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「予防の包囲網」の構築 講義その 21 本講義に関する追加の情報は、以下のスライドに設けられた右の各リンクボタンより参照可能です。 追加情報.

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1 「予防の包囲網」の構築 講義その 21 本講義に関する追加の情報は、以下のスライドに設けられた右の各リンクボタンより参照可能です。 追加情報

2 1. 目次 予防の包囲網という概念 予防の包囲網の構成要素 予防の包囲網の将来 スライド 2-5 スライド 6-13 スライド 14-20
注釈:本講義の目的は、科学者個人及び科学者コミュニティーの両者が生命科学の不正利用に対し、異なるレベルにおいて予防の包囲政策を効果的に講じるための多くの方法が存在していることを、受講生に紹介することである。

3 2. なぜ包囲網が必要か? 2001年以降、バイオセキュリティの重要性が高まっている。
2001年の事件(炭疽菌付着郵送物及び9月11日同時多発テロ)によりバイオセキュリティは生物テロリズム対策の文脈で発展し、実験室における不正アクセスの予防を目的としている。 生物テロリズムの脅威は過去の事例(オウム真理教(日本)、ラジニーシ(米)並びに炭疽菌郵送攻撃(米)からも確認できる。 (しかし、)生物テロリズムは21世紀の生命科学に伴う、唯一もしくは独占的な問題ではない。 注釈:急速に進歩する生命科学が国際安全保障に与える潜在的な影響の検討に関しては、本講義シリーズ、講義その6,14,15, 及び16を参照のこと。

4 3. 統合・同化理論 将来、生命科学の進歩に伴い、民事技術の軍事的転用を通じて国家の兵器計画として生物兵器が導入される可能性がある。
産業によるシーズ: 生物兵器の利用効果を高める新技術と能力 国家のニーズ:21世紀における「新らしい戦争」は「冷戦期における戦争と根本的に異なり」軍備の再編を要求する 新技術の利用可能性と軍事的利用価値の創出により新兵器の軍備化つまり、同化の可能性が生まれる。 注釈:統合理論の詳細に関しては、生物科学の国家的生物兵器計画への統合の歴史を検討した本講義シリーズ講義その2-6を参照。講義その16とその17は産業と軍事におけるシーズとニーズの問題を取り扱っている。 参考文献: Robinson, J. P. (2008) ‘Difficulties Facing the Chemical Weapons Convention’, International Affairs, 84 (2), 223–239. Available from

5 4. 多層的な脅威 脅威の要約 脅威の対処のための「中心点」は存在しない 生物テロ(非国家主体)による脅威、
兵物兵器の同化(国家)による脅威、 急速な進展を遂げる生命科学研究の知識の際限の無い普及に伴う潜在的脅威 脅威の対処のための「中心点」は存在しない デュアルスース性のある資材、情報及びその使用者は国際的、地域的、国内的、局地的及び個人レベルでの利用されており、それは同時に、その不正利用の可能性も同様のレベルで散在することを意味する。 注釈:ハーバード大学マシュー・メセルソン博士は現在生命科学が直面している問題を簡潔に表現した。「金属学、火薬、内燃機関、航空力学、電気学、核物理学、これまで全ての主要な科学知識は、平和利用だけではなく暴力的な目的に収奪されてきた。21世紀の主要科学として疑う余地の無い生物学においても、これはあてはまるのであろうか?」追加情報その1を参照。 追加情報1 追加情報2 追加情報3

6 5. 個人から国際社会 「新たな現実は非常に単純である。(脅威を予防するための)行動は、個人、局地、国家、地域、コミュニティ及び国際、公共、民間、政府並びに政府間という全てのレベルで必要となる。生物兵器問題の対処は個人から国際社会に広がる措置の名の下に実施されなければならない。」 Jez Littlewood 追加情報

7 6. 「予防の包囲網」 生物兵器の多層的な問題に対処するために個人と国際社会の多層的な取り組みを包括的に関係付ける必要がある。
識者達は(ピアソン、ダンドー、ラパート、国際赤十字)それを「予防の包囲網」と呼ぶ。 追加情報

8 7. 包囲網の目的 「現代生物学の不正利用を企んでいる行為者に、そのような努力とコストが多くの場面で割りに合わないことを説得すること」が多層的な包囲網を発展させる目的となる。 それでは、科学者個人を含む異なるレベルの行為主体が予防のために実施できる、特定の一連措置にはどの様なものが存在するのか? 引用文献: Danado, M. (2006) Bioterror and BioWarfare: A Beginner’s Guide, Oxford: One World Publications. (Dando, 2006: 129). Pearson, G. S (1993) Prospects for Chemical and Biological Arms Control: The Web of Deterrence. Washington Quarterly, Spring 16(2), Alternatively Pearson, G. S. (1998) The Vital Importance of the Web of Deterrence [Online] Department of Peace Studies, University of Bradford [Cited 15 June 2009]. Available from 追加情報1 追加情報2

9 8. 予防の包囲網 予防の包囲網 輸出規制 感染症の検知と予防 効果的諜報活動 教育と行動規範 バイオセキュリティとバイオセーフティ
国際的・国内的禁止事項の実施 科学研究の監視 注釈: 輸出規制:輸出規制はデュアルユース関連資材、生物剤および専門知識を非平和的目的において移転せず、「輸出が化学・生物兵器の開発につながらないように保障する」ことを目的に設置されている。 感染症の検知と予防:感染症の発生を検知、監視および対応するための効果的な枠組みは、生物・毒素兵器に効果に対する対応能力を高め、それらの兵器の効用を減少させる。これは、意図的な病原体の放出と感染症の自然発生の両方に対応できる措置であるため、公衆衛生における感染症の発生と対応能力の改善を追加的に強化することに資する。 国際的禁止の枠組み:1972年生物毒素兵器禁止条約や1925年ジュネーブ議定書といった国際的な禁止の枠組みとそれらの国内実施措置は科学者個人が生物・毒素兵器の設計・開発に着手することが無いように抑止・説得する機能を果たす。 脅威に関する効果的な諜報活動:懸命に解釈された効果的な諜報は効果的な政策の実施に向けて、また新たな問題を効果的に理解するために必要不可欠な要素である。 教育と行動規範:教育と行動規範は科学者コミュニティーにおいて生物毒素兵器禁止条約に関する理解を促進させ、生物兵器の開発能力が有るものに対して、抑止的な効果をもたらす。 バイオセキュリティとバイオセーフティ:これらの二つの措置は安全安心に平和的目的のための科学研究が実施されることを保証しており、バイオセキュリティは通常、実験室における病原体および毒素の管理、実験者の安全、資材管理と説明責任、資材移転セキュリティ、情報セキュリティおよび 、上記の多くの原則の基礎となっている一定の様式における研究計画の管理を含む。 科学研究の監視:デュアルユース研究(例えば、平和的目的と同時にその悪用のために利用可能な研究)を監視することは、生物・毒素兵器が国家の軍事システムへの統合・同化を最小化するために重要である。 BTWCの下において上記の諸要素がどの様に議論され、発展を遂げているかを、本講義シリーズの講義その9および10は説明している。

10 9. 輸出管理 輸出管理は「輸出取引を、化学・生物兵器の開発に寄与させないこと」を目的としている。
その対象は生物剤、装置、資材及び専門的技術を含む。 さらに、無形の知識も規制の対象となり、より複雑な判断基準が必要となる。 注釈:当該問題は本講義シリーズの講義18, 19 および 20において検討された。

11 10. 疾病の検知及び予防 伝統的な安全保障における要素ではないが、不可欠な要素である。
疾病発生の検知、監視及び対応のための効果的な枠組みは公衆衛生能力を強化するため生物・毒素兵器の効果を削減することが可能となる。 国際保健規則 (IHR2005) はある程度上記の目的に資するが、予防の包囲網におけるこの分野はさらなる発展が必要である。 注釈:バイオセキュリティと公衆衛生の調和に関しては本講義シリーズの講義その9および10を参照。 追加情報

12 11. 国際及び国内的禁止事項 BTWC及び1925年ジュネーブ議定書といった国際的禁止の枠組み並びに国内措置は生物毒素兵器の設計及び開発への個人的な協力を抑止及び阻止する効果を有する。 それら禁止事項を効果的に実施するためには、禁止の広範囲な実施と強制が必要がある。 注釈:生物兵器に対する国際的・国内的な禁止の枠組みの歴史的な検討は本講義シリーズ講義その7、8およびその20で紹介されている。

13 12. 効果的な諜報活動 賢明に解釈された効果的な諜報は良き政策の基礎の形成にとって、また新たな問題をよく理解するために不可欠である。
イラク問題で確認されたような諜報における失敗は、予防の包囲網を深刻に弱体化させる。 しかし、正確な諜報は生物兵器開発の予防に有効になりうる。 注釈: 諜報活動は、関連する科学・技術の進歩にも及ぶ。フィンク報告書(講義その14参照)における提言の後半は、科学分野に関する非科学者の意識啓発を含む。 参考文献: Petro, J. B., Plasse, T. R., and McNulty, J. A. (2003) ‘Biotechnology: Impact on Biological Warfare and Biodefense’, BioSecurity and Bioterrorism: Biodefense Strategy, Practice, and Science 1(3), pp Available from 追加情報

14 13. 教育及び行動規範 教育及び規範の実施は科学者コミュニティーのBTWCへの理解を高め、生物兵器の開発に従事できる能力がある者を抑止する機能を果たす。 多くの国において異なる教育と行動規範が存在している。 注釈:当該問題に関して、政府および科学者個人の責任は本講義シリーズの講義11, 12, 13 および 20において検討された。

15 14. バイオセキュリティ及び バイオセーフティ BTWCの文脈ではバイオセキュリティは一般的に「防護・監視を要する重要な生物材料の不正アクセス、紛失、盗難、濫用/悪用、流用、意図的な放出の防止」 と理解される。 バイオセキュリティおよびバイオセーフティの二つの措置は科学研究を安全・安心そして平和的目的の文脈においてのみ実施することを助ける。 注釈:冷戦の終結以降、生物工学の急速な進歩、重要な事件およびリーク、そして「バイオテロの脅威認識の高まり」は、相対的に新たな概念であるバイオセキュリティの概念とともに、もしくは少なくとも再定義されたバイオセキュリティの概念とともに、バイオセーフティの概念に関する政治的関心の再興をもたらした。 BTWCの下での2003年度の条約諸会合で検討され「バイオセキュリティ」の定義は、いくつかの締約国にとってはまったく新しい用語であった。(Tóth 2003: 151)。その他の締約国はバイオセキュリティを事前に認識していたが、BTWCの文脈においてはいくつかの競合する定義が並存していることが明らかとなった。 BTWCの文脈ではバイオセキュリティは一般的に「防護・監視を要する重要な生物材料の不正アクセス、紛失、盗難、濫用/悪用、流用、意図的な放出の防止」 と理解される。バイオセキュリティ措置は安全安心に平和的目的のための科学研究が実施されることを保証しており、バイオセキュリティは通常、実験室における病原体および毒素の管理、実験者の安全、資材管理と説明責任、資材移転セキュリティ、情報セキュリティおよび 、上記の多くの原則の基礎となっている一定の様式における研究計画の管理を含む。講義その9および10を参照。 参考文献: Roffey. R., and Kuhlau, F. (2006) ‘Appendix 14A. Enhancing bio-security: the need for a global strategy’, in SIPRI yearbook. Available from 追加情報1 追加情報2

16 15. 研究の監視 多くの場合、科学研究の何処から何処までが許容されるのか、若しくは禁止された研究であるのかを判断するのは困難である。
デュアルユース(つまり、科学研究が平和的目的において、同時に敵対的目的に利用可能であるという点) を理解すると、 研究の監視は国家の軍事的体系に生物毒素兵器が同化される可能性を最小化させる目的で重要となる。 注釈:当該問題に関して、政府および科学者個人の責任は本講義シリーズの講義11, 12, 13,14 および 16において検討された。 追加情報

17 行動規範及び教育からの学習とそれらの開発
16. 予防の包囲網における科学者の役割 教育と 行動規範 監視 バイオセキュリティとバイオセーフティ 行動規範及び教育からの学習とそれらの開発 予防の 包囲網 潜在的に悪用可能な研究の検討とその監視 注釈:国際的に合意された生物・毒素兵器に対する規範的原則をどのように科学者個人の行動を通じて実施できるかは本講義シリーズにおける講義その9、10、特に12そして13において検討された。 科学研究における警戒と保護の保障

18 17. BTWC 2011年 第七回運用検討会議への課題 第十二条は次のように述べる 続いて、
「前文の目的の実現及びこの条約の規定の遵守を確保するようにこの条約の運用を検討するため、この状役の効力発生の五年後に又は寄託政府に対する提案により締約国の過半数が要請する場合にはそれ以前に、スイスのジュネーブで締約国の会議を開催する。」 続いて、 「検討に際しては、この条約に関連するすべての科学及び技術の進歩を考慮するものとする。」 追加情報

19 18.第七回運用検討会議への課題 (i) 検証交渉:慎重論
「締約国および市民社会は1995年ー2001年にBTWCのAHG会合で検討された検証議定書に戻る事はできないし、それと同様に、条約の断続的若しくは部分的な実施、 そして1980年第一回運用検討会議から継続されている条約に関する理解の更新といった限定的な条約の進化を続けることもできない」(別の新たな方法が必要である) 「2009年の米国新政権の誕生によって、 いくらかの締約国および市民社会は1990年代のBTWCにおける課題(検証議定書の採択)に再び戻る危険がある。これは間違いである。」 注釈:本論文の著者は、2001年の第7回生物毒素兵器禁止条約運用検討会議において、検証問題を再考する場合に締約国が解決しなければならない多くの問題を列挙し、真摯な検討を行うための付属文書を提供している。スライドにおける追加情報を参照のこと。 追加情報

20 19. 第七回運用検討会議への課題 (ii) 検証交渉:楽観論
「検証議定書を欠いている現在、我々はBTWCの強化が政府の優先事項となるべきであると結論する。」 「我々は検証議定書を確保することがBTWC政府の主要目的となるべきであると結論する。我々は、BTWCにとって同議定書が必要不可欠であると(英国政府)が米国新政府を説得することを提言する。」 追加情報

21 20. BTWCの考察 2013年化学兵器禁止条約運用検討会議;
生物・化学兵器の国際的犯罪化に関するHarvard Sussex プログラムの取り組み (2001); 英国NGO-VERTICーによるBTWC国内実施のためのモデル法 追加情報1 追加情報2

22 参考文献と質問 参考文献 質問


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