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血液透析患者の震災に対する備え(第二報) ~緊急離脱訓練を通して~

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Presentation on theme: "血液透析患者の震災に対する備え(第二報) ~緊急離脱訓練を通して~"— Presentation transcript:

1 血液透析患者の震災に対する備え(第二報) ~緊急離脱訓練を通して~
           ~緊急離脱訓練を通して~ 医療法人社団スマイル クレア焼山クリニック1)、医療法人社団スマイル 博愛クリニック2) ○永谷美子1)、藤井恵子1)、鎌田正彦1)、桐林慶1)、高杉敬久2)

2 は じ め に 地震多発地域に位置する我が国では、透析中の震災を想定した緊急離脱訓練が重要である。しかし、患者によって離脱時に必要な介助のレベルが大きく異なるため、現状に則したシステムを構築するための課題は多い。

3 目 的 震災時危機管理における今後の課題を明らかにするため、透析中の緊急離脱訓練を通して現状を把握する 。

4 対象 と 方法 当院で維持透析患者の52名に対し、個別に緊急離脱訓練を実施し、訓練に対する参加姿勢、理解度、手技、完遂度、訓練後の不安度をvisual analog scale(VAS)にて評価し、年齢、手指のつまみ力、 透析歴、シャント肢が利き手かどうか、との関連性について比較検討した。

5 患者背景 Sex(m/f) 34 / 18 (n=52) Age(yr) 68.3 ± 10.8 HD duration(yr)
5.7 ± 5.1 (0.4~24.3) DM/non-DM 28 / 24

6 緊急離脱訓練に用いたアイテム ハサミ 手指つまみ力の 測定機器
ダミーのシャント針チューブ(透析回路のオーバーフロー用チューブをリサイクルして使用) B&L Engineering社 Pinch Gauge (PG-30) A・V各1対の鉗子 ハサミ 実際の穿刺部位を模倣することの出来る ダミーのシャント肢

7 緊急離脱訓練についての評価表 10 10 スタッフによる 客観的評価 10 10 10 10 患者自身による 主観的評価 シャント部位:
シャント部位:                        利き手:          手指のつまみ力:      kg(ハサミ、クランプ使用側) <訓練参加への姿勢>  関心が無い            関心が薄い            まずまず熱心             非常に熱心 <手技的な理解度>  悪い                あまり良くない             良い                非常に良い <ハサミによるチューブカット作業の状況>  全く切れない         あまり上手く切れない        何とか切れる             上手に切れる <クランプ使用の状況>   全く扱えない         あまり上手く扱えない         何とか扱える            上手に扱える <完遂度>   全く不能            あまりできない              まずまずできる             完遂 <離脱訓練を受けた後の不安度>  非常に不安          やや不安が残る            やや安心できた         非常に安心できた 10 10 スタッフによる 客観的評価 10 10 10 患者自身による 主観的評価 10

8 緊急離脱訓練における各評価項目のVAS値
Mean±SD 10 9 各評価項目のVAS値 8 7.8±1.9 7.4±1.9 7 7.2±2.0 7.1±1.9 6.8±1.9 6 6.3±2.3 5 4 3 2 1 参加姿勢 手技理解度 カット手技 クランプ手技 完遂度 不安度

9 離脱訓練への参加姿勢 参加姿勢群別の不安度の改善値 17% 33% 50% 訓練後の不安改善度のVAS値 5.8±0.6 6.7±0.3
10 Mean±SD 17% 9 P<0.05 訓練後の不安改善度のVAS値 33% 8 5.8±0.6 6.7±0.3 7 6 50% 5 4 3 2 VAS値≧6.6 (非常に熱心である) 3.3 < VAS値<6.6(まずまず熱心である) VAS値≦3.3(関心が薄い) 1 n=43 n=9 参加姿勢の低い群 (VAS値<6.6) 参加姿勢の高い群 (6.6≦VAS値)

10 離脱訓練における完遂度 完遂度群別の各評価項目VAS値 17% 33% 50% 各評価項目のVAS値 10 9 8 7 6 5 4 3 2
完遂度VAS値≧8.0 (n=17) Mean±SE 完遂度VAS値<8.0 (n=35) P<0.0001 P<0.005 P<0.0005 17% 10 33% 9 各評価項目のVAS値 8 7 50% 6 5 4 3 2 VAS値≧8(介助不要) 1 3 < VAS値<8(要半介助) VAS値≦3(要全介助) 参加姿勢 手技理解度 カット手技 クランプ手技 不安度

11 年齢と各種評価項目との相関性 年齢と手技理解度の相関 年齢とカット手技の相関 年齢とクランプ手技の相関 ns 年齢 年齢 年齢 10 10
9 9 8 8 P<0.005 P<0.05 8 ns 手技理解度のVAS値 カット手技のVAS値 6 クランプ手技のVAS値 7 7 6 6 4 5 5 2 Y = * X; R^2 = .038 Y = * X; R^2 = .089 4 4 Y = * X; R^2 = .167 3 3 2 2 1 30 40 50 60 70 80 90 (才) 30 40 50 60 70 80 90 (才) 30 40 50 60 70 80 90 (才) 年齢 年齢 年齢

12 手指つまみ力と各種評価項目との相関性 つまみ力と手技理解度の相関 つまみ力とカット手技の相関 つまみ力とクランプ手技の相関 2 4 6 8
10 10 10 9 9 8 8 8 P<0.005 P<0.0001 P<0.05 手技理解度のVAS値 カット手技のVAS値 6 クランプ手技のVAS値 7 7 6 6 4 5 5 2 4 Y = * X; R^2 = .122 4 Y = * X; R^2 = .19 3 Y = * X; R^2 = .278 3 2 1 2 2 4 6 8 10 12 (kg) 2 4 6 8 10 12 (kg) 2 4 6 8 10 12 (kg) 手指つまみ力 手指つまみ力 手指つまみ力

13 利き手シャント、非利き手シャント群別の各種VAS値
P<0.05 Mean±SE ns 10 Mean±SE 10 8.2±0.3 手技理解度のVAS値 9 カット手技のVAS値 9 7.3±0.3 6.8±0.7 8 6.6±0.7 8 7 7 6 6 5 5 4 4 3 3 2 2 1 1 n=13 n=39 n=13 n=39 利き手シャント群 非利き手シャント群 利き手シャント群 非利き手シャント群 P<0.05 Mean±SE 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 P<0.05 Mean±SE クランプ手技のVAS値 7.7±0.3 完遂度のVAS値 6.3±0.8 6.7±0.3 5.8±0.6 n=13 n=39 n=13 n=39 利き手シャント群 非利き手シャント群 利き手シャント群 非利き手シャント群

14 ま と め 1) 緊急離脱の完遂度VAS値8以上の患者は、全体の約3割であった。 2)
3) 4) 緊急離脱の完遂度VAS値8以上の患者は、全体の約3割であった。 理解度、手技、完遂度は年齢、手指つまみ力との相関を認めたが、透析歴と有意な相関を認めなかった。 参加姿勢の高い患者群において、訓練後不安改善度のVAS値が、有意に高かった。 利き手にシャントがある患者では、手技、完遂度ともに低スコアであった。

15 考 察 1 自己離脱可能な患者、要介助患者について現状を把握できた。年齢、手指つまみ力、シャント肢が利き手かどうかが、完遂度に大きく関与していることが明らかとなった。

16 考 察 2 今後の課題として、全体の約七割を占める離脱時要介助患者について、関連要因を考慮した離脱方法を検討し、訓練計画の改善を行う必要があると考える。


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