 医療機関内 診療科間・専門職間 予防策:1次予防・2次予防 早期発見策 発生時の適切な対応 発生時に適切な対応ができる体制 施設内 医療機関間 望ましくない結果の発生頻度によって対策は異なるのではないか(全くの私見) 100分の1:個別施設で対応 1000分の1:個別施設または地域連携で対応 10000分の1:地域連携で対応 または救済制度で対応 100000分の1:救済制度で対応 *事前説明はどこまで必要か?

7 産婦人科における地域連携 周産期医療システム 救急搬送受入基準の策定
都道府県ごと 周産期救急に関する施設間連携システム 救急搬送体制の整備 救急搬送受入基準の策定 消防法改正 「特殊救急」分野の受入基準の策定 ウオークインの救急症例への対応・一次二次救急のシステム整備が次の課題かもしれない。

8 経済的な側面:「自立」≠「自律」 「自立」?
産科は保険外診療であることで、診療側が価格決定権を確保している 本来はいちばん「自立」している診療領域 「産科医療崩壊」が社会問題化した2006年以降、産婦人科には大量の公的資金が投入されている 診療報酬改定 2006, 2008, 2010, 2012 出産育児一時金 2006, 2009 妊婦健診補助金 2009 産科医療補償制度 2009 産科医等確保・育成支援事業 2009 補助金依存体質からの脱却が望ましいが、「自立」にはほど遠い状況 自立する必要はあるか? いずれにしても、公的資金の投入及びその他の施策の成果と、継続の必要性の有無を示す社会的責任がある。

9 自 律 Professional Autonomy
自  律 Professional Autonomy 内部の論理に支配されて、社会的コンセンサス形成を軽視し、自らへの利益誘導を繰り返していると 例) 日本医師会・日本看護協会・財務省 専門家団体として社会的責任を果たしていないと評価されると 発信する情報が信用されなくなる 当事者能力を失う 実際に、社会的責任を果たせなくなる 正しいことを言っても、だれも聞かなくなる

10 自律的再生のために必要なこと 自己点検と評価 情報の開示 ゴールの設定 方向性の明示 経済的基盤の確保
社会に受け入れられ、実現可能で、内部で合意可能なゴール 方向性の明示 ロードマップを示す 経済的基盤の確保

11 産婦人科医療の ステークホルダー(利害関係者)は?
医療は公的 公的資金の投入:費用対効果の評価が必要になる 産婦人科医は15000人 患者は 子宮がん(18000人) 全体で数百万人か? 妊婦は年間100万人 患者・妊婦の家族は事実上全国民 家族の中にはだれか妊娠する可能性のある人がいる 産婦人科のステークホルダーとしては 医療提供側 患者 地方自治体・国 それ以外に、一般国民、マスコミも含まれる

12 産婦人科 何がおきてきたのか 年度 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 情勢・事件 国・行政の対応
産婦人科 何がおきてきたのか 年度 情勢・事件 国・行政の対応 産婦人科としての対応 2005 臨床研修制度2年目・福島県立大野病院事件 医師確保総合対策 日産婦学会理事長制・産婦人科医療提供体制検討委員会 2006 横浜市堀病院事件(看護師内診問題)・奈良町立大淀病院事件(母体脳出血・たらい回し) 診療報酬改定(ハイリスク分娩管理加算導入)・出産育児一時金35万円 2007 奈良未受診妊婦事例報道 医師の緊急派遣 「産婦人科医療提供体制検討委員会最終報告書」・「産婦人科サマースクール」開始・「Project 500」 2008 墨東病院母体脳出血事例 診療報酬改定(ハイリスク妊娠・分娩管理加算大幅増額)・地域医療計画改定・産科医療補償制度発足・厚生労働省医政局指導課:「救急・周産期医療等対策室」設置 「地域母体救命救急体制整備のための基本的枠組の構築に関する提言」 2009 新型インフルエンザ・直接支払制度問題 「産科医等確保・支援事業」・妊婦健診補助14回に・東京都スーパー周産期センター・民主党政権・出産育児一時金39万円+3万円・周産期医療体制整備指針大幅改定・ ・医療改革委員会・「産婦人科医療改革グランドデザイン2010」 2010 診療報酬改定・東京都母体搬送コーディネーター・HPVワクチン公費助成 2011 東日本大震災・福島第一原発事故 出産育児一時金受取代理制度導入・全都道府県に総合周産期母子医療センター設置・埼玉県母体搬送コーディネーター事業・東京都神奈川県広域母体搬送コーディネート事業試行開始 被災地支援・産婦人科医師派遣

13 産婦人科医療改革 これまでの道のり 2005年以来の学会のとりくみ
学会のあり方検討委員会 産婦人科医療提供体制検討委員会 女性医師の継続的就労支援のための委員会 将来計画委員会 産婦人科診療ガイドライン委員会 医療改革委員会 2007年4月12日:産婦人科医療提供体制検討委員会 最終報告書―わが国の産婦人科医療の将来像とそれを達成するための具体策の提言― 2010年4月22日:日本産科婦人科学会 産婦人科医療改革グランドデザイン2010 骨子 

14 日本産科婦人科学会の産婦人科医療に対する基本理念
「ゴールの設定」 2007年4月12日:産婦人科医療提供体制検討委員会  最終報告書―わが国の産婦人科医療の将来像とそれを達成するための具体策の提言― 日本産科婦人科学会の産婦人科医療に対する基本理念 我が国の産婦人科医療の質の維持、発展につくす。 女性の健康を多面的に支援する。 我が国の全出産に対して責任ある姿勢で臨む。 すべての女性が安全性、快適性を含めた適切な医療を受けられるような医療提供体制を構築する。 上記の目的のために、当面、以下の課題に重点的に取り組む。 すべての女性が一定水準以上の産婦人科診療を受けるために、会員教育と診療の基盤となる産婦人科診療ガイドライン作成を推進する。 医療事故関連の法律の整備及び医療紛争処理のための制度整備に積極的に取り組む。 産婦人科医師不足の解消の一助として、産婦人科医の就労環境改善に努力する。 女性会員が抱えている諸問題の解決に正面から取り組む。

15 「ゴールの設定」 2010年4月22日:日本産科婦人科学会 産婦人科医療改革グランドデザイン2010 骨子
「ゴールの設定」 2010年4月22日:日本産科婦人科学会  産婦人科医療改革グランドデザイン2010 骨子 グランドデザインにおける目標 20年後、90万分娩に対応する。 地域で分娩場所が確保されている。 病院において労働関連法令を遵守した医師の勤務条件が確保されている。 女性医師がそのライフサイクルに応じた勤務形態で継続的に就労することが可能になっている。 産婦人科医及び助産師不足が発生していない。 世界最高水準の産婦人科医療提供が安定的に確保されている。

16 日本産科婦人科学会 年齢別会員医師数 2011年12月現在
日本産科婦人科学会 年齢別会員医師数 2011年12月現在

17 「自己点検と評価」 日本産科婦人科学会 年度別入会者数(産婦人科医) 2012年3月31日現在

18 「自己点検と評価」 外科系学会新入会員の推移 年と比較して、 年には新入会員が25%減少した。臨床研修制度開始後、病院の医療現場から、若手外科系医師が6160名減少した計算になる

19 「自己点検と評価」 日本産科婦人科学会 卒業年度別会員数(産婦人科医) 2012年3月31日現在

20 「自己点検と評価」 年齢層別 月間在院時間 当直体制のある一般病院
「自己点検と評価」 年齢層別 月間在院時間 当直体制のある一般病院 2008年 日本産科婦人科学会調査

21 「自己点検と評価」 分娩施設に勤務している割合
日産婦学会 女性医師継続的就労支援委員会2007年調査

22 「自己点検と評価」 日本産科婦人科学会 産婦人科動向 意識調査 「全体としての産婦人科の状況」
「自己点検と評価」 日本産科婦人科学会 産婦人科動向 意識調査 「全体としての産婦人科の状況」

23 「自己点検と評価」 都道府県別の直近6年間の新規産婦人科専攻医数 (後期研修医)

24 「自己点検と評価」 地域別の直近6年間の新規産婦人科専攻医数 (後期研修医)
年間500人のレベル

25 「自己点検と評価」 地域別の新規産婦人科専攻医数の推移 (人口10万対)

26 「自己点検と評価」 都道府県別 新規産婦人科医数の推移(1)
「自己点検と評価」 都道府県別 新規産婦人科医数の推移(1)

27 「自己点検と評価」 都道府県別 新規産婦人科医数の推移(2)
「自己点検と評価」 都道府県別 新規産婦人科医数の推移(2)

28 「自己点検と評価」 都道府県別 新規産婦人科医数の推移(3)
「自己点検と評価」 都道府県別 新規産婦人科医数の推移(3)

29 「自己点検と評価」 都道府県別 新規産婦人科医数の推移(4)
「自己点検と評価」 都道府県別 新規産婦人科医数の推移(4)

30 「自己点検と評価」 都道府県別 新規産婦人科医数の推移(5)
「自己点検と評価」 都道府県別 新規産婦人科医数の推移(5)

31 方向性の明示 2010年4月22日 日本産科婦人科学会 産婦人科医療改革グランドデザイン2010:骨子
方向性の明示 2010年4月22日 日本産科婦人科学会 産婦人科医療改革グランドデザイン2010:骨子 産婦人科医師数:年間最低500名の新規産婦人科専攻医を確保する。 助産師数:助産師養成数を年間2000名以上まで増員する。 助産師養成システムの再検討を行う。 助産師がすべての分娩施設で分娩のケアにあたる体制を整備するため、特に診療所への助産師の配置に対してincentiveを付与する。 勤務環境: 分娩取扱病院:勤務医数を年間分娩500件あたり6-8名とする。 月間在院時間240時間未満を当面の目標 産科診療所: 複数医師勤務、助産師雇用増等により、診療所医師の負担を軽減、診療規模の拡大を志向 地域周産期医療体制: 診療機能及び妊産婦・患者のバランスのとれた集約化と分散により、安全、安心、効率化の同時実現を目指す 施設間連携を強化し、周産期医療における安全性の向上を図る 麻酔科、新生児科、救急関係諸診療部門を擁し、施設内連携が良好な周産期センターを中心とした周産期医療システムを各地域に整備 分娩管理の効率化と多様性を確保するため分娩数全体の2分の1から3分の2を産科診療所または産科専門施設で担当 診療ガイドラインの作成やその普及等により周産期医療の標準化を推進し、周産期医療の質の向上に寄与する。 上記施策を5年間継続し、成果を確認した上で、計画の再評価を行う。

32 4年前に比較し、医師数は1.4人増加、月の当直回数は0.5回減少、6割近くに分娩手当金があるが、月平均在院時間は300時間以上。
  2007年、2008年、2009年、2010年全国アンケート調査との比較 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 対象施設 1,281 1,177 1,157 1,142 1,118 有効回答(%) 794 (62.0) 853 (72.5) 823 (71.1) 769 (67.3) 754 (67.4) 分娩数 1施設あたり 446.3 474.8 499.8 498.3 507.0 常勤医1名あたり 98.4 98.3 88.9 90.9 85.9 1施設あたりの医師数 常勤医 4.5 4.9 5.6 5.5 5.9 非常勤医師 1.5 1.9 2.0 推定平均在院時間(1カ月) NA 317 314 304 当直 回数(/月) 6.3* 6.0 6.3 5.8 翌日勤務緩和(%) 58(7.3) 142 (16.7) 156 (19.0) 156 (20.3) 163(21.6) 手当増額(%) 73 (9.2) 124 (14.5) 144 (17.5) 130 (16.9) 分娩手当(%) 61 (7.7) 230 (27.0) 339 (41.2) 416 (54.1) 427(56.6) 特殊手当(%) 41 (5.2) 110 (12.9) 143 (17.4) 154 (20.0) 139(18.4) ハイリスク加算の還元(%) 5 (0.6) 66 (7.7)   39 (8.2)**   42 (9.5)** 47(10.3) * 2006年度定点調査より換算 NA: not applicable. **ハイリスク加算の請求がある施設における頻度 4年前に比較し、医師数は1.4人増加、月の当直回数は0.5回減少、6割近くに分娩手当金があるが、月平均在院時間は300時間以上。 中井章人先生ご提供 日本産婦人科医会勤務医部アンケート2011.7

33 産婦人科医は増えているのか?

34 医師・歯科医師・薬剤師調査 主たる診療科が産婦人科+産科の医師数 全体・年齢別推移(平成8年ー22年)

35 医師・歯科医師・薬剤師調査 主たる診療科が産婦人科+産科の医師数 男性・全体・年齢別推移(平成8年ー22年)

36 医師・歯科医師・薬剤師調査 主たる診療科が産婦人科+産科の医師数 女性・全体・年齢別推移(平成8年ー22年)
こういう表面的な分析では、実態はわからない

37 医師・歯科医師・薬剤師調査 主たる診療科が産婦人科または産科の医師数の変化 都道府県別・平成22年と平成18年の比較

38 医師・歯科医師・薬剤師調査 主たる診療科が産婦人科または産科の医師数の変化 病院勤務・都道府県別・平成22年と平成18年の比較

39 医師・歯科医師・薬剤師調査 主たる診療科が産婦人科または産科の医師数の変化 診療所勤務・都道府県別・平成22年と平成18年の比較

40 都道府県別の直近5年間の新規産婦人科専攻医数 (後期研修医)

41 都道府県別 初期臨床研修マッチング者数と 産婦人科専攻医数の関係
都道府県別 初期臨床研修マッチング者数と 産婦人科専攻医数の関係 Y= X R2=0.537 P<0.001

42 産婦人科医療再建 新たな課題 産婦人科では、「医師の地域偏在」が進行しつつある 産婦人科医の地域偏在にどのように向き合うか 偏在の連鎖
産婦人科医療再建 新たな課題 産婦人科では、「医師の地域偏在」が進行しつつある 産婦人科医の地域偏在にどのように向き合うか 偏在の連鎖 初期研修医の地域偏在 定員数 マッチング者数 産婦人科専攻医の地域偏在 産婦人科医の大都市集中 どのような打開策が考えられるか? 経済的な利益誘導には限界があるかもしれない 大都市から?  地方から? 「撒水器方式」「噴水方式」「分散育成方式」 山梨県方式

43 産婦人科医の育成方式(1) 産婦人科の門戸自体を狭くしてしまう危険がある 散水器方式 Pro 地域間のバランスをとりやすい。
各地域での専攻医数を均てん化できる。 安定的な医療体制の構築ができる Con 新規専攻医にとっての門戸が狭くなり、産婦人科志望者が減少する可能性がある。 大都市でも専攻医確保が困難になる危険性がある。 専攻医研修の段階でのマッチング:当事者の希望をききながら、地域間のバランスを考慮し、適正配置を行う 産婦人科の門戸自体を狭くしてしまう危険がある

44 産婦人科医の育成方式(2) 大阪の増加は止まったのかもしれない。「東京への一極集中」という認識の方が正確かもしれない 噴水方式 Pro
大都市集中という現状からの連続性を描きやすい。 東京・大阪に限定していては、医局所属でない産婦人科医が、安定した常勤職を確保できない。 専門医のためのJOBNETが必要ではないか。 Con 東京・大阪で専攻医研修を行った医師は、地方勤務を忌避することが多い。 地方では、症例数が限定され、指導医が少ないため、専門性を高めることが難しい。 地方では研修機会を確保しにくい。 地方では、将来の開業の展望が開けにくい。 専門医取得後の再マッチング:東京・大阪等の大都市で専門医になり、その後、各地域で臨床経験をつみつつ、専門性を高めていく。 大阪の増加は止まったのかもしれない。「東京への一極集中」という認識の方が正確かもしれない

45 産婦人科医の育成方式(3) Pro 分散育成方式 地域と指導者の特殊性、適性を生かした展開ができる。
都道府県を超えたブロック内での競争、連携により、全体としての研修環境を確保する。 安定した常勤職確保を行いやすい。 地域での専門性を生かした開業の道が開ける可能性がある。 Con 各施設の指導者の資質に依存しており、指導者の負担が大きい。 専門性を高めることが、施設の収益に直結しない場合がある。 大規模病院にすべての診療領域の医療提供を期待する地域住民の要望に応えられない場合がある。 分散育成方式 各研修指導施設が、地域内で施設の特色を生かしバラエティに富んだ魅力ある専攻医プログラムを提示することによって、専攻医確保を行う。

46 毎日新聞 2012年2月1日 地方版 産婦人科医不足:解消へ、県内7病院が統一研修 幅広い経験、可能に--来年度から /山梨
毎日新聞 2012年2月1日 地方版 産婦人科医不足:解消へ、県内7病院が統一研修  幅広い経験、可能に--来年度から /山梨 「一人でも多く確保」 深刻な産婦人科医不足の解消に向け、山梨大医学部付属病院など県内7病院が来年度から、統一した研修プログラムを設置し、これまで病院ごとに募集していた研修医を一括して受け入れることになった。各病院が得意とする分野を研修医が幅広く経験できる利点があり、大都市に集中しがちな研修医を呼び込むのが狙いだ。【曹美河】 研修先を自由に選べる新臨床研修制度が04年に導入されて以降、全国的に研修医の地方離れが進み、県内の受け入れも低迷。特に産婦人科志望は全体数が少なく、現在県内の研修医は4人だけだ。一般的に研修後は受け入れ先の都道府県にとどまることが多いため、まずは研修医の確保が大きな課題となっている。 今回、統一プログラムを設置したのは、県内で産婦人科を持つ同大付属▽県立中央▽市立甲府▽国立病院機構甲府▽甲府共立▽山梨赤十字▽富士吉田市立の全7病院。 現行のように1カ所の病院で3年間学ぶシステムでは、技術や経験に偏りがでてしまう懸念があった。新プログラムでは、3年間のうち同大付属と県立中央で1年ずつ研修、残る1年は5病院のいずれかで学ぶ。難しい症例が集まる同大付属や、高度な周産期医療が学べる県立中央、分娩数が年間800以上と県内最多の市立甲府など、それぞれの病院の特性を生かし、幅広く学べる環境をつくるという。このほか診療所での研修も検討中だ。 来年度からの運用に向け1月17日、7病院と県、山梨産婦人科医会の代表者が集まり、「産婦人科専攻医研修プログラム管理委員会」を発足。県の地域医療再生基金から助成を受け、具体的なプログラムの策定や全国への周知活動を進める。 管理委員会責任者を務める同大医学部付属病院の平田修司医師は「全病院が連携できるのは小規模県ならではで、全国にも例がない。地域の産科医療をこれ以上崩壊させないために、魅力的な研修内容で一人でも多くの研修医を確保したい」と話している。

47 JSOG-JOBNET 「産婦人科研修プログラムのページ(仮称)」の 開設に関する提案
2012年2月25日 JSOG-JOBNET  「産婦人科研修プログラムのページ(仮称)」の 開設に関する提案 医療改革委員会

48 産婦人科の研修環境を初期研修医・産婦人科専攻医等に周知する必要性について
産婦人科専攻医の地域偏在、特に一部の大都市集中の状況が持続すると、今後、各地域の産婦人科医療提供体制の確保が困難になることが懸念される。 全国の産婦人科研修指導施設等の産婦人科関係の研修プログラムに関する情報は、それぞれの施設のウェブサイト等では公開されているが、他の施設や地域の医学生、初期研修医、専攻医等で、その施設自体についての知識がない場合は、アクセスできない可能性がある。 研修指導施設にとっては、各地域の研修指導施設等の産婦人科関連の研修プログラム情報が、地域で研修を行うことを希望する医師に適切に提供される体制を整備することにより、情報不足による、不必要な地域間の異動を防ぐとともに、潜在的な求職者、研修希望者の掘り起こしにつながることが期待できる。 若手医師にとっては、全国の特色ある研修プログラム情報の提供を受けることによって、希望する研修を受ける機会が拡大することが期待できる。

49 「産婦人科研修プログラムのページ(仮称)」 企画案
対象:産婦人科関連の研修を希望し、研修先を探している医学生、初期研修医、産婦人科専攻医、産婦人科専門医等 方法: 広報委員会JSOG-JOBNET事業の一環として、日本産科婦人科学会ウェブサイトの一般用のページに、「産婦人科研修プログラムのページ」を開設する。 全国の会員、研修指導施設等を対象に募集を行い、情報提供を受けた産婦人科に関連する種々の研修プログラム、研修会に関する情報を、カテゴリー別にわかりやすく、検索しやすい形で掲載する。 「産婦人科研修プログラムのページ」には、それぞれのプログラム名とそのURLを表示するとともに、種々のカテゴリー、キーワードで検索できるようにページの設計を行う。

50 「周産期医療の広場」施設検索

51 「周産期医療の広場」ページビュー状況 PC版

52 新たなMAPについて(案) 総合周産期母子医療センターの診療機能 地域周産期母子医療センターの診療機能 産科診療所の診療機能
MFICUの病床数 NICU病床数 産科医数・小児科医数 地域周産期母子医療センターの診療機能 MFICUの有無・病床数 産科診療所の診療機能 緊急動脈塞栓術が可能な医療機関 産婦人科研修指導施設とその研修カリキュラム 周産期専門医指導施設とその研修カリキュラム 新生児脳低温療法が可能な医療機関 NICU2 算定医療機関 PICU設置医療機関 産婦人科 一次・二次・三次救急医療体制 小児科 一次・二次・三次救急医療体制

53 喫緊の課題 「産婦人科はなんとかなった」感がもたらす弊害 平成23年度の産婦人科新規専攻医数の減少 いわゆる「勝ち組」でおきていること 一部の国立大学病院における分娩手当の廃止 沖縄県の対応の問題 東京都の分娩手当支給中止 周産期医療への国からの補助金が削減される可能性 「医療提供体制推進事業費補助金」 70%交付という説明 産科医療補償制度 制度に対する反発と擁護 制度改革の必要性 女性医師の勤務状況について、新しいデータが必要 補助金に依存し、それを当然視する姿勢では将来への展望が開けない。補助金を活用しつつ、社会に開かれた姿勢を堅持し、自律的に早期の自立を目指す必要がある。

54 謝 辞 本日は講演の機会を与えていただき、本当にありがとうございました。 今後ともご指導よろしくお願い申し上げます。
謝    辞 本日は講演の機会を与えていただき、本当にありがとうございました。 今後ともご指導よろしくお願い申し上げます。 本日の講演資料は、ウェブサイト「周産期医療の広場」にupする予定です。ご活用いただければ幸いです。


Download ppt "海野信也 北里大学病院長 日本産科婦人科学会医療改革委員会・委員長 「周産期医療の広場」"

Similar presentations


Ads by Google