Download presentation
Presentation is loading. Please wait.
Published byGrethe Ravn Modified 約 5 年前
1
GeneratorのX線スペクトル解析 私は、generatorのX線スペクトルを測定し、解析をしました。 宇宙物理実験研究室 星 理沙
2
1.目的 カロリーメータ測定においてX線発生装置は不可欠。 →X線発生装置から出るX線スペクトルを測定。 ・ターゲットからの輝線強度
・カロリーメータで予測されるカウントレート を調べる。 X線検出器 ・CdTe半導体検出器 X線発生装置(Generator) ・Manson社製 Model3B(軟X線発生装置) ・OXFORD製 series5000(硬X線発生装置) X線検出器であるカロリーメータのテストを行なう際、X線発生装置を使います。 その時、X線発生装置からどのようなスペクトルのX線がどれだけでているかわかっている必要があるのでそれを測定し、ターゲットからの輝線強度、カロリーメータで測定されると予測されるカウントレートを調べました。 使うX線検出器はCdTe半導体検出器で、X線発生装置は軟X線を発生するManson社製Model3Bと、硬X線を発生するOXFORD製series5000を使います。
3
2.CdTe半導体検出器 ・Detector size : 2mm×2mm ・Be窓の厚さ: 12.6μm ・Z : Cdが48、Teが52
X線が入射してくると、荷電子帯にある電子がエネルギーギャップ分のエネルギーを得て伝導体に移動します。このときに電子正孔対ができ、かけられた印加電圧により移動します。これを捕獲し電気信号として検出します。 検出器の大きさは面積が4ミリ平方メートル、厚さが1mmで、この前には厚さ12.6μmのBe窓がついています。 カドミウムとテルルのそれぞれの原子番号は48と52で、原子番号が大きいため、入射してきたX線をもらさず捉えることができるようになっています。 動作温度は250Kです。 CdTe検出器で測定したデータは、エネルギーのかわりにチャンネルという形で検出されます。その為、測定する前に、MnKαとAgKαを測定しそれによりチャンネルからエネルギーへの補正を行ないます。 右の図がMnKαとAgKαのスペクトルを重ね合わせたものです。 ・Detector size : 2mm×2mm ・Be窓の厚さ: 12.6μm ・Z : Cdが48、Teが52 ・検出器の厚さ:1mm ・動作温度:250K CdTe半導体検出器
4
3.X線発生の仕組み X線検出器 X線発生装置 HV(高圧) 1次ターゲット ・制動放射 高速電子 ・1次ターゲットの特性X線 フィラメント
X線発生装置の中にはフィラメントというものがあり、これと1次ターゲットの間に、高圧をかけ、フィラメントにemission電流を流すと電子が高圧により加速され、高速電子として放出されます。 これが、1次ターゲットである物質にあたると、電子と1次ターゲットの物質が相互作用をし、連続成分である制動放射線と1次ターゲットの特性X線が出ます。 検出器はこれらのX線を検出します。 emission電流 X線検出器 X線発生装置
5
4.Manson generator Manson社製 Model 3B(軟X線発生装置) ・HV:1.5~10kV
・emission 電流:1mA以下 ・1次ターゲット:Ti(TiKα:4.51keV、TiKβ:4.93keV) ・真空度:2×10-6Torr まずManson generatorでの測定を行いました。 これは高圧1.5~10kVをかけられ、軟X線を発生する装置で、1次ターゲットにはチタンを使っています。Manson generatorは真空度を2×10-6Torr以下にして使います。 CdTe検出器との接続は図のようになっています。その距離は381mmとなっており、図の水色の部分の169mm分が空気で灰色の部分は真空になっています。
6
5.測定結果 測定条件 測定時間:300秒 空気:169mm Be: 42.6μm HV:3,4,5,6,7kV HV:7kV mm
左上のグラフがスペクトルの例です。ここがTiKαの線で見えていますが、TiKβの線は見えていません。 右上のグラフが、Be42.6μmと空気169mmの透過率で、このグラフで左上の測定されたスペクトルを割ると透過率補正ができて、左下のグラフのようになります。 X線のエネルギーが1.5keVのところで透過率が0になっているので透過率補正後のグラフは1.5keVあたりで発散しています。その為、カウントレートを計算するときは2.5keV以上を抜き出します。
7
6. 考察 1.03 0.05 全体:2.5~15keV TiKα:3.9~4.7keV カロリーメータは
・Detector size:0.3mm×0.3mm ・コリメーター:0.2mmφ ・距離:40cm にして測定したとする。 (2.5~15keVの範囲を抜き出し) カウントレートを求めました。 1次ターゲットから出るカウントレートは左のグラフのようになります。 カロリーメータで測定されると予測される全体のカウントレートとTiKαのカウントレートをグラフにすると右の図のようになります。 カロリーメータではカウントレートが100count/s以下、特に1~10count/sになるのが好ましいので、TiKαをカロリーメータで測定する時には高圧6kVの時はemission電流を0.007mAかけ、7kVの時は0.003mAかけるのがいいということが分かります。 1mm2、1/4π、1mAあたり 6kV→全5.53count/s Kα0.53count/s 7kV→全5.1count/s Kα3.09count/s 全体:2.5~15keV TiKα:3.9~4.7keV
8
7.OXFORD generator フィラメント X線 電子線 1次ターゲット OXFORD製 series5000(硬X線発生装置)
・HV:4 ~50 kV ・emission 電流:0 ~1.0 mA ・1次ターゲット:Rh(RhKα:20.216keV RhKβ:22.723keV) ・Be窓の厚さ:125μm 次に、OXFORD generatorを用いて測定を行いました。これは高圧4~50kVをかけられる、硬X線を出すX線発生装置で、1次ターゲットにはロジウムが使われています。 (また、X線出射口にはBeが125μmついています。) CdTe検出器との接続は図のようになっていて、1次ターゲットと検出器の距離は380cmとなっています。 この写真の筒の部分がOXFORD generatorで図のような方向にX線が出ています。 X線 電子線 1次ターゲット
9
8.電流とカウントレートの関係 emission電流(mA) 0.005mA:黒 0.01mA:赤 0.015mA:緑 0.02mA:青
カウントレートは emission電流に比例する。 これは高圧を30kVに設定し、emission電流を変化させた時の結果です。 左上の図は、電流の違う4つのスペクトルを重ね合わせたものです。 0~40 keVの範囲を抜き出してカウントレートをグラフにすると右図のようになり、これからカウントレートはemiossion電流に比例していることが分かります。
10
9.HVとカウントレートの関係 Kαのカウントレートは に比例する。 E Ek:K核電子の電離エネルギー23.2keV
左上が測定されたスペクトルと透過率補正をしたスペクトルで、ここがRhKαで、ここがRhKβの輝線になります。 RhKαのカウントレートはこの式に比例します。 RhKαを抜き出して、そのカウントレートを両対数グラフにプロットすると、左の図のようになり、5/3乗に比例していることが分かります。 式は経験則。 に比例する。 E Ek:K核電子の電離エネルギー23.2keV E:HVで獲得する運動エネルギー(keV)
11
10.1次ターゲットでのカウントレート 測定条件 ・測定時間:300s ・空気:380cm ・Be:12.6μm
・emission電流:0.01mA ・HV:15,20,25,30,35,40,45kV Enission電流を0.01mAに固定し、高圧を変えて測定したスペクトルを重ね合わせると左の図になります。RhKαの輝線は高圧を25kV以上にすると見られるようになります。 1次ターゲットから出ているX線の量をまとめると右のグラフのようになります。 1mm2、1/4π、1mAあたり 10keV以下の、連続成分の形状が変化しているのは、検出器が持つ低エネルギー側にtailを持ってしまう性質からくるもの。
12
11.カロリーメータにおけるカウントレート カウントレートを100count/s以下に 全体:6 ~70keV
カロリーメータでは ・Detector size:0.3mm×0.3mm ・コリメーター:0.2mmφ ・距離:50cm で測定したとする。 カウントレートを100count/s以下に カロリーメータのセットアップを ・HV:30kV ・コリメーター:0.1mmφ ・emission電流:0.005mA ・距離:50cm にするといいことがわかる。 右上の図がカロリーメータで測定されると予測される全体のカウントレートと特性X線RhKαを両対数グラフにプロットしたものです。 RhKαの輝線が十分に見られるためには30kVは必要であることがスペクトルから分かります。高圧30kVでカウントレートを100count/sに抑えるためには 直径0.1mmのコリメーターを付け、emission電流を0.005mA位にするのがよいことが分かりました。 30kV→全56.25count/s Kα4.625count/s カロリーメータの検出効率はほぼ100パーセント 全体:6 ~70keV RhKα:19.6~21.2keV
13
12.まとめ ●Manson generator(Ti Kα) OXFORD generator(Rh Kα)
ともにカロリーメータのテストに十分な強度の輝線を出すことが分かった。 ●広いエネルギー範囲の輝線を使って検出の性能を評価することができる。 Manson generatorとOXFORD generatorともに、カロリーメーターのテストに十分な強度の輝線を出すことが分かりました。 これらのデータから広いエネルギー範囲の輝線を使って検出の性能を評価することができます。
Similar presentations
© 2024 slidesplayer.net Inc.
All rights reserved.