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Published byGitta Schreiber Modified 約 5 年前
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CAVEを用いた仮想空間での ヒトの移動認知に関する研究 福岡工業大学 情報工学部 情報工学科 石原研究室 4年 14A1003 石原義大
情報工学部 情報工学科 石原研究室 4年 14A1003 石原義大 ~と題して、石原研究室所属、石原義大が発表いたします。
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発表内容 はじめに CAVEとは 実験 評価と考察 まとめと今後の研究 発表は、…の順に行います。
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1.はじめに(1) 研究背景 近年、一般の人も仮想空間を体験できる機会が増えている 実空間は仮想空間よりも狭い
狭い実空間でも広い仮想空間を移動したい はじめに、研究背景として近年、一般の方でもVRなどの仮想空間を体験できる機会が増えてきています。しかし、仮想空間は自由に広げられるのに対し、実空間には限界があります。ですので、実空間は仮想空間よりも狭いことが多いです。 そこで、限られた実空間で、より自由に仮想空間を体験できるようにしたいと考えました。そのために、仮想空間でヒトはどのように移動方向感覚を認知するのかを調査しました。次に、関連研究の紹介です。
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1.はじめに(2) 違和感の無い映像の作成 関連研究 仮想空間を歪めた映像を見せることでヒトの動きを制御[1]
問題点:映像が歪んでいることが分かる すでに、仮想空間を拡張するための研究が行われており、Qiらは仮想空間を歪めることで利用者に実空間に沿った動きをさせています。しかし、この方法では利用者が映像が歪んでいることに気が付いてしまいます。そこで私は、違和感の無い映像を作成することを目的といたしました。次は、研究に用いたCAVEの紹介です。 違和感の無い映像の作成 [1]Qi sun, Li-Yi Wei, Arie Kaufman, “Mapping Virtual and Physical Reality”, ACM Transactions on Graphics, Vol.35, No.4, pp.64:1-64:12, 2016.
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1.はじめに(3) 仮想空間の設定と利用者の感覚の差を利用 仮想空間でヒトはどのように移動を認知するのかを調査
違和感の無い映像の作成 仮想空間の設定と利用者の感覚の差を利用 仮想空間でヒトはどのように移動を認知するのかを調査 仮想空間での移動には直線と曲線がある 本実験は曲線について調査 すでに、仮想空間を拡張するための研究が行われており、Qiらは仮想空間を歪めることで利用者に実空間に沿った動きをさせています。しかし、この方法では利用者が映像が歪んでいることに気が付いてしまいます。そこで私は、違和感の無い映像を作成することを目的といたしました。次は、研究に用いたCAVEの紹介です。
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2.CAVEとは ●没入型立体表示システム 3D眼鏡を通すことで立体的な映像を見ることが可能 ユーザの動きに合わせて映像が切り替わる
そのことから没入型と呼ばれています。続いては実験についてです。 CAVEシステム 3D眼鏡
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3.実験(1) 仮想空間の設定と利用者の感覚の差を利用するため,仮想空間内で設定した角度と被験者から得られた角度に差があるのかを調べる
実験目的 仮想空間の設定と利用者の感覚の差を利用するため,仮想空間内で設定した角度と被験者から得られた角度に差があるのかを調べる 実験の目的は、仮想…ことです。実験の手順はまず、被験者に仮想空間内で曲がり道を進む映像を提示します。次に、その映像がどのくらいの角度を曲がったのかをアプリで回答してもらいます。そして、その手順を様々な条件について繰り返します。 右に見える図はアプリの実行画面です。このアプリはスマートフォン上で動いており、タッチすることで中心からその点までの赤い直線が、前の縦線から何度曲がっているのかを画面上部に表示します。この表示された角度からデータを取得します。では、曲がり道の映像、様々な手順の詳細は次のスライドで説明いたします。
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3.実験(2) 仮想空間内の曲がる通路を進む映像を提示 条件 ・半径 2m,3m,4m ・角度 135度,90度, 45度(左回り)
実験内容 仮想空間内の曲がる通路を進む映像を提示 条件 ・半径 2m,3m,4m ・角度 135度,90度, 45度(左回り) -45度,-90度, -135度(右回り) ・道幅 1.5m固定 実験の目的は、仮想…ことです。実験の手順はまず、被験者に仮想空間内で曲がり道を進む映像を提示します。次に、その映像がどのくらいの角度を曲がったのかをアプリで回答してもらいます。そして、その手順を様々な条件について繰り返します。 右に見える図はアプリの実行画面です。このアプリはスマートフォン上で動いており、タッチすることで中心からその点までの赤い直線が、前の縦線から何度曲がっているのかを画面上部に表示します。この表示された角度からデータを取得します。では、曲がり道の映像、様々な手順の詳細は次のスライドで説明いたします。 90度の例 通路映像の俯瞰図
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3.実験(3) 実験手順 立ったままの被験者に仮想空間内で曲がり道を進む映像を提示 どのくらい曲がったのかを回答してもらう
21~22歳の男性10名を対象に実験を行った 立ったままの被験者に仮想空間内で曲がり道を進む映像を提示 どのくらい曲がったのかを回答してもらう 様々な条件で手順1、2の繰り返し 曲がり道の通路は、上から見ると右の図のようになっています。合図とともに、開始地点から終了地点まで自動で映像が進むようになっています。条件である半径、角度、道幅は図のとおりです。本実験では半径が2m、3m、4mの3通り、角度が-135度…135度の6通り、道幅は1.5mの1通り、計18通りの条件を用意しました。また、被験者には2m、3m、4mの順に、角度はランダムに提示しました。 そして、これらを21、22歳の男性10名を対象に行いました。ですので、計180回分のデータを収集しました。それではその結果と評価、考察に移ります。 条件 ・半径 2m,3m,4mの順 ・角度 -135度,-90度,-45度 45度,90度,135度(ランダム順) 3半径 × 6角度 × 10名 = 180回
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3.実験(4) 実験風景 曲がり道の通路は、上から見ると右の図のようになっています。合図とともに、開始地点から終了地点まで自動で映像が進むようになっています。条件である半径、角度、道幅は図のとおりです。本実験では半径が2m、3m、4mの3通り、角度が-135度…135度の6通り、道幅は1.5mの1通り、計18通りの条件を用意しました。また、被験者には2m、3m、4mの順に、角度はランダムに提示しました。 そして、これらを21、22歳の男性10名を対象に行いました。ですので、計180施行のデータを収集しました。それではその結果と評価、考察に移ります。 実験中の風景
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4.評価と考察(1) 有意差あり 有意差あり 左回りの平均 設定角度の平均 90.00 取得角度の平均 81.43
設定角度の平均 90.00 取得角度の平均 81.43 [t(29) = 2.36, p = .05] 左回り 有意差あり 左回りの標準偏差 45度の標準偏差 6.49 90度の標準偏差 19.18 [f(9,9) = 8.69, p = .005] この図は、半径2mの時に取得したデータをグラフにしたものです。横軸が設定した角度、縦軸が被験者から取得された角度を表しています。また、正の値が左方向、負の値が右方向に対応しています。結果として、赤丸で囲んだ左方向の時には設定した角度と取得された角度に統計的に差があるといえました。この時の設定した角度の平均は90、取得された角度の平均は81.43で10度ほど小さくなっていることが分かりました。 有意差あり 半径2mの取得データ散布図
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4.評価と考察(2) 有意差なし 有意差あり 右回りの平均 設定角度の平均 -90.00 取得角度の平均 -81.61 右回りの標準偏差
設定角度の平均 -90.00 取得角度の平均 -81.61 右回り 有意差なし 右回りの標準偏差 -45度の標準偏差 14.25 -90度の標準偏差 26.10 [f(9,9) = 3.35, p = .05] この図は、半径2mの時に取得したデータをグラフにしたものです。横軸が設定した角度、縦軸が被験者から取得された角度を表しています。また、正の値が左方向、負の値が右方向に対応しています。結果として、赤丸で囲んだ左方向の時には設定した角度と取得された角度に統計的に差があるといえました。この時の設定した角度の平均は90、取得された角度の平均は81.43で10度ほど小さくなっていることが分かりました。 有意差あり 半径2mの取得データ散布図
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4.評価と考察(3) 半径3m、4m共に設定データと取得データの平均に有意差なし 隣り合った角度の取得データの標準偏差に有意差なし
これらは半径3m及び4mの時に取得したデータのグラフです。図の見方は先ほどのグラフと同様です。3m、4mの時については左方向、右方向ともに設定データと取得データの平均の間に有意な差はありませんでした。また、45度と90度といった隣り合った角度の取得データの標準偏差にも有意な差はありませんでした。 半径3m、4m共に設定データと取得データの平均に有意差なし 隣り合った角度の取得データの標準偏差に有意差なし
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4.評価と考察(4) 回る量が少なければ人に正確な認識をさせることが可能
半径2m ・設定角度よりも、感じた角度は小さかった ・小さな角度より大きな角度のほうが見える角度に ばらつきがあった ここまでの評価を踏まえた考察です。 最後にまとめと今後の研究についてです。 回る量が少なければ人に正確な認識をさせることが可能 回る量が多ければ認識のばらつきを利用して、仮想空間を実空間に合わせて形成できる
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5.まとめと今後の研究 まとめ ・仮想空間の拡張を目的とした研究 ・仮想空間内で道を曲がった時のヒトの移動方向感覚を調査
・違和感の無い歪んだ仮想空間の映像提供の可能性 今後の研究 まず、この研究は仮想空間の拡張を目的として行いました。そして、その実現に向けて、仮想空間内でのヒトの移動方向感覚を調査し、得られた結果から仮想空間の拡張への応用ができるとわかり、その可能性を感じることができました。 今後の研究は、実際に違和感の無い歪んだ映像を制作することです。可能性を感じられたことを受けて、その実現を目指します。また、本研究では曲がり道の時のみの実験を行ったので、直線の道ではどのように感じるのかなどを調べていきたいと思います。 ・違和感の無いヒトの制御を目的とした映像の制作 ・直線の道を進むときのヒトの移動感覚の調査
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ご清聴ありがとうございました 以上で終わります。ご清聴ありがとうございました。
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補足資料 角度取得アプリ はじめに、研究背景として近年、一般の方でもVRなどの仮想空間を体験できる機会が増えてきています。しかし、仮想空間は自由に広げられるのに対し、実空間には限界があります。ですので、実空間は仮想空間よりも狭いことが多いです。 そこで、限られた実空間で、より自由に仮想空間を体験できるようにしたいと考えました。そのために、仮想空間でヒトはどのように移動方向感覚を認知するのかを調査しました。次に、研究に用いたCAVEの紹介です。
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補足資料 回る量が多ければ認識のばらつきを利用して、仮想空間を実空間に合わせて形成できる 大きな角度について 例:90度の場合
設定角度90度をヒトは45度から135度と認識する 90度を認識する設定範囲は50度くらいから135度以上までと推定 ここまでの評価を踏まえた考察です。 最後にまとめと今後の研究についてです。 回る量が多ければ認識のばらつきを利用して、仮想空間を実空間に合わせて形成できる
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