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第2章 社会ネットワーク分析はどこからきたか
第1部 社会ネットワーク分析への招待 第2章 社会ネットワーク分析はどこからきたか Social Network Seminar
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内容 学問の発展サイクルー社会ネットワーク分析の科学社会学 プレ・パラダイム革命期ー社会ネットワーク分析の前史 パラダイム革命期
ポスト・パラダイム革命期
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学問の発展サイクルー社会ネットワーク分析の科学社会学
パラダイムの形成と科学者集団の生成 ○マーリンズにより示された科学発展の4段階 (1)パラダイム・グループ 少数の緊張に結びついたグループが問題意識、方法論を共有する段階 (2)コミュニケーション・ネットワーク 学者の間の定期的なコミュニケーションが形成される段階 (3)クラスター 科学者が独自のコミュニケーション・パターンに自覚的になり、共通の問題意識で学問領域を設定し始める段階 (4)スペシャリティー 専門分野として認知され、学会の結成と専門のジャーナル、学部の設置などによって、トレーニングとリクルートが恒常的になり制度化が進展する段階 ○インビジブル・カレッジ(≠パラダイム・グループ) 核となるような科学者のインフォーマルなコミュニケーション・ネットワーク
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学問の発展サイクルー社会ネットワーク分析の科学社会学
科学的移民の役割 「科学的移住」・・・パラダイム・グループにおいて重要な役割を果たす 科学の発展サイクル(右図) プレ・パラダイム革命期 パラダイム革命期 ポスト・パラダイム革命期 このサイクルは社会ネットワーク分析の 発展においても成り立っている →ならば、一般的パターンとともに、 どのような社会ネットワーク分析固有の パターンが観察されるのか?
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プレ・パラダイム革命期ー社会ネットワーク分析の前史
源流としてのグループ・ダイナミクス研究ーミシガン学派の果たした役割 グループ・ダイナミクスとは・・・ 個人から創発したそれ自体の実在性を持った社会的実在としての集団に注目し、集団の性質、集団の発達の法則、集団と個人の関係、集団と集団の関係、集団と制度の関係を、リーダーシップ、社会的勢力、社会的規範、地位、コミュニケーション、集団の雰囲気、社会的影響、伝播などに注目しながら社会調査や実験を含めた実証的アプローチによって研究するスペシャリティー 社会ネットワーク分析にとってグループ・ダイナミクス研究は先祖といえる ・グループ・ダイナミクスは社会ネットワーク分析に研究すべき問題群を譲り渡した(社会的 勢力・認知的なバランス・社会的影響など) ・グループ・ダイナミクス研究のなかで使用されたソシオメトリーの方法、グラフ理論は社会 ネットワーク分析の数学的、計量的な骨組みとなっている
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プレ・パラダイム革命期ー社会ネットワーク分析の前史
社会人類学の果たした役割ーネットワークとしての社会構造概念への注目 人類学には「構造モデル」というものがあるが、必ずしもネットワークに注目 したグラフ理論的なモデルではなく、群論的なモデルであった マンチェスター学派により社会構造がネットワーク的視点から定式化された マンチェスター学派・・・マンチェスター大学を中心としたイギリス流の社会人類学
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プレ・パラダイム革命期ー社会ネットワーク分析の前史
社会人類学の果たした役割ーネットワークとしての社会構造概念への注目 社会人類学で最も具体的にネットワーク理論の精緻化に貢献したのは、 ザイドマンとフォスターの閥に関する定式化である 閥(クリーク) 自民党の派閥のように、非常に密に結合した「凝集的な下位集団」 グラフ理論で定義すると、「すべての点からほかのすべての点に結合している」ような部分グラフのこと しかし、閥の定義が非常にきつかったため、2人はそれを改良 ネットワークの構成員がn人いて、それぞれの成員がn-k人との結合を持っているとき、それをk-プレックスとした
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パラダイム革命期 ハーバード・ブレイク・スルーーハリソン・ホワイトと俊英たち ハーバード学派の成し遂げた社会ネットワーク分析のブレイクスルー
①グラフ理論に代わり、圏論、群論、半群論などの数学を利用し、ネットワークの厳密な関係構造を表現した→ブロックモデル ②CONCORという列総半反復法アルゴリズムが開発された ブロックモデリングとは・・・ 複雑な社会関係のシステムを構造的に意味のある程度まで単純な構造に縮減し、それをブロックに分割、構造的なポジションを確定し、そのポジションのメンバーを同定すると同時に、ポジション間の関係を表すもの 中心性分析やクリーク同定アルゴリズムの開発など、様々な方法を生み出す契機となり、社会ネットワーク分析という新たなパラダイム転換を社会学にもたらした
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「権力/支配構造」という明確な対象の解析に向けて様々な方法が開発され、有用性が試された
パラダイム革命期 「組織論的転回」ー社会ネットワーク分析家たちのクリティカルな問題関心と冷静な視点 アメリカには地域権力構造の研究の伝統があり、支配構造の研究があったが 1950年代にはすでにピークを迎え、1980年代には研究自体は停滞していた 社会ネットワーク分析が登場することで、支配構造研究も活気づいた。 それは、社会人類学が支配構造の研究により力を得た、とも言える。 「権力/支配構造」という明確な対象の解析に向けて様々な方法が開発され、有用性が試された 兼任取締役ネットワークの研究
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パラダイム革命期 「組織論的転回」ー社会ネットワーク分析家たちのクリティカルな問題関心と冷静な視点
社会ネットワーク分析の本格的な台頭には「組織論的転回」が起こっている 対象となる社会空間を発見し、個人と組織の二重性、ネットワークの創発特性を十分に 認識したこの段階ではじめて社会ネットワーウ分析は自らのスペシャリティーの独自性を認識できるようになった こうしてハーバード大学での技術的革新と問題意識の「組織論的転回」を経て確立された社会ネットワーク分析は様々な領域の社会科学分野でその有効性が認められるようになり、統一的なスペシャリティーとしての地位を築いていった。
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ポスト・パラダイム革命期 社会ネットワーク分析の制度化 社会ネットワーク分析の制度化において主導的な役割を果たしたのは
バリー・ウェルマン率いるトロント学派である。 また、専門雑誌Social Networksが1980年に刊行され始め、社会ネットワー ク分析の論文はほぼそれに集約されるようになった。 バリー・ウェルマン ハーバード大学のハリソン・ホワイトの弟子で、トロント大学にてトロント学派とも言うべきセンターを形成している。 社会ネットワーク分析研究者の組織化の中心人物として活躍し、国際社会ネットワーク分析家ネットワーク(INSNA)の結成に力を注いだ。
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ポスト・パラダイム革命期 社会交換理論による合理的選択理論と 社会ネットワーク分析との結合
社会ネットワーク分析との結合 近年では、社会交換理論に基づく社会ネットワーク実験的な研究が社会ネッ トワーク分析と結びつき、新たな展開を見せている 社会交換理論とは・・・ 行動主義的なミクロな集団研究や構造主義的なマクロな集団構造の分 析をもとに、人間の行動を報酬とその交換過程ととらえて探求するアプ ローチ 社会交換理論は、合理的選択理論と社会ネットワーク分析とを結合する重 要な橋渡しを果たしている。
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ポスト・パラダイム革命期 社会交換理論による合理的選択理論と 社会ネットワーク分析との結合 この分野における競合する2つの学派
社会ネットワーク分析との結合 この分野における競合する2つの学派 ①グループ・ダイナミクス研究の盛んなアイオア大学の系統を引くグループ ②権力依存論に基づき、それを実験的なネットワーク構造の中で研究するグループ このように、勢力の行使に関する仮説を実験的に作った社会交換ネットワークで研究することは、通常経験的な分析でしか得られない知見を、コントロールされた実験的状況で検証でき、社会ネットワーク分析にとってはその理論・モデル野田統制を試すことができる点で貴重である。
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