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サーマルプローブを用いたイオン温度計測の新しいアプローチ

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Presentation on theme: "サーマルプローブを用いたイオン温度計測の新しいアプローチ"— Presentation transcript:

1 サーマルプローブを用いたイオン温度計測の新しいアプローチ
(機械学会関西支部第79期総会講演会、 平成16年3月17日、大阪府立大学) 松浦 寛人(阪府大)、道本 圭司(阪府大)

2 プラズマとは 電子とイオンが混合した電気的に中性の流体 一般に希薄で高いエネルギー状態にある 熱的には非平衡で外部との輸送が重要
プラズマの状態を把握するためにはその パラメーターの空間分布や時間変化の診断(計測+解釈)が重要

3 構成粒子(イオンや電子)のランダムな熱運動
プラズマの温度とは 構成粒子(イオンや電子)のランダムな熱運動 エネルギーの大小を表す(運動論的温度) エネルギーゲインとロスチャンネルの違いから、電子とイオンは一般に異なる温度を持つ。放電プラズマでは普通電子温度の方がイオン温度よりも大きな値を示す。 e Electric field Wall n i

4 既存の温度診断法 ・静電プローブ法 ・分光法 ・イオンセンシティブ プローブ ・電子温度を測定できる ・イオン温度は測定できない
・イオン温度を測定できる ・空間分解能が悪い ・イオンセンシティブ プローブ ・イオン温度を測定できる ・磁場の正確な情報が必要

5 本研究の目的 イオン温度分布の簡便な測定法の提案 と検証
ラングミュアプローブ(電流測定、LP)とサーマルプローブ(熱流測定、TP)との組み合わせで、電子温度とイオン温度の診断を行う

6 シースとは SHEATH PLASMA プラズマ中に挿入 された固体近くでは イオンと電子の密度 が異なる。 ION ELECTRON
非常に大きな電位 勾配(電場)が形成 される。

7 シース電位分布計算例 イオン 加速される 電子 反発される

8 シース電流の理論式(LP)

9 シース熱流束の理論式

10 シース電流と熱流の理論曲線

11 イオン温度推定法 プローブ電位を変えて測定を行う (1)電流―電圧特性(LP) 浮遊電位Φf、 (2)熱流束―電圧特性(TP) h(Ti)
         浮遊電位Φf、        電子温度Te (2)熱流束―電圧特性(TP)         h(Ti)

12 サーマルプローブの試作 Probe Tip Material Al Surface area [m2] Thickness [m]
Work function [eV]

13 直流グロー放電装置

14 熱流束のCalibration

15 熱流束の測定 ~圧力依存性~

16 イオン温度推定結果 ~Ar~ ・Φf=200(V) ・Iis=6.56×10-2[mA] ・Ti/Te~0.1
Ar 15[Pa] 1000[V] ・Φf=200(V) ・Iis=6.56×10-2[mA] ・Ti/Te~0.1

17 各種プラズマの比較 Arプラズマは他に比べて電子温度が低い。 アルゴン 窒素 ヘリウム ベース圧力[Pa] 15 15 25 浮遊電位[V]
各種プラズマの比較  アルゴン 窒素 ヘリウム ベース圧力[Pa] 15 15 25 浮遊電位[V] 200 300 300 イオン飽和電流[e-5A] 6.56 7.50 7.22 Ti/Te 0.1 Arプラズマは他に比べて電子温度が低い。

18 まとめ シースを通過してプラズマから固体へ流入する電流と熱流の理論式を導いた。 シース電流と熱流の測定からイオン温度を導く方法を提案した。
サーマルプローブ(T.P.1)を製作し、アルゴン、窒素、ヘリウムの3種類のガスで生成させたグロー放電プラズマに適用した。 グロー放電プラズマではイオン温度推定の結果Ti/Te~0であることが確認できた。 今後の課題としてイオン温度が高いプラズマにサーマルプローブを適用し、イオン温度の測定法としての有効性をさらに確かめる必要がある。


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